育児・お世話

離乳食期のおでかけはどうする?

離乳食期のおでかけ3つの選択肢~手作りはやめるべき?

離乳食期におでかけする場合に困るのが赤ちゃんの食事をどうするかという点です。ベビーフードを購入、大人の料理を取り分け、手作りの離乳食を持参する方法のそれぞれのメリットと注意点を解説。赤ちゃんとの外出先での食事に便利なグッズ、容器選びのポイントもまとめました。

離乳食期のおでかけはどうする?3つの選択肢

離乳食はおでかけのときはどうすれば良いのか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか?

1時間程度のお散歩なら食べ物を持って行く必要はありませんが、数時間以上のおでかけにはやはりなにか赤ちゃんが食べるものや飲みものを持って行く方が安心です。

離乳食の時期のおでかけの基本的なパターンとそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

選択1.市販のベビーフードを持って行く

おでかけ、外出時の離乳食で1番に思いつくのは、市販のベビーフードを持って行くという方法です。お昼を持参しての外出がそう頻繁でないのなら、もっともママの負担が少ない方法でもあります。

ベビーフードのメリットは、食中毒のリスクが低く、種類が豊富なこと

現在はベビーフードのメーカーもたくさんありますので、ベビー用品専門店に行けば、迷ってしまうほどの種類があります。

食中毒のリスクが低いので、持ち運びは容易

ベビーフードの最大のメリットは、安全性の高さです。瓶詰やレトルトパックに入っていますので、食中毒の不安は格段に減ります。

「生後〇か月からOK!」という表記もあり、硬さや素材、塩分濃度などもパッケージに明記されていますので、赤ちゃんの離乳食レベルに合わせたベビーフードを選ぶことができます。

手作り派にとっては、いつもと違う味を楽しめる良い機会

また、べぼふーどはいつも家で作っている離乳食とは味付けや調理方法が異なりますので、赤ちゃんも普段とは違う味を楽しむことができます。素材の組合せや調理法などから家で離乳食を作る際のヒントになることもあるでしょう。

ベビーフードのデメリットは、安全性への懸念と価格が高いこと

離乳食を作る必要がなく、持ち運びも便利なベビーフードですが、普段手作り派のママからすると懸念事項もあります。

添加物・濃い味付けなどを危惧する人もいる

ベビーフードは赤ちゃんの健康のために品質がしっかりと管理されていますが、保存のために添加物が含まれているものは意外に多いです。もちろん日本での認可が許されている種類の最低限の添加物や防腐剤だけですが、心理的に抵抗を感じてしまう方もいるでしょう。

また、ベビーフードは手作りの離乳食に比べて味が濃いため、赤ちゃんの味覚や消化への影響を危惧する声もあります。

1食の価格が割高なので、おでかけ頻度が高い場合は出費がかさむ

ベビーフードには、初期の形状であるお粥や野菜の裏ごしなど家で作ったら数十円ほどで作れるシンプルな料理が数百円の価格で販売されていることも少なくありません。それでも100円~500円あれば1食には十分なセットが買えますのでたまのおでかけなら許容範囲ではありますが、頻繁に赤ちゃん連れで外出をする方にとっては、やや費用面が割高で気になるでしょう。

無添加で、品質にこだわった高価なベビーフードであっても、赤ちゃんの口に合わないなら、一口だけ食べて廃棄しなくてはならない可能性もあります。

和光堂の栄養マルシェがおすすめ

りっちゃん(28歳)


おでかけ時の離乳食は、ベビーフードを使っています。初期の頃はまだ1回食なので、おでかけの前や後に食べさせるようにして、あまり外で食べさせる機会はありませんでした。

ですが中期になり、2回食になってからは、朝とお昼に食べさせていたので、その時はベビーフードを持参していました。おすすめは主食とおかずがセットになっている「和光堂の栄養マルシェ」シリーズです。

種類も豊富ですし、月齢に合わせて選ぶことができるので、野菜の大きさなど自宅で離乳食で作る時の参考にもなります。スプーンもセットでついているので、自分で持っていく必要がないところも気に入っています。

