育児・お世話

赤ちゃんの水分補給のタイミング

赤ちゃんに水分補給を!タイミング&白湯や麦茶の飲ませ方

赤ちゃんの水分補給は脱水症状から守るためにも大切なこと!大人よりも暑がりのちいさな赤ちゃんは気温の上がる夏場やお風呂上り、たくさん遊んだあとなど何と大人の3倍も汗をかいてしまいがち!脱水症状を引き起こしやすい赤ちゃんの水分補給のタイミングや白湯や麦茶を嫌がるときの対処法もご紹介。

赤ちゃんと水分補給の基礎!赤ちゃんに水分補給が必要な理由

まだ、言いたいことが伝えられない赤ちゃんは、周りの大人が健康状態をよく観察して、必要なモノやして欲しいことに気付いてあげなくてはなりませんよね。
水分補給もモチロンのこと。赤ちゃんは「喉が渇いたよ」「お水が飲みたいな」とは言えませんので、周りの大人が察知して適切な水分を補給させてあげなくてはならないのです。

赤ちゃんの水分補給、何を、どれくらい、どんなタイミングで飲ませるかについて知る前に、赤ちゃんに水分補給が必要な理由について探っていきましょう。

赤ちゃんに水分補給が必要な理由1.汗をたくさんかくから

汗を出す『汗腺』は生まれる前に完成していますので、大人の汗腺の数と赤ちゃんの汗腺の数はほぼ同じです。
大人と比べて狭い表面積の皮膚に汗腺が密集しているのが、赤ちゃんの皮膚。しかも、赤ちゃんは大人と比べて体温が高いので、いつも体がぽかぽか熱を発している状態にあります。赤ちゃんは大人よりも暑がりで、同じ室温で過ごすなら、赤ちゃんの汗をかく量は大人の量の約3倍にもなる…とも言われます。

赤ちゃんのあせも予防、汗をかく前後の肌ケアやワセリンやベビーパウダーの使い方は間違っていませんか?汗疹が出来てしまってもかゆみや湿疹をひどくさせない対処法も大切。夏の赤ちゃんの肌を守りましょう!

赤ちゃんに水分補給が必要な理由2.脱水症状を起こしやすいから

小さな体で大人よりもたくさん汗をかく赤ちゃんは、体の中の水分が失われやすい、つまり脱水症状を起こしやすいのです。体の大きさは大人の何分の一、何十分の一の大きさですので、身体に必要な水分がごく短時間で失われていってしまいます。

また、赤ちゃんは元々体の70~90%(胎児で90%、新生児で75%、幼児で70%程度)ほどが水でできているので、体の水分量が60%程度の大人と比べると、より脱水症状になりやすいと言えます。

赤ちゃんに水分補給が必要な理由3.代謝が良いから

赤ちゃんのうるうるぷるぷるの肌や一日に何回もの排尿・排便を見ていると、赤ちゃんの代謝の良さが実感できますよね。しかし、その代謝や排せつにも水分が必要になります。水分をしっかり補給させてあげることで、赤ちゃんの体調も良好にキープできるのです。

赤ちゃんの水分補給!知っておきたいタイミングとサイン

赤ちゃんの健康な生活に欠かせない水分補給ですが、どのようなタイミングで行っていけばよいのでしょう?赤ちゃんの水分補給のタイミングと、見分けるサインについて探っていきましょう。

赤ちゃんに積極的に水分補給をさせたい基本のタイミング

季節を問わず、赤ちゃんに水分補給をさせてあげたいタイミングがあります。それは、夏は特にしっかり水分補給をさせたい基本的なタイミングでもあります。それぞれの水分補給のタイミングと理由について見ていきましょう。

1.お風呂上がり、シャワー後

お風呂に入ると、体温が上昇し代謝も良くなりますね。赤ちゃんだって普段よりも体温が高くなり、代謝がアップしていつも以上に汗をかくのです。減ってしまった水分は早めに補ってあげられるように、お風呂上がりには忘れずに水分補給をしてあげましょう。

