クーイングから始まる赤ちゃんがしゃべる時期
赤ちゃんがしゃべる姿を想像するだけで、ワクワクした気持ちになりますね。赤ちゃんが最初にどんな言葉を発してくれるのか待ち遠しいパパやママもいるのではないでしょうか?
赤ちゃんは急に話し出すわけではなく、脳の発達とともに少しずつ言葉の訓練をします。喉を鳴らすようなクーイングから始まり、3歳頃なってやっとスムーズに話せるようになります。
それぞれの月齢でどんな成長を見せてくれるのか、言葉が発達するプロセスをご紹介します。
- 赤ちゃんが言葉を話しだすのはいつ?発達を促す語りかけのコツ
赤ちゃんの初めての言葉は、1歳前後の「まんま」が多いようですが、遅れも珍しくありません。いつ、どのように言葉を理解ししゃべるのか、言語習得の過程を解説し、赤ちゃんの言葉を引き出すコツをご紹介します。
赤ちゃんのおしゃべりステップ/クーイングや喃語~単語取得の時期
赤ちゃんは生後2ヶ月頃からおしゃべりの練習を始めます。何を言っているかわからないときでも、優しく笑顔で受け答えをしてあげたいですね。
月齢別に言葉の発達プロセスを解説しますので、成長に合ったコミュニケーションの参考にしてください。
生後2ヶ月:おしゃべりの前兆が始まる/クーイング
生まれてから泣いてばかりだった赤ちゃんは生後2ヶ月頃になると、喉の奥を「クー」と鳴らすような、言葉と泣き声の中間にあたる独特な声を出すようになります。これはおしゃべりが始まる前兆で、「クーイング」と呼ばれます。
赤ちゃんの真似をして話しかけると、周りの大人の反応に赤ちゃんが喜んでくれるようになります。
生後3〜4ヶ月:喃語が出る
生後3〜4ヶ月になると「アー」「ウー」など言葉にならない声を出すようになります。これは1音節の母音だけを発する「喃語(なんご)」と呼ばれるものです。月齢が上がるにつれて子音を含む喃語へと発達します。
生後7ヶ月:2音節になる/音の種類が増えていく
生後7ヶ月頃には「アーアー」「バーバー」など喃語が2音節になり始めます。大人の話す言葉を真似するようになり、少しずつ喃語のバリエーションも増えます。パパやママに訴えるように喃語を発してくることもあるので、そのときは言葉を返してあげましょう。
赤ちゃんが発しやすい「マ」が繰り返され、「ママ」と聞こえてびっくりすることも!話し始めがあまりに早いので「うちの子天才かも!」と嬉しくなりますね。しかし本当にママと呼んだわけではなく、偶然そう聞こえた可能性が高いでしょう…!
生後10ヶ月:大人の言葉を理解し始める
生後10ヶ月頃になると、指差しや身振りで自分の意思を伝えようとすることも増えて、喃語が減る時期です。大人が「○○持ってきて」と言うと、その通りのものを持ってきてくれる子もで始めます。
大人の言葉が少しずつ理解できるようになるので、パパやママは赤ちゃんが聞き取りやすいようにはっきりした発音で話しかけるようにしましょう。
1歳:意味のある言葉を使い始める
1歳を過ぎた頃から「マンマ」「ブーブー」など意味のある言葉が2〜3語出てきます。上手に話せなくても言葉を理解する能力はかなり発達している時期です。
言葉が意味するものを指で示すなど言葉のキャッチボールが始まるので、赤ちゃんとのやりとり遊びが一層楽しくなりますね。
例えば赤ちゃんがごはんを指して何か言いたそうにしていたら「マンマ食べようね」など赤ちゃんの気持ちを汲み取って話しかけるといいでしょう。大人の言葉ではなく赤ちゃん言葉で話しかけると、赤ちゃんの語彙力が高まると言われています。
赤ちゃんが初めて話した言葉は「マンマ(ごはん)」が最も多かったという調査結果があります。その他にも、「はーい」「ばいばい」など挨拶を意味する言葉も多いようです。我が子が初めて発する言葉はどんなものか…楽しみにしておきましょう。
文章でしゃべれるようになるのは2~3歳
1歳で1語 2歳で2語文、3歳で3語文と成長に合わせて徐々に言葉が上達します。文章を組み立ててしゃべれるようになるのは1歳半から2歳頃。
やっと言葉でコミュニケーションが取れるようになります。この時期から良い・だめを言葉で伝えられるので、子育てが楽になった!というパパやママもいます。
2歳:2語文が出始めます
1歳6ヶ月を過ぎた頃から大人の真似をしたい時期に入ります。言葉の数が増えて「ママ、キテー」「マンマ、タベルー」など2語文を話し始めます。
自分の意思を言葉で伝えてくれようとしてくれるので、赤ちゃんの言葉をしっかりと受け止めてあげてください。
3歳:なめらかに話せるように
3歳になると短い文章をたくさん話せるようになります。好奇心が一層増して「これなに?」「なんで?」を繰り返す子も。「○○したら○○しようね」という条件をつけたお話しも理解できるようになります。「何歳ですか?」などの質問にも答えられるようになり、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
赤ちゃんのしゃべる時期Q&A
言葉の発達は特に個人差が大きく、話し始めが早くても、大きくなるとみんなと同じになったという子も多いです。しかし、赤ちゃんのおしゃべりが基本の年齢より早かったり遅かったりするとやっぱり心配になってしまうこともありますよね。言葉が早い子や遅い子の疑問を解決します!
