子どもが駄々をこねるのを静かにさせたい
駄々をこねる子どもの行動に、悩んでいるパパママも多いことでしょう。「なぜうちの子は駄々をこねるの?」「どうしたら解決するの?」「どうしていいのか分からない!」ここでは、静かに落ち着かせたい子どもの駄々をこねる行動を考えるとともに、親子でできる対処法をご紹介します。子どもに駄々をこねられても、子育てが楽しいと思えるようになるといいですね。
子どもが駄々をこねるのは2歳前後から
子どもが駄々をこね始めるのはいつ頃からなのでしょうか。個人差はありますが、多くの親の声を拾ってみると、始まるのは大体2歳前後から、終わりは小学生入学前後くらいまでです。
この時期の子供たちは、まさに成長まっただ中。赤ちゃんだった頃から、だんだん言葉を覚え始め、パパママの言葉やしぐさを真似たりして、徐々に社会性を身につけていきます。
子どもが駄々をこねる時の心理状態
子どもが駄々をこねるには理由があります。ここでは、その理由を見ていきましょう。
分かってほしいのサイン
まだまだ感情と言動が一致しないものの、自分の欲求に泣いたり声を上げたりして、「わかってほしい」と懸命にサインを送っています。自分の主張を言葉で表すのがまだ難しいため、分かってほしい事を大きな声で泣くことで表現しているのです。
かまってほしいのサイン
親と子供が触れ合う機会や交わす会話が少ないと、子供は不安を覚えるようになります。自分は嫌われているんじゃないか、親が自分を置いてどこかへ行ってしまうんじゃないか、もっと自分を見てほしいと強く願うようになります。そのことから、自分に興味を向けてほしくて、駄々をこねるようになるのです。
赤ちゃんへのやきもちサイン
赤ちゃんが生まれると、ママは赤ちゃんのお世話でかかりっきりになります。お兄ちゃんお姉ちゃんという立場になったことで、今まで自分だけに注がれていた親の愛情が生まれた赤ちゃんに取られてしまったと思い、赤ちゃんにやきもちを焼くようになります。そう、駄々をこねるのは、もっと親に甘えたい、赤ちゃんよりも自分を見てと思う、赤ちゃんへのやきもちからくるものなのです。
状況の変化にとまどうサイン
引っ越しで仲良しのお友達と別れてしまった、通い始めの幼稚園でお友達ができない、大好きなパパが単身赴任で家からいなくなったなど、自分を取り巻く状況が変わることがあります。そんな状況の変化に自分の気持ちが上手に適応できないと、駄々をこねるという表現で、どうしていいのかわからないことを伝えようとします。
子どもが駄々をこねるのは親にも原因がある
子どもは、親の態度に敏感です。普段の親の何気ない一言や行動が子どもの心を不安にさせると、駄々をこねるという行動をとります。駄々をこねる原因は、必ずしも子どもにあるとは限りません。もしも、最近子どもの駄々が増えたかも…と思ったら、自分の行動を振り返ってみてください。
いつもイライラしている
山積みになった家事を横目に子どもの相手もしなければならないママはいつも忙しくしています。ゆっくり温かいお茶でも飲みながらくつろぐなんて夢のよう…と思うママは少なくないでしょう。子育てにお休みがないママは、イライラしがちです。表情から笑顔が消えていませんか。目が三角になっていませんか。時には鏡の中の自分の顔をチェックして下さい。
スキンシップが足りない
家事や仕事の忙しさの余り、子どもとのスキンシップがおろそかになっていませんか。まだまだ甘えたい時期の子どもには、肌と肌の触れ合いが大切です。短い時間でいいので、子育ての合間にスキンシップをするようにしてみましょう。頭をなでたり、ほっぺたをくっつけたり、手と手を合わせたり、抱っこをしたり。子どもはママが笑顔でそばにいてくれると安心します。きっと心が穏やかに落ち着いてくるでしょう。
返事をしない
子どもの問いかけには返事をしてあげて下さい。忙しいとついつい「あとでね」と、たった一言で突き放してしまいがちですが、子どもの言葉にその場でちゃんと反応することが大事です。すぐに対応してあげられない時は、「わかったよ、じゃあお洗濯が終わったら話を聞くね。」と対応してあげられない理由を伝えましょう。まっすぐ子どもの目を見て話すことがポイントです。
何をしても叱らない
子どもが駄々をこねる理由は不安を覚えるからだけではありません。逆に、親を見下している場合も考えられます。普段から親が子どもに対して、何をしても叱らない、何も言わない場合、「駄々をこねれば言うことを聞いてもらえる」とたかをくくり、わざと駄々をこねる演出をするかも知れません。
この場合は、親と子どもの立ち位置の違いをしっかり教える必要があります。親は子供をしっかりと観察し、してはいけない事をしたら叱ることを実践してください。普段から子どもと会話をする機会を増やす努力をするように心がけましょう。
子どもが駄々をこねた時はこうしよう
どんなに色々な事を心がけても、子どもは駄々をこねる時はこねるものです。とりあえず、駄々をこねるのをやめさせたい、静かに落ち着かせたい、そんな時はどうしたらいいのでしょうか。
気をそらす
子どもが駄々をこね始めたら、関係のない話をして子どもの気をそらせてみて下さい。「このお菓子を買って!」と泣いているなら、「今日のご飯はハンバーグだよ、お肉を買いに行こう」と子どもの気持ちを他のことに向けさせてみましょう。興味のありそうなことや興味を引きそうなことに気持ちを持って行くことで、たった今執着していることを忘れてもらえるかも知れません。子どもは意外に忘れっぽいです。ぜひ試してみてください。
子どもの言葉をオウム返しする
