母乳への食事の影響

母乳への食事の影響は?授乳中の量・おすすめ食材&レシピ

母乳への食事の影響を知りたい方へ。食事が母乳に及ぼす影響や母乳を与えている方におすすめの食材やレシピをご紹介します。和食は、母乳に優しい料理です。根菜類を多用して、母乳にいい体を温める食事を積極的に摂るようにしましょう。

母乳への食事の影響は?授乳中の量・おすすめ食材&レシピ

母乳への食事の影響/食事制限は?生ものは?おすすめ食材

母乳育児中のお母さんは、少しでも赤ちゃんに多くのそして栄養のある母乳を飲んでもらいたいと願うものです。今回は、食事の母乳への影響・母乳におすすめの食材&レシピ・食事制限の必要性など、母乳と食事の関係について詳しくご紹介していきます。

母乳で育っている赤ちゃんにとって、母乳は成長するために必要不可欠なものです。母乳育児中の食事についての知識を得て、赤ちゃんに良い母乳を沢山飲んでもらいましょう。

母乳へ及ぼす食事の影響

お母さんの食べたものは、赤ちゃんの飲む母乳に影響を与えます。ただ、その影響の大きさは、赤ちゃんにより個人差があります。食べ物アレルギーのある赤ちゃんは、お母さんがアレルギーの原因になる食べ物を食べただけで発疹ができるなど、体に異常を及ぼすこともあります。

母乳を飲む赤ちゃん

授乳中の方は、赤ちゃんへの影響を考えながら食材を選んだり、食事のメニューを考えたりしていきましょう。もちろん、授乳中の飲酒はやめてください。授乳中の飲酒は、赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼします。アルコール好きな方も、卒乳するまでは我慢してください。

母乳をあげている時の食事で気をつけること

母乳を与えている間は、以下の点に気をつけて食事をして、赤ちゃんに質の良い母乳を飲んでもらいましょう。健康的な食事をすることは、赤ちゃんに良い母乳を飲んでもらえるだけでなく、お母さん自身の健康維持にも役立ちます。

規則正しく食事をする

赤ちゃんが生まれて間もない頃は、慣れない育児と家事の両立で忙しい毎日を過ごしますが、できる限り1日3食規則正しく食事をするようにしましょう。もちろん、授乳中はお腹がすくでしょうから「3食+捕食」が必要になるでしょう。

捕食は、エネルギーになるおにぎりがおすすめです。食事の時に炊いた白米が余ったらおにぎりにして置いておくと、お腹がすいた時にすぐに食べることができます。夜中の授乳をした後にも、おにぎりがあるとすぐに食べることができるので便利です。

体を温める食材を選ぶ

食事する女性

母乳を沢山出すためには、体を冷やさないようにすることが大切です。体を温めてくれる食材を選んで積極的に食べるようにしましょう。

体を温める食材を積極的に食べるようにすることで、体の血液の流れがよくなり、新陳代謝も活発に行われ、母乳も沢山出るようになります。もちろん、食べ物だけでなく、足元など体の外側からの冷えにも十分に注意してください。

水分を多く摂れるメニューにする

母乳を沢山作るために、食事から出来るだけ多くの水分を摂るようにしましょう。母乳を作り出すためにはお母さんの体の中にある水分を沢山消費します。

体の水分が少なければ、母乳を沢山出してあげることができません。スープ・お鍋・シチューなどは、手頃で水分も野菜も多く摂ることができます。

もちろん、お茶などの水分補給もこまめに行ってください。ただ冷たい飲み物を沢山飲むと、体を冷やしてしまうので、気をつけてください。

母乳にいい飲み物ランキングTOP10!授乳中の水分補給のコツ
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揚げ物・油物は控える

揚げ物

揚げ物や油分が多い食材や食事は、乳腺炎の原因になりやすく、おっぱいの味を悪くしてしまう可能性がありますので、出来るだけ控えるようにしましょう。スナック菓子も油を多く使用しているので、気をつけてください。

たとえば、揚げ物から蒸し物に変えてみると、摂取する油の量を控えることができ、かわりに水分を多く摂ることができます。

もちろん、揚げ物を一切禁止しなければならないということではありません。食べ過ぎに注意して、たまには揚げ物を楽しんでください。揚げ物が食べたくなったら、面倒でも自宅で新しい油を使って調理すると、少しでも油の悪影響を少なくすることができます。