しゃべるのが早い子遅い子
しゃべるのが早い子や遅い子は、何ヶ月頃に単語や文章を話し始めた?単語習得時期と文章を喋る時期、それぞれをご紹介します。
早い子では…
言葉の習得が早い子は、7ヶ月くらいから大人の言葉の意味を理解し始め、ベビーサインができるようになる子もいます。8ヶ月頃から単語が出始め、1歳半前には文章を喋り出します。
遅い子では…
ゆっくり成長しているお子さんは2歳過ぎてから単語を話し始め、3歳を過ぎてから文章を話し始めることもあります。
1歳6ヶ月健診で「言葉の理解」と「言葉の発達」を検査します。中には言葉の遅れを指摘されるケースもあり、動揺や不安を感じて「自分のコミュニケーションが悪いのかな?」「発達に問題があるのかな?」と気にしてしまいがち。
しかし決めつけて過度に心配するのはNGです。1歳6ヶ月健診で指摘されても、その後問題なく成長したお子さんもたくさんいるので、長い目で成長を見守るようにしましょう。
言葉の発達で気になる点があるときは、健診の際に先生に相談してみるのもいいでしょう。
しゃべるのが早い子遅い子違いは何?
しゃべり始めの時期は子どもの性格、環境、パパやママの接し方など様々なことが関わっています。その中でも、男の子と女の子や1人目と2人目の差、バイリンガルなど、よく耳にする「発達の差」の違いをご紹介します。
男の子は話始めが遅くて女の子は早い?
男の子と女の子では脳のつくりが異なります。女の子の方が言語機能をつかさどる脳がより早く発達すると言われています。そのため女の子の方が早く言葉を話し始める傾向にあります。
1人目は話始めが遅くて2人目は早い?
2人目は見て学べるお手本がそばにいるため、1人目よりも成長が早いことがわかっています。子ども同士の関わり合いは、赤ちゃんの意欲にも良い影響を及ぼします。上の子が使っている言葉からどんどん覚え始める子もいますね。そのため、1人目よりも2人目の方が話し始める時期が早いことが多いです。
バイリンガルは言葉の取得が遅い?
日本語と英語など、2つ以上の言葉が飛び交っている家庭で育つ赤ちゃんは、1言語の家庭よりも話し始めるのが遅いことがあると言われています。1つの言語を聴く子どもと比べて、それぞれの言語を聴く量が相対的に減ってしまうため、言葉の話始めが遅くなります。
しかし片方の言葉が遅いことを気にしすぎることはありません。両方の言語を合わせた成長を見てあげるようにしましょう。
2ヶ月で赤ちゃんがしゃべった気がした…あり得るの?
