育児・お世話

赤ちゃんの人見知りの原因と対策

赤ちゃんの人見知りはいつからいつまで続く?原因と対策!

赤ちゃんの人見知りの時期はいつからいつまで続くのでしょうか。早い赤ちゃんで生後3ヶ月~4ヶ月で始まる人見知りですが、赤ちゃんによって個人差があります。人見知りをしない赤ちゃんの発達やサイレントベビーの可能性、パパ見知りなど、赤ちゃんの人見知りの原因や対策を解説します。

赤ちゃんの人見知りとは?いつからいつまで原因や対策

赤ちゃんの人見知りは可愛いけれど、ママからすると育児を大変にさせる要素でもあります。ママやパパ、おじいちゃんやおばあちゃんなど多くの家族の愛情たっぷりに成長した赤ちゃんが、それまで笑顔で抱っこされていたのに突然抱ギャン泣きして、ママ以外の抱っこを拒否したらそろそろ人見知りが始まった可能性大!

赤ちゃんの人見知りがいつからいつまでなのか、時期や原因などを知ることで赤ちゃんの自然な成長を喜ぶことができます。ときにはパパにさえ人見知りする赤ちゃんの「人見知り」の行動について解説します。

人見知りの原因は赤ちゃんの「好奇心と恐怖の心の葛藤」が原因

昨日まではパパや祖父母はもちろん、はじめて会う人にすら笑顔で抱っこされていたのに、今日になって赤ちゃんが突然ママ以外の抱っこでギャン泣きしたり、ママにべったりで離れようとしなくなることがあります。この赤ちゃんの人見知りは何故起こるのでしょうか。

視力の成長により、人の見分けがつき始める

赤ちゃんが人見知りする理由に視力の成長が挙げられます。新生児の頃の赤ちゃんは視力が0.02程度で色も白と黒のモノクロカラーでしか見えません。その視力が発達してくるのが人見知りが始まる生後6ヶ月頃にあたります。

赤ちゃんの視力はいつから発達するのか、月齢ごとの成長に併せて解説します。赤ちゃんはママの顔が見えているのか、テレビやスマートフォンの赤ちゃんの視力への影響などを紹介します。

生後3ヶ月から生後4ヶ月では追視が始まり色も認識できます。ママの顔もしっかりと認識し笑顔を見せてくれるのもこの頃になります。そして一般的に人見知りが始まる生後6ヶ月になると視力は0.2程度に成長して「目が見える」状態となります。

感情の成長により、「近づきたいけど怖い」などといった葛藤が生まれる

また、視力が見える状態になる生後6ヶ月頃には赤ちゃんの感情も発達します。新生児の頃はシンプルな感情しかなかった赤ちゃんが「怖い」「楽しい」「触りたい」「嬉しい」など複雑な感情が芽生える時期でもあります。

初めて目が見える状態になった赤ちゃんは人や物もはっきりと認識してママ以外の人に対しては「誰だろう、ちょっと怖い、でも近づきたい!」という心の葛藤が赤ちゃんの人見知り行動に繋がります。毎日顔を合わせているはずのパパにさえ人見知りするのもこのような原因があります。

人見知りの赤ちゃんは好奇心と感受性が強い?赤ちゃんの心の葛藤

赤ちゃんが人見知りする理由については科学技術振興機構(JST)から研究結果が発表されています。

赤ちゃんの「人見知り」行動 単なる怖がりではなく「近づきたいけど怖い」心の葛藤
出典:国立研究開発法人 科学技術振興機構

この研究結果によると、人見知り行動は「接近」と「怖がり」の赤ちゃんの気質の強さが関係していると言えます。好奇心が強く人懐こい行動的な赤ちゃんほど、興味のある人に「接近したい」と思い、同時に初めての他人への認識で「怖い」と感じる豊かな感受性が「人見知りの原因」となっています。

人見知りの時期はいつからいつまで?早い赤ちゃんで3ヶ月から4ヶ月頃

赤ちゃんの人見知りは生後半年から1歳頃までに始まり2歳頃まで続きますが、これはあくまで平均的な時期です。生活環境や周囲の人間への関わり、赤ちゃん自身の成長には個人差があり早い赤ちゃんで生後3ヶ月から生後4ヶ月で人見知りが始まる赤ちゃんもいれば、逆に人見知りを一切しない赤ちゃんもいます

