赤ちゃんに牛乳はいつから?飲めるようになる時期、ミルクとの違い
赤ちゃんに牛乳をいつからあげるかは、離乳食として調理に使う場合と、そのまま飲む場合で異なります。加熱した牛乳を離乳食に使えるのは生後7〜8ヶ月の離乳食中期に入ってからですが、飲料として飲むときは必ず1歳を過ぎてからにしてください。
育児用粉ミルクやフォローアップミルクから牛乳に切り替える赤ちゃんもいますが、牛乳は粉ミルクと比べて鉄分が少なく、アレルギーの心配もあります。ただし、注意点を守れば価格が安くてそのまま飲ませられるので便利です!
赤ちゃんが牛乳を飲む時期、効果や注意点
牛乳は栄養素がバランス良く含まれているので赤ちゃんにとってピッタリの飲み物です。牛乳の味が大好きな赤ちゃんも多く、グビグビ飲んでくれるので離乳食で足りない栄養を牛乳で補えると嬉しいですよね。
1歳を過ぎた頃から飲めるようになるので、母乳やミルクの代わりに牛乳を飲ませようかなと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし1歳を過ぎたからといって急に冷たい牛乳をたくさんあげるのは禁物です!アレルギーの心配もあるため、牛乳をあげるときは離乳食初期の頃から段階を踏んで少しずつ慣らしてあげる必要があります。
粉ミルクと牛乳の違い、赤ちゃんへの影響
育児用粉ミルクやフォローアップミルクから牛乳に切り替えるときも、1歳を過ぎてからにしてください。基本的に粉ミルクは牛乳をもとに作られていますが、含まれている成分が異なっています。
赤ちゃんの発育のための粉ミルクは、限りなく母乳に近づけられていて栄養たっぷり。特に粉ミルクに比べて牛乳は鉄分が少ないため、離乳食の中でしっかりと鉄分を摂らないと貧血を起こしてしまう可能性もあります。
粉ミルクの方が牛乳アレルギーの心配も少ないため、家族に牛乳アレルギーの方がいるときはフォローアップミルクで様子を見るのもいいでしょう。
牛乳のメリットは?
牛乳はスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどいつも行くお店で売っていますし、手頃な価格で買えるのが嬉しいですね。調理せずそのまま飲ませられるので、粉ミルクから牛乳に移行することで負担も少なくなります。
その上成長に必要な栄養がバランス良く含まれているとなると、積極的に赤ちゃんにあげたい飲み物の一つです。牛乳の味が好きな赤ちゃんも多く、離乳食で摂りきれない栄養を補ってくれるためゴクゴク飲んでくれると安心です。食後やおやつの時間飲ませてもいいでしょう。
バランスよく栄養を摂取できる
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、1〜2歳の1日あたりにおけるカルシウム摂取の推奨量は男の子で450mg、女の子は400mgです。30〜49歳の成人は650mgなので、体の大きさを考慮すると赤ちゃんはカルシウムをたくさん摂らなければいけないということが分かります。
そのため、カルシウムを多く含んでいる牛乳は離乳食やおやつに重宝しますね。
牛乳はカルシウムの他にも、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなど成長期に必要な栄養素がバランス良く含まれた飲み物です。さらに低カロリーで効率良く栄養素を摂れるため赤ちゃんにはぴったりです。
レシピのバリエーションが増える
牛乳は加熱をすれば離乳食中期の生後7〜8ヶ月から食べさせられます。ホワイトソースやシチュー、パン粥など、赤ちゃんが好きなメニューを作れますね。月齢に合わせて牛乳をレシピに取り入れられるので、マンネリになりがちな離乳食のバリエーションも増えて赤ちゃんも喜びます!
