育児・お世話

新生児の魔の3週目対策

魔の3週目ってなんのこと?新生児が寝ないときの対策

魔の3週目とは、生後3週間頃の新生児が空腹やおむつが汚れている、体調が悪いなどの生理的な理由なく、ひたすら泣き続ける状態を指します。赤ちゃんが泣いてばかりで寝ない、夜も頻繁に起きるなど、こんな状態がいつまで続くのかと疲労困憊なママに向け、魔の3週目の乗り切り方をお伝えします。

魔の3週目とは?泣きやまない赤ちゃんへの対策と乗り切り方!

魔の3週目は生後3週間を過ぎた頃に、赤ちゃんが寝ない、泣き止まないなど育児の洗礼を受けたママたちが生み出した言葉です。

生まれたばかりの新生児は、すやすやと眠ってばかり。おむつがきれいでお腹が満たされていれば、それほどぐずることもありません。

しかし、それまで1日の大半を寝て過ごしていた赤ちゃんが、生後3週目頃に急に寝なくなり、理由なく泣いたりぐずり続けることがあります。昼も夜も泣き続ける赤ちゃんのお世話に、ママは疲労困憊。それが魔の3週目といわれる時期です。

魔の3週目に寝ない、泣きやまない赤ちゃんへの対策と乗り切り方を紹介します。育児に慣れてきたのも束の間、突然訪れる赤ちゃんの豹変に戸惑い、心も体も疲れ切ってしまうママは少なくありません。対策&気持ちの切り替えで、魔の3週目を上手に乗り切りましょう。

魔の3週目が起こる原因・特徴

赤ちゃんが昼も夜も寝ずに泣き続ける、理由なくぐずるなどの様子が見られたら、魔の三週目に入っている可能性があります。

「魔」という言葉からもイメージできる通り、天使のように愛らしい我が子が、生後三週間以降は悪魔にも見えてしまうほど豹変し、ママやパパを困らせます。

こっちが泣きたい

佐藤ゆきな(30歳)


出産も比較的安産で、母乳も出ており、退院も予定通り。疲れはあるものの順調な育児の滑り出し…と思ったら、生後3週間になった頃から、赤ちゃんがとにかく泣く。小さな体で力いっぱい泣く。

抱っこすると、ご機嫌とまではいかないけれど、泣き止むのでどこか痛いという訳でもないようでした。でも、1日中ひたすら抱っこの日々の幕開けです。

根を上げるのは早すぎると思って、歯を食いしばって一人耐えましたが、「こんな日々はいつ終わるのだろうか」とあの頃は赤ちゃんが泣くと私も泣きそうでした。今、子供は5歳ですが、この5年間であの3週目からがもっともつらかった瞬間です。泣いておいても良かったかも…。

「この子、なにか悪いんじゃ」と心配に

朝倉のぞみ(30代後半)


子供が3人いるのですが、末っ子にのみ魔の3週目がありました。昼間はそうでもないのですが、夜は1時間おきに泣いて起きるんです。上二人を完母で育てましたが、母乳不足を心配してミルクを足しましたが、改善されませんでした。

新生児が昼夜関係なく泣くのは分かってます。でも、1時間って早すぎです!ウトウトしたタイミングで、ギャー!という泣き声に起こされて、こっちはヨレヨレで、夜が明けていく日々が続きました。

生後3週間で上二人を育てあげた育児への自信が早くも粉々になりました。

魔の3週目の原因~生後3週間の赤ちゃんに何が起こる?

赤ちゃんは、生後3週頃になると、お腹の中と外の世界との違いが分かるようになるといわれています。これは、赤ちゃんが成長した証ですが、魔の3週目を引き起こす原因でもあります。この頃に赤ちゃんがよく泣くのは、環境の変化に不安を感じ、人のぬくもりを求めているためと考えられているのです。

さらに、産後の興奮状態が落ち着いたママは、慣れない新生児の育児に疲れが見え始める時期。出産でダメージを受けた身体を休めたのも束の間、家事の再開や、短い睡眠時間にストレスが溜まる時期でもあります。そんなママのイライラを感じ取った赤ちゃんが、さらに拍車をかけて泣き出し、悪循環に陥ることもあります。

ママの心と体の健康を損ねては、赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまいます。魔の3週目は、赤ちゃんにもママにも試練の時期です。

魔の3週目は生後15日から1ヶ月の間に起こることが多い

魔の3週目といっても、ぴったり3週目に始まるわけではありません。また、全ての赤ちゃんに起こるわけではなく、魔の3週目がないケースもあります。

魔の3週目がいつからいつまで続くかには個人差がありますが、おおむね生後15日から1ヶ月の間に、赤ちゃんの変化を感じるママが多く見受けられます。

長い子では、生後2ヶ月頃まで続くこともある魔の3週目ですが、激しく泣く赤ちゃんも、必ず落ち着いてきます。室内環境に気を配り、赤ちゃんの要望に耳を傾けながら、パパやママがおおらかな気持ちで接してあげることが大切です。

魔の3週目は長く続くこともある

激しく泣く赤ちゃんに育てにくさを感じ、発達に問題があるのでは?と心配する方もいるでしょう。しかし、新生児期に発達問題の診断をすることはできず、お座りやハイハイ、歩く、話すという過程の中で様子を見ていくことになります。

