モロー反射いつまで?時期と対策
モロー反射とは?時期と赤ちゃんがビクッと起きるときの対策
モロー反射はいつからいつまで?消失時期や点頭転換との違いなど赤ちゃんの原始反射のひとつモロー反射について詳しく紹介。また、赤ちゃんがビクッと起きてしまうときにはおくるみが有効ということで、赤ちゃんを安心させるおくるみの巻き方も併せて解説。
モロー反射とは赤ちゃん特有の原始反射|ビクッとなるときの対策
モロー反射とは原始反射の一つで、抱きつき反射とも言います。生まれたばかりの赤ちゃんの近くで、大きな音を立てたりすると両手を広げて抱きつくような動きを見せます。脳と体の司令塔である脳幹が大きく関わり、司令塔から体へ反応させている動きがモロー反射と呼ばれ、音や光などで反応をしめします。
赤ちゃんがモロー反射をする意味
モロー反射は神経発達の大切な過程の中の一つと考えられています。生れたばかりの赤ちゃんからすると、ちょっとした物音やヒヤッとする感触は初めての経験であったり、怖いと感じたりするものです。モロー反射はその物音や感覚を体の司令塔である脳幹より体に伝達し、反射的に動く行動なのです。両腕を広げ、誰かに抱きついて守ってもらおうとする仕草は、ママにしがみつくための防衛反応ともいわれています。
モロー反射は「原始反射」の一つです。原始反射は神経発達の確認ポイントにもなります。反射はどの年代になっても、神経系の働きをみるうえでとても大切な要素となりますが、原始反射は赤ちゃん特有の反射であり、モロー反射は生後すぐから始まり、頚の座りにしたがって消えていきます。突然赤ちゃんがビクッとするとママもビックリしてしまう事もある動きですが、生きるためには必要な行動であり、体の一般的な反応になります。
赤ちゃんのモロー反射いつからいつまで?
生れてすぐからみられるモロー反射は原始反射の一つであり、赤ちゃんの時にしか見られない反応です。脳が体を守るために反応させる、本能的なモロー反射はいつまで見ることができるのでしょうか。
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開始時期と消滅時期
モロー反射はまだお腹の中の妊娠27週頃から現れ始め、妊娠38週頃に成熟します。生れてすぐの新生児期から見ることができ。通常4ヶ月から6ヶ月程度でなくなる症状といわれていますが、個人差が大きく、8ヶ月程度まで続く子も多いようです。何度も繰り返す子もいれば、時期的なものであまり繰り返さない子もいます。回数の多い少ないの差は問題なく、頚や腰が据わるとモロー反射もなくなるといわれています。
どんな時にモロー反射をするの?
モロー反射は、赤ちゃんが起きていても眠っていても反応を示します。主に眠っているときに多いといわれていますが、大きな音、窓を開けたり閉めたりする音や、まぶしい光や風が体に当たったり、冷たい空気やつめたい手が体に触れたりなど、日常的ではない刺激に触れた時にもモロー反射がみられるときがあります。
赤ちゃんを仰向けにして頭を支えて軽く引き起こし、支えていた手を急に緩めると、赤ちゃんはビクッとして両腕を外側に伸ばし指を広げて、何かに抱きつくように腕を内側に回し指を広げます。赤ちゃんにとっては、誰かに抱きついて守ってもらおうとする本能的な反応であり、無意識のうちに行われています。