「そう、○○が欲しいんだね」「わかったよ、○○してほしいんだね」と、まず子どもの言葉をオウム返しにしてみるのはどうでしょうか。そうすることで、子どもは自分の言いたいこと、してほしい事を分かってもらえたと安心します。ひっくり返って泣きわめく子供を落ち着かせるには、まず、ママが分かってくれたと思わせることが重要です。「わかったよ」という言葉を繰り返し使ってみて下さい。
そのままにしておく
言葉で「わかったよ」を伝えても駄々をこね続けるようであれば、そのままにして放っておくのも一つの方法です。子どもが足や手をバタバタさせて大声で泣いていても、親が知らないふりをして、姿が見える程度にその場を離れてみましょう。置いて行かれては大変と、「待って!」と泣きながら後ろから追いかけてくるかも知れません。
抱きしめる
感情が高ぶって手がつけられないほどに泣きわめいているなら、子どもをギュッと抱きしめるという方法が有効かも知れません。抱きしめるときは、横抱きよりも、子どもの腕を自分の首へ、足を体の後ろに回し、正面からしっかり抱きとめてあげるのがおすすめです。
これは、子どもが暴れても痛手が少なく、親も子も気持ちが落ち着く体勢です。しばらくの間、抱きしめてあげて、子どもの背中をなでていてください。最初は抵抗するかもしれません。けれど、ママの抱っこが嫌いな子どもはいません。
「やだやだ!!」という子には、「そうだね、いやだったね」、「買って買ってー!」という子には、「そうだね、買ってほしかったね」。そうしていくと、やがて子どもの感情も落ち着いて、いつもの様子に戻っていきます。
ここでは、あまり子どもを説得させるようなことはしないでください。大好きだよ、愛してるよ、という気持ちをもって接するだけで穏やかになっていきます。年齢によっては、買えない、できない理由を伝えたうえで、納得したら褒める、認めることが大切です。
子供にどんなに駄々をこねられても親がやってはいけないこと
いろいろ試しても駄々をこねるのをやめないからといって、親が何をしてもいいというわけではありません。ここでは、親がやってはいけない事をご紹介します。
子どもが駄々をこねても親がやってはいけないこと
- 一方的に叱る
- 突き放す
- 話を聞かない
- 脅す
- 怒鳴る
- たたく
子どもが駄々をこねたときについやってしまいがちなこれらの行為は、子ども自身を否定することにつながります。早く解決したいがために、親も辛抱してやる行為かもしれませんが、かえって子供を傷つける結果になってしまい、解決からは程遠いといえましょう。子どもに恐怖を与えても、解決にはならないのです。残されるのは傷ついた子供と疲れた親です。やっても効果がないのに、わざわざやることはありません。
こうした行為の裏側には、親自身の子育てへの不安や、周囲への気配りに疲れ果てた心労があるでしょう。自分を責めないでください。周りの目を気にする必要はありません。人は自分が見たいように物事をみるので、いちいち気にしていては身が持ちません。
それよりも、「ああ、わたしって疲れているんだな」「ごめんね、イライラして」「そんな自分も大好きだよ」そうした言葉を、自分にもかけてあげて欲しいのです。
誰よりもまず、自分自身が頑張っていることを認めてあげてください。言われてうれしい言葉があれば、ぜひそれを自分で自分にかけてあげてください。時には家事を旦那さんに変わってもらうなどしてリフレッシュしてください。続けていくと、自分で自分を認めることは、誰かに認めてもらうよりも、パワフルで安心できることがわかってくるでしょう。
子供に駄々をこねさせない外出前の3大ポイント
子どもに駄々をこねさせないようにするには、外出する前に子どもの3大欲求を満たしてあげましょう。
食欲を満たす
お腹をすかせたままで子どもと一緒に外出するのは危険です。「お菓子を買って!」攻撃が予想されます。空腹時に出かけるとぐずるのは当然とこころえ、子どものお腹を適度に満たした状態で出かけるようにしましょう。
睡眠をとる
前もって出かけることがわかっていたら、前日から時間を考えて早めに寝かせたり、夕方からのお出かけなら、お昼寝をしっかりさせてあげましょう。外出先で「眠たいからもう帰る!」と泣きわめかれないように、子どもの体力を整えてから出かけるようにしてください。
愛情を注ぐ
子どもとケンカした状態で出かけたり、子どもがふてくされている時に外出するのは、駄々こねの元になります。日頃から、「大好きだよ」「愛してるよ」の言葉を伝え、子どもの気持ちを落ち着かせるように心がけましょう。気持ちがおだやかであれば、駄々をこねることも少なくなります。
言いたいこと、伝えたいことはお互いに言葉を通じてやり取りするようにしてください。出かける時は、笑顔で玄関を出られるようにしておくといいでしょう。
駄々をこねる子供には辛抱することを教えよう
子どもが駄々をこねるときは、親も周りの大人も辛抱を学ぶときです。物事には必ず理由があります。なぜこの子はいまこの行動をとるのか、そもそもの原因に気づくよう心を配り、子どもの気持ちを受け入れようとすることが大切です。
最初はお互いにうまくいかないこともあるでしょう。それでも、これまでの対応と違い、「ママは自分を認めようとしてくれている」「ママがぼくの気持ちを受け止めてくれた」と感じることが増えていくと、徐々にそうした駄々をこねる行動も変わってくるはずです。
どこかで子供が駄々をこねる場面を見かけたら、親の責任や躾がなっていないと決めつけないで、いろいろな子どもがいるんだ、ママもがんばっているんだな、とあたたかく見守ってあげてください。