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シャフリングベビーは心配?

シャフリングベビーは心配?ハイハイしない子の見守り方

シャフリングベビーはハイハイやつかまり立ちをせず、お尻をずりずりフリフリさせながら床を進む、歩き始めの時期がゆっくりという特徴を持つ赤ちゃん。うつ伏せが嫌いで自分の好きな発達の仕方を選んでいるとも言えます。シャフリングベビーの特徴や原因、日々の生活での見守り方を解説していきます!

シャフリングベビーとは?ハイハイしない赤ちゃんの発達の特徴と見守り方

シャフリングベビーとは、身体をうつ伏せにして進むハイハイの姿勢を嫌がり、運動機能には問題がないのにハイハイをしない赤ちゃんを指します。シャフリングベビーの赤ちゃんはすわった姿勢のまま、ずりずりとお尻を動かして移動することが多く、1歳になってもつかまり立ちや歩く意欲を見せないこともあります

ハイハイしない子やお尻で移動する我が子をみると「何か問題があるのでは?」と心配になりますが、シャフリングベビーはあくまで赤ちゃんの個性・発達の仕方のひとつであり、異常とは言い切れません。

シャフリングベビーの原因や対処法、診断されたらどうすれば良いのかなどの疑問点に、まとめてお答えしましょう。

お尻ずりずり歩きの赤ちゃん シャフリングベビーの特徴・原因

まずは、言葉が横文字なだけに、どんな赤ちゃんのことを言うのか、少しだけ想像つきにくいシャフリングベビーの赤ちゃんの特徴について、見ていくこととしましょう。

シャフリングベビーってこんな子

シャフリングベビーのシャフリングとは、英語の「shuffle」から来ています。ここでは、「足を引きずって歩く」という意味で使われています。

シャフリングベビーの最大の特徴は、座ったままお尻をずりずりさせながら移動することです。某アニメの主人公が得意とするおケツ歩行に少し似ているかもしれません。

膝やおしりを床につけたまま移動することを、日本では「いざる」といいますので、シャフリングベビーの赤ちゃんのことを「いざりっこ」と呼ぶことも。他にも、いくつかの特徴的な行動や発達の道筋がありますので、チェックしておきましょう。

はいはいをしない

生後7~8ヶ月頃になると、徐々にズリバイやハイハイができる赤ちゃんが増えていきます。しかし、シャフリングベビーの赤ちゃんは、はいはいの時期になっても、全くその素振りを見せてくれません。

赤ちゃんがハイハイを始める時期には個人差があるものですが、我が子がいつまでもハイハイしないと少し心配になりますね。赤ちゃんがハイハイを開始する平均時期、赤ちゃんの気持ちを応援する練習方法やお部屋の安全対策をご紹介。

うつ伏せの姿勢が嫌い?寝返り嫌い!

そもそも、シャフリングベビーの赤ちゃんは、うつ伏せの姿勢を嫌う赤ちゃんも多いようですが、どうやらこれが「ハイハイ嫌い」ともつながっている可能性も。

多くの赤ちゃんは、首がすわり、寝返りを打つようになり、やがて腰が据わっておすわりができるようになります。しかし、シャフリングベビーの赤ちゃんは、うつぶせ寝が嫌いなためか「寝返り」をすっ飛ばして、腰すわりの時期を迎えます。中には、ほとんど寝返りをせずに成長していく赤ちゃんもいます。
うつ伏せが嫌いだから寝返りやハイハイをしないといった方が正解かもしれません。

移動はお尻ずりずり歩き

歩き始めの遅いシャフリングベビーの赤ちゃんは、なんともユニークな移動の仕方を身につけます。それが、このお尻ずりずり歩きです。まるで、足の裏を地面に踏みしめるのが嫌かのように、お尻を上手に動かして移動します。

お尻ずりずり歩きは、シャフリングベビーの大きな特徴ですので、このような移動の仕方が見られるようになれば、シャフリングベビーの診断がおりる場合が多いようです。

歩き始めるのが1歳半以降

シャフリングベビーの赤ちゃんは、たっちもお好きではなく、歩き始めが非常に遅れる傾向にあります。歩き始めるのは、だいたい1歳半頃。他の子に比べて時期は遅くなりますが、概ねどの子も2歳までにはきちんと歩けるようになります。

首座りやお座りの時期には問題ない

シャフリングベビーの赤ちゃんは、他の赤ちゃんと同じように、首すわりやおすわりができるようになります。できるようになる時期が、大きくずれ込むということはありません。

赤ちゃんの首すわりについて新生児から月齢で解説。首すわりの確認方法や練習方法、首がすわりかけた時の縦抱き授乳の方法やママの危険な勘違いなど赤ちゃんの首すわりについて解説します。