赤ちゃんがモロー反射をしなくて心配…モロー反射の確認方法
モロー反射があまり見られないとモロー反射をしていないのではないか、回数が少なくても問題はないのかなどと悩んで頭を抱えるママもいるのではないでしょうか。そんな時、モロー反射の有無を確認する方法もあるのです。
モロー反射確認の注意点
モロー反射は成長過程で必要な反射ではありますが、回数には個人差がありますので、少ない多いは成長のスピードによってそれぞれ違います。他の子はたくさんしているのにうちの子は….などと不安になる必要はありません。
注意が必要なのは、モロー反射がみられるという期間に全くモロー反射が見られない場合や、モロー反射が弱い、又は消滅時期を過ぎても長期にわたってモロー反射が見られたり激しくなっているというモロー反射が異常な場合です。このような場合には神経系や脳などの異常も考えられます。
モロー反射確認手順
- 赤ちゃんの頭と体を保護できる場所に仰向けに寝かせます。
- 赤ちゃんの首元を手のひらで抱え後頭部を支えます。
- そのまま後頭部をそっと持ち上げ30度程角度をつけます。
- 後頭部を支えていた手をサッと離すか、後頭部を支えたまま手の力を抜き赤ちゃんの頭部を安全に落下させます。
あまり高い位置から頭部を落下させてしまうと、赤ちゃんに恐怖心が生まれてしまう可能性があるので、少し上げる程度の高さで大丈夫です。赤ちゃんは驚いて抱きつくような仕草を見せ、指先がピンと広がります。
モロー反射確認後
モロー反射が起こった瞬間は驚いた表情でビクッと反応を示しますが、反射が終わると恐怖心や不安感で泣き出してしまう赤ちゃんもいます。そんなときは優しく抱きかかえてあげましょう。
何度もモロー反射をしている様子を見たいからと何回も繰り返し、赤ちゃんを驚かそうとわざと大きな音を立てるようなことは、生まれて間もない子供に恐怖心を与えるということになり、赤ちゃんは安心感を得られなくなってしまいます。赤ちゃんが不安感を持つことのないように注意しましょう。
それでもモロー反射をしないとき・モロー反射の異常を感じたら
赤ちゃんのモロー反射に気になる兆候を感じたとき、確認の手順に沿ってやってみてもモロー反射が全く見られない場合は、脳障害や左右両方の上腕神経、鎖骨の異常がある可能性があります。モロー反射がない場合は小児科で相談することをお勧めします。又、全く反応を示さないこととは別に、モロー反射で異常とされる注意するべき反応の兆候は以下となります。
モロー反射が弱い
高ビリルビン血症(新生児黄疸)の一つである核黄疸を発症している可能性があります。
モロー反射が左右非対称
左右どちらかの鎖骨骨折や左右どちらかの上腕神経の損傷、分娩麻痺が考えられます。
また、生後6ヶ月を過ぎてもモロー反射がみられる場合は…
生後6ヶ月以降モロー反射が激しい、又は激しくなった
低血糖や頭蓋内出血の可能性があります。
生後6ヶ月以降もモロー反射がなくならない
脳性麻痺などの障害がある可能性が考えられます。
モロー反射の異常を感じた時には、早めに小児科を受診するようにしましょう。
モロー反射で赤ちゃんが起きる…。対策にはおくるみが有効!
