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離乳食の鶏ささみレシピ&下処理

離乳食の鶏ささみレシピ・パサつきを抑える下ごしらえ方法

離乳食で鶏ささみを上手に使う方法をご紹介。筋取りはフォークで簡単に行い、パサつきを防ぐためには茹で蒸しが基本です。1本そのまま冷凍して、すりおろして使ってもOK!低脂質・高たんぱく質な鶏ささみは、いつからどのように使えるのか、おすすめのレシピや食中毒予防のポイントも解説します。

鶏ささみは離乳食でいつから?アレルギーには要注意!

離乳食で鶏ささみは肉類としてはもっとも早く食べさせられる種類です。鶏ささみは低脂質で高たんぱく質なヘルシー食材であり、最近では健康志向の大人たちの間でも人気のため、鶏ささみが一時的に品薄状態となったスーパーもありました。

栄養面では魅力的な鶏ささみですが、調理する際には白いすじをとるのが面倒なイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか?また、鶏肉=パサつくというイメージで、鶏ささみはあまり料理に使ったことがないという方もいるでしょう。

フォークを使って簡単にすじをとる方法パサつきを抑える下ごしらえの方法、離乳食で鶏ささみをいつから、どのように使うのかレシピを交えてご紹介します。

鶏ささみは離乳食中期からお湯でのばしてペーストにして与える

鶏ささみは脂質が少ないため肉類の中でも消化しやすい食材です。離乳食中期頃から、お湯でのばしたペースト状にして食べさせることができます。

ただし、鶏ささみにはたんぱく質がとても多く含まれるので、消化が未熟な赤ちゃんには負担になることがあります。

たんぱく質の消化に慣れておくために豆腐、タラや鯛といった白身魚をささみよりも先に食べさせておきましょう。

鶏ささみのかたさ目安

離乳食中期(7~8カ月)
加熱してすりつぶし、お湯でペースト状にのばす。
離乳食後期(9~11ヶ月)
加熱して叩きつぶしたり、細かく刻む。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
加熱し、細かくほぐす。

ささみは鶏肉アレルギーが起こりやすい食材

鶏ささみを含む鶏肉は、食品衛生法で食物アレルギーを引き起こす可能性が高い27品目の食材の一つとして、「特定原材料に準ずるもの(推奨品目)」に指定されています(注1)。鶏肉による食品アレルギーの主な症状としては、皮膚がかゆくなる、じんましんがでるといったものが挙げられます。

離乳食で鶏肉は鶏ささみから与える方も多いと思いますので、鶏ささみを赤ちゃんに初めて与える際には、小さじ1にして変化がないか十分に観察しましょう。

食中毒にも注意!鶏肉は中心部を75度以上で1分以上加熱する

鶏ささみには、食中毒を引き起こすカンピロバクターという細菌が付着していることがあり、カンピロバクターは熱に弱いため、厚生労働省は加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱すること)を推奨しています(注2)。

また二次汚染の危険もあります。生の鶏ささみを調理した後のまな板や包丁、すり鉢やすりこぎなど使った器具は、必ず熱湯や除菌漂白剤を使い、食中毒を防ぎましょう。鶏ささみに限らず、肉類を触ったあとは手を十分に洗ってから、他の食品を取り扱うのも離乳食の衛生管理においては重要です。

