育児・お世話

離乳食の豆乳レシピ

離乳食の豆乳はいつから?無調整でもおいしい段階別レシピ

離乳食に豆乳はいつからどのように使えるのか、豆乳の活用術を初期・中期・後期のおすすめレシピとともに紹介。大豆由来の豆乳はたんぱく質を豊富に含みますが、加熱や冷凍で成分が分離することもあるので注意!無調整豆乳と調整豆乳の違いも知っておきましょう。

離乳食に豆乳はいつから?調整・無調整など使える種類は?

離乳食に豆乳は使えるのか、最近では牛乳よりも豆乳を飲料し、料理に活用しているご家庭も多いので、気になるママもいるでしょう。
豆乳とは、大豆を水に浸してすりつぶし、布で濾した際に出てくる水分・飲料です。大豆原料なので、豆腐などと同じく離乳食でも早くから使える食材ですが、いくつか気を付けるべきポイントがあります。

特に気を付けなければならないのは、豆乳の選び方です。
同じ「豆乳」でも、種類によって中身は大きく異なり、離乳食には向いていないものも存在します。

豆乳は3種類に分けられるが、離乳食に使えるのは「無調整豆乳」のみ

豆乳はスーパーやコンビニで手軽に購入できます。市販されている豆乳は使用されている原料の違いによって、農林水産省によるJAS規格で次の3種類に分類されています(注1)。離乳食に使うことができるのは無調整豆乳のみです。

豆乳(無調整豆乳)~原材料は大豆のみで離乳食に使える唯一の種類

もっともシンプルな豆乳である無調整豆乳とは、大豆から繊維質を除去して作られた飲料(大豆豆乳液)であり、大豆固形分が8%以上のものを指します。大豆だけでできている、要するに大豆から出た液体ですので離乳食で使用可能です。

調整豆乳~糖分や塩分を加えているので離乳食には不向き

調整豆乳とは、大豆豆乳液もしくは脱脂加工大豆を使って作られた絞り汁に、植物性油脂や食塩等を加えた飲料で、大豆固形成分が6%以上のものを指します。脂質や塩分が加えられているので離乳食には不向きです。

豆乳飲料~野菜や果物風味などがあるが離乳食には不向き

と乳飲料とは、無調整豆乳や調整豆乳を主原料とし、果実ピューレ、野菜の絞り汁、乳製品などを加えて作られた大豆固形成分が4%以上の飲料を指します。調整豆乳と同じく、様々な食材・食品が含まれているので離乳食には不向きです。

豆乳は2倍に薄めれば離乳食初期後半(月齢6ヶ月頃)から使用OK

豆乳は水分が多く、脂質も少なめなたんぱく質食材なので、離乳食初期の終わりである生後6カ月頃から与えられます。ただし、最初は、調味料代わりに一度沸騰させたお湯で2倍に薄め、少量のみ用いるようにしてください。

離乳食初期は、お粥→野菜・果物と進めたら、たんぱく質の含有量の少ない絹ごし豆腐を先に与えるようにしましょう。

1歳未満に豆乳を与えるときはゆっくりと加熱しよう!

乳児期は消化機能が未熟なため、豆乳は加熱加工された食品ですが、離乳食初期~後期の1歳未満の乳児に与える場合は、加熱調理をした方が望ましいでしょう。

豆乳は沸騰させると、成分が分離してしまうので、弱火でゆっくりと熱を加えるようにし、吹きこぼれないように注意しましょう。

豆乳をそのまま使える・飲めるのはいつから?

豆乳を飲めるようになるのは、1歳を超えた頃が目安です。
ただし、豆乳はたんぱく質の分子が大きいため、消化に負担がかかる可能性があり、「液体だし豆腐と同じ原料だから大丈夫」という訳ではありません。

麦茶を与える場合も、赤ちゃん用のは2~3倍に薄めますので、豆乳をそのまま飲ませる場合も、最初はお湯などで薄めて、下痢やお腹が緩くならないか様子を見ましょう。日本豆乳協会では、3歳ぐらいまでは1回100mlが上限としています(注2)。

大豆原料の豆乳はアレルギーに注意!