後期に入ってからは大人の取り分けが多くなりましたが、ベビーフードもまだまだ活用しています。

選択2.赤ちゃんに大人の食事を取り分ける

おでかけ先では外食を選択し、大人の食事を取り分けるという方法もあります。離乳食の段階によっては難しいこともありますが、赤ちゃんが1歳前後になっており、ある程度離乳食のレベルが進んでいるときなら、料理を選べば大人と一緒に食事を楽しめます。

取り分けのメリットは、自分で食事を用意する必要がないこと

おでかけ時は赤ちゃんも食べられるようなメニューを出してくれるお店で外食と決めてしまえば、忙しい合間を縫って、離乳食や自分のお弁当を作る必要がありません。

赤ちゃんも大人と同じ食事を楽しめる

外出先で赤ちゃんが大人と同じものを食べられるのは、赤ちゃんにとっても嬉しいことで、いっきに外食が好きになることもあり得ます。普段は離乳食を嫌がる赤ちゃんでも、おでかけ先でママが取り分けたごはんやうどんなどは喜んで食べてくれることもあるでしょう。

ただし、赤ちゃんにアレルギーがあるときは、店員さんに材料についてしっかりと尋ねておく必要があります。

取り分けのデメリットは、大人側の食事の選択肢が限られること

外食による取り分けは、赤ちゃんと大人が食事を楽しめると言いたいところですが、赤ちゃんの食べられるものがあるお店に入らなくてはならないので、お店選びの選択肢は非常に狭くなります。

離乳食初期・中期の取り分けは、外食では難しい

離乳食初期に使える食材や赤ちゃんが飲みこめる形状などを考えると、大人用の料理の中にこの時期の赤ちゃんが食べられるものはほとんどありません。また、調味料などで味付けするのは中期以降ですので、赤ちゃんにとっては味が濃すぎる場合もあります。

料理の追加が必要なケースもある

離乳食後期以降も、メニューによっては大人用の料理から取り分けるのではなく、赤ちゃん用の料理を別途追加する必要があるでしょう。

とはいえ、赤ちゃんはたくさん食べることはできませんので、スープなどを追加してもほとんど手をつけないまま終わってしまうこともあります。

うどんがあるお店を選んでいた

あい(30代後半)


おでかけの時の離乳食は、初期はベビーフード必須で、中期はベビーフードを持参したり、うどん屋さんや和食のお店を選び、取り分けて食べさせていました。

薄い味付けの小鉢の煮物、味噌汁の上澄みを、食事にデザートで果物がついていれば細かく潰してあげていました。後期は食べる量が増えたのでベビーフードだけではまかないきれないので持参はせず、よほど味付けの濃い食べ物以外はあげていました。

ただ、アレルギー反応が出やすい、蕎麦や甲殻類、家で食べさせたことのない食品はあげないようにしていました。

3.手作りの離乳食を持って行く

普段の離乳食をおでかけにも持って行くという方法もあります。離乳食後期(9ヶ月~11ヶ月)になると、おにぎりやサンドイッチなども手で食べられるようになるので、おでかけ先で食べるスペースがあるのなら、手作りの離乳食を持って行きやすくなるでしょう。

手作り離乳食のメリットは、赤ちゃんの食べムラの心配がないこと

普段も手作り離乳食、外出先でも手作り離乳食なら、変わるのは食べる環境だけです。外出先での赤ちゃんのご機嫌は読めない部分も多いので、「いつもと同じご飯」というのは心強くもあります。

「いつもの味」なので安心感があり、食べ残しのリスクが少ない

赤ちゃんの離乳食の段階に合わせて、調理法や材料などを細かく調整できるという点が、手作り離乳食のメリットです。気になる塩分の量も、手作りならしっかりと管理できますし、アレルギーについても配慮できます。

食べなれていないベビーフードや取り分けた料理を与えると、残してしまう可能性もありますが、いつもの味なら赤ちゃんも食べやすいはずです。

おでかけ時に持ち運びやすい離乳食メニュー

おにぎり・パン(サンドイッチ)・蒸しパン・バナナ・みかん・さつまいも(蒸し芋・干し芋)など

手作り離乳食のデメリットは、持ち運びに気を使う必要があること

手作りで心配なのが、やはり持ち運び時の状態・環境による食材の腐敗です。特に離乳食初期・中期の頃は、ドロドロとした形状で水分量が多いため、雑菌が繁殖しやすく、持ち運びには注意が必要です。