離乳食の鶏ささみの下ごしらえ方法

鶏ささみの下ごしらえとして筋とりがあります。筋をとる方法として、フォークを使う方法を紹介し、パサつきを抑える茹で方のテクニックも参考にしてください。

フォークで簡単に筋をとる方法

  1. 鶏ささみは白いすじが見える方を上にして置き、フォークの先で筋の端をひっかけます。

  2. 右手でフォークを押さえつけながら、左手で筋を左奥の方向へ引っ張ります。

  3. すじが滑って持ちにくい場合は、キッチンペーパですじを包むと引っ張りやすくなります。

  4. すじを引っ張り、切って終了です。

パサつきを抑える茹で蒸しの方法

鶏ささみは脂質が少ないので、そのまま茹でるとパサついてしまいます。パサつきをなくすためには片栗粉をまぶして、茹で蒸しをします。

  1. 鶏ささみに片栗粉(1本に対して大さじ1/2程度)をまぶします。

  2. 鍋に鶏ささみがかぶるくらいの水を入れて沸騰させ、鶏ささみを入れます。

  3. 2が再沸騰させ1分後に火を止め、蓋をして5分放置します。

  4. 3をざるにあげ、粗熱が取れたらほぐします。

蒸しあがったものが1分以上中心温度75℃を超えていることを確認するために温度計を指して確認しています。もしご家庭に温度計があれば、ささみの中心部に差し込み温度を測ってみてください。

ちなみに、この茹で蒸ししたささみは、輪切りにカットしてわさび醤油などをつけると、大人にとってはヘルシーでおいしいおつまみになります。

離乳食に鶏ささみの缶詰を使用する際のポイント

鶏ささみは水煮されたフレーク状の缶詰が市販されています。下ごしらえが面倒な場合には缶詰で代用しても大丈夫ですが、以下のポイントに注して使いましょう。

離乳食後期(生後9ヶ月以降)から使う

離乳食期は、食材の味を赤ちゃんに教えることが重要です。缶詰は食塩を使って調味されているものが多いので、鶏ささみそのものの味に親しんだ後に使いましょう。

缶詰をそのまま使わず、必ず加熱調理する

鶏ささみの水煮缶は、加熱処理された製品ではありますが、再度しっかり加熱調理して安全性を高めておきましょう。加熱調理することで食中毒を防ぐことができます。

離乳食中期(生後7ヶ月・8カ月)の鶏ささみレシピ

鶏ささみのペーストだけで与えると飲み込みにくい場合があります。初めて鶏ささみペーストを与えるときは赤ちゃんが嫌がることがあるので、食べ慣れたアレルギーの心配のないお粥などと一緒に与えます。

はじめての鶏肉!鶏ささみペーストのせ粥

材料

  • 鶏ささみ(すじ取り済) 1/5本(10g)
  • 片栗粉少々
  • お湯 小さじ2(10cc)
  • 7~10倍粥 50g(お粥の硬さは赤ちゃんの好みに合わせてください)
  1. 鶏ささみは水で軽く洗い、片栗粉をまぶしてラップに包みます。

  2. 1を電子レンジ600Wで30秒加熱します

  3. 2をほぐしてすりつぶし、お湯でペースト状に伸ばします。

  4. 7倍粥の上に3をのせます。

離乳食後期(生後9ヶ月~11ヶ月)の鶏ささみレシピ

後期になると少量の調味料が使えるようになります。鶏ささみの臭みを軽減するために調味料を取り入れてみましょう。

鶏ささみとミニトマトの簡単トースター焼きグラタン風

材料

  • 鶏のささみ(下茹で済) 15g
  • ミニトマト 2個
  • パルメザンチーズ 小さじ1
  1. 鶏ささみはたたきつぶします。

  2. ミニトマトは4等分に切ります。

  3. 耐熱皿に鶏ささみ、ミニトマトを入れ、パルメザンチーズをかけます

  4. 900~1200wのオーブントースターで5分焼きます。
    食べるときは写真のように混ぜるとトマトのとろみで食べやすくなります。

離乳食完了期(1歳~1歳6ヶ月)の鶏ささみレシピ

完了期になると鶏ささみは加熱してほぐして使うだけでなく、生の状態をたたいてつぶしたミンチ状でも調理できるようになります。完了期は、手先の運動のためにもつかみ食べをたくさんさせてあげたい時期なので、ミンチを成型した調理はおすすめです。