入浴後の水分補給はぬるめのシャワーで済ませる場合も同じです。お風呂に比べると体力的に楽で発汗量も少なく済むとはいえ、普段よりも赤ちゃんの体温は上昇し汗をかいている状態であることには変わりありませんので、忘れずに水分補給をさせてあげるようにしましょう。

2.たくさん遊んだ後

赤ちゃんの手を持ってあんよのおけいこをしたり、お腹をくすぐったり、赤ちゃんが体を動かしたりたくさん笑ったりして遊んだ後も、水分補給のタイミングです。赤ちゃんがいっぱい笑ったときは、動いていないとはいえ大人が思う以上に体力を使っているのです。いっぱい遊んでいっぱい笑ったら、水分もしっかりと摂らせるようにしましょうね。

3.朝起きてすぐ、お昼寝の後

脱水症状を起こしやすい赤ちゃんですが、寝ている間は水分補給ができません。ですから、赤ちゃんが朝起きたらすぐに、また、お昼寝から覚めたらすぐに水分を与えるようにしましょう。コレは大人も同じですが寝起きの体をびっくりさせないように、冷たい飲み物は控えるようにしましょうね。

4.外出から帰った後

お出かけから帰ってきたときも、赤ちゃんに水分を与えるタイミングです。外出先で充分に水分を与えていても、温度差や疲れなどから、帰宅後も水分が必要になるのです。赤ちゃんと一緒に手を洗い、キレイになったところでティータイムを設けましょう。

赤ちゃんとの外出いつからOK?1ヶ月健診が終わると赤ちゃんの行ける場所は広がりますが行きたくても我慢したい場所、行先別赤ちゃんや小さな子連れでも気持ち良く外出するポイントとしてマナーや持ち物をチェック!

要観察!他にもいろいろ赤ちゃんに水分を補給するタイミング

お風呂上りと遊んだ後、寝起き、帰宅後は水分補給の基本のタイミングですが、赤ちゃんの様子を観察することで、他にも赤ちゃんに水分が必要なタイミングが見えてきます。

たくさん泣いた時

赤ちゃんが泣くときは、大抵何かの理由があります。お腹がすいていたり、なんとなく不安になったり、おむつが気持ち悪かったり・・・様々な理由で、泣いて訴えてくれますね。これらの理由を突き止めて、食事をさせたり抱っこしたりおむつを変えたりして原因を解決したら、頑張って泣いて伝えてくれた分の水分補給もさせましょう。

大泣きすることで、赤ちゃんは想像以上に体力を使っていますし汗と涙を流してたくさんの水分を失っています。しっかりと水分補給をさせてあげると、その後は気持ちよく過ごせるはずですよ。

顔が赤くなっているとき

赤ちゃんの顔が赤くなっているときは体温が上昇して、顔がほてっているのかもしれません。熱くなりすぎた体を冷ますためにも、水分補給が必要です。また、手足が汗ばんでいるときや首筋に汗が流れているとき、熱が37.5度以上あるときも、普段よりこまめに水分を補給してあげるようにしましょう。

赤ちゃんの顔や手足がちょっとだけほてっている程度なら問題はありませんが、顔が赤くなる、微熱が続く…などの症状を伴う赤ちゃんのほてりは要注意。室温や外気が高すぎて熱中症の症状が出ている可能性もあります。ほてりが気になるときは、なるべく涼しく過ごせるようにエアコンなどでこまめに室内温度を調整しながら様子を見るようにしましょう。

下痢や嘔吐をしたとき

赤ちゃんにとっては下痢や嘔吐をしたときも、体の中の水分はたくさん失われてしまう脱水の危機。しっかりと水分補給して、赤ちゃんの体調を落ち着かせるようにしましょう。

下痢や脱水があっても、ミルクを飲んだり嫌がらずにちゃんと水分補給するようであればまだ大丈夫。機嫌がなかなか直らず水分も摂ってくれない、唇が渇いてきた…等の症状は出来るだけ早く小児科を受診させるようにしましょう。

こんなサインが見られたらすぐに水分補給!

