育児・お世話

場所見知りの原因と改善方法

場所見知りが激しい赤ちゃんに試したい5つの改善方法

場所見知りとは、赤ちゃんが慣れない場所を怖がって泣いたり、ママのそばから離れなくなる行動を指します。場所見知りがひどいと、外出も一苦労。人見知りも一緒に引き起こると、祖父母に預けることもできなくなります。場所見知りはいつからいつまで続くのか、すぐできる改善方法をご紹介します。

場所見知りとは?いつから始まるの?

場所見知りとは、赤ちゃんが初めて行く場所を怖がり、表情が硬くなったまま動かなくなったり、泣いてママから離れなくなる症状です。『指しゃぶり』などの行動によって、自身の不安を和らげようとする子もいます。

場所見知りの症状にも程度があり、自宅以外の場所はすべて泣いてしまう子もいれば、2回目以降は慣れるという子もいます。

最近は子育て中のママの間で「ギャン泣き」というワードが使われます。これは人目もはばからず激しくワンワン泣く様子を表した言葉ですが、場所見知りがひどい赤ちゃんの場合は、外出先でまさにギャン泣き状態になるので、ママは困り果ててしまうのです。

一般的には6ヶ月過ぎから始まる

赤ちゃんの場所見知りが始まるのは一般的に生後6ヶ月くらいからです。
しかし、場所見知りが始まる時期や程度には、個人差があります。元々の性格や親子関係、家族構成など周りの環境に左右されるので、全く場所見知りしない赤ちゃんもいます。

人見知りも一緒に起こると、ママは一人の時間が持てなくなる

場所見知りで1番困ってしまうのが、祖父母の家や一時保育などに預けなければいけない場合です。
普段は慣れない場所に行った際は、安心できるママにしがみついている赤ちゃんですが、頼りのママがいないとなると、ギャン泣きはひどくなる一方です。

また、場所見知りをする子は、人見知りも一緒に引き起こるケースが多いです。赤ちゃんの自宅で祖父母やベビーシッターなどに子守をお願いする際は、見知らぬ場所よりは幾らかマシではありますが、やはり預けるママの心配は絶えません。

場所見知りの原因

場所見知りの原因として考えられることはいくつかあります。
原因を知れば、赤ちゃんが場所見知りをする気持ちに寄り添った対処がしやすくなるでしょう。

その場所が安全かわからない不安感

赤ちゃんとはいえ、自分の慣れ親しんだ環境には愛着が湧き、やはり自宅ではリラックスできます。
場所見知りをほとんどしない子でも、自宅と知らない家なら、「自宅が良い」と感じるのは当然です。

場所見知りをする赤ちゃんは、自宅とは見た目も雰囲気も違う知らない場所に行くと、そこが安全な場所であることがわかるまでは不安で一杯なのでママに抱っこしてもらって安心したいのです。

大人は今までの経験によって、初めての環境でもなんとなく安全な場所かどうかわかります。しかし、赤ちゃんは経験がないので、簡単に不安を取り除くことができません。

赤ちゃんが不安を覚えるのは成長の証!

場所見知りは、生後6ヶ月頃になると引き起こりやすいですが、これは赤ちゃんが自宅とそれ以外の場所の区別がついた証明でもあります。人見知りも、ママやパパの顔やよく会う人の顔など、人を認識できるようになった証明です。

初めての場所は嫌がるけれど、2回目以降は大丈夫という赤ちゃんは、1度目の訪問時にその場所について正確にインプットして、「あそこは安全なようだ」と判断できているということです。

生まれ持った性格

赤ちゃんには持って生まれた性格があります。
持って生まれた性格が怖がりだったり、何事にも慎重になるタイプの赤ちゃんの場合、場所見知りや人見知りをするようになるケースが多いです。

生まれ持った気質の問題ですから、責めたりせず、親として大らかに見守ってあげましょう。
幼児期はそうした性格が続く可能性もありますが、徐々に克服し、活発な性格になる子もいます。まだ赤ちゃんですから、深刻に考える必要はありません。

騒がしい環境に慣れていない

普段、赤ちゃんがどのような環境で過ごしているかも場所見知りに影響します。

両者を比較すると、やはり普段からある程度賑やかな場所に慣れている子は、少々の物音には動じません。一方で、静かな環境で過ごす赤ちゃんは、人が多くて賑やかな場所へ行くと、驚いて泣き出すこともあります。

