赤ちゃんの抱き癖は問題あり?
赤ちゃんの抱き癖は治すべき?抱っこが与える成長への影響
赤ちゃんの抱き癖は悪い癖?泣いて抱っこを求めているのに抱っこしてはダメなの?赤ちゃんの抱き癖について不安や疑問を抱えている方へなぜ抱き癖は良くないといわれていたのか、抱っこが赤ちゃんにとってどれだけ大切なスキンシップなのか、大変な抱き癖生活を乗り切るための秘訣をご紹介します。
抱っこばかりしていると抱き癖がつくって本当?赤ちゃんが泣いて抱っこをせがむ理由
「赤ちゃんに抱き癖がつくと育児が大変になる」「泣いてすぐ抱っこするのは抱き癖がつくから良くない」といった話を聞くことがあります。「抱き癖」について話すのは比較的年配の人が多い印象です。
しかし、だからといって泣いて抱っこを求めているのに泣かせたままでは赤ちゃんが可哀想だし、泣くには何か理由があるはずでから、とりあえず赤ちゃんを抱っこしてしまうのが親心です。
抱っこばかりしていると本当に抱き癖はがついて育児が大変になるのでしょうか?抱き癖はつけない方がいいのでしょうか?
赤ちゃんの抱き癖ってどんなもの?
赤ちゃんの抱き癖とは「泣いたら誰かが抱っこしてくれる!」と泣いて抱っこを求める癖がついてしまうという理由からきています。
泣いている赤ちゃんを抱っこしてあげないと泣き止まなかったり、抱っこするまでずっとグズってしまうような状態が「抱き癖」といわれています。
赤ちゃんが泣く理由
赤ちゃんは泣くのが仕事といわれています。新生児期は特にお腹が空いた、オムツが濡れたなどの生理的な欲求や、暑さや寒さ、痛みや体調不良も泣いて訴えるしか意思表示の方法はありません。
また月齢が進むと寂しい気持ちや不安、パパやママに甘えたい!という精神的な欲求も泣いて意思表示するようになります。赤ちゃんは「泣く」という行動でパパやママとコミュニケーションを取ろうとしているのです。
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赤ちゃんが抱っこ好きな理由
赤ちゃんは直接触れ合い感じられる温かいぬくもりが大好きです。抱っこしてもらうとパパやママの心臓の音、声や表情を強く感じ守られている感覚を覚えとても安心できるのです。
赤ちゃんを抱っこしてあげると腕の中でうとうと眠ってしまったり、泣いていた赤ちゃんが泣き止んだりするのは安心感に包まれているからなのです。
赤ちゃんは生まれながらに泣いて不快感を伝え、抱っこというスキンシップで安心感を覚えるというパパやママとのコミュニケーションを求めているのです。
赤ちゃんの抱き癖は善か非か?
赤ちゃんの抱き癖は悪いものなのでしょうか?抱っこしないと赤ちゃんが泣いている姿を見て「抱き癖がついているね」なんて言われてしまうとすごく赤ちゃんに良くないような気がしてしまい不安になってしまいますよね。
過去現在「抱き癖」の捉え方
「抱き癖がつくから」という考えは赤ちゃんのおじいちゃんおばあちゃん世代の方からよく聞かれますが、最近では「赤ちゃんの抱き癖なんて気にする必要はない」と育児書にも書かれています。なぜ、抱き癖はつけない方が良いといわれていたのでしょうか?