赤ちゃんの様子や顔色以外でも、水分補給に適したタイミングを知る方法があります。いくつかご紹介します。

おしっこの回数・量が少ない

おしっこの回数や量がいつもよりも減ってきたら、赤ちゃんの体内の水分が減ってきているサインです。しっかりと水分を補給し、体の熱が外に逃げるようにしてあげましょうね。

おしっこの色が濃い

おしっこの色が濃くなっている場合も、体内の水分が減ってきているサインです。体温も上昇していると考えられますので、赤ちゃんが過ごしている環境を見直し、汗を拭いたり、着替えさせたりするなどして、快適に過ごせるように手伝いましょう。
おしっこの回数が少ない、色が濃いときは時間をかけてでも、少し多めに水分を摂らせる方が良いでしょう。

赤ちゃんが水分補給するのはいつから?月齢・年齢別の飲み物

赤ちゃんには実に色々なタイミングで水分補給をさせてあげたいのですが、母乳やミルク以外での水分補給はいつから始めるのが良いのでしょうか?白湯以外の飲み物、赤ちゃん用麦茶デビューのタイミングと月齢・年齢別の飲み物についてもチェックしていきましょう。

母乳以外の水分は基本的には離乳食が始まってから

お風呂上がりや大汗をかいたあとは、新生児であっても、母乳やミルクではなく湯ざましや麦茶を飲ませる…と指導された方もいるかもしれませんが、現在は大抵の病院や育児書では、離乳食が始まってから母乳やミルク以外の飲み物を飲ませるようにと指導しています。

母乳の出があまり良くない方や完全ミルクで育てている方は、お風呂上がりなどの忙しいときには、ミルクを作るのがちょっと大変になってしまうかもしれませんね。

頻繁に汗をかく暑い時期には麦茶もOK

とはいうものの、夏や梅雨の時期などの頻繁に水分補給が必要になるときは、麦茶や湯ざましなどを利用するのはアリです。特に夏場は脱水症状や熱中症を未然に防ぐために、「何を飲ませるか」よりも「どれだけこまめに水分補給できるか」が大切になってくるところです。

月齢・年齢別の水分補給のポイントと適した飲み物

なお、赤ちゃんの成長に応じて水分補給のポイントと適した飲み物は変わっていきます。月齢・年齢別に説明いたします。

新生児期~4ヶ月の水分補給と適した飲み物

基本的にはミルクや母乳で水分補給をしたい時期ですので、夏の暑い日やお風呂上がりですぐにミルクを調乳できない場合などは、湯ざましや赤ちゃん用の水など余計な成分が入っておらず赤ちゃんに影響のない水分を補給させてあげるのが良いでしょう。小さなスプーンで数杯口に入れてあげましょう。

果汁を薄めたものを飲ませるように推奨されることはまずないでしょうが、離乳開始前の果汁はお勧めできません。とくに生後4ヶ月ころまでに果汁を与えると食物アレルギーになりやすくなるとも言われますので、できれば何も入っていない水を上げるようにしましょうね。

生後5ヶ月~7ヶ月の水分補給と適した飲み物

生後5ヶ月ころになると早ければ離乳食を始めている方も出てくるころです。離乳初めのころは食事だけでは充分な栄養も水分も取れませんので、まだまだ母乳やミルクが必要です。この時期の水分補給は、母乳でもミルクでも、麦茶や湯ざましなどでも構いません。スプーンで飲ませても良いですが、哺乳瓶に20ml~50ml入れて飲ませるのも良いですね。

麦茶は大人用のものはあかちゃんにとっては少々濃いかも…?ベビー用の麦茶や通常の麦茶を3~5倍に薄めたものなどをあげましょう。風邪による発熱でたくさん汗をかきたくさんの水分を失った後は、赤ちゃん用のスポーツドリンクで効率的に水分を補給させてあげるのもオススメです。果汁を薄めたものは離乳の様子に応じて与えるようにしましょう。

生後8ヶ月~11ヶ月の水分補給と適した飲み物

食べられる食材の種類や量がだんだんと増えてくる生後8ヶ月以降。赤ちゃんにも色々な味を覚えさせて、味覚の幅を広げていきたい時期ですよね。この時期も、水分補給として母乳やミルク、麦茶、ほうじ茶、水、果汁や野菜ジュースを薄めたものなどがオススメですが、しっかりと離乳食で栄養が摂れるようになってきているのであれば、水分補給に母乳やミルクを選ぶ回数は減らした方が良いかもしれませんね。

