10ヶ月健診の目的&検査内容
10カ月健診の内容は?ハイハイなど発達の検査項目
10ヶ月健診の目的と内容・検査項目について説明します。10ヶ月頃の赤ちゃんは、ハイハイからつかまり立ちへと、めざましく発達していく時期であり、ひとり歩きに備えてパラシュート反射が見られます。10ヶ月健診で、発達や離乳食の進み具合の確認、歯のチェックをしてもらいましょう。
10ヶ月健診の目的とは?
乳幼児の公費健診は、多くの自治体で定期健診と定めている「3~4ヶ月健診・1歳半健診・3歳児健診」の3回であり、10カ月健診(「9~10ヶ月健診」とする場合もある)を実施しない自治体も少なくありません。
このような自治体にお住まいの場合、3~4か月健診のあとはかなり間が空いてしまうので、発達が気がかりという方もいるでしょう。
自治体が定期健診として10ヶ月健診を行っていない場合は、任意健診として小児科などの医療機関を受診することで、健診の受診が可能です。
10カ月健診の費用
自治体が行ってくれる場合は、公費負担となり費用はかかりません。
自治体によっては、費用は自治体負担となるけれど、集団健診ではなく、個々の病院で受診する場合もあります。
任意健診の場合、費用は病院が独自で決めていますが、一般的に、3,000~5,000円程度です。
1.赤ちゃんの発育の観察
10ヶ月健診を初めとする赤ちゃんの定期健診の重要な目的は、赤ちゃんの発育を観察することです。赤ちゃんの発育にはもちろん個人差がありますが、首の座り・寝返り・お座り・ハイハイ・たっち・言葉など、発育の過程でそれぞれ確認しておきたいポイントがあります。
生後10ヶ月頃の赤ちゃんは、発育に個人差が大きくなる時期ですが、ハイハイやつかまり立ちなど、活発な行動が見られるようになり、周囲への関心も高まってきます。
2.病気の早期発見
10ヶ月健診は、病気の早期発見や予防に有効です。特に、視覚や聴覚などの先天的な病気を発見しやすい時期となっています。
子育てしている保護者では見逃しがちな赤ちゃんの様子の変化を、医師の観察により発見できることもあります。経過観察となった場合は、継続的な受診やチェックを心がけましょう。
3.予防接種の進み具合の確認
10ヶ月健診を行うことで、予防接種の進み具合も確認できます。
予防接種を受け忘れると、病気に感染し重篤な症状を引き起こす可能性もありますので、きちんと確認しておきましょう。
4.離乳食の進み具合の確認
生後10ヶ月頃になると、多くの赤ちゃんが離乳食を開始しています。どの程度離乳食が進んでいるかということを確認するのも、10ヶ月健診の一つの役割になります。
赤ちゃんが離乳食を食べてくれず悩む方は多いので、離乳食に関して不安な点がある場合は、栄養状態なども含めて10ヶ月健診で相談すると良いでしょう。
5.育児における心配事の相談
乳児健診は、子育てに関しての心配事を相談できるとても良い機会です。
プロの意見を聞くことで、安心できることもありますので、どんな小さいことでも積極的に質問して構いません。
発達に関することや夜泣きや生活リズムなどに関すること、お母さん・お父さん自身が抱えている育児の心配事や悩みについても遠慮なく相談しましょう。
10ヶ月健診の内容
10ヶ月健診は、一般的に以下のような内容で行われます。自治体が主催するものか、小児科で受診するものかによっても、多少の違いはあります。
計測|体型に個人差が表れやすい時期です
10ヶ月健診では、まず、赤ちゃんの身長・体重・頭囲・胸囲の計測が行われます。また、身長・体重により赤ちゃんの発育状況がわかるカウプ指数を計算でます。
10ヶ月は、ハイハイも早くなり、つかまり立ちなどをする子もでてくる時期です。運動量が増え、ほっそりとした幼児に近い体型になり始めている子もいます。
「ウチの子やせすぎ?太りすぎ?」と1回の数値をあまり気にしすぎることなく、長期的にどのように成長していっているか見ていきましょう。
母子手帳のグラフの欄に毎回の数値を記録していくと、赤ちゃんの成長の様子がよくわかるので、振り返る時にとても便利です。
問診|オムツ1枚の赤ちゃんを医師が診察してくれます
問診表などにしたがい、医師や保健師から赤ちゃんの様子について質問があります。赤ちゃんの様子に心配な点がある場合は、この時に確認しておくと良いでしょう。
また、内科の聴診や触診も行われます。オムツ1枚で行うので、診察の時の泣いてしまう赤ちゃんも多くいます。できれば、赤ちゃんの機嫌の良い時に行いましょう。
発達の確認|ハイハイ・つかまり立ち・指先の器用さのチェック
10ヶ月健診では、赤ちゃんの体や動きの発達の確認を行います。9~10ヶ月健診でポイントとなる発達は、「ハイハイ・つかまり立ち・ちいさなものを指で掴むことができるか」などとなります。
また、10ヶ月健診では、歯の状況についても、確認があります。
母子手帳に、初めてハイハイした日やつかまり立ちをした日、歯の生え始めた時期などをメモしておくと、健診時にスムーズに受け答えできます。
栄養・保健指導|離乳食後期に進めていますか?