ただし、赤ちゃんとママが落ち着いた環境で過ごすのは悪いことではありませんので、無理にテレビなどをつける必要はありません。

ママの気を引きたい

慣れない場所に出かけた赤ちゃんにとって、頼れるのはママだけです。そのママが自分の相手をしてくれずに他の人と楽しそうに話してばかりいたら、悲しいですし、更に不安は強くなります。

知らない場所でギャン泣きした場合は、「ママ、怖いよ!」「こっちを見てよ!」というサインだと考えましょう。

赤ちゃんならではの健気で可愛いらしい行動には「抱っこ」で応えてあげてください。最初は場所見知りをしても、「ママはどこに出かけても自分を見ていてくれる」と実感すると泣き止み、余裕が出てくる赤ちゃんもいます。

人見知りをしている

知らない場所であっても、ママやパパ以外の人がいなければ場所見知りをしないというケースもあります。ところが行った先に知らない人がいると認識した時点で泣き始める場合は、人見知りが激しいことによる場所見知りと言えます。

場所見知りが激しい赤ちゃんに試したい5つの改善方法

場所見知りは仕方のないことではありますが、あまりにも場所見知りがひどいと外出すらままならず、ママは引きこもり育児に強いストレスを感じてしまいます。

場所見知りして「ギャン泣き」する赤ちゃんにお悩みなら、その子に合った対処法で1度改善に向けて行動してみましょう。

1.安心させる

場所見知りは赤ちゃんの不安な気持ちの表れですから、1番の対策はママが赤ちゃんに安心感を与えてあげることです。目を見て、抱っこをしてあげて、不安を和らげてあげてください。泣き止まない場合も、優しく声を掛け続けてあげましょう。

「知らない場所だけれど、ママがいるから大丈夫なはずだ!」と赤ちゃんが思えれば、少しずつ場所見知りも改善に向かう可能性があります。

ママは楽しそうに振る舞う

知らない場所に行くと、大人でも緊張したり、不安を感じることがあります。感受性の強い赤ちゃんはこうしたママの気持ちを敏感に感じ取り、場所見知りすることがあります。

反対に、ママが赤ちゃんに対して「これから行くのはおばあちゃんの家だよ」「おばあちゃんも〇〇ちゃんに会いたがっていたよ」と楽しそうに語りかけたり、「スーパーで買い物して、おいしいご飯作るね」などポジティブな印象を持たせるように働きかけると、『ママが楽しそうだし、楽しい場所なのかも?』と赤ちゃんのその場所への印象が良くなります。

赤ちゃんにとってあまり馴染みのない場所に行くときは、意識的にママが楽しそうに振る舞い、赤ちゃんに安心感を与えてあげてください。

2.赤ちゃんが興味を持つまで待つ

赤ちゃんも、知らない場所に行ったときにずっと不安を感じ続けるというわけではありません。ひとしきり泣いたら、ふと「ここはどこだろう?」と好奇心が湧いてきて、感情が切り替わる可能性もあります。

多少赤ちゃんが泣いても気にされないような場所なら、他の事に興味を示すまで待ってみましょう。5分程度で泣き止み、その後はご機嫌に過ごしてくれる子もいます。

赤ちゃんのテリトリーで慣れていくのも良い

祖父母の家に行くとギャン泣きするという赤ちゃんの場合は、逆に赤ちゃんのテリトリーである自宅に来てもらってスキンシップを計るのも効果的です。場所見知りのみの場合は、慣れ親しんだ環境であれば安心しているので、意外に自宅では平気なパターンもあります。

特に祖父母に慣れてくれないとママ的にも辛いです。心情的にもそうですが、仕事を始めるとなれば祖父母を頼りにするケースもあるので、赤ちゃんの頃から慣れてもらった方が今後の不安材料が減るはずです。

3.1カ所ずつ行ける場所を増やす

頻繁に知らない場所に行くのではなく、祖父母の家、子育てサロンなど、特定の場所にあまり期間を空けずに数回連続で通うようにしましょう。自宅以外に「慣れている場所」を作ると、ママの育児負担も軽減され、徐々に行動範囲を広げられるはずです。