鶏ささみの手作り一口しゅうまい

材料

鶏ささみ(すじ取り済) 1/2(25g)
小松菜(葉先)1枚分
たまねぎ 10g
片栗粉 小さじ1/2
塩 少々
片栗粉(まぶすよう)少々

  1. 小松菜はラップに包んで電子レンジ600wで20秒加熱します。

  2. 小松菜と玉ねぎはみじん切りにします。

  3. ささみは刻んで、包丁でたたきミンチ状にします。

  4. ボウルに2と3、塩入れて混ぜ合わせます。

  5. 4を赤ちゃんの一口大に成型し、片栗粉をまぶし、小松菜をかざります。

  6. 耐熱皿に5をのせ、フライパンに2センチ程度の水を張り、沸騰したら皿ごと入れて蓋をし中火~強火で6分加熱します。

鶏ささみは1本ずつラップで密閉して冷凍保存しよう

鶏ささみは非常に傷みやすい食材なので、購入した翌日までには使い切るようにします。もし余ってしまいそうな場合は、筋を取ったものを1本ずつラップに包んで空気を抜き、フリーザーバッグなどの密閉袋に入れれば、2週間程度保存が可能です。

鶏ささみは冷凍してものをそのまますりおろしてOK

冷凍した鶏ささみはそのまますりおろして加熱調理に使うこともできます。

写真はすりつぶしたものを電子レンジで加熱したものです。
中期の後半(ペーストに慣れてから)使える程度の硬さです

鶏ささみを加熱して、ほぐした後に冷凍することも可能

加熱処理した鶏ささみのペーストやほぐしたものをジップ付きの保存袋に入れるという方法もあります。この場合も2週間を目安に使い切りましょう。

低脂質で高たんぱくな食材!鶏ささみの栄養的メリットは?

文科省の食品成分データベースを参考に、鶏ささみに多く含まれている栄養素や食品としての特徴をご紹介します。

筋肉を作るたんぱく質は肉類トップクラスの数値!

成長が著しい赤ちゃんにとって、筋肉のもととなるたんぱく質は重要な栄養素ですが、鶏ささみは重量の約1/4がたんぱく質で、これは肉類ではトップクラスの含有量です(注3)。

たんぱく質をエネルギーに変換するビタミンB6も豊富!

たんぱく質を体の中でエネルギーにするために欠かせない栄養素がビタミンB6です。鶏ささみにはビタミンB6もたくさん含まれており、たんぱく質を効率的にエネルギーに変換できるため、アスリートなども鶏ささみをよく食べることが知られています。

離乳食期のハイハイ、つかまり立ちと運動量が飛躍的に増えるので、赤ちゃんにとってもたんぱく質やビタミンB6は欠かせない栄養素です。鶏ささみで効率的に摂取し、健康な毎日を過ごしましょう。

ささみは鶏肉のなかでも最も低脂肪で、消化の負担が少ない

肉類などに多く含まれる脂質は消化に時間がかかるため、消化機能が未熟な赤ちゃんにとっては体の負担になりやすい栄養素です。
そんな中、鶏ささみの脂質はわずか1%。同じく低脂肪の印象がある皮つきの鶏むね肉で6%含まれるので、ささみはとても低脂肪な食肉であることがわかります。

そのため、鶏ささみは、食肉の中でも消化機能への負担が少なく、離乳食で早くから使えるお肉として活躍させられます。

鶏ささみはお粥や野菜と組み合わせて離乳食に使おう!

鶏ささみは赤ちゃんにとって初めて食べるお肉としてオススメですが、鶏肉特有の臭みを嫌がる赤ちゃんもいます。そのような場合は、アレルギーの心配のない、慣れ親しんだお粥やにんじん、さつまいもといった甘みのある野菜類と組み合わせてみましょう。

低脂肪でたんぱく質が豊富な鶏ささみは赤ちゃんでなく、産後のママにもぴったりな食材です。赤ちゃんと一緒にママも美容と健康のために鶏ささみをぜひ料理に活用してください。