6ヶ月健診の内容と目的
6ヶ月健診は受けるべき?健診のチェック内容と目的
6ヶ月健診、行く?行かない?任意の健診である6ヶ月健診、受けると決めている方、迷っている方向けに6か月健診の目的と具体的な健診内容を紹介します。一般的な費用や場所、持っていくべき物なども記載。おすわりや寝返りができないと要経過観察になる?などの発達に関する疑問にも答えます。
6ヶ月健診は任意、どんなことを検査するの?
赤ちゃんが生まれて半年。この頃の赤ちゃんは寝返りが上手になり、おすわりが少しずつ安定します。外出する機会も増えてきて、他の赤ちゃんとの発達の違いが気になる方もいるでしょう。
6か月健診の主なチェックポイントは、おすわりができるか、寝返りができるか、物に手を伸ばしてつかめるかという点です。他にはそろそろ開始する離乳食の確認やアドバイスがあるでしょう。
6か月健診は定期健診ではありませんので、自治体によって費用も違います。事前に確認しておきましょう。
6ヶ月健診は幼児の成長の確認と離乳食の確認をする
6か月健診は定期健診ではありませんので、必ず受けるものではありませんが、小児科などを受診した際に、一緒に行うことを勧められます。前述したように重要なポイントとしてはおすわりができるか、寝返りができるか、物をつかめるかどうかです。他にはハンカチテストや離乳食の進み具合の確認が行われます。
おすわりができるかを見る目的
6ヶ月健診ではおすわりチェックがありますが、おすわりができないと経過観察や要指導になるわけではないので安心してください。重要なのはおすわりの姿勢を取れるかどうかですので、おすわりが安定していなくても構いません。グラグラして前に手をついてしまうのはこの時期の赤ちゃんにはよくあることです。赤ちゃんの運動機能が未発達なのに、無理にお座りさせようとすると体を痛めてしまい、かえってその後の成長に悪影響が出る場合があります。
そのため、月齢が早い時期に赤ちゃんがお座りをしようとしても、補助をして一人で座らせない方が良いでしょう。ただし、1歳を過ぎてもおすわりができない場合は脳の障害の可能性も考えられるため、念のため病院を受診します。
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寝返りができるかを見る目的
寝返りができるかどうかのチェックを行います。寝返りをする時期は、発達の段階だけでなく、赤ちゃんの環境や好みの問題も関係してきます。うつ伏せが嫌いな赤ちゃんは積極的に寝返りをしようとはしませんし、逆に何度仰向けに戻しても寝返りをする子もいます。
病院や健診会場では、緊張して寝返りをしない場合もありますので、普段の様子をチェックしておきましょう。
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■寝返りをしない赤ちゃんとは
寝返りをしないのには理由があります。それは体重が重い、うつ伏せをしたくない、寝返りできる環境になっていないなどの理由が考えられます。
寝返りできない環境、例えばバウンサーなどにずっと置かれていれば赤ちゃんはなかなか寝返りするチャンスもなく、意欲も芽生えません。こうした場合は、寝返りができる環境を整えてあげましょう。そのうえで、もしなかなか寝返りをしない赤ちゃんであれば、寝返りの練習をしてみましょう。
ただし、赤ちゃんの寝返りは早くできれば良いというものでもありません。生後2~3カ月で寝返りをしてしまうと、首が座っていない赤ちゃんの方が多いので、首を痛めたり、おかしな体勢で動けなくなってしまい、体を痛めるリスクもあります。また、うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクを高めると考えられており、寝返り中は目を離さず、赤ちゃんが寝ている時にはそっと仰向けに戻してあげる必要があります。
寝返りの練習方法
まず横向きから寝返りをする練習をします。横向きからスタートすることで、寝返りへのハードルを下げてあげましょう。他にも赤ちゃんが好きなおもちゃや物を目の前に置いてあげるとそれを取ろうとして赤ちゃんは頑張ります。こうした練習を繰り返していくうちに、赤ちゃんは自然と寝返りができるようになります。
物をつかめるかどうかを見る目的
赤ちゃんの目の前に物(おもちゃ等)を置いて、手を伸ばして物をとるか、とろうとするかチェックします。ただ病院や健診会場など慣れない空間だと不安感が大きく、目の前のおもちゃに興味を示さないことも珍しくありません。普段の様子を伝えられるようにしましょう。
