育児ストレス、もう限界…ストレス&発散法
核家族化が8割にも及ぶ現代において、ママと子どもだけで過ごす時間が増えています。インターネットの利便性が増し、日常的に宅配業者を利用して買い物まで出来るようになったため、外出する必要性も少なくなったことも要因のひとつ。
同時にSNSでは同僚や友人が充実した日々を楽しんでいる様子を見せつけられ、子供を設けたことに後悔はなくても「私はこのままでいいのだろうか…」「もっとキラキラしたママになるはずだったのに…」と現状になんとなく不満を感じてしまうことも…。
子どもとふたりきりの時間が長くなれば長くなるほど、何だか社会から取り残されたような気持ちに襲われてママは孤独を感じてしまいますよね。約7割ものママが育児で孤独感を感じているという調査結果もあります。
孤独と育児の毎日に精神的に追い詰められ、子育てが全て自分の振る舞いにかかっているような気持ちになり、責任が重くのしかかるように感じてしまっているところに、タイミング悪く子供が普段にもまして言うことを聞かなかったり、四六時中ついて回られたりすると、子どもに悪気はないとわかっていてもついついイラっとしてしまうでしょう。しかし、育児ストレスを抱えているのはあなただけではありません!
育児ストレスの原因は?
出産を迎えると「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が減少することによって生理的に強い孤独や不安を感じやすい体になっています。
これは周りの大人と一緒に子どもを育てる「共同養育」を促す効果があると考えられていますが、本能として備わっている欲求に反し、現代の日本ではママ一人だけが育児に携わる時間が長いため、意図せず育児ストレスにつながりやすくなってしまいます。
- 子育ての悩みあるある!育児への不安やストレスとの向き合い方
子育ての悩みは尽きないものですが、現代は一人子育ての悩みを抱える方が増えています。子育ての悩みはどう向き合いどう解決していくべきか、ワーキングマザーや専業主婦ならではの育児の悩みからも探っていきます。
爆発寸前!こんなことに育児ストレスを感じます!
育児ストレスは、子どもが言うことを聞かない、四六時中泣きわめく、どこに行くのもついてきて自分の時間がないというように、ストレスの原因がわかっているものを指します。
育児ストレスの放置は育児ノイローゼやうつのような深刻な問題にも発展しかねませんが、一方で自分のストレスの原因を把握することは、ストレスコントロールの方法を見つけやすい、解消につながりやすい面もあるので、自分がどういった面にストレスを感じているかを把握することが大切です。
ケース1.スケジュール通りに進まない!!
子どもと過ごす生活の中では、自分がやろうと思ったことを達成しようとする間にいくつものハプニングや子どもからの欲求を受けて、結局中途半端に終わることの連続です。
掃除ひとつとってみても、子どもが離れてくれない、片付けた端から子どもが部屋を散らかす、おしっこやうんちをした、泣きさけぶなど、普段は10分もあればできるようなことなのに自分の意思に反して途中で何度もさえぎられ、やらなければならないことが次から次へと舞い込むことは日常茶飯事。家事には何倍もの時間がかかってしまうばかりか、昼ごはんの時間ですら満足に確保できないこともザラ…これは誰にとっても非常にストレスがたまる環境です。
時間がかかってしまうことがストレスなのではなく、やるべきことに対して子どもによって何度も作業を中断されてしまい、一年365日、一日中常に、スムーズにいかない状況や自分自身に対してフラストレーションがたまってしまうのです。
周りの方からは「寝ている間にやればいいじゃない」「要領が悪い」と手痛い意見を言えてしまう方もいますが、「じゃあお前が1年365日コレやってみろよ」です。家事の切り盛りと育児の日々は言うなれば肉体労働に判断の連続が加わる過酷さを持ちます。精神的にも体力的にもクタクタで余裕を失った人間には、『要領の良さを保つ』だなんて机上の空論でしかありません。
- 夜泣き放置と見守り育児の違いは?ノンストレスの夜泣き対策
夜泣き放置と見守り育児の違いを紹介します。月齢別の夜泣きの原因からママがストレスを感じない夜泣きの対策を紹介します。サイレントベビーにならないために放置と見守り育児の違いをしっかり理解しましょう!
ケース2.理想の家事育児ができなくて自己嫌悪、周りと比べてしまう
育児書を読むと子どもの発育に良いとされる母親の振る舞いや、子供は何歳までにどんなことができるようになる、といった情報が多く書かれていますが、育児書通りに100点満点の生活を毎日続けることはできません。しかし正しいとされているレールから外れてしまうと、「我が子の成長に悪い影響が出るのではないか?」「自分は悪い母親なのではないか?」と不安に思ったり、自分を責めてしまったりすることもあるでしょう。
SNSを開くと幸せそうなママ友や子どもの写真がたくさん写っていて、疲れ切った自分の状況と比較してしまい「こんなはずじゃなかった…」と社会に取り残された気持ちになるママも少なくありません。
子育てに真剣に向き合うほど「良い母親でいないといけない!」というプレッシャーに苦しんでいるしまう傾向にあります。何度あやしても子どもが泣き止まなかったりすると当たってしまうことがあり、自己嫌悪を感じてしまうママもいるのではないでしょうか?