豆乳の原料である大豆は、食品衛生法で食物アレルギーを引き起こす可能性が高い27品目の食材の一つとして、「特定原材料に準ずるもの(推奨品目)」に指定されている食材です(注3)。

豆乳を赤ちゃんに初めて与える際には、希釈したものを小さじ1のみ与えて、赤ちゃんの体調に変化がないか十分に観察しましょう。

アレルギーの症状はさまざまですが、蕁麻疹がでる、まぶたが腫れる、嘔吐や下痢をするといった症状があった場合は医療機関を受診することをおすすめします。

離乳食に豆乳はどう使う?初期・中期・後期のレシピ案

豆乳と組み合わせることで栄養バランスや赤ちゃんの味覚にマッチしやすくなる食材について解説し、初期・中期・後期のおすすめレシピをご紹介します。

豆乳と相性の良い食材

豆乳は野菜や果物など離乳食初期から赤ちゃんが食べやすい食材と相性が良いのが特長です。野菜をたっぷり使った料理のソースとして豆乳を使ったり、バナナなどと一緒にパンケーキや蒸しパンに混ぜ合わせてもOKです。

緑黄色野菜と一緒に混ぜれば栄養バランスの良い一品が完成

豆乳にあまり含まれていないビタミン類をたっぷり含んでいる人参、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、ピーマンといった緑黄色野菜と組み合わせると栄養バランスが整います。

特に緑黄色野菜にたっぷり含まれているビタミンCは、豆乳に含まれる鉄分の吸収率をUPさせる効果が期待できます。

バナナ&豆乳は大豆臭さを打ち消す黄金コンビ!朝食にもおすすめ

バナナには、たんぱく質を体内で有効活用する際に必要なビタミンB6がたっぷり含まれています。

また、バナナの豊富な糖質はエネルギー源になるだけでなく、甘さを加えられるので、豆乳特有の青臭さを打ち消してくれます。赤ちゃんの朝食や完了期以降のおやつにぴったりです。

初期(6カ月)の豆乳レシピ|だし汁やミルクの代わりに豆乳を使おう

初期はすりおろした野菜や果物をペーストにする必要がありますので、だし汁やミルクの代わりに豆乳を加えて、豆乳味の野菜ペーストを作ってみましょう。

豆乳にんじんのとろとろ

初期から与えられる人参のすりおろしを豆乳風味にアレンジしたレシピです。人参の甘さで豆乳独特の風味も気にならなくなります。

材料

  • 豆乳 小さじ1/2
  • 湯冷まし 小さじ1/2
  • にんじん 5g
  1. にんじんはラップに包んで電子レンジ600Wで20秒加熱してすりつぶし、豆乳を湯冷ましと混ぜ合わせて、再度電子レンジ600Wで20秒加熱します。

中期(7カ月・8カ月)の豆乳レシピ|ホワイトソースにすれば冷凍も可能

中期からぜひ取り入れてほしいのが豆乳のホワイトソースです。離乳食用ホワイトソースはグラタンやパスタ、シチュー、リゾットなど後期以降も活躍します!

豆乳のホワイトソース

豆乳のホワイトソースは、シチュー・リゾット・グラタン・パスタなどのレシピに活用できますので、冷凍しておくと便利です。大人用はコンソメなどで味付けしておきましょう。中期から使えますが、離乳食の進み具合によっては、バターや赤ちゃん用のコンソメを加えて構いません。

材料

  • 豆乳 1カップ(200cc)
  • 水 大さじ2
  • 片栗粉(小麦粉・米粉も可)大さじ1
  • (赤ちゃん用コンソメやバター)

 

  1. 小鍋に豆乳を入れて、中火で沸騰しない程度に加熱します。離乳食の進み具合によっては、バターや赤ちゃん用のコンソメを加えてOK。

  2. 片栗粉と水を混ぜ合わせ、1に加えて弱火でとろみをつけます。

  3. 製氷機などに小分けして冷凍保存ができます。1週間を目安に使い切りましょう。

お野菜豆乳グラタン

ソースをその場で作り、野菜にかけてグラタンに!冷凍済みの豆乳ホワイトソースがある場合は、手順2からはじめましょう。

材料

  • 豆乳 大さじ2
  • 水 小さじ1
  • 片栗粉 小さじ1/2
  • ブロッコリー 10g
  • たまねぎ 5g
  • かぼちゃ 20g
  1. 耐熱容器に豆乳を入れ、電子レンジ600Wで30秒加熱して一旦取り出し、片栗粉と水を混ぜ合わせたものを加えて電子レンジ再度600Wで20秒加熱します。沸騰しないように注意してください。

  2. ブロッコリー、たまねぎはみじん切り、かぼちゃはラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱します。

  3. お皿に野菜を入れ、1をかけます。※後期以降は、野菜の大きさを変え、スライスチーズをのせてアレンジしてもOK

後期(9カ月以降)の豆乳レシピ|牛乳の代用品として蒸しパンやパンケーキに合う

豆乳は中期に引き続き、パスタソースやスープなどに活躍します。また、後期になると赤ちゃんは手づかみ食べをしたがるので、牛乳の代わりに豆乳を使用した蒸しパンなどもおすすめです。