物を上手につかめない場合、小児まひが疑われる場合もあります。何度やっても上手に掴めないなどの症状がある場合は、医師に相談してみましょう。
ハンカチテスト
仰向けにした赤ちゃんの顔にハンカチをのせ、顔にかけられたハンカチを自分でとれるかチェックをします。「顔になにかかけられた!→これのせいで前が見えない→とらなきゃ!」と赤ちゃんが布を認知し、自分の身体で解決行動ができるかどうかを確かめる、知能の発達を見るテストです。
赤ちゃんによっては布をかけられるのを遊びと勘違いすることもあるようです。心配な方は、ハンカチテストを「いないいないばあ遊び」として普段から取りいれておくと、上手くいきやすいようです。
離乳食の確認
一般的な離乳食の開始時期は、生後5~6ケ月ですので、健診時には離乳食を開始して1ヶ月ほど経った人とこれから始めようと考えている人がいるでしょう。どちらの場合も、まずは母乳やミルクの回数の確認を行います。
既に離乳食を開始している人の場合、量や内容(食材や硬さ)、赤ちゃんの様子を確認されるでしょう。
これから始める場合は、進め方や調理法、アレルギーに関する指導が行われることもあります。心配事があればば、相談してみるのが良いでしょう。
6ヶ月健診の内容は?
成長には個人差がありますが、不安なことに関しては医師に相談しましょう。健診の具体的なチェック項目を紹介します。
赤ちゃんの身体的な成長をチェック
基本的に4ヶ月健診と同じ内容になりますが、4ヶ月よりも月齢が進んでいるので、身長や体重がどれくらい増えているかを見ることになります。赤ちゃんによっては暴れてしまってうまく測れない場合もありますので、自宅でも身長や体重は測っておいた方が良いでしょう。
身長
赤ちゃん専用の測定器で測定します。赤ちゃんは寝かされることを嫌がって身長がうまく測れない場合もあります。
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体重
体重は体重を測る赤ちゃん用のかごの中に赤ちゃんを入れて測ります。寝返りをできるようになると、すぐにそのかごから出ようとしてしまい、正確な数字は分かりません。増え具合に問題が無ければ大丈夫です。
頭囲・胸囲
おすわりができる場合は、起きた状態で頭囲も胸囲も測ることができるので、以前よりも正確に測ることができます。ただ、測定そのものを嫌がる赤ちゃんも多いので、そうするとうまく測れません。目安程度に捉えましょう。
赤ちゃんの体に異常がないかチェック
聴診器を当てて心音や呼吸、お腹の音のチェック、大泉門や臓器の腫れのチェック、口の中や視力のチェックをします。何らかの病気があれば、早期の発見につながります。
心音・呼吸・お腹の音のチェック
心音・呼吸・お腹の音のチェックをします。これらをチェックすることで先天性の病気がないか確認していきます。
大泉門チェックや臓器の腫れのチェック
大泉門とは、赤ちゃんの頭頂部に頭蓋骨の隙間のこと。生まれてすぐはプニプニと柔らかく、驚いた方もいますよね。少しずつ硬くはなってきていますが、生後6か月でも大泉門はふさがっていないのが一般的です。逆に完全に塞がっていた場合は脳の病気が隠れている可能性があり、頭囲と合わせて判断します。さらに臓器の腫れがあるかないかのチェックもします。臓器が腫れている場合は病気の可能性があるので、より詳しい検査を行います。
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口の中のチェック
口の中に何かできていないか、また歯が生えているかどうか、その生え具合はどうかなどのチェックを行います。
視力・目のチェック
目が正常に動いているかどうかのチェックを行います。物がしっかりと見えるようになってくるので、斜視の判断が付きやすくなります。赤ちゃんの場合、「仮性内斜視」がほとんどで成長とともに治りますが、中には遺伝などでの要因により本当の「斜視」の場合もあります。斜視は早期治療が大切ですので、医師と今後について話し合いましょう。
赤ちゃんが正常に発達しているかチェック
しっかりと成長しているかのチェックとして、4ヶ月健診でも行われた首のすわり具合のチェックと、ハンカチテスト、物をつかむかどうかのチェック、寝返り、おすわりのチェックが行われます。個人差もありますが、先天的な病気が隠れている場合もありますので、不安な場合は医師に確認するようにしましょう。