抱っこで甘やかしてはいけない昔の考え
少し昔赤ちゃんに『抱き癖』がつくと育児で手が離せなくなり母親の仕事も回らなく赤ちゃんの自立心も育たないという理由から、抱き癖がつかないように抱っこばかりしない方が良いと考えられることがありました。
「抱き癖」とは、欧米の育児方法が影響して生まれた言葉だと言われています。
自立心を小さいうちから身につけるために赤ちゃんとは一緒の部屋で寝ないとか、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこはしない、泣いても授乳は決まった時間にだけ、などの育児方法は戦後当時の欧米では推奨されており、日本でも女性の社会進出が進む中で育児の人手不足から「赤ちゃんが泣けば抱っこしてあやす」が育児の基本だった日本の伝統的な育児方法よりも、欧米の抱き癖をつけないというスタイルが適しているのではと広まったと言われています。
抱っこは成長のために大切なものと捉える現代
現代では赤ちゃんが泣いたら抱っこしてあげた方が良いと医学的にも証明されています。抱っこをしてあげると他人への安心感や信頼感、愛情を形成するうえで重要な役割を持っているオキシトシンが分泌されパパやママの愛情を実感し強い絆が生まれるといわれています。
オキシトンは「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれ、甘えるべき時期にたくさんの愛情を受けた子供のオキシトンの量はとても高いといわれています。赤ちゃんの自立心を育てるためにもとても大切なものなのです。
抱っこに関しての考え方は以前とは大きく違っています。「抱き癖」があればもちろん育児が大変になってきてしまいますが、現在は大人になってからのコミュニケーション能力も重要視されています。
赤ちゃんが成長するために必要なものだと考えれば抱き癖など気にせずにたくさん抱っこしてあげるべきなのです。
育児の大先輩風を吹かせるおじいちゃんおばあちゃん世代にそう言われてしまうとなかなか「それは違う」と反発も出来ませんが、赤ちゃんをたくさん抱っこしてあげる大切さを上手く伝えて理解してもらいましょう!
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抱き癖は治さなくてOK!赤ちゃんの訴えに応えるべき理由
抱き癖がついてしまった赤ちゃんはどうすればいいの?と悩んでしまっているパパやママもいるかと思いますが、抱き癖がついてしまったからといって治す必要はありません!赤ちゃんの訴えに応えたくさん抱っこしてあげるスキンシップにはとても重要な意味が隠れているのです。
基本的信頼感の確立
自分が必要とされ愛されている感覚を持ち、人を愛し、信頼できる力を「基本的信頼感」といいます。基本的信頼感は乳児期に最も育まれるといわれており、泣いて不快感を訴えると気にかけてくれたり、抱っこして安心させてくれたり、パパやママの優しいスキンシップから強い絆や信頼感が生まれると大きな安心感を覚え自分の自信へとつながっていきます。
基本的信頼感は社会生活を送るための土台となり、良好な人間関係を築き、前向きに生きていく力や意欲を身につけるために必要となります。
子供の自己肯定感を育む
安心感を与えてあげると精神も強くなり「自分を大切にする」「自分の価値を否定しない」、自分の良い部分も悪い部分もすべて大切に思える自己肯定感が育まれます。
友達と接するときも自分と人とを比べたりせずに自信をもって接することができ、何か上手くいかなくても失敗を恐れずに前向きに取り組むことができるので自分の力を発揮できるようになります。
感情表現が豊かになる
「泣く」というのは赤ちゃんの自然な感情表現です。赤ちゃんが泣いて抱っこを求めてきたときに気持ちに応えてあげると感情を表現すればパパやママの反応が期待できると理解し、泣くという表現だけでなく声を出したり目を向けたりなどの表現を多くするようになるのです。
社会適応能力が身に着く
パパやママに愛着を持ちたくさんの愛情を感じて育った赤ちゃんは精神が安定し心身共に健康で人を思いやれる優しく落ち着いた大人に成長するといわれ社会や環境への適応能力が高くうつ病などの心の病にもなりにくいとされています。
社会に出て他人と関わるうえで大切な適応能力を育てるためにもパパやママから感じられる愛情が必要なのです。
赤ちゃんの訴えに応えてあげて気持ちを満たしてあげれば、安心感や信頼感が生まれ情緒的にとても安定して育つといわれています。
不安な気持ちのまま育てば情緒も不安定のままで成長の上でもとても不利になってしまいます。抱っこは泣き止ませるだけのものではなく赤ちゃんがこれから生きていくための成長にも大きな役割を持っているのです。
抱き癖を気にしすぎた結果?泣いても放置がもたらす危険性
「抱き癖は付けない方がいい」子育ての大先輩にそんな風に言われてしまったら、どうしても抱っこのたびに抱き癖を気にしてしまいます。抱っこが増えてしまうと親の負担が大きくなってしまって大変だからという理由もあり悪気があって言っている訳ではありません。
しかし、育児の考えが変化し研究が進む中で、スキンシップをしっかりとってあげないと赤ちゃんに悪い影響を与えてしまう可能性が高くなる危険性が分かってきたのです。
オキシトンの減少
パパやママの優しいスキンシップを受けると赤ちゃんの脳からオキシトンが分泌されます。安心感や信頼感が生まれ絆が深まり、脳にも良い刺激を与えてくれます。オキシトシンは赤ちゃんの血圧を下げ、ストレスを軽減する効果や鎮痛効果が増したり、集中力を高める効果もあるそうです。
また成長ホルモンを促す相乗作用があり免疫力も高くなるといわれています。赤ちゃんの頃のスキンシップが足りないとオキシトンの分泌も少なくなり情緒が不安定で社会性が低く攻撃性が高くなってしまうのです。
サイレントベビーへの可能性
赤ちゃんは自分の気持ちを伝えるために泣いて感情を表現しています。しかし、その訴えに応えてあげずに放置を繰り返してしまうと泣いても意味がない、泣いても仕方がないんだと泣くのをやめ感情を抑えてしまうようになり、何も異常や障害もないのに泣いたり笑ったりしなくなり感情を表に出さない表情の乏しい「サイレントベビー」になってしまう危険性があるといわれています。
サイレントベビーはコミュニケーションやスキンシップの不足が原因とされており、そのまま成長してしまうと情緒やコミュニケーションに問題が起こりやすくなると言われています。
サイレントベビーの特徴
サイレントベビーとは赤ちゃんとの関わり方が原因となってしまうといわれていますが、サイレントベビーにはどのような特徴があるのでしょうか?
