育児・お世話

家庭によって変わる保育園の費用

保育園の費用はいくら?家庭により違う実際の保育料

保育園の費用には園により違いがあります。一番人気のある認可保育園や最近増えている認定こども園、そして無認可保育園の気になる保育料の違いや計算方法を解説していきます。月にどれくらいの保育料がかかるのか、早めに知っておきたい保育園の保育料についてです。

認可保育園の費用は皆違う

赤ちゃんを迎えたばかりのご家庭にとって、今後の生活費にも大きく関わってくる保育料というのは気になる事の一つではないでしょうか?

しかし、国が定めた保育士の人数、資格の有無、保育内容の最低基準を満たし、国から認可を得ている「認可保育園」は各家庭の世帯収入から保育料の負担額が設定されるため、全員が同じ金額を支払うわけではありません。また、世帯年収だけでなく、各自治体によって負担額というのは変わってきます。

例えば、同じ夫婦共働きの世帯年収500万の家庭で比べた場合、1歳児一人の保育料負担額は人口の多い東京都新宿区では23,600円、茨城県水戸市では57,000円と大きく差があります。1歳の園児にかかる一年の保育料は20万を越えると言われているので、保護者の負担額以外の金額を各自治体が税金でまかなってくれていると考えると自治体によって負担額が違うのも納得です。

自分の住んでいる地域では、自分の家庭の世帯年収だと保育園の費用はどのくらいになるのか、あらかじめ調べておくと今後かかる費用を計算できますよ!

認可保育園の費用計算の基準

認可保育園の費用は、世帯年収から計算します。世帯年収とは、一緒に生活をしている人の年収の合計のことをさし、母子家庭などのひとり親の場合は一人分の年収が世帯年収になりますが、夫婦の場合、どちらとも働いていることが入園の基準になるため、夫婦の年収を合わせた金額が世帯年収になります。

前年の収入から、各自治体で住民税が決定され、その課税額で段階的に保育料の負担額が設定されています。
国の基準で上限額が決められていますが、その基準を基に各自治体によって段階に分けているため、東京都新宿区では25段階にわけられていますが、沖縄県那覇市では9段階と、自治体によって大きく違いがあります。

また、子供の年齢によって、保育士一人が面倒を見られる人数が違うため、0~2歳児が最も保育料が高く、3歳以上の保育が必要なこども、3歳以上の保育が必要でないこどもの順に、保育料の負担額は減っていきます。

平成27年度の保育料決定基準、変更点を分かりやすく解説

こども・子育て新制度が平成27年からはじまり、保育料の算定方法が変わりました。
27年以前は世帯の所得税を基準として保育料が計算されていましたが、新制度では、住民税所得割課税額から保育料を計算するため、前年の所得に大きく影響されることになります。

所得税は当年の所得に対して課税されるため、年収に波があってもその時に応じた保育料を負担することになりますが、住民税は前年の収入から課税されるので、前年の年収が高かったけど今年の年収は下がってしまうという場合にも高い保育料を負担しなければならなくなってしまいます。
平成27年以前に保育園を利用していた、という方は、保育料の負担額の算定方法が以前とは変わっていますので十分注意してください。

保育料決定その他のポイント

保育料は、大きく

から算出されます。乳児の場合、保育士一人に対して保育可能な人数は3人までとなっており、4人以上の乳児を保育することは法律で禁じられています。

また、1~2歳児は保育士一人に対して保育可能な人数は6人となっており、そのため0~2歳児は保育料が高く設定されています。
3歳以降になると保育士一人に対して保育可能な人数が20人、30人と増えていくので、3歳児以上の保育料の負担は、0~2歳児に比べると低くなります。福岡県福岡市の世帯年収500万の家庭でみてみると、0~2歳児までの保育料は44,600円ですが、3歳以上になると保育料は27,600円まで下がります。

第二子以降の保育料は安くなる

子供の数が2人以上だと、一人にかかる保育料はもう少し安くなる可能性があります。上記で例に挙げた福岡県福岡市の場合、同一世帯から二人以上の児童が同時に保育施設を利用している場合、二人目の保育料は半額近く割り引かれ三人目からは無料になります。

例えば、世帯年収500万の家庭で、3歳と1歳の児童を保育園に入れる場合、3歳児は27,600円、1歳児は44,600円で本来は72,200円の保育料がかかりますが、2人目の1歳児の保育料が44,600円から22,300円に割り引かれますので実質負担額は49,00円となります。

どのぐらい免除されるのかも各地自体によって違いがあるので、二人以上の児童を保育施設に預けようと思っているご家庭は、自治体に問い合わせてみましょう。

その他延長保育料やおやつ代など

働いている保護者にとって、急な仕事が入ってしまった時や、長い通勤時間による延長保育が可能なのかどうか、いったい費用はいくらくらいかかるのか気になるところだと思います。

延長保育に関しては、費用は別途と書かれていることが多く、月にかかる保育料の負担額の他に園に支払う必要があります。延長保育費用は施設によって様々で、月に2,000~2,500円ほどかかる施設もあれば、30分の延長につき200~400円の延長料を1回ごとに支払う施設もあります。

施設によっては、夕食まで園で食べさせてくれたり、おやつを食べさせてくれたりするところもあるので、延長保育を行っているのかどうか、どういった支払い制度になっているのか、気になる保育園にはあらかじめ問い合わせてみたほうがいいでしょう。

0歳児保育の赤ちゃんへの影響や負担を抑える方法、保育制度、保育の内容、費用に関して紹介しています。0歳児保育に疑問や不安を感じている方は、記事を読みつつ1度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか?

