新生児のくしゃみの原因
新生児にくしゃみが多いのはなぜ?原因・対処法
新生児はなぜくしゃみが多いのでしょうか。風邪やアレルギー、ほこりや湿度、気になる新生児のくしゃみについて考えられる原因と対処についてご紹介します。あわてて受診するその前に確認すべきこと、受診の目安についても解説します。
新生児のくしゃみが多い、考えられる原因は風邪だけじゃない
新生児のくしゃみ。赤ちゃんは自分で症状が言えないこともあり、周囲の大人は必要以上に心配をしてしまいます。大人がくしゃみをすると、すぐに風邪や病気の始まりではないかと考えます。しかし、新生児の場合は必ずしも風邪や病気が原因とは限りません。今回は、新生児のくしゃみが多い原因として考えられるものと、正しい対処法について詳しくご紹介します。
くしゃみ=寒い?厚着のさせすぎに注意
赤ちゃんがくしゃみをすると、寒いのかな?と心配になり、すぐに洋服を多く着せたり、布団を一枚多くかけたりしてしまいます。もしかしたら、こんな行為が赤ちゃんを逆に苦しめているかも知れません。
赤ちゃんは基本的には暑がりです。大人が寒くないのに、赤ちゃんだけが寒いということはほぼありません。「寒くないように」と洋服を多く着せて厚着をさせたり、布団を何枚もかけたり等、間違った対処をしてしまうと、体温調節が出来ない赤ちゃんは汗をたくさんかいて、苦しむことになります。
大人が着ている枚数より一枚少ないくらいが赤ちゃんにとって過ごしやすいことを忘れないでください。赤ちゃんのくしゃみの原因は「寒い」だけではないのです。
新生児のくしゃみが多いのは生理現象?原因は?
新生児はまだまだ体の機能が未発達。私達大人であれば、空気中の細菌やウイルス、わずかなほこりは鼻毛がフィルターの役割を果たしてくれていますので、細菌やウイルスが体内へ進入するのを防いでくれます。しかし、赤ちゃんはまだ鼻毛が生えていないため、そのフィルターがまだ完成出来ていません。そのため、ウイルスやほこりに対しての防衛機能が大人に比べると不十分なのです。
鼻毛が生えそろっていないことで、空気中の異物が体内に簡単に侵入してしまい、くしゃみの多さにつながっています。また、鼻の粘膜も大人より薄く敏感であるために、侵入してきたわずかな異物に対してもすぐに反応し、くしゃみで体外へ排出しようとしているのです。
ご紹介した空気中の異物侵入の他にも、私達大人であればまったく気にならないような「些細な変化」に敏感に反応してしまうこともあります。
生まれるまではお母さんのお腹の中で、温度や湿度、明るさが一定の環境で過ごしていた赤ちゃん。生まれてからは、親がどんなに努力をしてもそんな環境を維持することは当然不可能です。もしかしたら、お腹の中の安定した環境に比べ、些細な変化の多い環境の変化に戸惑ってしまい、「くしゃみ」という形でとっさに反応しているのかも知れません。
ここで、風邪や病気以外で考えられる原因、新生児にとってくしゃみが出やすい「些細な変化」についてご紹介します。
1.明るさの変化
お腹の中にいたときには明るさは一定です。しかし、生まれたらそのような訳にはいきません。目が覚めて、カーテンを開けて急に明るくなったりするだけで、くしゃみが出ます。
2.温度や湿度の変化
洋服の着脱や、玄関から外に出たとき、乾燥している場所または反対に湿度の高いお風呂場に移動したときなどはその急激な変化に対応できず、鼻がむずむずしてしまい、くしゃみが出ます。
- 赤ちゃんの部屋にエアコンをつけるとなると夏は冷え、冬は乾燥が気になりますね。一年を通して冷暖房として使用するエアコンですが赤ちゃんが快適に過ごすためには設定温度はもちろんお部屋の空気管理が大切です。
3.腸の動き
うんちやおしっこをしたときや出そうなときにもくしゃみが出ます。新生児は排泄の回数も多いので、その分くしゃみが多くなるのも納得ですね。
4.ハウスダスト
掃除を徹底していても、ほんのわずかなほこりに反応します。特に床に寝ている場合は、人が動くたびにほこりが舞い上がり、それを吸うことによってくしゃみが多く出てしまいます。
他にも車に乗るときだけ、エアコンを使っているときだけ等、特定の状況下でくしゃみが多くなるといった場合も、ハウスダストが関係しているかも知れません。車内やエアコンのフィルターは、定期的に掃除をすることを心がけましょう。
5.動物の毛
動物を飼っている場合だとアレルギーの可能性があります。赤ちゃんとは別の部屋にいたとしても、家族の洋服に毛がついていることもあり、赤ちゃんを触るときには粘着テープで洋服の毛をとる等、余計に気を使う必要があります。
くしゃみ以外の症状は?風邪やアレルギーの判断基準
くしゃみが気になったとき、まず確認が必要なのは「他の症状はないか」です。生理現象のくしゃみと風邪やアレルギーの違いについて知っておきましょう。
風邪
もしも風邪であれば、くしゃみと同時に他の症状も併発することが多いです。熱が出ていないか体温計で体温をチェックして下さい。鼻水が出る、ミルクをあまり飲まないといったことも風邪の症状のサインです。こんな症状が見られたら、すぐに病院へ行きましょう。(注1)
アレルギー
風邪と同様に、くしゃみに加え他の症状が見られます。水のような鼻水が続いたり、鼻づまりが見られたらアレルギー性鼻炎かもしれません。アレルギーの原因となるほこりやダニを取り除く対応を続けてもくしゃみや鼻水が止まらないようであれば、病院を受診してください。しかし、赤ちゃんの体は発達が未熟なため、できないアレルギー検査もあります。医者の指示に従いましょう。(注2)
- 赤ちゃんも発症するアレルギーにはどんな種類があるのかを知っておきたいママは多いと思います。どれだけの種類があるのか、予防法はあるのか、発症してしまったらどうすればよいのかなどの疑問を解消します。
くしゃみを減らすために出来る対処法は?
