母乳が出ない8つの原因・母乳で育てるにはどうしたらいいの?
母乳育児をしたかったのに、おっぱいが出ない!
「母親になれば誰でも出るものだと思っていたのに」とショックを受けてしまうママも多くいるようですが、あまりくよくよしないでください。母乳は産後すぐにたくさん出る方もいますが、なかなか母乳育児が軌道に乗らないママもたくさんいます。
今回は、悩めるママのために、母乳が出ない8つの原因とその対処法についてまとめてみました。
赤ちゃんに個性があるように、ママのおっぱいにも個性があります。焦らずにいきましょう!
1.授乳回数の不足
おっぱいが出ない原因の多くが授乳回数の不足です。母乳は赤ちゃんに吸われることで作り出されていくので、はじめは母乳が出ない、量が少ないのは当たり前のことです。あまり気に病む必要はありません。
赤ちゃんが乳頭を吸った刺激が脳に伝わることで、母乳を作り出す「プロラクチン」というホルモンと母乳を乳頭まで運ぶ働きをする「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。これを繰り返すことで、安定して母乳が出るようになりますが、どのくらいの期間で安定するかは個人差がありますので焦らないでください。
逆に、赤ちゃんに乳頭を吸わせないと、脳が母乳はもう必要ないと判断し、分泌をやめてしまいます。母乳が足りているのかどうか心配になる気持はよくわかりますし、ミルクを足すことは悪いことではありませんが、まずはおっぱいを吸わせてみましょう。
2.赤ちゃんの吸い方
赤ちゃんは、口の中に入ってきたものをくわえて吸う「吸てつ反射」によって、本能的におっぱいの吸い方を知っています。しかし、吸い方があまり上手くない子もいるようで、吸う力が弱かったり、途中で疲れて眠ってしまったりということも珍しくありません。
また、ママの乳首の形が陥没型や扁平型などの場合は、どうしても赤ちゃんが吸いにくいこともあるようです。その場合は、まず授乳姿勢を工夫してみましょう。
例えば、赤ちゃんをママの太ももにまたがらせて首を支えるたて抱きは、乳輪までしっかりくわえこむことができるので、乳首が短い人におすすめです。赤ちゃんをラグビーボールのように小脇に抱えて授乳するラグビー抱きは、母乳への吸いつきが弱い赤ちゃんに適しています。
他にも乳頭保護器やニップルなど、母乳育児を助けてくれる道具はだいたい1,000円以下で買えますので、乳首の形や赤ちゃんの吸い方が気になる方は頼ってみてもいいのではないでしょうか。
赤ちゃんは少しずつおっぱいを吸うのが上手になり、吸う力も強くなります。赤ちゃんが頑張って吸ってくれることで、ママの体はおっぱいを作れるようになります。焦らず授乳を続けましょう。
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3.乳管のつまり
初産では母乳の通り道である乳管が十分に開いていないことがあります。何度も授乳し、刺激を与えることで、乳管の通りもよくなります。
おっぱいマッサージも効果的です。自己流で効果がないときや不安な時には、母乳外来などを訪問するとよいでしょう。マッサージによって、驚くほど母乳が出るようになることもありますし、プロに話を聞いてもらうことで不安が解消されます。
乳管が詰まってしまうと、痛みや発熱を伴う乳腺炎になってしまうこともあります。甘いものや脂っこい食べ物は乳管を詰まらせる原因になりますので、母乳の出が落ち着くまでは控えた方が無難です。母乳育児が軌道に乗るまでは、野菜中心の和食を意識して食べるようにしましょう。
4.貧血、栄養不足
栄養たっぷりのおっぱいを作るためには、ママがたくさん栄養をとらなくてはいけません。授乳中の女性は、妊娠していない女性より1日450キロカロリーほど多くとることが推奨されています。タンパク質、カルシウム、鉄分などをバランスよく摂取しましょう。
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また、母乳は血液から作られています。出産の際には、大量の血液が身体から流れ出ています。産後すぐのママやもともと貧血気味の人は、レバーやホウレン草など鉄分を多くとることを心がけてください。