眠っているときにモロー反射が起こると、赤ちゃんはビクッという動きにビックリして起きてしまい泣き出してしまう事も少なくありません。おくるみで体を包み、体の自由を少しだけ制限してあげる事によって、モロー反射が起こっても目が覚めないというメリットがあります。
赤ちゃんがすやすや眠るおくるみの巻き方
おくるみに包まれる感覚は、ママのお腹にすっぽりと包まれていた時の感じに似ていて、赤ちゃんは安心するといわれています。『基本的な巻き方』と生まれてすぐからでき、体を丸くしお腹の中にいたころの環境に近いといわれる『おひなまき』の巻き方をご紹介します。
【基本的な巻き方】
- 布をひし形に広げて上部の角を少し折り返し、赤ちゃんの方の位置を折り目に合わせて寝かせます。
- 赤ちゃんの片方の手を胸の上に置き、その上から脇の布でぐるっと包み込み端を体の下に入れます。
- 布の裾を持ちあげて、赤ちゃんの足が自然な形で動かせるように余裕を持たせながら、端を首元から中へ織り込みます。
- もう片方の手を同じように胸の上に持っていき、脇の布でぐるっと包み込み、端を体の下にしっかりと入れます。
【おひなまきの巻き方】
- 布を長方形の形に広げて、赤ちゃんの頭半分ほどに布がかかるように寝かせます。
- 赤ちゃんの両手を軽く胸の上に置きます。赤ちゃんの両手を持ったまま、布の左上の角を、着物を着せるように斜め下にかぶせます。
- 布の右上の角を、着物を着せるように斜め下にかぶせます。
- 赤ちゃんの足を持ち足の裏同士が合う形、又はあぐらを組ませるように軽く押さえます。
- 布の左下の角を持ち斜め上に持ち上げ、赤ちゃんの背中に入れ込みます。
- 布の右下の角を持ち斜め上に持ち上げ、赤ちゃんの背中に入れ込みます。
赤ちゃんが布の中でずり返さず、手足が動かせるくらいの強さで巻いてください。
簡単・楽ちんなおすすめのおくるみ
おくるみは大きな布や、バスタオルなどがあれば対応できるものですが、巻き方が難しいと感じたり、赤ちゃんが泣いているなどの急いでいるときには、巻いている余裕がないなどと感じてしまうママもいると思います。
そんなときに簡単・楽ちんに赤ちゃんを包んであげられるおくるみがあったら便利だと思いませんか?おくるみで赤ちゃんをくるむことにより、お腹にいた時に近い環境になることから赤ちゃんも安心でき、夜泣きやぐずりの対策にもなります。モロー反射のビクッとした動きも軽減でき目を覚ます回数が少なくなる効果もあるので、ぜひ活用してみてください。
スワドルミー/日本育児
スワルドミーのおくるみは、マジックテープが付いていて袋部分に足をすっぽり入れて、マジックテープでしっかりと固定するだけの簡単なおくるみです。背中部分にはハーネスを通すスリットが付いているのでおくるみを着用したまま、チャイルドシートやベビーカーの5点式安全ベルトを装着できる優れものです。
イージースワドル/aden+anais
エイデンアンドアネイは英国王室御用達のブランドとして有名なブランドです。洗えば洗うほど肌になじむモスリンコットンを100%使用したお肌に優しいおくるみです。ポケット上部部分と羽部分にスナップが付いていて、赤ちゃんを袋部分に入れてあげて、羽部分を巻き付けてスナップを止めるだけの簡単なおくるみです。
モロー反射と点頭てんかんの違い・見分け方は?
モロー反射はあって当たり前の原始反射だとは分かっていても、反射が頻繁だったり、反射が起こることで大泣きしてしまってなかなか眠ってくれなかったりすると、本当に大丈夫?てんかん?と心配になってしまう事もあると思います。
モロー反射の特徴
モロー反射とは主に寝ている時に大きな音や光などの刺激に反応して起こります。
驚いたときに体がビクッと反応し、パッと開いて腕を伸ばし広げて何かに抱きつくような動きをしますが、モロー反射による体の反応に不安や恐怖心が残り、手足をバタバタさせ、大泣きしてしまう赤ちゃんもいます。
点頭てんかんの特徴
点頭てんかんとは「ウエスト症候群」とも呼ばれ、生後間もない子供に現れる年齢依存性てんかん性症候群の一種です。生後4ヶ月から生後1年くらいが発症期間といわれますが、主に生後5ヶ月から6ヶ月の間に発症する傾向が多いようです。
点頭てんかんの特徴的な症状として、目覚めた時や眠くなってきた時に、頭をカクンカクンと前に倒すようにする痙攣症状があります。点頭=うなずくという名前が示すように特徴的な症状です。
体を屈曲させお辞儀をしたり、驚いたようにパッと両手を開き両腕を広げたり、手足が急に突っ張るなどの症状も見られます。このような症状が数秒間の間隔で、一日に数回から数十回と反復して起こるのも特徴的です。1回で終わる単発発作もあれば、5~10分位発作が続く時もあります。
点頭てんかんを発症すると、物を目で追う事や笑うなどの反応が減り、無表情でいることが多く、口に何も入っていないのにモグモグと口を動かす動きが見られ、今までできていたはずのお座りができなくなってしまう事もあります。
モロー反射との違いは、頭をカクンカクン前に倒す症状や無表情になる点も挙げられますが、モロー反射に対して点頭てんかんの発作は、眠くなった時や目覚めた時などの意識がある場合に起こることが多いという違いがあります。
モロー反射と点頭てんかんの動きはとてもよく似ているため、見分けるのは非常に困難です。点頭てんかんは早期発見・早期治療がとても大切なので、不安な場合は早めに小児科を受診することをお勧めします。
他にもある赤ちゃんの原始反射!