牛乳が苦手な赤ちゃんには、離乳食から牛乳の味に慣らすという方法も効果的です。
初めての牛乳のあげ方
初めて赤ちゃんに牛乳をあげるときは「アレルギーが出ないか」「好き嫌い無くおいしく飲んでくれるか」といった心配事が多いかもしれません。牛乳をあげるときの適切な量や温度、飲ませ方をご紹介します。
牛乳は離乳食から徐々に慣らしましょう。
日本において牛乳は卵の次に多いアレルギーの種類です。大人になるにつれて牛乳アレルギーの割合は少なくなりますが、初めて赤ちゃんにあげるときはアレルギー症状が出ないか心配です。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」の中に「牛乳を与えるのは1歳以降が望ましい」と書いてあるように、牛乳は1歳を過ぎてから飲ませるようにしましょう。
しかし1歳を過ぎたからといって突然牛乳を飲ませるのではなく、アレルギーを防ぐためにも乳製品や加熱した牛乳を離乳食で食べ慣らしておくことも大切です。
5〜6ヶ月の赤ちゃんには乳製品を
生後5〜6ヶ月になった離乳食初期の赤ちゃんには、チーズやヨーグルトなどの乳製品を食べさせてみましょう。チーズはタンパク質が豊富なため赤ちゃんにぴったりですが、この時期の赤ちゃんは内臓が未発達なので脂肪分や塩分の少ない種類を選ぶようにしましょう。カッテージチーズは高タンパク低脂肪で、ご家庭で手作りできるのでおすすめです。離乳食に入れるときは赤ちゃんがお腹を壊さないように加熱をしてください。
ヨーグルトはタンパク質やカルシウムなどの消化吸収が良く、離乳食に取り入れたい食品の一つです。無糖のプレーンヨーグルトか赤ちゃん用のヨーグルトを選ぶようにしましょう。加熱する必要はありませんが、冷蔵庫から出してすぐにあげると冷たすぎるので、常温まで戻してあげると安心です。
野菜や果物と混ぜてチーズやヨーグルトをあげると離乳食のバリエーションが広がって良いですね!最初に乳製品をあげるときは、平日の昼間にスプーン1杯あげるところから始めてみてください。慣れてくると1日に50gまであげられるようになります。
7~8ヶ月の赤ちゃんには加熱した牛乳レシピを
生後7〜8ヶ月になり、離乳食中期に入った赤ちゃんには加熱した牛乳を離乳食に混ぜて使うと良いでしょう。離乳食に牛乳を使えるようになるとシチューやパン粥などレシピのバリエーションも広がりますね。
最初にあげるときは平日の昼間に少量あげて、アレルギー症状が出るかどうか見極めてください。家族に牛乳アレルギーの方がいるようであれば、牛乳の代わりにフォローアップミルクを使って様子を見るのも良いでしょう。体調や排便に異常がなければ、徐々に量を増やしてOKです。
しかし1日の摂取量は他の乳製品も含めて100gを超えないように気をつけましょう。
1歳を過ぎてから飲み物として牛乳を与える
赤ちゃんは内臓が未発達なので、飲み物として牛乳をあげるのは1歳を過ぎてからにしてください。牛乳が飲めるようになると、離乳食で摂り切れなかった栄養を補う役割として重宝します。おやつ代わりにあげても良いでしょう。
しかし牛乳は間違ったあげ方をすると体調を崩してしまうリスクもあるため注意が必要です。牛乳をあげる量やあげ方など、事前に正しい知識を知っておき、赤ちゃんがおいしく牛乳を飲めるように準備を進めてください!
牛乳は温めてから飲ませてあげる
初めて牛乳を飲ませるときは、「冷たい牛乳をそのままあげていいの?」「どうやって飲ませるの?」と疑問が湧いてきますよね。牛乳を飲料としてそのまま飲むときは、温めた牛乳をコップやスプーンを使って飲ませるところから始めます。
温め方
急に冷たい牛乳を飲んでしまうと、赤ちゃんは消化不良を起こしてお腹を壊してしまうことがあります。冷たい牛乳を飲ませるまで温度調整の段階を踏むことが大切です。
まずは人肌に温めた牛乳をあげるようにしましょう。温かい牛乳で問題がなければ、次に室温に戻した牛乳をあげます。それでも問題なければ、最終的に冷たい牛乳をあげられるようになります!