お散歩を習慣に!刺激に慣れよう

子育てサロンなどは多少赤ちゃんが泣いても気にされませんが、怖がりな気質だったり、普段静かな環境で過ごしている子にとっては騒がしくてハードルが高いかもしれません。

そのようなときは、室内ではなく、外にお散歩に出かけましょう。近所を歩いたり、小さな公園に数十分滞在するだけでも構いません。ベビーカーから降りるのを嫌がる、ママに抱っこされたまま降りようとしないならそのままでもOKです。

少しずつ外の音や匂い慣れ、自宅以外の環境で受ける刺激に慣れるのが目的です。

4.家にあるおもちゃを持って出かける

知らない場所で不安になっても、お気に入りのおもちゃや絵本があれば安心して気持ちを切り替えられます。肌身離さず持っているタオルやぬいぐるみがあれば、ぜひお出かけの時には持たせてあげてください。

赤ちゃんとお出掛けの時は荷物が多くなるので、できればかさばらないおもちゃが助かるという場合は、ベビーカーにとりつけられるおもちゃや折りたためる絵本が便利です。

また、赤ちゃんはおもちゃ以外の物にも興味を示します。特にカギや携帯はおもちゃではなく本物を好む傾向があるので、使っていないキーリングを赤ちゃん用にしたり、昔の携帯を消毒して持たせて、おでかけ専用おもちゃにするのも効果的です。

5.場所見知りに過剰に反応しない

場所見知りをして赤ちゃんが泣くと、ママは周りを気にしてアタフタし、思わずその場から逃げるように離れてしまうこともあります。しかし、その行動によって赤ちゃんが「やっぱり危険な場所なんだ」と思い込んでしまうと、いつまで経っても場所見知りが改善されません。

病院など場所によっては迷惑にならないような気遣いは必要ですが、その場を離れざるを得ない時も「ビックリしたのかな?大丈夫だよ」と余裕のある口調で赤ちゃんに話しかけましょう。

義理の両親や親戚、ママ友の家に行くときは、「最近、場所見知りが激しくて」と事前に伝えておきましょう。

場所見知りはいつまで続くの?

場所見知りは、一般的には2歳頃までには落ち着きます
もちろん個人差があるので、2歳以降も続くからといって異常という訳ではありません。

成長とともに「いつの間にか治っていた」というケースが大半なので、過度に心配する必要はありません。

「保育園に行き始めたら、治った」という話もよく耳にします。自分が知らなかった世界を知って、興味が湧くことで改善されることも珍しくありません。

場所見知りや人見知りをしないと発達に問題がある?

発達に問題がある子供の特徴として、「他人への関心が薄い」という行動が挙げられることから、「人見知りしない赤ちゃん=ママやパパと他人との区別がついていない=発達に問題がある疑い」と考える方がいます。

しかし、赤ちゃんの頃から色々な場所に行くことに慣れていたり、人の出入りが多い環境で育ったりすることで場所慣れ、人慣れしている場合もあります。また、生まれつき社交的な性格の赤ちゃんも当然いますし、場所見知りしているのに上手く表現することができず親が気付かないケースもあるでしょう。

人見知りの有無だけでは、発達に問題があるかどうか判断することは不可能です。

発達に問題がある場合によく見られる症状

場所見知りをしないだけで発達に問題がある可能性を疑う必要はありません。しかし、それでも不安だという方に向けて、発達に問題がある赤ちゃんに見られる症状をご紹介します。

ただし、赤ちゃんの発達は非常に個人差が大きく、発達に問題がある場合の診断は専門医でも簡単に下せるものではないことは留意してください。

場所見知りも個性!安心感を与えてあげよう

場所見知りは赤ちゃんの成長の証です。
大人だって知らない場所でとても緊張する人もいれば、どこでも平気な人もいます。赤ちゃんが知らない場所に行って不安な気持ちになるのは仕方がないことであり、ポジティブに考えれば「我が子だけが持っている個性」です。

心配し過ぎると、赤ちゃんにもその不安が伝わってしまいます。泣いている赤ちゃんをさらに不安な気持ちにさせないように、ママやパパは優しく大きな心で包み込んで安心させてあげましょう。