ケース3.達成感を感じられない
育児には明確なゴールがありません。ハイハイができた、一人歩きができた、おしゃべりを始めたなど喜びを感じられることはありますが、それで育児が終わるわけではありませんし、子供の成長には常に戦いがつきものです。
また、首据わりにしても、腰据わりにしても、ハイハイも一人歩きもこの日を境に突然できるようになった!ということはむしろ少なく、じわりじわりできるようになる子が多いので、「本当にできているのだろうか?」と不安を感じる要素のひとつになったりもします。
子育ての不安と戦いに明け暮れながら、日々の暮らしは家事や育児を必死にこなすだけで、気づけばもう夜になってしまった…という毎日の繰り返しです。近くに「あなたの育て方で大丈夫」「よく頑張っている」と太鼓判を押してくれる人がいればいいのですが、核家族が増えた現代ではそれも難しくなっています。
少々なら過食に走ってもOK!自分を肯定するストレス解消方法
育児ストレスから逃れる近道は、ホルモンバランスのせいで不安や孤独を感じやすくなっている心の状態を認識することから始めます。自分を否定することをやめて「1人の時間を作ってもいい」「人に頼ってもいい」「卵は1パック100円のタイムセールじゃなくてもいい」など自分を束縛していた様々なルールから解放されましょう。
1人の時間を作る
子どもから離れて1人きりで過ごすことに罪悪感を感じてしまうママもいるかもしれません。特に専業主婦の方は引け目を感じてしまう傾向にありますが、まずはその想いから自分を解放しましょう。
パートナーやじいじばあば、もしくは地域の施設や保育園の一時保育などを活用して、数時間だけでもいいので1人でカフェに行ったり、映画を観たり、ショッピングをしたりする時間を作りましょう。誰にも邪魔されることなく、やりたいことを好きなだけ行える時間は満足感を感じられて、不思議と「子どもに会いたい」という気持ちになるママも多いようです。
日々の中でも子どもが寝ている時間など、1日のうち数分でいいので、好きな音楽を聴いたり、好きな本を読んだり、思う存分家事をしたりと、自分のやりたいことに使える時間を作って心のバランスを整えることも大切です。
パートナーは外で働いているから、自分1人で子どもの面倒を見なければならない、自分のために時間を使ってもらうのが申し訳ない、そんな思考回路を持つのは日本人だけ!子供はそもそも両親が育てるもの、子育ては母親だけが負担するべきではありませんし、家族を支えるあなたが心から笑顔になることが子どもや家族にとっても重要なのです。
人を頼り、話を聞いてもらう
子育ては大変な毎日の繰り返しなので、ひとりでずっと抱え込んでしまうとストレスがたまります。子育てがつらいと感じたら、とにかくその気持ちを誰かに聞いてもらいましょう。パートナー、親、友達、頼れる人に相談しついでに甘えるのもひとつです。
「言葉にして初めて育児の苦しみを理解できた」という方もいます。誰かに打ち明けることでフラストレーションが蓄積していく日々のなか、漠然とのしかかるストレスの正体を掴むだけでも心が整理されるものです。
気兼ねなく話ができるママ友がいればいいのですが、最近はなかなかママ友を作りづらい状況でもあるので、もし周りに話を聞いてくれる人がいない場合は、地域の自治体に頼りましょう。支援センターには気兼ねなく話すことができる保育士さんやスタッフが在中していることが多いので、子どもを連れて今すぐ訪ねてみて!
