透明の鼻水の意味とは?
赤ちゃんの透明の鼻水は病気のサイン?予想できる各症状
赤ちゃんは頻繁に透明の鼻水を出しています。色が濃い鼻水は心配してしまいますが、色がついていないさらっとした鼻水の場合は、あまり気にせず放っておくこともあるでしょう。本当に放置しても良いのか、透明の鼻水の意味するものについて紹介します。
赤ちゃんに透明の鼻水が見られたときに確かめるべきこと
赤ちゃんの顔を見ると、透明の鼻水が一筋・・・。初めは「風邪をひいたのかしら?」「部屋が寒すぎるのかしら?」と心配していたお母さんやお父さんも、いつの間にか鼻水がある状態に慣れてしまい、特別なアクションを起こさないようになってしまいます。
でも、本当にそれで良いのでしょうか。透明の鼻水が出るということは、何らかの理由が隠れているのは事実です。透明の鼻水が出ていたときには、どのように行動するのがもっとも望ましいと言えるのか、紹介します。
病気の兆候かも!まずは一度熱を測る
黄色や黄緑色に色がついている鼻水は風邪、透明の鼻水は風邪ではないと、頭ごなしに決めてしまってはいませんか?ですが、風邪の引き始めのころは透明の鼻水が出ますし、アレルギー症状などで透明の鼻水が出ることもあるのです。
熱が高い場合は、早めの処置で症状の悪化を防げることもあります。「いつも鼻水が出ているから・・・」と放置するのではなく、まずは一度、熱を測って、風邪や感染症ではないのか確認しましょう。
手足の冷たさ・熱さをチェックする
周りの温度や湿度が赤ちゃんに何らかの影響を与え、透明の鼻水となって現れることもあります。大人の体感温度と赤ちゃんの体感温度は少々異なるので、適温に感じられる部屋でも、赤ちゃんにとっては「ちょっと寒い」ことや「暑くて苦しい」こともあります。
そんなときは赤ちゃんの手のひらや足の裏を触って見ましょう。ちょっと冷たいくらいで正常ですが汗ばんでいる場合や熱くなっているときは、周囲の温度が赤ちゃんに負担をかけていると考えられます。室温を調整するようにしましょう。
- 赤ちゃんの部屋にエアコンをつけるとなると夏は冷え、冬は乾燥が気になりますね。一年を通して冷暖房として使用するエアコンですが赤ちゃんが快適に過ごすためには設定温度はもちろんお部屋の空気管理が大切です。
機嫌は良い?ミルクは飲む?赤ちゃんの様子をチェック
透明の鼻水を流しながらも、ご機嫌に過ごしている赤ちゃんなら、重篤な病気にかかっている可能性は低いと考えられますが、機嫌が悪く、一日中ぐずっていたり、夜泣きが長かったりする場合は、何か病気にかかっている可能性もあるかもしれませんね。
また、母乳やミルクはしっかりと飲めているでしょうか。
- 一口飲んだだけで遊んでしまう。
- お腹は空いているようなのに食事が進まない。
このような場合も、何か別の病気にかかっている可能性が考えられます。
- 赤ちゃんがミルクを飲まない理由から対処法が見つかります。ママを困らすミルク拒否には赤ちゃんのお気に召さない原因があるのかも?病気原因では一時的に体重が減ることもありますが、おおらかに見守りましょう!