首がすわっているかどうかのチェック
仰向けに寝ている赤ちゃんの両手を持って、頭がついてくるかのチェックをします。この時期になると首が座っている赤ちゃんがほとんどです。不安がある場合は必ず医師に確認しましょう。
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ハンカチテスト
顔の上にハンカチをかけて、それを手で取るかどうかのチェックをします。機嫌が悪いとハンカチを取らない赤ちゃんもいます。家で一度チェックしてみるのが良いでしょう。
手で物を取ろうとするかのチェック
おもちゃを目の前に置いて、興味を持っておもちゃをとるかどうかのチェックをします。こちらも機嫌が悪いとおもちゃを取りに行こうとしません。「ご自宅ではどうですか」と聞かれるので、家での様子を伝えられるようにしておきましょう。
寝返りのチェック
赤ちゃんを仰向けに寝かせておいて、おしりを片側から持ち上げて寝返りをするかどうかのチェックをします。ひとりで寝返りをしなくても、寝返りをする動作が見られれば大丈夫です。
お座りのチェック
おすわりの姿勢をさせて、その姿勢がとれているかチェックします。一瞬しか座っていられなくても問題ありません。腰や体がおすわりできる状態か確認することがメインのチェックです。
6ヶ月健診はいつ、どこに行く?持ち物は?
6か月健診は定期健診ではありませんので、行政から連絡が来るわけではありません。自分で判断していく必要がありますので、どこへいつ行くか検討し、予約をとりましょう。
6ヶ月健診はいつ、どこへ行けばいいの?費用はかかる?
定期健診とは違いますのでしっかりチェックしておきましょう。
6ヶ月健診はいつ行けばよい?
6か月健診と言っても実際には6~7か月で行われることがほとんどです。そのため自分で確認して近くの小児科にかかりましょう。小児科によっては病気で受診した際に健診を勧めてくれる場合もあります。
受ける意志がある方は忘れないようにかかりつけ医と相談して、日程を決めていくことをお勧めします。定期健診と違って時間はそれほどかかりません。予約しておけば、待たされることもないので4ヶ月健診よりも楽でしょう。
6ヶ月健診を受ける場所は?
6か月健診を受けられるのは病院ですが、1番良いのは普段からお世話になっているかかりつけ医です。継続的に受診している病院で受けた方が普段の様子も分かっているので、より正確な診断ができます。定期的にかかっている病院がない、かかりつけ医が決まっていない場合はこれを機に決めておくと良いでしょう。
6ヶ月健診でかかる費用はいくら?
費用は1,000円~3,000円が一般的です。補助が出る自治体もありますので、事前に確認しておきましょう。例えば横浜市の場合、生後12カ月(13カ月未満)まで3回無料で健康診査が受けられる券があります。そのため6ヶ月健診も無料で受けられます。
6ヶ月健診で必要なものは
6か月健診は任意の健診ですが、特別に持っていかなければならないものはあるのでしょうか。持ち物についても確認してみましょう。
母子手帳
母子手帳の中に6か月健診の健診結果を記入する欄があります。事前に書いておかなければならない部分もあるので、受診前にチェックしておきましょう。
診察券・健康保険証
病院で受診しますので、診察券と健康保険証がなければ健診を受けることはできません。必ず持っていくようにしましょう。
お出かけグッズ
かかりつけ医であれば予約できる場合があるので、定期健診ほど長時間になりません。病気で受診した際に、一緒に行うことも可能です。ただし、おむつ替えや授乳の必要が出てくる場合もありますので、お出かけグッズは持っていくようにしましょう。
6ヶ月健診は任意だけれど受けた方がいい
6か月健診は任意の健診ですが、赤ちゃんの成長の具合を見るためにぜひ受けることをお勧めします。特に4ヶ月健診で要経過観察の項目があった場合、かかりつけ医であれば、より相談しやすいでしょう。
健診費用は、自治体によっては補助が出る場合もありますので、必ず確認しておきましょう。月齢が上がるにつれて様々な成長を赤ちゃんは見せてくれます。赤ちゃん自身の発達の問題だけでなく、日々変わっていく赤ちゃんとの接し方・関わり方に迷っている方にとっても、健診は良い相談の場、気づきを得られる機会となりえるでしょう。