甘い物は控える

ケーキ

甘い物には、体を冷やす砂糖が多く含まれているので、食べ過ぎには注意してください。特に、白砂糖を多く含むケーキなど洋菓子には注意が必要です。

甘い物が食べたくなったら、お団子など和菓子にすると良いです。お菓子作りが好きな方は、手作りすると砂糖の量を調節することができるので、ぜひ挑戦してみてください。

お菓子やお料理に甘みをくわえたい時には、白砂糖ではなく、「てんさい糖」がおすすめです。てんさい糖は、砂糖大根を原料としていて、体を温めてくれる効果があります。

血液のもとになる食材を食べる

ほうれん草

良い母乳を沢山だしてあげるために、母乳のもととなる良い血液を沢山作ってくれる食材を多く食べるようにしましょう。

ほうれん草・小松菜・レバーなど、鉄分・タンパク質が豊富な食材がおすすめです。妊娠中に続き出産直後や授乳中は、貧血になりやすい時期です。出産後は妊娠中のように毎月健診があり貧血チェックをしてくれませんので、自分で気をつける必要があります。血液によい食材を食べて貧血も予防しましょう。

母乳をあげている時のおすすめの食材&レシピ

乳児を子育て中の方は、忙しくて自分の食事にまで気が回らないという方も多いのではないでしょうか。忙しい子育て中のお母さんでも作ることができる、母乳によい食材をつかったレシピをご紹介します。

母乳に良い食材

  • 根菜・・・大根・人参・さつまいも・ごぼう
  • 豆類・・・小豆・豆腐
  • 体を温める野菜・・・ショウガ・ネギ・白菜
  • 血液を作る食材・・・ほうれん草・小松菜・レバー
  • ビタミン・ミネラル豊富な海藻類・・・わかめ・こんぶ・ひじき

豚肉と白菜の蒸し物

豚肉と白菜の蒸し物

蒸し料理は、水分も多く摂れ、お肉の脂も落ちるヘルシーな調理法です。豚肉は鉄分が多く、白菜は体を温めてくれるので、授乳期におすすめの食材です。大根や人参などをプラスすると更に栄養価が上がります。

豚肉と白菜の蒸し物

【材料】

  • 豚肉
  • 白菜

【作り方】
1.豚肉と白菜を蒸し器に並べて蒸す
2.ポン酢や大根おろしにつけて、食べる

根菜のお味噌汁

根菜のお味噌汁

お味噌汁は、水分も補給でき、体も温まるので、母乳には効果的な食べ物です。体を温めてくれる根菜を具材にすることで、更に効果が高くなります。

根菜のお味噌汁

【材料】

  • 大根
  • 人参
  • さつまいも
  • ネギ
  • 味噌
  • 昆布だし

【作り方】
1.野菜を適当な大きさに切る
2.お鍋に水と昆布を入れて、弱火にかける
3.お鍋が沸騰する直前に昆布を取り出す
4.お鍋にネギ以外の野菜を入れて、中まで火を通す
5.野菜に火が通ったら、火を一度止めて、味噌を溶き入れ、もう一度火をつける
6.沸騰する直前にネギを入れて火を止める

サツマイモの茶巾

サツマイモ

サツマイモは、体を温めてくれる根菜の一つです。秋が収穫期で収穫したばかりのサツマイモは、甘くて美味しいですね。そのまま焼き芋にしても良いですが、食べやすく茶巾にするのがおすすめです。サツマイモの茶巾は、離乳食の定番メニューでもありますので、今のうちに作り方をマスターしておくと、離乳食が始まった時に楽になります。

サツマイモの茶巾

【材料】

  • サツマイモ

【作り方】
1.サツマイモの皮をむき輪切りにする
2.1を蒸し器や電子レンジで柔らかくなるまで加熱する
3.サツマイモをつぶして、ラップなどで茶巾にする

母乳のための食事制限は必要?生ものは?

母乳のために食事制限をする必要があるかどうかは、お母さんの状態やお子さんの様子により異なります。

揚げ物の取りすぎに注意

母乳をあげている人の中には、少し揚げ物を食べ過ぎただけで乳腺炎になってしまう人がいます。逆に、特に食事制限をせずに好きな物を食べていても、母乳に全く影響が出ない人もいます。産婦人科医や助産師さんによっても、厳しい食事制限を推進する人もいれば、食事は本人に任せる人もいます。

赤ちゃんの中にも、母乳の味の変化に敏感な赤ちゃん・鈍感な赤ちゃんと色々です。赤ちゃんが、味が少しでも変わると母乳を飲まなくなるようであれば、赤ちゃんの好みにあう母乳が出るような食事をするようにしましょう。