魔の3週目の状態が長く続いたり、明らかに不自然さを感じる時には、赤ちゃんが体の不調を訴えている可能性もあります。心配な時には小児科に相談してみましょう。

魔の3週目に寝ないで泣き続ける赤ちゃんへの対策

魔の3週目は、赤ちゃんが理由もなく泣いている…と思いがちですが、外の世界に慣れてきた赤ちゃんが不安で助けを求めているとなれば、何とかしてあげたいでしょう。

ママの精神的負担を軽くするためにも、赤ちゃんが安心できる環境を整えてあげることが大切です。寝ないで泣き続ける赤ちゃんへの対策を紹介します。

おくるみに包んで赤ちゃんを安心させる

お腹の中で丸まっていた赤ちゃんは、手足を開放して眠るのが苦手です。そのため、新生児はおくるみやバスタオルなどで体を包んであげると、安心して泣き止み、そのまま眠ってしまうこともあります。

また、抱っこで寝かしつける時には、最初からおくるみなどで包んであげると、赤ちゃんも落ち着きます。布団に移しても、そのまま眠ってくれることが多いので、おくるみはぜひ活用しましょう。

おっぱいは欲しがる時に欲しがるだけあげる

特に新米ママの場合、「1時間前に授乳したばかり…そんなに飲ませていいの?」、「母乳が出ないから赤ちゃんに吸わせても意味ないんじゃ…」と悩み、赤ちゃんへの頻回授乳を躊躇しがちです。

しかし、WHO(世界保健機関)とunicef(ユニセフ)では、「母乳育児を成功させるための十か条」として「赤ちゃんが欲しがる時は欲しがるだけ授乳する」よう推奨しています。

授乳には、赤ちゃんのお腹を満たすだけでなく、ママと赤ちゃんのコミュニケーションとしての役割があります。ママの肌に触れることで、赤ちゃんは安心するのです。また、赤ちゃんにたくさん乳首を吸ってもらうことで、ホルモンの分泌が促され、母乳不足が解消することもあります。

新生児期は1日20回以上の授乳をしていたというママもいます。母乳は、赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ飲ませてあげましょう。

寝かしつけに効果的な音を聞かせる

不安でパニック状態になっている赤ちゃんの気持ちを切り替えるため、泣き止ませるためにさまざまな「音」を聞かせてあげるのも効果的です。生後三週間ほどの新生児はまだ目があまり見えませんので、歌を歌ってあげたり抱っこでママの心臓の音を聴かせてあげるなど、聴覚を通して安心感を与えてあげましょう。

また、ビニール袋のシャカシャカした音は、お腹の中の音に似ているため、赤ちゃんが安心すると言われています。

最近では、赤ちゃんが泣き止む胎内音や、寝かしつけに効果的なオルゴール音などを集めたスマホアプリもあります。便利なアイテムを使用するのも一つの方法です。

赤ちゃんの顔や背中を優しくなでる

赤ちゃんにとって、人とのスキンシップはとても大切です。赤ちゃんを安心させるためにも、顔や背中を優しくなでてあげましょう。顔に触れる時は、赤ちゃんを寝かせ、眉間から鼻筋を優しくなでてあげます。背中に触れる時は、ゆっくりなで下ろすか、腰の近くを軽くトントンとたたいてあげましょう。

魔の3週目の上手な乗り切り方

生後三週目はママの疲れもピーク。気持ちを切り替えて上手に乗り切ることが大切です。ここでは、魔の三週目の上手な乗り切り方をご紹介します。

我慢しないで周りの人に頼る

魔の3週目は、出産でダメージを受けた体で育児をするママにとって、とても負担が大きいものです。しかし、生後三週間で周りに助けを求めるのは、「甘えてると思われるのでは?」と我慢してしまう女性が多いのが魔の三週目の厄介な点です。

産後のホルモンバランスの乱れで心が不安定な時に、泣き続ける赤ちゃんへの授乳や抱っこで寝不足が続けば、ストレスが溜まり「産後うつ」になってしまう恐れもあります。

育児はこの先もずっと続きますから、赤ちゃんの健やかな成長のためにも、この魔の3週間目も無理は禁物。パパや実家の両親にサポートを依頼しましょう。周囲に頼れる人がいない場合は、育児援助をしてくれるファミリーサポートセンターや、産後ヘルパーなどを利用するのも一つの方法です。

泣き止まないときはあると気持ちを切り替える

赤ちゃんが泣いていると、どうにかしてあげたいと思うのが親心です。しかし、何をしても泣き止まないと、「どうして泣いているのかわからない!母親失格なのでは?」とまで思い悩んでしまうことがあります。

しかし、魔の3週目に起こる赤ちゃんの変化は、ママのせいでも、赤ちゃんのせいでもありません。赤ちゃんの成長の過程でよく見られる、成長の証のようなものです。赤ちゃんは時に理由なく泣き続けることもあり、それだけ体力が付いたということでもあります。

つらい魔の3週目を乗り越えた後は、寝かしつけも上手になり、育児に自信が持てるようになったという先輩ママも多いです。この時期だけの特別なものと気持ちを切り替え、ストレスを抱えないようにすることが大切です。

魔の3週目には必ず終わりがある

赤ちゃんが思い通りに泣き止んでくれなくてもあまり思いつめないようにしましょう。産後のママはただでさえ疲れていますから、頑張りすぎは禁物です。魔の3週目であっても、自分にできることをゆっくりひとつひとつやるだけで十分です。