しらすとチンゲン菜の豆乳クリームパスタ

豆乳ホワイトソースを使ったパスタレシピです。ホワイトソースは、赤ちゃん用コンソメなどで味付けしたものを作っておくことをおすすめします。

材料

  • 豆乳ホワイトソース 大さじ2
  • パスタ 20g
  • しらす 大さじ1/2
  • チンゲン菜(葉先) 10g

 

  1. パスタは短く折り、柔らかく茹でます。

  2. しらすは熱湯をかけて塩抜きをし、チンゲン菜はラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱して細かく刻みます。

  3. 豆乳ホワイトソースは電子レンジ600Wで1分程度加熱します。沸騰させると分離するので注意してください。パスタ、しらす、チンゲン菜、豆乳ホワイトソースを和えます。

豆乳バナナ蒸しパン

離乳食後期は、朝食や昼食の主食として蒸しパンは定番のメニューです。豆乳の風味も弱くなりますので、あまり豆乳が好きではない赤ちゃんも食べられます。完了期以降のおやつにもおススメです。

材料

  • 小麦粉 大さじ2
  • ベーキングパウダー(アルミ不使用)小さじ1/4
  • 豆乳 大さじ2
  • バナナ 1/5本 (30g )
  1. バナナは荒みじん切りにします。

  2. ボウルに小麦粉とベーキングパウダーを入れて混ぜ合わせます。

  3. 2にバナナと豆乳を入れて混ぜ合わせます。

  4. 耐熱容器に3を流し入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで1分30秒加熱します。

豆乳を離乳食で使うメリット

豆乳は鉄分・たんぱく質などの含有量が多く、牛乳の代替品としてホワイトソースに利用するなどもでき、離乳食で使い勝手のよい食材の一つです。

豆乳には鉄分とたんぱく質がたっぷり!

鉄分は絹ごし豆腐の1.5倍の含有量!

鉄分がたっぷり含まれている大豆を原料としているので、豆乳にも鉄分が豊富に含まれています。
離乳食初期から使うことができる絹ごし豆腐と比較すると、同じ重量の豆乳は1.5倍の鉄分を含んでいます(注4,5)。

たんぱく質が多くて、脂質が少ないのが特長

大豆は畑の肉と呼ばれるようにたんぱく質の多い食材です。豆乳にもたんぱく質は含まれています。
絹ごし豆腐と比べてしまうと、水分が多いため少なめに思えますが、その分脂質も低いという特徴があります。

調理が簡単!液状なので裏ごしなどの面倒な処理がいらない

豆乳は、裏ごしなど面倒な処理する必要がありません。調味料代わりにそのまま鍋や皿に入れればいいだけなので、調理が簡単です。

そのままでは冷凍NGなので、ホワイトソースがおすすめ!

豆乳は、冷凍すると成分が分離してしまいます。食感が悪くなり、大豆の青臭さも目立ってしまいますので、冷凍保存は基本的にNGです。

ですが、豆乳は低脂質なので、離乳食期はホワイトソースに使う生クリームの代用としてお勧めです。加熱して水分を減らしたホワイトソースにすれば、分離しにくくなるので冷凍保存ができるようになります。

冷凍する際には1回に使い切る量(大さじ1程度)にし、1週間を目安に使い切るようにしましょう。

赤ちゃんに乳糖不耐症や牛乳アレルギーがあるときは豆乳を代替食品にしていい?

赤ちゃんの乳糖不耐症や牛乳アレルギーを心配し、豆乳を代替え食品にしたいと考えていることもあるでしょう。

しかし、赤ちゃんによって乳糖不耐症や牛乳アレルギーの症状の重さには個人差があるので、勝手な除去はおすすめできません。必ず医師の指導を受けるようにしましょう。

乳糖不耐症やアレルギーがない場合は、特定の食品ばかりに偏らないようにし、様々な種類の食品をバランスよく与えることが大切です。

開封後の豆乳は、早めに飲み切ろう!

豆乳は高たんぱく質で低脂質なので、離乳食だけでなく産後の女性にもおすすめな食材です。
豆乳に含まれている大豆イソフラボンはエストロゲンという女性ホルモンに似た働きをしてくれる栄養素です。産後の不安定なホルモンバラスを整えてくれるといった効果も期待できます(注6)。
開封済みの豆乳は2~3日で飲み切るのが望ましいので、離乳食で赤ちゃんに使った分の残りは飲んだり、大人用の料理に活用してください。