生ものに注意

妊娠中は、食中毒や赤ちゃんへの悪影響を考えて、お刺身など生ものを控えていた方も多いでしょう。授乳中も、生もので食中毒になってしまうと、授乳を一時中断しなくてはならなくなってしまうため、引き続き生ものによる食中毒には注意が必要です。

安心できるスーパーやレストランで、お刺身やお寿司をたまに食べるぐらいであれば、問題無いでしょう。逆に、好きな物を我慢して、お母さんがストレスを溜めてしまう方が、母乳にとっては悪影響になってしまう場合があります。

母乳をあげている時の食事量の目安

食事をとる女性

赤ちゃんに母乳をあげた後は、お腹が急にすいてきたいり、喉がカラカラになったりします。妊娠中に引き続き、授乳中もお母さんは、赤ちゃんに栄養を沢山吸い取られますので、お母さん自身が栄養不足にならないように、しっかり食べてください。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準について」によると、授乳中の女性のカロリー摂取量は、一般女性の標準カロリー摂取量+450kcalが目安です。18~49歳の女性で家事や買い物・通勤など普通に体を動かしている方標準摂取カロリーは、約2,000kcalになるので、授乳中の女性は、2,450kcalが目安となります。

大人茶碗に一杯のご飯(140g)で235kcalです。わかりやすく考えると、普通の食事にプラスして一日にご飯お茶碗2杯食べると、授乳中の目安カロリーが摂取できることになります。

朝・昼・夕の食事のどれか2回、ご飯をおかわりするのも良いですが、授乳中はこまめにお腹がすくので、お茶碗一杯分のおにぎりを作っておいて、おやつの時間や夜中の授乳の合間に食べておくのも良いでしょう。

母乳の味の好みは赤ちゃんにより様々

どんな味の母乳が好きかは、赤ちゃんにより異なります。赤ちゃんによっては肉類を食べた後の母乳を全く受け付けないため、お母さんが肉類を食べないようにしているという例もあります。

「母乳をあげているから食事制限しなければならない!」と初めから決めつけず、まず普段通りの食事をして赤ちゃんがおっぱいを飲む様子を見て見ましょう。

赤ちゃんが母乳を飲み始めたけどすぐに止めるなど、様子に変化が見られた場合には、「何を食べたかな?」と食事について頭を思い巡らせてみましょう。

和食は母乳にとって良い食事

和食

日本人が昔から食べている和食は、母乳にとって良いことが沢山あります。主食も、パンよりもご飯の方が、母乳を出すにはよいとされています。母乳をあげている間は、ご飯中心の和食を献立に多く取り入れてみると良いでしょう。

和食の母乳へのメリット

  • 油をあまりつかわないため、乳腺炎の予防になる
  • 粗食
  • 体を温める根菜類を多く使う(筑前にや豚汁など)
  • 味噌汁をつけることで水分補給ができる
  • 白米を食べることができる
  • 主食・魚肉・野菜とバランスのよい食事ができる

もちろん、毎日3食「主食・魚肉・野菜・味噌汁」と定食屋さんのような食事を作るのは、忙しい子育て中のお母さんには大変です。時には、息抜きにお昼ご飯にサンドイッチを買ってきて食べるなどするのもよいでしょう。

授乳中の食事は作り置きおかずが大活躍

冷凍パックの作り置きおかず

母乳をあげている時の食事で大活躍してくれるのが、作り置きのおかずです。赤ちゃんの育児をしていると、食事の支度をしている最中に赤ちゃんが泣いて、食事準備が進まないということがよくあります。いつでも食べられるように、作り置きのおかずを週末など時間がある時に作って冷蔵庫に常備しておくと、とても便利です。

母乳に優しい和食には、作り置きできるおかずが沢山あります。冷蔵庫におかずがあると思うとお母さんも気持ちが楽になります。お腹がすいた時には、おにぎりにプラスして作り置きおかずを食べると栄養価も上がります。

おすすめ和食の作り置きおかず

  • ごぼうと人参のきんぴら
  • きんぴらレンコン
  • 千切り大根の煮物
  • ひじきの煮物

母乳をあげている時も食事を楽しもう!

母乳をあげている時は、食事について気をつけないといけないことも確かにあります。ただ、食事に気をつけるあまりに、お母さんが食事の時間を楽しめなくなってしまっては困ります。あまり、気にしすぎてストレスを溜めることのないようにしてください。

母乳をあげている時は、乳腺炎などに気をつけつつも、食事を楽しむようにしましょう。お母さんが毎日美味しそうに食事をしている様子を赤ちゃんも見ています。赤ちゃんの離乳食を開始した時にも、お母さんが楽しく食事をしていると、赤ちゃんも食べることが楽しいと思ってくれるでしょう。