10ヶ月健診では、離乳食の進み具合の確認をし、離乳食をいく上で注意すべき点などを教えてもらうことができます。また、睡眠や遊びなど、日々の生活についての指導もあります。
10ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの動きも活発になり、誤飲・怪我など家庭内での事故の可能性が高くなる時期です。不注意による事故の予防についても話があるでしょう。
10ヶ月健診の検査項目・見るべきポイント
10ヶ月健診では、赤ちゃんの発達を確認するために、以下の項目をチェックされます。
赤ちゃんの発達には個人差がありますから、10ヶ月健診の時点でハイハイやたっちができないからと言って、異常があるという訳ではありません。
ハイハイ|「90%の赤ちゃんができる」と言われているが…
平成22年の厚生労働省乳幼児身体発育調査によると、ハイハイは生後9~10ヶ月で90.3%の赤ちゃんが行っています(※「ハイハイ」は、床にはって移動できるものを「できる」としています)。
しかし、ハイハイにも色々あり、ずっとずりばいしかしない赤ちゃんもいれば、いきなり高這いをし始める赤ちゃんもいます。また、シャフリングベビーといって、ハイハイを嫌がる赤ちゃんの場合、ほとんどハイハイせずにいきなり立っちをする場合もあります。
赤ちゃんのハイハイに関して心配な点がある場合は、健診時に相談しておきましょう。
パラシュート反射|歩きはじめてからケガをしないための準備
パラシュート反射とは、赤ちゃんをうつ伏せにした状態のまま抱き上げ、体を下に下ろしていくと、両手を広げて体を支えようとする動きのことです。大人も前に体が倒れた時には、とっさに体を支えようと手が前にでますのが、パラシュート反射はこれと同じ動作です。
パラシュート反射は、生後8ヶ月~1歳頃にあらわれ、その後消失することはありません。
パラシュート反射が身についていると、1人歩きをするようになって、転びそうになった時に顔より先に手が出るようになります。
つかまり立ち|約80%ができるが、ひとり歩きはまだ先のこと
平成22年の厚生労働省乳幼児身体発育調査によると、生後9~10ヶ月では80.5%がつかまり立ちをすることが分かっています。
しかし、同時期でひとり歩きができる子は4.9%に過ぎず、10~11か月になっても11.2%なので、ひとり歩きが完成するのはまだまだ先のことが多いでしょう。
つかまり立ちができるようになると、転んだり、テーブルに頭や顔をぶつけたりするなど、怪我の可能性が高くなります。家の中は、赤ちゃんが動きやすいように、余計なものを床に置かないようにしましょう。また、家具の角なども対策して赤ちゃんが頭をぶつけても怪我をしないようにしておきましょう。
歯科健診|上の前歯が生え始めます
10ヶ月健診では、歯科健診もあります。
早い赤ちゃんでは、生後6ヶ月頃から下の前歯が生え始め、生後10ヶ月頃から上の前歯が生え始めます。歯が生え始める頃は、歯の生える部分がムズムズしてくるため、赤ちゃんが不機嫌になってしまうこともあります。
生後10ヶ月健診時で歯が1本も生えていないなど心配な点があれば、歯科医師に相談してください。
また、歯磨きの仕方が判らない場合は、健診時に教えてもらいましょう。
赤ちゃんによっては、歯磨きを嫌がる場合もあります。乳歯はいずれ生え替わりますが、やはり歯は大切です。赤ちゃんの時期かたきちんと歯磨きの習慣をする習慣をつけておきたいものです。
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