ママが違和感に気づくとき

先ほどもお伝えしましたが、シャフリングベビーの赤ちゃんは、首すわりの時期には問題が見られず、目安となる6~7ヶ月頃にはおすわりもきちんとできるようになります。
この頃には「うちの子、なぜか寝返りをしないな?」と思う程度かも。寝返りの時期にも個人差がありますし、おすわりはきちんとできていて、知能の発達にも違和感が見られないと、あまり気にならないものなのです。

そうしているうちに、なぜかハイハイもしない、うつ伏せになることも嫌うような素振りが目立ってくるようになり、そこで初めて「我が子がシャフリングベビーなのかもしれない…」と気づくのです。
中には、歩き始めの時期が大幅に遅れるまで、意識しない方もいらっしゃいます。

ハイハイしない…!と思ったら

もしシャフリングベビーだと疑われるときには、小児科を受診してみましょう。地域の保健師さんも相談に乗ってくれます。後にも説明しますが、歩き始めが遅く、ハイハイをしない赤ちゃんの中には、他の疾患や障害との関わりで、それらの特徴が出る子が稀にいます。

病院では、今後特別なサポートが必要なのかどうなのかを判断し、もしそうでなくとも、発達に関するアドバイスをしてくれますので、気になる時には気軽に相談してみましょう。

どうして起こるの?シャフリングベビーの原因

脚を動かすことが嫌い、脚の筋力が弱い

歩行には体全体を支えるだけの十分な脚力が必要です。筋力は身体を動かして得られるもの。
もともと大人しめの体の筋力が弱い赤ちゃんは、活発で良く動く肉ムキムキの赤ちゃんよりも、脚の発達が遅くなる傾向にあります。

その場合、脚を動かすのが嫌い…ということも。足を積極的に動かせないと、必然的にその赤ちゃんの歩行への意欲や興味は低くなりますから歩き始めは遅くなります。

脚の裏を地面につけたくない

詳しい理由はわかっていませんが、脚の裏を地面につけるのを嫌う赤ちゃんもいます。
もしそうであれば、脚の裏を床につけることは歩行には必須の動作ですから、なかなか歩行に繋がらないことにも頷けます。

遺伝によるもの

シャフリングベビーの赤ちゃんをよくよく調べてみると、そのパパやママも、赤ちゃんの頃同じようにシャフリングベビーだったということがあります。シャフリングベビーは、遺伝的な要素も強いと言われています。

シャフリングベビーの割合やリハビリの必要性

シャフリングベビーの赤ちゃんは、約1,000人に1人の割合でいると言われています。そう考えると、そんなに珍しい特徴ではないのかもしれませんね。決して多くはないけれども、珍しくもない、といったところでしょうか。

歩行のためのリハビリは必要?

小児科医からシャフリングベビーと指摘された、あるいは、「その可能性があるかも」と考えているママにとって心配なのは、何か特別な配慮が必要なのかどうかということですね。
大丈夫、ほとんどの場合は、病気や疾患ではなく、その子の性格や気質、遺伝の問題です。つまり、赤ちゃんの一つの発達仕方であるということなのです。

下半身の発達がゆっくりだとしても、遅くとも2歳くらいになれば、きちんと歩けるようになります。よって、特別なリハビリなどの必要性もありません。下半身の発達を促す遊びなどを取り入れながら、赤ちゃん自身が歩きたくなるのを待ちましょう。

心配し過ぎは禁物!障害や病気の可能性がある場合の所見

ほとんどの場合、シャフリングベビーは他の疾患や障害とは関係が見られませんが、中にはごく稀に、他の問題が潜んでいることがあります。

しかし、まず覚えておいて欲しいのは、「シャフリングベビーだから、障害が引き起こされるわけではない」ということです。

疾患や障害によるシャフリングベビーの所見

・母乳やミルクの飲みが悪い
・泣き方も弱い
・表情が乏しい、目が合わない
・手や指の巧緻性が発達してこない

健診や病院受診で、我が子がシャフリングベビーだと診断されても、その他の精密検査に案内させることがなければ、安心して成長を見守っていても大丈夫です。

シャフリングベビーと言われたら…ママの気持ちの向け方と赤ちゃんが歩きたくなる遊び

お子さんがシャフリングベビーだとわかったら、ママは赤ちゃんにどうしてあげれば良いのでしょうか?
いずれ他の赤ちゃんと同じように歩けるようになるのですが、工夫次第で、お子さんの発達を促してあげることもできます。