サイレントベビーってどんな子?
- 喜怒哀楽の感情の表現がほとんどない
- おしっこやうんちでおむつが汚れて不快であっても泣いて教えてくれない
- 人と目を合わそうとしない
- とにかく大人しく、周囲が満足するほど手がかからない子
自己主張をしなくなってしまった赤ちゃんですが、このような状態で育ってしまった赤ちゃんには成長する中でいろいろな問題が出てきてしまうといわれています。
心配されるサイレントベビーのその後
- 言葉など発達が遅い傾向がある
- 情緒が不安定
- 人間関係を構築するのが苦手
- 癇癪を起しやすく、攻撃性が強くなる
- 自分の殻に閉じこもってしまう
赤ちゃんが成長し幼稚園や学校に通うようになってもその場に馴染めずに友達に対して暴力的になったり、不登校や依存症などになってしまう可能性や親を信頼できずに良好な親子関係を築けないといった影響も出てきてしまいます。
赤ちゃんが泣いているのに手が離せず少し放っておいてしまったからといってすぐにサイレントベビーになる訳ではありません。
泣いた瞬間すぐ駆けつけなくても大丈夫です!サイレントベビーの原因は長時間、長期間の放置です。あまり神経質になりすぎるのはストレスになってしまうので育児にも悪影響を及ぼしてしまうので注意しましょう。
赤ちゃんの頃に泣いて一生懸命自分の気持ちを訴えていたにもかかわらず対応してもらえない状態が続いてしまうと、赤ちゃんの気持ちの中に無視されてしまったという辛い感情や寂しさ、孤独感が残ってしまうのかもしれません。
サイレントベビーはパパやママの赤ちゃんとの関わり方次第で防げるものです。スキンシップを意識しながら、たくさんの抱っこでたくさんの愛情を伝えてあげましょう。
抱き癖を付けてはいけないという考え方は昔の考え方であり、今では抱き癖は赤ちゃんの健全な成長のためにもつけた方がいいとまで言われています。
もちろん手が離せなくてすぐに抱っこしてあげられないときもあると思いますが、赤ちゃんが泣いているときは放置するのではなく声をかけたり、抱っこしてあげたりするなどすぐに反応を示し対応してあげるようにしましょう。
家事がなかなか進まない!抱き癖はいつまで続くの?
毎日泣きながら抱っこを求める赤ちゃん…抱っこばかりしているとなかなか家事も進みません。この状況はいつまで続くのでしょうか?
赤ちゃんの抱き癖はお世話をより大変に感じさせてしまいますよね。この大変な抱き癖生活を上手く乗り切る方法をご紹介します!
赤ちゃんの抱き癖には個人差あり!甘えん坊で認めてあげて
赤ちゃんが抱っこを求める時期には個人差がありますが生後1ヶ月から1歳頃までといわれています。
「抱き癖」といわれていますが抱っこばかりしているから抱き癖がついてしまったというよりは元々の赤ちゃんの性格が大きく関係しているともいわれています。
抱っこが大好きな赤ちゃんもいればあまり抱っこをせがまない赤ちゃんもいます。大人に性格があるように赤ちゃんにももちろん個性があるのです。
抱っこを求める時期は一般的に1歳頃までといわれていますが、甘えん坊の子や一人遊びが好きな子など赤ちゃんの個性にもよりますのでどんなに長く続いたとしても気長に見守ってあげましょう!