熱もなく、他に気になる症状もない場合は、くしゃみを減らすための対策を試してみて下さい。ここでは、くしゃみ止めに効果的な方法を4つご紹介します。まずはこれらを実践しつつ、自宅で様子をみてみましょう。
1.家の中を清潔に保ち、定期的に換気をする
部屋は常に整理整頓し、きれいにしておきましょう。ハウスダストは完璧に取り除くことは出来ませんが、不衛生な生活環境では赤ちゃんにとって良いことは一つもありません。病気を引き起こしてしまう可能性があるかもしれません。
こまめな掃除や一週間に一回でも拭き掃除をする等して、出来るだけほこりを除去するように心がけてください。また、忘れがちですが換気も重要です。赤ちゃんが起きている時間に部屋の窓を少し開け、短い時間でも外気を取り入れ換気をするようにしましょう。
2.布団やマット類はこまめに取り換え、天気の良い日は布団を外に干し日光に当てる
布団やマット類は、毎日となると負担も大きいですが、数日に一回は取り換えたいものです。天気の良い日は積極的に外に干しましょう。取り入れた後は、掃除機でほこりやダニを吸い取ってください。ふかふかの布団なら、赤ちゃんは気持ちよく眠ることができます。
梅雨時期や天気が悪く何日も外に干せないといったときは、布団用クリーナーでほこりを吸い取ったり、布団乾燥機でダニを取り除くといいでしょう。最近は、お手頃価格で衣類や靴の乾燥にも使えるなどの機能がついた布団乾燥機も販売されています。ひとつあると重宝しますね。
3.空気清浄機や加湿器を用いて、赤ちゃんが過ごしやすい環境を維持する
赤ちゃんは暑がりです。赤ちゃんが快適に過ごせる部屋の温度は、大人より少し低めが丁度いいです。夏ならエアコンや扇風機を、冬なら暖房器具の温度設定を上手に使い、出来るだけ赤ちゃんが過ごしやすい環境を作るようにしてください。特に、乾燥しがちな冬の季節は、加湿器を使うといいでしょう。十分に部屋を加湿することで、風邪の予防にも効果的です。
空気清浄機は、赤ちゃんのいるご家庭では多くの家庭が所持しているかも知れません。ただ、空気清浄機があるからと言って掃除を怠ってしまうのは問題です。ないよりは安心という気持ちでいると良いでしょう。
4.床はほこりが舞いやすいため、ベビーベッド等を使い床から高い位置で寝かせる
赤ちゃんは、できるだけベビーベッドに寝かせてあげてください。人が歩くと、床にたまっているほこりが空中に舞います。赤ちゃんが床に寝ていると、その影響をダイレクトに受けてしまうため、くしゃみが出やすくなる可能性が高まります。もちろん、ベッドの枠や隅にほこりがたまっていないかどうか常に注意を払うことを忘れないようにしましょう。
ベビーベッドがなく床に赤ちゃんを寝かせている家庭なら、床の拭き掃除を忘れないようにしてください。一見きれいに見えても、雑菌がついているかもしれません。「床は拭き掃除」を習慣にするといいでしょう。
これらの対策をとっても一向にくしゃみが治まらない場合は、病院に行きましょう。もしかしたら病気を発症しているかもしれません。決して勝手に判断しないようにしてください。
くしゃみが気になるときは冷静な見極めを
赤ちゃんは、体の機能がまだまだ未熟な新生児です。新生児がくしゃみをするのは、必ずしも病気が原因とは限りません。赤ちゃんがくしゃみをするタイミングを考えてみると、原因が思い当たるママがいるかも知れませんね。
もちろん、くしゃみの原因が家の環境にあると勝手に判断してしまうのは怖いことです。病院で診てもらうことで病気でなければ安心することができます。たかがくしゃみと侮らず、くしゃみが続いて心配な時は病院へ行きましょう。
ママにできるのは、赤ちゃんがくしゃみをする様子を冷静に観察することです。赤ちゃんがくしゃみをするタイミング、場所などを見極め、病院に行く時期を見過ごさないようにしてください。