シャフリングベビーは一つの発達の仕方

ハイハイや歩行を避けるので、そういった面での発達に関しては、はじめこそ他の赤ちゃんに少々遅れをとってしまいますが、歩けるようになったらその後は皆と同じように発達し運動能力もしっかり伴って行きます。
シャフリングベビーが原因で発達が遅れることはありません。

このことからも、シャフリングベビーは一つの発達の仕方であることが理解できるでしょう。
ママやパパは、焦らず、その子の発達のスピードに合わせて、気長に待ってあげる心構えが大切です。

赤ちゃんの歩きたい動きたい気持ちを応援しよう

シャフリングベビーの赤ちゃんが歩くようになるまでは、歩けるだけの身体的な発達も必要ですが、自分の力で歩いてみることへの興味や歩きたいという意欲も必要です。けして無理やりにではなく、赤ちゃんの気持ちに沿って、できることから工夫をしていきましょう。

はいはいしやすいスペースを作りましょう

ハイハイを応援する環境作りは、今すぐにでも作ることができますね。
お子さんは、普段どのような場所で遊んでいるでしょうか。もし、狭いスペースで遊んでいるなら、それがハイハイや歩行の妨げになっているのかもしれません。

この際、赤ちゃんのハイハイや歩行のために、お部屋の家具の位置を考えなおしてみてはいかがでしょうか?もし、お家の床がフローリングなら、コルクマットを引いてあげると、安全にのびのびと遊べますよ。

あとちょっとで届きそうなところに好きなおもちゃを

赤ちゃんのハイハイを引き出すには、目の前に好きなおもちゃを用意すると効果的です。
単純におとりを設置しワナを仕掛けてやろうという作戦です。ハイハイ練習中の赤ちゃんにとっては、体を前に進めようと思うかどうかが一番の難所

何の動機付けもなしでは、まず進もうという意思は生まれてきません。何か楽しいもので釣って、うまく意欲を引き出してあげましょう。遊びながらトレーニングができるので、赤ちゃんにとっても一石二鳥ですね。

赤ちゃんが「アレとってよ!」と泣いたら、様子を見ながらちょっとだけ近くにずらしてあげましょう。

お膝の上で、ぴょんぴょん運動

生後5・6ヶ月頃になる赤ちゃんは、脇を抱き上げて、大人の膝の上に足をつけようとすると、脚をピンと突っ張って、自分の脚で立つかのような仕草をして見せます。それはまるで、歩行の予行演習のようです。

しかし、シャフリングベビーの赤ちゃんはこれが苦手。同じように抱き上げてみても、脚は曲がったままの子が多いのです。
脚を伸ばす感覚や歩く真似事を身につけてもらうためにも、このお膝の上でぴょんぴょん運動を赤ちゃんのご機嫌を見ながらコミュニケーションとして取り入れていくのも良いですね!

ベビーマッサージもおすすめ

ベビーマッサージを通して、脚を無理のない範囲で動かしてあげましょう。ベビーマッサージでコミュニケーションを取りながら赤ちゃんの脚の運動をサポートしてあげるのです。

足の動かし方は仰向けになって、両足をカエルのように曲げ、そして次はピンと伸ばしてあげます。何か赤ちゃんの好きな曲やリズム音楽に合わせて、エアロビクスのように行っても楽しいですね。
赤ちゃんは大好きなママとのスキンシップで、とても心地がよくなりますし、もしかするとベビーマッサージを繰り返すうちに、脚を動かすことも苦手ではなくなるかもしれません。

脚の筋力が足りない赤ちゃんも、脚を動かすのが嫌いな赤ちゃんも、とりあえずは脚を動かすことが下半身の発達を促し、苦手意識克服につながります。
是非、ベビーマッサージやぴょんぴょん運動で脚の曲げのばし運動を取り入れてみてください。

いざりっこちゃんは自分のペースでゆっくり、でも確実に成長していきます!

発達には個人差があるとわかっていつつも、体重や身長、できるようになったことまで、逐一育児書や育児サイトで確認してしまうのが、ママの愛情のひとつの現れ方であるようにも思われます。他の子と比べて、同じだと安心したり、少しでも違うと不安になったり…ママの悩みは、その子の健やかな成長を期待してこそのことなのですよね。

歩くのが遅い、ハイハイができない、こういったシャフリングベビーの赤ちゃんは決して珍しいわけではありません。幼稚園教諭の先生曰く、年に一人は何かしら聞く話なのだとか。

最初はゆっくりでも、2歳になって歩くようになれば、これまでのおすわり生活が嘘だったかのように、下半身もどっしりとしてきますし、しばらくすれば、ちゃんと走れるようにもなります。
個人差の範疇なのだと理解して、ゆっくりペースの成長を見守ってあげましょうね。