離乳食でピーマンはいつから?皮はいつまで剥くの?
離乳食にピーマンは、赤ちゃんが苦味を気にせず食べてさえくれれば使いやすい緑黄色野菜です。ピーマンはハウス栽培が盛んなので年中手に入れることができ、価格も比較的安定しています。また、ピーマンの旬は一応夏であるものの、栄養価は1年を通してあまり変化しないことが知られています。
ピーマンは中期以降に皮をむいて食べやすくしよう!
ピーマンはすりつぶしたものを離乳食中期(月齢7ヶ月・8カ月頃)から与えることができますが、離乳食ではひと手間加える必要があります。ずばりピーマンの皮を剥くことです!
基本的にスーパーで袋詰めにされているのは中型のピーマンで、大人はあの程度の薄皮を気にすることはありません。しかし、赤ちゃんにとってピーマンの皮は繊維質で消化の負担となるので、皮を剥いてあげた方が安心なのです。
薄皮を剥いたピーマンは、最初はすりつぶた状態のものを、慣れてきたら2㎜程度の細かいみじん切りにして水分を多めにしたり、とろみをつけたりして形状を変化させていきましょう。
皮むきはいつまで続ける?1歳を目安に赤ちゃんの様子で判断!
ピーマンは皮は噛む力が弱い離乳食後期(月齢9ヶ月~11ヶ月)もできるだけ剥いて使うようにしましょう。
1歳を過ぎると肉団子程度のかたさまで食べられるようになるので、咀嚼力を鍛えるためにも少しずつ皮を取り入れても良いでしょう。ただし、赤ちゃんによって歯の生え具合、離乳食の進み具合には個人差があるので、皮のせいで食べないような場合は引き続き剥いてあげましょう。
ピーマンを離乳食で使う際の大きさの目安
離乳食中期(7~8ヶ月) | |
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皮を剥いてペースト状にすりつぶす。慣れてきたら2㎜程度のみじん切りにする。 | |
離乳食後期(9~11か月) | |
皮を剥いて5㎜角程度の粗いみじん切りにする。 | |
離乳食完了期(1歳~) | |
皮はむかない。8㎜角程度に刻む。 |
離乳食に使うピーマンの下ごしらえ・保存方法
ピーマンの薄皮は、ピーラーでは剥くことは難しいので、加熱したうえで下処理する必要があります。皮をむくために鍋で茹でたり、コンロで炙ったりするとさらに洗い物が増えて面倒なので、ピーマンを離乳食で気軽に取り入れられるように、レンジを使った下ごしらえの方法をご紹介します。
レンジで皮むきが簡単にできる離乳食用ピーマンの下処理
ピーマンを大量に使いたい場合は鍋で茹でる方が効率は良いですが、離乳食は冷凍分を含めても1~2個のピーマンの下処理で十分なはずです。離乳食でピーマンを少量使いたいときにおすすめなのが電子レンジを使った下処理の方法です。
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ヘタを指で内側に押し倒して、そのまま引っ張り出しヘタと種を取り除きます。
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ピーマンを縦に半分に切り、ラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱したら一旦加熱状態を確かめて、さらに30秒加熱します。
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2をすばやく冷水に浸します。
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3を取り出すと皮がめくれてくるのでそのままむきます。ピーマンの鮮度によってはめくれてこない時があるので、その時は再度ラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱しましょう。
毎回の皮むきは面倒なので冷凍保存・フリージングが正解
ピーマンは冷凍保存可能な野菜です。レンジで加熱し皮を剥いたピーマンをすり潰したり、細かく刻んで、製氷皿やフリーザ-バッグに入れて保存しましょう。
加熱済みではありますが、離乳食に使う場合は再度レンジで加熱したり、お湯で茹でて柔らかくしたうえで使い、皮を剥いたピーマンを冷凍保存する場合は2週間程度を目安に使いきるようにしましょう。
ピーマンを使った離乳食レシピ
ピーマンの苦味や青臭さをできるだけ抑えて、赤ちゃんに「ピーマンは美味しい野菜」として受け入れてもらえるような離乳食のレシピをご紹介します。
中期(7カ月・8ヶ月)のレシピ|和風だしやしらすと組み合わせよう