ストロー飲みが出来るようになっているなら、ベビー用の麦茶やジュースにストローを差して飲ませるのも、外出中の水分補給としては便利かつ衛生的で良いですね。ベビー用のマグが使える場合は、マグに飲み物を適量入れ、しっかりと蓋をして飲ませてみましょう。

1歳児の水分補給と適した飲み物

離乳も完了期に入る1歳ころでも、水分補給のタイミングとして離乳食後にフォローアップミルクなどを飲ませるのも良いですね。食が細い子や偏ったものしか受け付けない子には、フォローアップミルクで栄養バランスを取っていきましょう。コップの練習を開始している子もいるかもしれませんが、コップから直接飲むのはまだちょっとこぼしてしまうことも多いため、水分補給には無理させず蓋つきマグやストロー付きカップを利用する方が良いでしょう。

お子さまによっては、食事から充分に栄養を摂取できていることもあります。栄養過多・カロリー過多にならないように水分から摂取されるエネルギーに気を配る必要が出てきます。食事をしっかり食べている場合は、麦茶や水などノンカロリーのものを飲ませるようにしましょうね。

赤ちゃんが水分を摂ってくれない!嫌がるときの与え方

あかちゃんが大泣きして大量の汗をかいた後なのに、またはお風呂上がりなのに、どうしても赤ちゃんが水を飲むのを嫌がるときもありますよね。こんなときは、どうすればよいでしょうか?

時間を置いて再挑戦

赤ちゃんだって飲みたくないときもあるんです。
ミルクや母乳が大好きな赤ちゃんにとって白湯や麦茶は飲み難い物なのかも知れませんし、特にお風呂上がりは、体がほこほこして気持ちがよくなっていますので、水分を補給するといった体力を使うことはしたくない!と感じているのかもしれません…?数分待って、もう一度飲ませてみれば、ごくごくと勢いよく飲むかもしれませんよ。

違うものを与える

だんだん味覚や嗅覚が育ってくると、「飲みたいのはそれじゃない!」という気持ちも育ってきます。麦茶を嫌がるときは赤ちゃん用のほうじ茶、ほうじ茶を嫌がるときは白湯…など、違うものを飲ませて見るのはいかがでしょうか?

ですが、ココで注意したいのは小さな子の味覚は甘い物が大好きだということ。甘い味に慣れてしまって、甘い飲み物しか受けつけなくなってしまうのは問題です。大きくなったとき肥満体を誘発しやすい体質になったり大切な乳歯を虫歯にしてしまわないように、あまり早いうちから甘いものばかりを飲ませ無いようにしておきましょう。

赤ちゃん用として販売されているドリンクでも、なかには甘みが強いもの、糖分が多く入っているものもあります。市販のものを与えるときは、原材料表記に充分に注意して与えるようにしましょう。不安な方は、ジュースを自分で果汁を絞って薄めるなど、一手間かける方が良いかもしれません。

熱中症かも・・・

熱中症の症状で、水分が必要にもかかわらず体が水を受けつけないということもあります。口に入れると水を吐き出してしまったり、体温が37.5度から下がらなかったり、体と顔がほてっているのに手足が冷たくなっているときは、救急外来に行き専門家に診てもらうようにしましょう。

赤ちゃんの熱中症予防、正しい知識を持っていますか?夏の過ごし方やお出かけ対策、もしものときも熱中症症状サインをみわけ症状の深刻化を食い止める対策を!赤ちゃんの夏の健康管理に役立てましょう。

赤ちゃんにとって水分補給はとても大切なこと

汗をかきやすいのに体が小さく、必要とする水分量も多い赤ちゃんにとって、水分補給はとても大切なことです。自分で飲みたいと言うことやコップや哺乳瓶を準備することができないので、周りが適切なタイミングで適切な量与えるように配慮しましょう。

特に夏場や蒸し暑くなる梅雨前後は、水分補給の重要度もアップします。赤ちゃんが心地よく健康に暮らせるように注意していきましょうね。