収入に波がある人は要注意

認可保育園の保育料は世帯年収によって変わるため、収入に波がある人は要注意です。
平成27年から、前年の収入から算出された住民税が保育料決定の基準になっているため、前年よりも収入が下がってしまった場合でも高い保育料を払わなくてはならなくなってしまいます。

例えば前年残業やボーナスが多く世帯年収が1000万だった家庭が、ボーナスのカットや休業などで今年の世帯年収が600万になってしまった場合でも、保育料は年収1000万の家庭に対してかかる住民税の額から算出されることになります。

国の定める保育負担料の満額である月10万で考えると、収入1000万から保育料で120万払うのと、収入600万から保育料120万払うのでは後者のほうが家庭の負担ははるかに大きくなってしまいます。
年収に波がある人は、そうなった時のことを考えて、余裕のある時に少しでも貯蓄しておくといいかもしれませんね。

保育料が高すぎるとき、自治体により補助金がでる可能性がある

国が定める認可保育園の場合、各家庭の収入に応じて保育料の負担額が設定されるため、経済負担は平等とみなされています。

しかし、無認可保育園の場合は施設によって保育料が定められているので、世帯年収が300万の家庭でも700万の家庭でも同様の保育料がかかってきます。同じ額の保育料だと、世帯年収が低い家庭ほど認可保育園に入園した場合と比べて一ヶ月の負担はかなり大きくなってしまいます。そうした場合、自治体によって幼稚園、保育園の補助金制度が用意されていることがあります。

自治体に申し込むと保護者の収入で判断され、5,000~3万円程度の補助金が出る場合がありますので、無認可保育園に入園することになった場合は自治体に問い合せてみてください。

無認可保育園、認定こども園に費用の違いは?

保育園の種類はいろいろありますが、今まで説明してきた認可保育園の他、無認可保育園、最近名前をよく聞くようになった認定こども園の費用はどのくらいかかるのか説明していきます。

無認可保育園

無認可保育園とは、設備、園庭の広さが国の基準を満たしておらず、国の認可を得ていない保育園です。認可保育園は各自治体に保育料を支払うのに対して、無認可保育園は各施設に直接保育料を支払うことになり、費用は世帯年収の多い家庭でも少ない家庭でも同額の負担になります。

保育料は各施設によって様々で、5万円くらいの施設もあれば月に10万以上の保育料が必要になる施設もあります。具体的な費用は各施設への問い合わせが必要になりますが、概ねその地域の認可保育園の負担額の満額ぐらいは見積もっておいたほうがいいようです。

しかし、保育料が高いからといって、無認可保育園が認可保育園よりも悪いというわけではありません。施設によって様々なサービスを行っているところもあり、夜の寝かしつけや夕食、朝食の提供、土日の一時預かりなど、忙しい家庭には嬉しいサービスを実施してくれているところもあります。
世帯年収が高く、認可保育園でも負担額が満額になる家庭の場合、サービス重視で無認可保育園を選ぶ人も多いようです。
費用、保育の内容は施設によって違うので、事前の下調べはかなり重要です。

認定こども園

子育て支援を目的に最近増えてきているのが、この認定こども園です。認定こども園とは、幼児教育を主とした幼稚園としての機能と、保育を目的とした保育所としての機能を併せ持った施設で、都道府県から認定された施設をさします。

保育所は基本的に保護者のどちらも働いていることが条件になりますが、認定こども園の場合、保護者が働いている、働いていないに関わらず全ての子供が利用できますよ。
保育料の負担額は認可保育園と同様に世帯年収から算出され、子供の年齢、保育が必要な状況かどうかで決まります。1号認定は3歳以上の児童で、保育の必要なく教育のみで利用する場合(4時間程度)、2号認定は3歳以上の児童で、保育の必要がある場合で、保育園と同様の8時間程度の利用が可能です。

3号認定は3歳未満の保育の必要がある児童で、保育園と同様の利用が可能です。
どの区分で利用するのか、そして世帯年収によって各家庭の保育料の負担額は違いますので、自治体に問い合わせてみましょう。

保育園になかなか入れない時は

待機児童の多い地域では、なかなか希望の認可保育園に入園できずイライラが溜まってしまうママパパも多いかと思います。
確かに、負担額が世帯年収に応じて変わる認可保育園の方が経済的に助かる家庭もあると思いますが、無認可保育園でも自治体から補助を受けて保護者の負担を減らそうと頑張っている施設もありますし、保育料が多少高くなってしまっても、こどもの保育に力を入れて保護者のサポートをしてくれている施設もあります。

年に何人もの保育を行っている保育士さんは、色々なケースの子供を見ている経験があるので、子育てに悩んだときや、どう子供に接したらいいのか迷ったときは、認定こども園で子育て支援事業として子育て相談や訪問などをやっている場合もあるので、ぜひ利用してみてください。

保育園にはいつから預けられるのか働くママにとって理想の保育園、保育所を探すコツを紹介します。申し込み手順を忘れずに待機児童にならないための対策や、0歳からの乳児保育についても解説します。

各家庭のライフプランに合わせて保育園を利用しよう

どのタイプの保育園を利用しても、月に数万という保育料は家庭への影響が大きいです。生活費を稼ぐために夫婦共働きを選んだものの、パート代が保育料に消えてしまうという話もよく聞きます。

しかし、月に何十万とかかる保育料が、自治体の補助で数万で済むと考えるとありがたい制度だと思います。
3歳以降は保育料の負担額がぐんと減るので、それから働きに出るという選択肢もありますし、3歳までの負担額は大きいけど、その間夫婦そろって正社員でキャリアを積めるというメリットもあるので、どういったライフプランを立てるのか、家族でじっくり考えてみてください。