熱がある場合!透明の鼻水が出たときに考えられる病気と対策
透明の鼻水が出ている状態で熱がある場合(37.5度以上)の病気と対策です。熱は赤ちゃんの健康を示すバロメーターです。微熱や高熱でわかる可能性のある病気の種類を紹介します。
微熱が続く(38.5度を超えない)ときは風邪の可能性大
透明でさらさらの鼻水が出ていて、顔も赤っぽくだるそう。熱を測って見ると37.5度~38.5度(一般的に微熱とされるのは38度未満ですが、赤ちゃんは平熱が高めなので、ここでは38.5度までは微熱とします)の熱が続いているときは、ライノウイルスやアデノウイルス、RSウイルス、エンテロウイルス等にかかって風邪をひいていると考えられます。
透明の鼻水が2~5日ほど続いて、徐々に粘り気の強い黄色っぽい鼻水に変わっていくケースも多いです。かかっているウイルスによって咳は出たり出なかったりしますが、微熱といっても赤ちゃんには大きな負担になるので、なるべく早めに病院に連れて行って、処置を受けるようにしましょうね。
高熱が続く(38.5度を超える)ときはインフルエンザの可能性大
透明の鼻水が1~3日ほど続いたと思ったら、濃い色の鼻水に変わり、38.5度を超える高熱が出てしまうとき。インフルエンザに罹患した可能性が高いと判断できます。赤ちゃんが全身で呼吸をしているような苦しい表情を見せることもあるので、できるだけ早く病院に連れて行きましょう。
赤ちゃんを病院に連れて行くときには、必ず付き添いのお母さんやお父さんはもちろん、赤ちゃん自身もマスクをかけ他の来院者にインフルエンザを移さないように充分に配慮しましょう。もし赤ちゃんがインフルエンザにかかっていないときも、マスクすることで院内感染を防ぐことができますよ。
熱がない場合!透明の鼻水が出たときに考えられる病気と対策
透明の鼻水が毎日のように出てるけど、熱を測るといつも平熱のときは、風邪やインフルエンザにかかったのではなく、アレルギー性鼻炎や花粉症の可能性が考えられます。
アレルギー性鼻炎
ダニやハウスダスト、ペットの毛やフケ、カビなどが原因となって、アレルギー性鼻炎になっていることもあります。小児科や耳鼻科、アレルギー科などで何にアレルギーを持っているのか調べると良いかもしれません。
採血によるアレルギーテストは患者が1歳以上になっていないと受け付けていない病院も多いですが、注射針を使用しない『パッチテスト』や『スクラッチテスト』は生後4か月以上から実施できます。鼻水などの症状が長引くときは、自宅環境を整えるためにも、専門のテストを受け、アレルゲンを突き止めると赤ちゃんの症状も改善できますよね。
花粉症
花粉症もアレルギー症状の一つですが、他のアレルギー性鼻炎とは異なり季節により症状がひどくなったり治まったりすることが特徴です。近年、花粉症にかかる赤ちゃんの数も増えてきていますので、透明の鼻水が長引くときは、耳鼻科やアレルギー科などで詳細に調べてもらう方が良いかもしれません。花粉症は、花粉によって罹患するおおよその時期が決まっています。
花粉症と飛来時期
・ヒノキの花粉:3月~5月
・カモガヤの花粉:5月~7月
・ヨモギの花粉:8月~10月
・ブタクサの花粉:8月~11月
・スギの花粉:11月~4月
透明の鼻水があるときの注意点
赤ちゃんに透明の鼻水が出ているとき、どのようなことに注意して過ごすことができるでしょうか。おでかけやお昼寝、服装、室内環境等について見ていきましょう。
透明の鼻水が出るときのおでかけ
赤ちゃんに透明の鼻水があっても、熱がないなら、外出することも可能です。どんなことに注意をしてお出かけすることができるでしょうか。
アレルギー性鼻炎でも配慮は忘れずに
透明の鼻水が出ていても、花粉症等のアレルギー性鼻炎なら、他の赤ちゃんや大人にうつることはないので積極的にお出かけを楽しめます。ですが、他のお母さんやお父さんたちが、アレルギー性鼻炎であることや感染の可能性がないことを知らずに赤ちゃんを見て、「病気なのにどうして連れてきたのかしら?」「移ったらどうするのかしら?」と心配したり不快になったりする可能性があります。
赤ちゃん同士が密着する可能性のある児童館や幼児教室などへのお出かけは、少々控えておいた方がトラブル予防になるかもしれませんね。
鼻水はこまめに取る
鼻水が大量に出ていると、周囲から心配されるだけでなく、赤ちゃん自身も不快感を覚えたり気分がぐずついたりしてしまいます。鼻孔からたくさん出る前に、外出先でもこまめに鼻水を取ってあげると赤ちゃんの機嫌も良くなりますよ。
外出先での鼻水の処理には、電動の鼻水吸引機が便利です。乾電池式やバッテリー式になっておりコンセントは不要なので、どこでも簡単に赤ちゃんの鼻水をすっきりさせることができますよ。また、スポイトタイプで吸引するよりも短時間ですっきりさせることができるので、赤ちゃんにもお母さんにも負担が少ないのもポイントですよね。
吸引機・ウェットティッシュ・ガーゼの3種の神器
鼻水が出るときのおでかけには『鼻水吸引機』と『ウェットティッシュ』そして『ガーゼ』の3つは必ず忘れないようにしてください。ウェットティッシュがあると、鼻水が固まって取りにくくなってしまったときも、赤ちゃんに痛い思いをさせずに取ることができ、通常のティッシュペーパーよりも柔らかいですので、赤ちゃんの肌を傷つける恐れも少ないです。
また、ガーゼハンカチも必要です。こまめに顔をキレイにするためには、ハンカチやタオルで赤ちゃんの鼻周りを拭わなくてはいけませんが、何度もこすることで、赤ちゃんの皮膚をかぶれさせてしまう可能性があります。
赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、真皮と表皮を合わせた厚さが、大人の皮膚の2分の1~3分の1しかありません。また、生後3ヶ月ほどは、胎内に居たときにお母さんの血液からもらっていた黄体ホルモンの影響で皮脂分泌がさかんなのですが、3ヶ月を過ぎると急激に皮脂分泌が不活発になり、3歳くらいまでは成人の皮脂分泌の3分の1ほどになってしまいます。そのため、ちょっとした刺激で皮膚が傷ついたりかぶれたりします。
ガーゼのように柔らかい布なら、少々こすっても皮膚への負担は少ないと考えられます。赤ちゃんのつるつるの肌を守るためにも、鼻周りは柔らかいガーゼで拭いてあげるようにしましょうね。
- 赤ちゃんの鼻水吸引ケアは赤ちゃんの健康を守るために欠かせません!鼻水放置の悪影響や上手く鼻水が取れない時の対処法、ママが行う鼻ケアをサポートする鼻吸い器3タイプの特徴や違いを解説!