赤ちゃんの個人差を踏まえ、生後3ヶ月頃から1歳半頃までに始まり、3歳頃まで続くと考えましょう。この人見知りは一過性なので、赤ちゃんに会いに来た方には「今は人見知りの時期なので…」というような話しをすると親戚の方やたまに合う友人達にもショックを与えずに済みます。人見知り期間中も何度かコミュニケーションをとっていると赤ちゃんも可愛い笑顔を見せてくれるでしょう。

人見知りのピークは生後8~9ヶ月で後追いの時期と重なる

一般的に生後6カ月頃、早い子で生後3ヶ月ぐらいから始まる人見知りですが、ピークは生後8カ月・9カ月頃とも言われます。生後8ヶ月頃といえば、赤ちゃんの後追いが始まる時期であり、1日中ママの後をハイハイでついて回り、ママの姿が見えなくなると泣き、「ママじゃなきゃ嫌!」がもっとも激しい時期です。

人見知りと後追いのピークは大変ですが、両方とも「ママが好き!」「ママといるのが1番安心!」という赤ちゃんの信頼の証ですから、できるだけ応えてあげてください。

人見知りと保育園通いが始まる時期が重なると心配?

0歳児から保育園に入る赤ちゃんの中には、人見知りが激しい時期と入園時期が重なってしまう子もたくさんいます。本当にやっていけるのか、ママとしては大きな悩みの種となりますね。

はじめのうちこそ、ママと離れる不安、知らない場所で過ごす不安のせいで泣いてしまいますが、いつまでも慣れずにいる赤ちゃんはほとんどいません。

毎日通っているうちに、場所や先生の顔ぶれ、他の赤ちゃんの顔ぶれなど、徐々に知っていることが増えていくと、赤ちゃんの不安感はなくなっていきます。お家に帰ってきたら、離れていた分、たくさんぎゅーっとしてあげましょう!

人見知りの対策は「赤ちゃんから近づいてもらう」

赤ちゃんの人見知りは正常な発達の証拠で、「うちの子は人見知りが激しくて将来が心配なの」と感じる必要はありません。殆どの赤ちゃんが通る成長過程なので、暖かい気持ちで赤ちゃんの成長を見守りましょう。

しかし、おばあちゃんやおじいちゃん、ときにはパパにも人見知りをして困っているママは多いのではないでしょうか。原因を解決することで人見知りをある程度緩和することができます。科学技術振興機構(JST)の研究結果では

ことが分かっています。このことから「相手の目をよく見る好奇心が強い赤ちゃんほど人見知りが強い」傾向ということが分かります。このような赤ちゃんは相手が赤ちゃん以外に気をとられているときでも、赤ちゃんはよく相手のことを観察しています。

人見知りを改善するには「赤ちゃんと優しく何度もコミュニケーションを取り、赤ちゃんから近づいてもらう」ようにしましょう。興味を引くために赤ちゃんの嫌がることをしたり、無理に抱っこするのは絶対にやめてください。そのようなことをすると余計に嫌がり、姿を見るだけで泣きじゃくる可能性もあります。

赤ちゃんが相手に興味を示すまで優しく話しかけたり、遠くから様子を見るようにすると緊張や葛藤が和らぎ人見知りも緩和されます。

人見知りを緩和するにはママの行動も大切です。赤ちゃんはママと一緒にいるのが一番落ち着くので、ママから相手の説明をするのも効果があります。「この人は優しい人なんだよ」「この人がおじいちゃんとおばあちゃんなんだよ」と優しく赤ちゃんと会話をしましょう。

赤ちゃんはママの感情を感じ取ることが上手なので、話している時の感情も分かっています。「ママが安心する相手なら大丈夫だ!」と赤ちゃんが思うことで人見知りが改善します。

人見知りをひどくしないためにママ100%の生活をしないようにしよう

現代の核家族化が進んだ子育て家庭ではなかなか難しいところがありますが、24時間365日ママとずっと一緒の生活だと、赤ちゃんは人見知りが激しくなりやすいです。

パパがお休みの日には、ママは数時間でも一人で外出してみたり、逆にパパと赤ちゃんだけでおさんぽに出てみたり、とママ無しでもご機嫌で居られるように慣れていくことが重要です。

また、パパママの実家が近くなら、積極的におじいちゃんおばあちゃんと会うことも大切です。そうでなければ、地域の子育て支援センターなどのお出かけし、同じような月齢の赤ちゃん、少し年上のお兄ちゃん・、お姉ちゃん、そのママさんたち、保育士さんなどと触れ合う機会を設けましょう。