ピーマンの味を覚えてもらうためには、ピーマンだけを使ったペーストが望ましいのですが、苦みの強いピーマンを最初に与えてしまうと、赤ちゃんはピーマンを嫌がってしまう可能性が高くなります。だし汁などを使って旨味をプラスしてスタートしましょう。しらすなど中期から使えるたんぱく質食材と組合せるのもオススメです。
しっかりめの和風だしで作る「ピーマンのペースト」
材料
- 下ごしらえ済みで再加熱したピーマン 5g
- だし汁(昆布・かつお) 小さじ1
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ピーマンをすりつぶし、だし汁でのばします。
魚の出汁で食べやすい「ピーマンとしらすのとろとろ」
材料
- 下ごしらえ済みピーマン 5g
- しらす 小さじ1
- だし汁 大さじ2
- 水溶き片栗粉 小さじ1/2(片栗粉 小さじ1/4+水 小さじ1/2
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ピーマンは2㎜程度にみじん切り、しらすはお湯をかけて塩抜きし、みじん切りにします。
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耐熱容器に1とだし汁を入れてふんわりとラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱し、水溶き片栗粉を混ぜ合わせて、再度ラップに包んで電子レンジ600Wで20秒加熱します。
後期(9ヶ月~11ヶ月)のレシピ|苦味を抑えて甘味を引き出す!
ピーマンの食感に慣れてもらうために下ごしらえしたピーマンを5㎜角に切って調理に使います。苦みや匂いを緩和してくれるたんぱく質食材を使い、ピーマンの甘みを活かします。チャーハンなどのご飯ものに混ぜればピーマンだと気づかなかったり、他の具材の美味しさで食べられることもあります。
苦味を感じにくい「ピーマンとツナのレンジ蒸し煮」
材料
- 下ごしらえしたピーマン 10g
- ツナ水煮缶 小さじ1
- だし汁 大さじ1
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ピーマンは5㎜程度のみじん切りにします。
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耐熱容器に1とツナ、だし汁を入れて混ぜ合わせ、ふんわりとラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱します。
ピーマン嫌いでも食べられる?「ピーマンと納豆の軟飯チャーハン」
材料
- 下ごしらえしたピーマン 10g
- にんじん 10g
- ひきわり納豆 大さじ1
- 軟飯 80g
- サラダ油 少々
- 醤油 少々
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ピーマンとにんじんは5㎜角に切り、にんじんはラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱します。
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フライパンに薄くサラダ油を敷き、ピーマンとにんじん、軟飯を炒め、ひきわり納豆を混ぜ合せたら火を止めて醤油で味付けします。
完了期(1歳~)のレシピ|煮びたし・肉詰めなど定番料理を取り分け!
完了期になると赤ちゃんも3回食のリズムに慣れてくるので、大人の料理から取り分けできるものを作ると調理の手間を省くことができます。ピーマンの肉詰めや煮びたしなども味付けやお肉の種類を変えれば大人も赤ちゃんも食べられる一品が完成します。
上品な味つけがおいしい取り分け離乳食「焼きピーマンの煮びたし」
材料
- ピーマン 2個
- かつおだし 1/4カップ
- かつお節 1パック
- サラダ油 少々
- 醤油 少々
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ピーマンはヘタと種、ワタを取り、縦に2等分して皮目に薄くサラダ油を塗ります。
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フライパンに1を皮目から並べて焼き、焼き目が付いたら裏返し、蓋をして5分蒸し焼きにします。
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2をだし汁に30分程度浸します。
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3を離乳食分に1/4個程度(10g程度)取り分け8㎜程度に切ってからかつお節としょうゆ少々をかけます。大人用も醤油をかけて完成です。