牛乳は鍋や電子レンジを使って温めます。一旦熱々にした後、冷めるまで待つようにしましょう。長く温めすぎると吹きこぼれたり膜が出来たりするので、かき混ぜながら温めるのがポイントです。
飲ませ方 ストローorマグ
ストローを使うと赤ちゃんが牛乳をゴクゴクと一気に飲んでしまい、お腹を壊してしまう原因になります。コップやスプーンを使ってゆっくりと飲ませてあげてください。
初めての牛乳は50ccからスタート
最初に牛乳をあげるときは50ccからスタートです。その日の体調や排便に問題がないか気をつけて見てあげてください。お腹の調子や体調に問題が無く、湿疹が出ていなければ、次の日から徐々に量を増やしてOKです!他の乳製品と合わせて1日に300ccを超えないように気をつけましょう。
赤ちゃんに牛乳を飲ませるときの注意点
牛乳は栄養が豊富なのでたくさん飲ませてあげたいですね!しかし、実は牛乳を飲みすぎると赤ちゃんにとって危険なことがあることを知っていますか?牛乳を飲ませる前に注意点をよく把握して、赤ちゃんが体調を崩さないように見守ってあげてください。
飲ませすぎると貧血になる可能性
牛乳はカルシウムとリンを多く含んでいるため、鉄の吸収を抑制してしまいます。さらに赤ちゃんは消化機能が未熟なので、牛乳を過剰に飲みすぎてしまうと鉄欠乏症になりやすいことが分かっています。
牛乳が好きだからといってあまりたくさん飲みすぎるとお腹がいっぱいになってしまい、離乳食を食べる量が減ってしまうので鉄分の摂取量が不足してしまうこともあります。
このように長期間にわたり牛乳を飲たくさん飲みすぎたことで、鉄分の摂取量が不足して貧血の症状が起こることを「牛乳貧血」と呼びます。
1日600mlの牛乳を3ヶ月以上飲んだ幼児が、牛乳貧血を起こしてしまったという症例もあります。1日に飲む量は他の乳製品と合わせて300ccを超えないように、しっかりと気をつけてあげてください。
牛乳アレルギーに気をつけて
家族に牛乳アレルギーの方がいる場合は、事前にかかりつけの病院でアレルギー検査をしておくと安心です。
離乳食初期には乳製品を与え、中期に入ると加熱した牛乳を離乳食に使うことで、牛乳を飲料として飲む前に少しずつステップアップをして、赤ちゃんの様子を見ながら慣らすことも大切です。
アレルギーが心配な方はフォローアップミルクから始めてみても良いでしょう。
- 粉ミルクを徹底比較・赤ちゃんにピッタリなミルクの選び方
粉ミルクの比較は意外とムズカシイ。成分?味?価格?比較のポイントをしっかり解説。もちろん、赤ちゃんとの相性も見てあげてくださいね。まずはサンプルで試してみたい!もらえる方法も紹介します。
開封したらすぐ使う!
牛乳は栄養価が高いため雑菌が一気に繁殖してしまいます。開封後日にちが経ちすぎると雑菌が増えることもあるので注意が必要です。特に赤ちゃんは大人よりもデリケートなので、雑菌が増えると食中毒などのリスクが高まります。開封後2〜3日で飲み干すように気をつけましょう。
赤ちゃんにおすすめ牛乳
牛乳はお店にたくさんの種類が並んでいるので、どれを選んであげればいいのか迷いますよね。価格帯も高いものから安いものまで様々ですが、いまいち違いが分かりません。
実は牛乳の種類は厚生労働省によってはっきりと分類されています。パッケージに表示されている種類さえ知っておけば、赤ちゃんに飲ませてあげたいおすすめの牛乳の選び方が分かるので、ご家庭にあった牛乳を選べるようにチェックしてください!