赤ちゃんはまだ免疫が弱いですし、暑さ寒さが厳しい時期には、外に出るのが億劫になりがちですが、なるべくたくさんの人と触れ合うようにすると人見知りは軽減されます。

パパ見知り対策は根気強いコミュニケーション

パパはショックを受けるかもしれませんが、赤ちゃんによっては「パパ見知り」をすることがあります。家族のために一生懸命働いているパパですが、赤ちゃんが起きる前に出社し、赤ちゃんが寝た後に帰宅する、このようなライフサイクルの方は要注意です。

パパ見知りの原因は赤ちゃんとのコミュニケーション不足です。赤ちゃんがパパと認識するまでには少し時間が必要ですが、気長に赤ちゃんといる時間を増やすように意識しましょう。仕事で疲れていても休日は赤ちゃんと過ごすなど、少しの工夫をすることでパパ見知りが直り赤ちゃんが満面の笑みを見せてくれるようになります。

赤ちゃんがパパ見知りを始めて、お風呂や抱っこを嫌がってギャン泣きされるというパパ、「パパ見知りは、いつからいつまで続くのだろう」と不安をお持ちの方へ、原因と対策をご紹介します。

パパ見知りが激しくショックのあまり、慌ててコミュニケーションを取るのは注意しましょう。ママがいいのに強引に抱っこしたり、ギャン泣きが止まらないのに無理なあやし方を続けるというのは「パパ嫌い」を加速させます。優しく赤ちゃんのペースで慣れてもらうようにすることが大切です。

人見知りをしない=発達に問題があるわけではない

人見知りが激しい赤ちゃんもいれば、全く人見知りしない赤ちゃんもいることから、人見知りは赤ちゃんの成長による個人差と言えます。人見知りが激しいのも不安ですが、逆に人見知りがないのもママとしては不安になるかもしれません。

ここで人見知りをしない赤ちゃんは発達の問題が疑われるのかどうかを説明します。人見知りは赤ちゃんの正常な発達を証明する成長過程の行動です。その行動がないからといってすぐに発達の問題があると疑われることはありません。

人見知りが一切なく周囲に笑顔を振り向巻く赤ちゃんも正常に成長していると言えるので、あくまで人見知りの有無や時期は「赤ちゃんの個人差」ということで説明ができます。

出典:www.youtube.com

しかし発達に問題があると疑われるケースも当然あります。発達に問題のある赤ちゃんは笑わないなど感情表現が乏しく、目を合わそうとしません。人見知りの有無だけでなく、そうした所見がないか今後の成長とともに、赤ちゃんの様子をよく観察していくことが大切です。

人見知りしな+「手のかからない赤ちゃん」はサイレントベビーの可能性も?

これらの特徴に当てはまる赤ちゃんをサイレントベビーと言います。サイレントベビーという言葉は近年使われるようになりましたが、昔から言われている「手のかからない赤ちゃん」がサイレントベビーだった可能性があります。

サイレントベビーになる赤ちゃんに共通しているのはママやパパなど親の愛情不足です。赤ちゃんが泣いているのを長期間放置すること、赤ちゃんと積極的にコミュニケーションを取ろうとしないことなどが原因となります。

サイレントベビーになった赤ちゃんは言語や感情の発達が乏しくなり、大人になっても生活やコミュニケーションにかかわる障害を持つ可能性が高くなります。

このサイレントベビーと人見知りは少なからず関係しています。人見知りをしない赤ちゃんは、ママやパパにとっては手のかからない存在。そのため、コミュニケーションを取らなくなると赤ちゃんがサイレントベビーになる可能性が高くなります。

赤ちゃんがサイレントベビーにならないためには、赤ちゃんとしっかり会話をして愛情をたっぷり注いでお世話することが大切です。

人見知りの有無は赤ちゃんの大切な「個性」

人見知りが激しい場合や、人見知りを全くしないからといって過度な心配をすることはありません。10人赤ちゃんがいれば、性格も10通りあり、社交的な子もいれば、人見知りが激しいからといってずっとママべったりのまま成長するとも限りません。

外出先などでお世話になっている方や親しい友人と会うことになったときにも赤ちゃんがギャン泣きして困ることがあると思いますが、イライラせずに赤ちゃんと優しく向き合いましょう。