5.水分不足
母乳の約8割は水分です。母乳育児をするママは、授乳によって自分でも気づかない間に大量の水分を失っています。成人女性は1日に2リットルの水が必要と言われていますが、母乳育児をしているママは、それ以上に水分をとる要があります。
更に水分には血液をさらさらにする効果もありますので、母乳を作るために水分の摂取は非常に重要です。ただし、冷たい飲み物は、身体を冷やすで注意してください。白湯やカフェインの入っていない麦茶やルイボスティー、たんぽぽ茶などを温めて飲むといいでしょう。
6.血行不良、冷え
母乳は血液からできていますので、血の巡りが悪くなると母乳も出にくくなってしまいます。血行不良の原因として、1番に考えられるのはからだの冷えです。
ママは周りの人に協力してもらって、お風呂に入るときはできるだけ湯船につかりましょう。足湯だけでも、血行促進効果があります。
また、食事は生姜や根菜など、身体を温める作用があるものを積極的に取り入れましょう。足首や首などを冷やさない服装も大切です。無理しない程度に、軽くストレッチをするのもおすすめです。
7.ストレスや子育てのプレッシャー
睡眠不足からくる疲れ、周囲の人からの子育てのプレッシャーなど、ストレスはホルモンバランスの乱れや血行不良を招き、母乳が出ない原因になってしまいます。
赤ちゃんが寝たらママも一緒に身体を休める、時には1人になれる時間を持つなど、ママはできるだけストレスを溜めないようにしましょう。
また、母乳が出ないことを気にしているママの中には、母乳が出ないことを悩むことがストレスとなり、ストレスから母乳が出なくなるといった悪循環に陥っている方もいます。「出ないときはミルク!」と割り切って、自分を追い詰めないようにしてください。
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8.もともと「差し乳」タイプ
本当は十分に母乳が出ているにもかかわらず、母乳が出ないと思い込んでいる人がいます。搾ってもほとんど母乳が出ないし、乳房も張らないので、母乳が作られていないと考えてしまうようなのですが、もともと「差し乳」タイプなのかもしれません。
「差し乳」とは、普段はあまり乳房が張らずに、赤ちゃんが飲み始めると同時に母乳を作り出すおっぱいのことです。 産後すぐは、授乳をしていなくても母乳が作られ、乳房が張る「溜まり乳」タイプの方が多いようですが、やはり個人差があります。もともと「差し乳」タイプの方もいますし、母乳育児が軌道に乗ったことで、「差し乳」に変わっていくケースもよくあります。
自分ではおっぱいが出ている実感がわかず、赤ちゃんの飲んでいる量もわからないため、最初から「差し乳」タイプのママは不安になりやすいようです。体重が減らずに、赤ちゃんの機嫌もいいのなら、心配はいりません。
母乳はミルクと違い、授乳感覚を気にする必要はありません。赤ちゃんが欲しがったら、欲しがった分だけ与えてあげれば大丈夫です。
焦らず、マイペースに赤ちゃんと向き合う
とにかく赤ちゃんにたくさんおっぱいを飲んでもらうこと、そしてママが自分を大事にしてあげることが母乳を出す近道のように思います。赤ちゃんにそれぞれ個性があるように、ママのおっぱいにも個性があります。焦らずに、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんと向き合っていましょう。
頻回授乳もしているし、からだにも気を付けている。それなのに、どうしても母乳がでないという方もいます。
そういう時は、原因を追究することはやめましょう。無理せず粉ミルクをあげて、赤ちゃんがすくすく育ってくれればOKです。粉ミルクには、母乳だと不足しがちなビタミンDなどを多く含んでいる商品がたくさんあり、栄養的にも安心です。また、ミルクだとママ以外に、パパや祖父母など、だれでも赤ちゃんとコミュニケーションがとれるという利点もあります。
離乳食がはじまり、1歳を過ぎれば、多くの子が食事から栄養をとります。ある程度の年齢になれば、「母乳で育ったか」「ミルクで育ったか」なんて気にしている人は誰もいません。
ママと赤ちゃんが笑顔で過ごせること、それが1番大切です。