赤ちゃんへのおすすめ
「ノンホモジナイズ牛乳」と「低温殺菌牛乳」という言葉は聞いたことはありますか?これは殺菌方法にこだわっている牛乳のことです。
衛生管理や配送方法にまで気を使っているため値段は高めですが、味や風味がとても良く、本来の牛乳の味わいを楽しめますよ。「ノンホモジナイズ牛乳」や「低温殺菌牛乳」は、味覚が発達する大切な時期を迎えている赤ちゃんに是非飲ませてあげたいですね。
ノンホモジナイズ牛乳
一般的に牛乳は脂肪分が分離しないように、脂肪球を壊して成分を均一しますが「ノンホモジナイズ牛乳」は脂肪球を均一化していないため良質な味を楽しめます。さらにタンパク質が生きているので、栄養吸収率が高いというのも特徴です。
低温殺菌牛乳
「低温殺菌牛乳」はその名の通り低温で殺菌した牛乳です。通常は高温で一気に殺菌しますが、高温殺菌は牛乳特有のネバつきが発生する原因になります。このネバつきが苦手で牛乳が飲めないという赤ちゃんもいます。低温殺菌牛乳はネバつきが無く本来の牛乳の風味を感じられます。
牛乳の種類
牛乳の種類は厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令」により、いくつかの種類に分かれています。ここではスーパーマーケットなどで一般的に売られている6種類をご紹介します。
牛乳
製造工程で成分を調整しておらず、搾乳した生乳を加熱殺菌しただけの牛乳のことです。
成分調整牛乳
遠心分離によって生乳から乳脂肪分やその他の成分の一部を取り除いて、成分を調整した牛乳のことです。
低脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を減らした牛乳です。無脂肪牛乳以外のものを「低脂肪牛乳」と言います。
無脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、ほとんど乳脂肪分を除去したものです。
加工乳
生乳にバターや脱脂粉乳など他の乳製品を加えて成分を調整したものです。乳成分を濃くしてあったり、逆に乳成分を抑えてあったりします。
乳飲料
牛乳に乳製品以外を加えた飲み物です。「明治ミルクラブ」など鉄分とカルシウムを強化した牛乳もこのカテゴリーに含まれます。メーカーによると「明治ミルクラブ」を赤ちゃんにあげるとカルシウムを摂り過ぎてしまう可能性があるので、飲ませるのは3歳以降になるまで待つようにすすめています。乳飲料はそれぞれ何歳から飲めるか確認してから赤ちゃんにあげるようにしましょう。
赤ちゃんには「牛乳」を選んであげて
牛乳の脂肪分を気にして低脂肪牛乳を飲んでいる大人の方もいますよね。そのため赤ちゃんにも低脂肪牛乳を飲ませた方がいいの?と思うかもしれません。しかし赤ちゃんにとって脂肪分は大切な栄養素。
加工された低脂肪牛乳よりも、生乳に近くて安心な牛乳がおすすめです。パッケージの「種類別名称」もしくは「種類別」と書かれた欄に「牛乳」と表示されているものを選んであげてください。
赤ちゃんの牛乳嫌い…対策は?
赤ちゃんが牛乳を飲んでくれないと、「牛乳は栄養が豊富だから飲ませてあげたい…」「牛乳を飲めないと保育園が始まってから困りそう…」など心配してしまいますよね。しかし牛乳を飲まなくても、他の食材から栄養を摂られるのであれば無理に飲ませる必要はありません。
興味を持つまで待つ
赤ちゃんが牛乳に興味を持つまで気長に待ってあげてください。周りのお友達が飲んでいる姿を見て、牛乳を飲み始めたという赤ちゃんもいます。
離乳食で味慣らし
ホワイトソースやシチューなど、離乳食に牛乳を使って食事から味に慣らす方法もあります。牛乳の匂いが嫌いな赤ちゃんには、イチゴなどフルーツを混ぜてあげても良いかもしれません。離乳食から赤ちゃんが牛乳の味に慣れるステップから始めてみましょう!
牛乳を上手に使って栄養のバランスを整えましょう
牛乳は1日にあげる量を守らないと病気になるリスクがあることや、アレルギーを起こす心配があることが分かりました。しかし栄養のバランスが良く、簡単にあげられる牛乳は、離乳食で摂りきれなかった栄養を補うためにも毎日あげたい食材のひとつです。
時期、量、あげ方など正しい知識を身につけて上手に牛乳を使うことで、赤ちゃんの栄養バランスを整えてあげましょう!