原始反射とは、赤ちゃんが成長するうえでとても大切で、生き抜くために生まれつき備わっている、無意識に起こる反射運動です。赤ちゃんの時にしか見られない貴重な原始反射をいくつか紹介します。
非対称性頸反射
胎児の段階から生後6ヶ月頃まで、物を見て触る動作の基礎となる反射です。上を向いて寝ている赤ちゃんの顔を横に向けると、顔が向いた方の手足は伸びて、反対側の手足は曲がります。
緊張性迷路反射
胎児の段階から始まり、バランスを養うために必要な反射です。赤ちゃんをうつ伏せにすると手足が曲がり、仰向けにすると手足が伸び、背中を反らせます。うつ伏せの反射は生後3~4ヶ月まで。仰向けの反射は3歳くらいまで現れます。
足踏み反射
新生児から2ヶ月頃まで、原始歩行と呼ばれています。赤ちゃんを支えて両足を立たせるようにすると、左右交互に足を動かし歩くような動きをします。
把握反射
新生児から1歳頃まで、触れたものを握ろうとする反射です。手や足に物が触れるとぎゅっと指を折り曲げます。手の反射は生後4ヶ月頃までに消失し、足の反射は1歳近くまで続きます。
吸啜反射
新生児から1歳頃まで、口に入ってきたものを強く吸う反射です。母乳やミルクを飲むために必要な反射で満腹だとこの反射は弱くなりますが、眠りながら唇を吸っていることもがあります。
- 吸啜反射とは赤ちゃんが生きていくために必要な原始反射の1つです。この吸啜反射はいつから始まりいつまでに消失するのか具体的な時期を解説します。またおしゃぶりのメリットとデメリットも解説します。
対称性緊張性頸反射
生後6ヶ月から11ヶ月頃まで、ハイハイを覚えていくための反射です。赤ちゃんを四つん這いにして頭を上げると腕が伸び、足が曲がります。頭を下げると腕が曲がり、足が伸びます。
パラシュート反射
生後8ヶ月から12ヶ月頃まで、よろめいた時などに無意識に体を支えようとするために必要な反射です。赤ちゃんをうつ伏せに抱き上げ、頭を下にした状態で降下させると手を広げて体を支えようとします。大人になってからも危ない時には無意識に手が出るように、一度習得すると消える事はありません。
- 新生児の反射運動には様々な種類があり、初めて子育てをされるお母さんは「これ正常なの?」など戸惑うことも多いはずです。そんなお母さんに向けて赤ちゃんの反射の種類や消失時期、異常反応について解説します。
生き抜くために本能的に備わったモロー反射!
モロー反射が激しく多かったりすると赤ちゃんが泣いて起きてしまい、なかなか落ち着いてくれずにてんかんではないかと不安になってしまうかもしれません。しかし、ほとんどの場合は病気ではなく、生き抜くために備わった本能的なものなのです。成長と共に消失するものなので、おくるみなどを活用しながら見守ってあげてください。