2ヶ月の赤ちゃんが「ママ」と呼んでくれた!?あまりに成長が早くて、感動してしまうこともありますよね!さて、2ヶ月の赤ちゃんは本当にしゃべることがあるのでしょうか。
一般的な2ヶ月の赤ちゃんの発達状況と喋ったように聞こえる理由
生後2ヶ月の赤ちゃんは喉の奥を鳴らすようなクーイングが始まる時期。それを間違えて「しゃべり始めた!」と感じてしまうこともあります。勘違いだったとしても「今ママっていったねー」「パパって言ったねー」と優しく返事をしてあげることが大切です。
- クーイング・赤ちゃんがはじめて出す声と言葉の発達
クーイングという言葉を聞いたけどどんなものなのか詳しく知りたい方やクーイングが遅くて悩んでいるという方のために、喃語との違いやクーイングが遅い理由、言葉を発達させるための遊びなどをご紹介します。
本当にしゃべることもある?
成長が早いと、生後2ヶ月でクーイングから「アー」「ウー」という母音を発する喃語に変わる子もいます。お腹の中にいる頃から話しかけたり、クーイングに対して笑顔でしっかり反応していると言葉の発達が早くなる傾向にあります。
喃語は言葉の発声練習なので、特に意味は含まれていません。厳密に言うと話しているわけではありませんが、親心としては本当にしゃべっているように聞こえるので感動してしまいますよね。
言葉を育てるポイント
赤ちゃんはパパやママが話しかけてくれるときに、声を聞く以外にも、目や表情、しぐさも合わせて見ています。言葉や脳を育てるには、赤ちゃんの「話したい!」という気持ちを育てることが大切。パパやママが実践したい話しかけのポイントを解説します。
積極的な語りかけ育児
赤ちゃんの言葉を育てるためには赤ちゃんへ積極的に話しかけることが大切です。
赤ちゃんから返事が返ってこないのでどのようなことを話しかければいいかわからない…というときは「おはよう」「いただきます」「ばいばい」など毎日の挨拶から始めてみましょう。
赤ちゃんの動作に合わせて「おいしいね」と同調してみたり、おむつ替えのときに「キレイキレイするよ」など少しずつ話しかける場面を増やしたいですね。
赤ちゃんはパパやママの表情を見て「これはおいしいということなんだ」「キレイな状態なんだ」という学びや気持ちの発達にも繋がります。
反応がなくてもどんどん話しかけて
赤ちゃんは言葉を理解できていなくても、パパやママの表情や声色から喜怒哀楽をつかむために、言葉を発する前から赤ちゃんの耳や脳はおしゃべりに向けて準備を進めています。たとえ赤ちゃんと会話にならなくても表情豊かにどんどん話しかけてあげましょう。
赤ちゃんは周囲の人の言葉を聞き真似することでおしゃべりを習得するため、聞き取りやすいように、ゆっくりはっきり発音することがコツです。
目を見て話しかける
赤ちゃんは目を見て話しかけられると「みんなが気にかけてくれている」と感じ、安心感に繋がります。赤ちゃんもこちらをじっと見返してくれるでしょう。
話せない頃から目を見て話しかけることは、コミュニケーションの基本である「人の話を聞く」という姿勢の学びにも繋がります。
赤ちゃんの頃からの絵本の読み聞かせもおすすめ
絵本は親子の絆を深めるコミュニケーションツールとしても効果的。赤ちゃんが理解しやすい言葉で文章がまとめてあるので、早く言葉を話してほしいときには絵本の読み聞かせは有効です。
赤ちゃんは発音しやすい「ぷ・ぷ・ぷ」「まみむめも」のオノマトペで構成された絵本や、大好きな絵と一緒に語りかたい絵本など、おすすめの3冊をご紹介します。
ぷんぷんぶふふ
赤ちゃんが発音しやすい「ぷ・ぷ・ぷ」などのオノマトペが繰り返された絵本です。描かれている動物の特徴を「ふさふさ」「ぶらぶら」などの音で表しています。オノマトペに合わせて身振り手振りを加えて何度も読んであげると、「ぷかぷかは浮かんでいる様子」「ぷんぷんは怒っている様子」というように、オノマトペが持つ意味もわかってきます。
まみむめもにょにょ
「ぷんぷんぶふふ」と同じシリーズで、「まみむめも」のオノマトペが使われています。
おさるさんが「もぐもぐ」食べている様子や、ゴリラが「めそめそ」泣いている様子ががかわいらしい絵と共に描かれています。