無理をさせないスケジュールで動く
アレルギー性鼻炎といっても、体がだるくなったり、鼻水やくしゃみが出ることで、赤ちゃんは通常より疲れやすくなっています。赤ちゃんに無理をさせないようにお出かけはいつもよりも短時間にしたり、近場にしましょうね。
また、体が弱っていることもあるので、風邪やインフルエンザにかかりやすくなっている可能性もあります。人が多い場所や大勢の子どもたちと触れ合う場所には、あまり連れて行かない方が良いかもしれませんね。
透明の鼻水が出るときのお昼寝や睡眠
鼻水がつまって、お昼寝や睡眠がスムーズに取れない赤ちゃんも少なくありません。眠る前に鼻水吸引機をつかって鼻をすっきりとさせたら、上半身の下に3つ折りか4つ折りにたたんだバスタオルを敷いて、頭部が少し上になるようにしてあげましょう。鼻の通りが良くなり、呼吸が楽になりますよ。
タオルを頭の下だけに敷くと、喉の気道が圧迫されて呼吸が苦しくなることもあるので、タオルを敷くときは上半身全体の下に敷いて、緩やかな傾斜を作るようにしましょうね。
透明の鼻水が出るときの服装と室内環境
透明の鼻水が出ているときは、服装や室内環境をどのように整えることができるでしょうか。
風邪等をひいているとき
透明の鼻水が出ていて、熱などの諸症状により風邪をひいていると判断されるときは、赤ちゃんの汗をこまめに拭き、清潔な下着に着替えさせて、いつでも快適に過ごせるようにしてあげましょう。また、高熱が出ているときは、手足の上には布団をかけずに、お腹の周りだけに肌掛け布団やタオルケットをかけてあげる方が良いかもしれませんね。
部屋は乾燥しないように注意し、加湿器などで充分な湿り気を与えるようにしましょう。加湿器の水を足すときは、加湿器内部や給水タンクの口部を丁寧に洗い、カビなどが発生しないように注意しましょうね。部屋を適温に保つことも重要ですが、1時間~2時間に一度は換気をし、新鮮な空気が入るように心がけることも重要です。
アレルギー性の鼻炎のとき
鼻水が大量に出ると、透明のさらさらした鼻水でも固まり詰まることがあります。こまめに取り除くことが大切ですが、鼻水が固まらないように、部屋を適度に加湿することも大切です。加湿器や濡れたタオルを使って、適度に湿り気のある室内環境にしましょう。
加湿器は適度な温度と充分な水があるために、内部や周囲にカビが発生しやすくなるのが難点です。水を足すときや使用しないときなどに、内部やタンクの口などを丁寧に洗い、カビが発生しないように気をつけましょう。また、加湿器を置く場所をこまめに変えることも大事です。いつも同じ場所に加湿器を置いていると、加湿器の近くのカーテンや家具、壁紙等にカビが発生することもありますよ。
流行する時期の把握、アレルゲンを取り除くことが予防に繋がる
風邪やインフルエンザにかからないように、特に流行する時期は、人が多い所にあまり連れて行かないようにする方が良いかもしれませんね。
また、アレルギー性鼻炎の場合は、アレルゲンとなるものを取り除くことで症状を緩和することができます。ダニやハウスダストをアレルゲンとする赤ちゃんなら、こまめに掃除をしたり布団や枕カバーの洗濯を頻繁にしたりすることで、症状を改善することができますよ。