大爆発する前に小爆発する
子どもがぐずぐず言っていると「いい加減にして!」とついつい怒鳴ってしまい自己嫌悪におちいってしまう方もいるかもしれません。しかしこの小爆発は子どもにとって決して悪いことではありません。
度々小噴火を起こす火山より、何百年も動きのなく大量のマグマをため込んでいる活火山の方が爆発の被害が甚大なように、ママの大爆発は家族を震撼させるものとなり、場合によってはママ自身にも相当のダメージが残ります。
また、何があっても笑顔でいることを理想像としている方もいるかもしれませんが、反対に言うと感情を押し殺しているということですよね。感情の無い親というのは子どもの発達にとって言いとは言えません。時々は怒られるエネルギーを感じることも大切なのです。
大爆発する前に、感情を込めて「ママだって怒るのよ!」という気持ちを素直に伝える小爆発をしてみましょう。親の素直な感情を受け取ることで、子どもはひとつ成長してくれるでしょう。
度々小噴火を起こす火山より、何百年も動きのなく大量のマグマをため込んでいる活火山の方が爆発の被害が甚大なように、ママの大爆発は家族を震撼させるものとなり、場合によってはママ自身にも相当のダメージが残ります。
自分を肯定する。少しなら過食、暴食に走ってもOK
育児ストレスがたまってついつい過食や暴食に走って悩んでしまう方も少なくありませんが、実はその「食べたい」という気持ちは脳がSOSを出している証拠かも。子どもが寝ている間にこっそり食べるお菓子は至福の時間でもあるなら、多少の体重増加くらいなんてことはありません。
体重の増加が気になる場合は、低カロリーのものを選んだり、お菓子のストックをしないなど対策を行うことはもちろん良いことですが、食べる行為自体に罪悪感を感じてしまうと、逆にそれがストレスに繋がってしまいます。
これは育児全体につながる話。つまみ食いが止められない自分を許さないのと同様に自分の行動を否定してしまうなら、ストレスがどんどん降り積もってしまいます。まずは自分を受け入れ、許してあげることから始めて、心を軽くすることが大切です。
育児ストレスの元凶はここにもいた!残念な夫へのストレス&解消案
育児ストレスのもとは子どもだけではありません。本来は協力して育児を行なうべき存在である夫への不満を感じている方は多く、離婚まで考えてしまうママもいます。子育てだけでも大変なのに、夫の世話をしなければならなかったり、子育ての意見がぶつかってしまったりすると何倍もの疲労感を感じてしまいますよね。
しかし夫との関係が良好になることが育児ストレスの軽減につながるという研究結果も出ています。自分を守るためにも、賢い方法で夫へ気持ちを伝えることから始めてみるのもいいかもしれません。
夫へのストレス
子どもができてから夫婦関係のバランスが大きく変わったと感じるママは多く、「こんな人だとは思わなかった」と夫婦だけの関係性だけでは見えなかった夫の人間性が見えてしまう瞬間もあるかもしません。
育児を手伝うことなく横でゴロゴロ、口ばかり理想ばかりで行動してくれない、手伝ってくれても中途半端、人前ではイクメンアピール、育児や家事を頑張っても感謝の気持ちが感じられない、余計な一言にイライラ…夫の不満を挙げるとキリがないというママも多いでしょう。
解決案を考えよう。夫にわかってもらうには?
育児ストレスを軽減させるには、夫の理解度の高さが鍵を握っていると言われています。しかし家事や子育てを手伝ってくれたとしても、エキスパートのママからするとズレた行動をする夫についつい腹を立ててしまうこともあるでしょう。
そこで育児ストレスを少しでも軽くするために夫に理解してもらうための方法を2つ提案します。
正しく具体的に伝える
自分の想いを伝えるときは、「何をどうしてほしいか」を細かく具体的に伝えることが大切です。ひとつひとつ指示をしなくてはならない状況に絶望感を感じてしまうかもしれませんが、夫は悪気なくやっていることが多いです。
言う前に気づいて行動してくれることが理想ですが、上司でもないママに対して気をまわしてくれる夫は少ない模様。「お風呂に入れるときは服を着せるまでやってほしい」「うんちに気づいたなら報告だけではなく行動してほしい」など、気づいたときにきちんと伝えるようにしましょう。
伝えるときはまず夫を褒めてから
イライラを募らせて感情の大爆発とともに不満を伝えてしまうと、夫は話を聞きたくないモードに入ってしまいお互いがぶつかってしまうでしょう。そのような状況を避けるためにも、伝えるときにはまず夫を褒めてから話すことがポイントです!
いちいち話を伝えるために夫に気を使うのも面倒かもしれませんが、これは「夫に聞く耳を持ってもらう」「逆に自分も褒めてもらう」ための賢い作戦です。
夫との関係性が良好になれば、心のゆとりが生まれて、育児不安を軽減するという調査結果もありますので、自分のメリットになることだからと言い聞かせ、一度トライしてみましょう!
育児ストレスの連鎖から抜け出すには、ストレスの根元を見つけることから
育児ストレスが強くなってしまうと、子どもの反応に対して敏感に対応する余裕がなくなるため、成長してから子どもとの心理的な距離ができてしまうということがわかっています。
子どものためにも心を解放できる方法を探すことや育児ストレスや不安を一人で抱え込まないようにするなど、罪悪感を持つことなくママがやりたいことを思う存分出来る環境が大切です。
まずは自分を否定することをやめて、つらいと感じることがあれば1人で過ごせる環境を作るようにしましょう。そのためには一時保育など地域の制度を使うのもひとつの手段です。ママが心から笑顔を作れるように、日常的にママのケアを心がけてくださいね。