絵本に描かれている文章以外にも「ばななを美味しそうにもぐもぐ食べているね」「ごりらさんがめそめそ悲しそうに泣いているよ」というような語りかけを増やして、言葉の数を増やしていきましょう。
いないいないばあ
赤ちゃんはいないいないばあ遊びが大好きなので、ファーストブックとして松谷みよ子さん著の「いないいないばあ」を送る方も多いですね。
言葉を覚える前から慣れ親しんだ絵本。10ヶ月を迎えたら、絵本に書いてある文章以外に「にゃあにゃあがいるね〜」というように絵の説明を加えてあげましょう。
「この動物なあに?」と質問すると、「にゃあにゃあ」や「ちゅうちゅう」など、絵本に出てくる動物の名前を教えてくれるようになります。
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言葉のシャワーを浴びせるだけではだめ!赤ちゃんの声に反応してあげることが大切
赤ちゃんの言葉を育てるには「話してみたい!」という意欲をかきたてることが大切です。教育目的が最優先になりすぎて言葉のシャワーを浴びさせるだけではNGです。
また一方的なコミュニケーションは赤ちゃんのプレッシャーになることもありますよ。赤ちゃんが考えたり、声を発したりする時間を与えてあげることも必要です。自然な声がけや、パパとママが楽しそうに話している姿を見せてあげてください。
笑顔+相槌で聞いている姿勢を示す
クーイングや喃語を話し始めたら、笑顔と相槌を意識して、聞いている姿勢を見せてあげましょう。赤ちゃんの中で「伝えたい」気持ちが高まり、おしゃべりの意欲につながります。
1歳を過ぎて意味のある言葉が少しずつ出てきたときに、絵本の動物全てを「ワンワン」と言うなど誤った言い方をする時期がありますが、これは語彙が少ないため生じる自然なことです。成長につれて区別がつくようになるため、あえて否定せずに笑顔で相槌をして受け止めてあげましょう。
赤ちゃんのクーイングや喃語を無視しない
「アーアー」と赤ちゃんが話しかけてくれたときには、意味がわからなくてもできるだけ反応してあげてください。
パパやママが反応してくれると赤ちゃんは嬉しくなって「もっと話したい!」という気持ちが育まれます。このしゃべりたいという気持ちを持つことが、言葉の発達に重要な要素です。
赤ちゃんの言葉の発達にふさわしくないNG対応
言葉の発達はパパやママの接し方が関係していることもあります。赤ちゃんの言葉の発達を妨げるNGな対応もあります。日頃の関わり合いから気をつけてあげたいですね。
赤ちゃんはどうせわからないという気持ちの塩対応
「どうせ赤ちゃんに話しかけても言葉なんてわからないから話しかけたって無駄…」と塩対応ばかりしていると、赤ちゃんの中に「話したい」という意欲が養われなくなります。
赤ちゃんはおしゃべりを通じてパパやママとのコミュニケーションを取ろうと頑張っています。大人がイライラしていたり、生返事をしていたりすると、不安な気持ちを感じてしまうこともあります。
泣いても常に放置
赤ちゃんが泣くのはパパやママにSOSを出している証拠です!泣いたときに毎回対応してくれることは、赤ちゃんの安心感に繋がります。赤ちゃんを放置する頻度が高いと「相手にしてもらえないんだ」とコミュニケーションが取りづらくなる子どもに育つ可能性もありますよ。
どうしても手が離せないときは「ちょっと待っててね!」と明るく返事だけでもしてあげるようにしましょう。
胎教からの話しかけの効果は?
赤ちゃんはお腹に中にいる頃からパパやママの声を聞いています。優しい声で話しかけてあげると、赤ちゃんにとって良い刺激があると言われています。
胎教が言葉の発達に直接関係があるかどうかまだわかっていませんが、早い時期から話しかけをすると、生まれてからすぐに自然な語りかけができるようになる効果が期待されてます。
言葉の発達は表情豊かなコミュニケーションが大切
言葉の発達は特に個人差が大きいです。ほかの子と比べて焦ったり、心配しなくても大丈夫です。大人がしていることを興味深そうに眺めたり、ニコニコ笑ったり、呼びかけるように声を出すなど、コミュニケーションが取れていれば問題ありません。
赤ちゃんが話し始める日を長い目で見守ってあげてください。言葉はコミュニケーションのひとつなので、脳や言葉を育てるためにも、日々の触れ合いの中で赤ちゃんに楽しく話しかけるようにしましょう。