鶏むね使用でヘルシーな取り分け離乳食「ピーマンの肉詰め」
材料
(大人2人+離乳食2回分)
- ピーマン 3個
- 鶏むねひき肉 100g
- 木綿豆腐 50g
- 味噌 大さじ 1/2
- 片栗粉 大さじ1
- サラダ油 小さじ1
- 水 1/4カップ
- 醤油 大さじ1/2
- 砂糖 大さじ1/2
- 水 大さじ1
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ピーマンはヘタと種とワタを取り、横に半分に切ってポリ袋に片栗粉と入れてふり混ぜて片栗粉をまぶします。
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ボウルに鶏ひき肉、豆腐、味噌を入れて混ぜ合わせます。
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1に2を詰めます。
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フライパンにサラダ油を敷き、3とだし汁を入れて強火で2分、ひっくり返して中火で5分程度蓋をして水分がなくなるまで蒸し焼きにします。
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離乳食用はここで取り出し、切り分けます。大人用はフライパンに醤油と砂糖と水を混ぜ合わせたものを加えて煮詰めます。
ピーマンを食べない・嫌いな赤ちゃんは多い!苦味を抑える方法
赤ちゃんは大人より味を感知する味蕾が1.3倍あり、非常に鋭い味覚の持ち主です。特に自然界では苦みの強い食べ物は毒である可能性も高いため、本能的に苦味に関しては特に敏感に反応し、嫌がる傾向にあります。
ピーマンを食べない赤ちゃんに苦味を感じさせずに、離乳食で美味しく食べる習慣を身につけられるように、ピーマンの苦味を抑える方法をご紹介します。
新鮮なピーマンは苦くない!選ぶ時は特にヘタに注目しよう
ピーマンは鮮度が落ちると苦みが増し、中から腐敗が始まっていきます。新鮮で美味しいピーマンを見つけるためには特にヘタに注目してみましょう。
苦くない可能性が高い新鮮なピーマンの特徴
- ヘタが六角形のものは栄養価が高く、糖度が高い(甘くて苦味が少ない)
- ヘタの切り口がみずみずしく、緑色が濃いものが新鮮
- 全体的に果皮につややハリがあって肉厚なものが良い
ピーマンの苦味は切り方でも変わる!離乳食完了期の調理ポイント
ピーマンは切り方で味や食感に違いが出ます。離乳食後期まではみじん切りが基本なのであまり関係がないかもしれませんが、完了期以降はピーマンもすこし大きめのものが使えるようになるので参考にしてください。
ピーマンの苦味は「縦」に切ると抑えられる
ピーマンの苦みや香り、繊維質などを含む細胞は縦むきに並んでいます。それゆえ、ピーマンを縦に切ると細胞をなるべく壊さずカットできるため、苦みや香りを抑えられます。
また、繊維質を残せるのでチンジャオロースといったシャキシャキ感を楽しみたい調理のときには縦切りがおすすめです。
苦味は食材の組合せでカバー?柔らかくしたいなら輪切りがおすすめ!
苦味を抑えることはできませんが、輪切り、要するに横方向に切ると、縦に並んでいるピーマンの繊維質を断ち切って柔らかく仕上げることができます。
ただし、細胞を壊すことにより苦みや香り成分が流出するので、ピーマンの味やにおいに敏感な場合は旨味成分の含まれるだし汁やたんぱく質食材と組み合わせてカバーしましょう。
幼児食では油の力で苦味をカット!簡単な油通しの方法
ピーマンの苦味のもとであるクエルシトリンという物質は油に溶けやすい性質があるので、ピーマンを炒める前には、油に浸す油通しという処理を行うと苦みを抑えられます。
油通しは本来180度ぐらいに熱したフライパン(鉄鍋)などの中で行うと良いのですが、油の量が多くなるため幼児にはあまりおすすめできませんので、以下の方法が良いでしょう。
幼児食でできる油通しの方法
- お湯を沸騰させた鍋を用意
- 鍋に大さじ2程度の油を加える
- ピーマンを投入し、30~40秒ほど茹でる
- ザルなどにあげて水気を切る
茹でることでピーマンのシャキシャキ感は失われてしまいますが、苦味は気になりにくくなるはずです。離乳食ではどうしてもピーマンを食べない・嫌がる赤ちゃんは少なくなく、無理をする必要もありません。幼児食で克服できるように試してみましょう。
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