赤ちゃんの抱き癖生活と上手く付き合う方法
抱っこはしたほうがいいと分かっていても一日中赤ちゃんを抱っこし続けるのは正直大変ですよね。
自分の時間もとれず、抱っこ続きで体も疲れてしまうと「どうにかならないかな…」と頭を抱えてしまいます。そんな抱っこ生活を上手く乗り切るための方法はあるのでしょうか?
前向きに「今だけのこと」と割り切ろう
赤ちゃんが抱っこをたくさんせがんでくる時期は長く感じるようであっという間です。成長するにつれて徐々に減っていきいつの間にか抱っこを求めてこなくなってしまいます。
今は大変かもしれませんが必ず抱っこを卒業する日がきてちょっと寂しさを感じてしまうかもしれません。抱っこしてあげれるのもこの時期だけです。今だけだと思い前向きに割り切ってたくさん赤ちゃんからの要求に応えてあげましょう。
首が据われば抱っこ紐を活用しよう
首がまだ据わっていない赤ちゃんは抱っこにもとても気を使い、月齢も低くお世話も何かと忙しいのでなかなか家事も進まないと思います。
しかしそれも首が据わるまでの辛抱です。首が据わって抱っこ紐やおんぶ紐が使える月齢になれば抱っこをもさほど苦にならなくなります。おんぶが出来るようになれば両手が使えるようになるので家事もこなせるようになります。
- 抱っこ紐のおすすめや選び方のポイントとしてエルゴなど人気ブランド、パパも使えるデザイン、新生児から使えておんぶもできる多用途キャリーなど抱っこ紐のタイプや機能を細かく分類して解説していきます!
家事は最小限に寝ている間に片付けよう
小さい赤ちゃんがいるとこまめに掃除をしていつも部屋は綺麗にしておきたいと考えるママも多いでしょう。しかし、赤ちゃんの抱っこで大変なのは少しの間だけです。
大変なときだからこそあまり気を張らずに少し手を抜いても良いのではないでしょうか?やるべき家事は最小限に抑え、優先順位をつけて赤ちゃんが寝ている間に少しずつ片付けるようにしましょう。
寝ている間に片付かなくても出来なかった家事はパパが帰ってきてからでも遅くはありません。すべてを完璧にと考えてしまうと体力的にも精神的にも疲れてしまいます。
赤ちゃんの「抱っこ」に付き合うには家族の協力が大切
日中パパには大事なお仕事があるので赤ちゃんのお世話はママの担当になると思います。しかしママ一人で赤ちゃんのお世話や抱っこ、家事全てをこなすとなると大変ですよね。
ちょっと辛いな…と感じてしまったら無理をせずに家族に協力を求めましょう。おじいちゃんやおばあちゃんがいるのであれば素直に協力してもらいましょう。おじいちゃんおばあちゃんはとても喜んで協力してくれるはずです。
赤ちゃんが泣いているのにどうしても手が離せないときもあると思いますが慌てなくても大丈夫です。そんなときは赤ちゃんに聞こえるように「すぐに行くからね」など声掛けをしてあげましょう。
パパやママの声を聞くだけでも赤ちゃんは安心できるのです。手が空いたら赤ちゃんを抱っこしてたくさんの愛情を感じさせてあげましょう。
赤ちゃんが泣いて抱っこばかりをせがんでくると、とても大変で疲れてしまうかもしれませんがこの時期だけのことです。気持ちを切り替え重く考え過ぎずに家族の協力のもとに乗り切りましょう!
抱き癖と甘やかしは別!たくさん抱っこしてあげて愛情をたくさん感じさせてあげよう!
「抱き癖」なんていわれてしまうととても良くないイメージが強くて心配になってしまう部分も多いと思いますが、抱っこしてあげるという行為はとても自然なものであり、赤ちゃんのためにもとても必要なスキンシップなのです。
抱っこは赤ちゃんを甘やかすためのものではなく、たくさんの愛情と安心感を与え健やかな成長をもたらしてくれるものです。抱っこ抱っこが続けば大変かもしれませんが赤ちゃんが自分を頼ってくれていると思うととても愛おしいですよね。
赤ちゃんからの訴えはパパやママに対する信頼と愛情の証なのでたくさんの抱っこでたくさんの愛情を感じさせてあげましょう!