手作り離乳食は、ベビーフードなどに比べて食中毒のリスクが高い

保存料を入れない分、腐る可能性もあります。また、腐らないように注意をしたとしても、容器や手に菌がついているなら、食中毒を引き起こしてしまう可能性もあります。

初期は冷凍、後期はおにぎりとバナナ

ふうりん(33歳)


離乳食を始めたばかりの頃は、製氷皿に冷凍作り置きしておいたおかゆや野菜をタッパーに凍ったまま入れて、出先で食べる時に電子レンジや湯煎で温めて食べさせていました。

中期以降になっても、うちの子はベビーフードをあまり好まなかったので、1歳くらいまでは冷凍した離乳食を持参することが多かったです。

後期になると、大人のご飯の取り分けも大丈夫になると思いますが、節約のためにも、おにぎり(子供のはひと口大サイズ)をよく持参していました。あとは、バナナが大好物なので、外出時のおやつとして大活躍でした。

手作りの離乳食は食中毒に注意し、状況によっては「やめる」決断も必要

手作り離乳食を持って行くときに、1番気になる点が「離乳食が腐ってしまわないか」ということです。「手作り=NG」ではありませんが、衛生面には最大限、気を付ける必要があります。

離乳食はしっかりと冷ましてから容器に入れる

しっかりと冷ましてから容器に入れることで、離乳食の腐敗を防ぐことができます。ただし、保温容器に入れるときは冷ます必要はありません。

気温・湿度・移動時間によっては手づくり離乳食はやめる

気温や湿度が高い日など、離乳食が腐ってしまわないか不安なときは、手作り離乳食を持っておでかけするのは止めておきましょう。食事が必要なときは市販のベビーフードを利用するようにしてください。

離乳食を開始したばかりなら、外出先では母乳やミルクを飲ませて、帰宅後に離乳食を与える。その日は離乳食をお休みするなどの対応が可能です。

食べさせる前にニオイと味をチェック

しっかりと冷ましてから容器に入れたとしても、離乳食の腐敗がすすんでいる可能性はあります。赤ちゃんに食べさせる前に、かならずニオイと味を大人がチェックするようにしてください。

離乳食は手作り派のおでかけ用容器選び

手作り離乳食を持っておでかけするときは、食中毒を予防するためにも、おいしく食べるためにも次の3つの基準に合う容器を探して下さい。

蓋がしっかりとロックできるこぼれにくい容器

固形食がまだ食べられない赤ちゃんには、スープ状あるいはシチュー状のやわらかい離乳食が必要です。ですが、やわらかい離乳食はこぼれやすいですので、カバンの中が汚れてしまわないためにも、しっかりと密閉できる容器に入れて下さい。

ふたを閉めるだけではなく、できれば金具やプラスティックの留め金でロックできるような容器が良いでしょう。

保温タイプor温められる容器

いつもは喜んで食べてくれる離乳食でも、冷たくなっているなら、赤ちゃんは美味しく感じられません。保温できるタイプの容器を使用する、もしくは、電子レンジや湯せんに対応している容器に入れる方が良いでしょう。

小ぶりで、赤ちゃんの1食分に適当なサイズの容器

長時間のおでかけのときには、離乳食を2食分持って行くこともあるでしょう。しかし、2食分をまとめて大きな容器に入れてしまうと、2回目の食事を食べさせる前に、雑菌やつばが容器の中に入り込んでしまう可能性があります。

2食分を持って行くときは、かならず1食分ずつ小分けにしてください。また、1食分だけを持って行くときも、食べきれる程度の量だけを小さな容器に入れるようにしてください。

離乳食以外におでかけ時に持って行くと便利なもの

離乳食の時期のおでかけには、使い慣れたスープんやウェットティッシュなどを持って行くと便利です。外で離乳食を食べる際のおすすめの持ち物を紹介します。

赤ちゃんが使い慣れた離乳食用のスプーン

最近では、ベビーフードのお弁当にスプーンが付いているタイプもあります。また、レストランやカフェで大人の食事を取り分けて食べるときに、子ども用のスプーンを貸してくれる機会もあるでしょう。

しかし、赤ちゃんの中には、大きさや素材が普段のスプーンと違うと、嫌がって食べてくれないこともあります。初めて外出先での離乳食にチャレンジする際には、使い慣れたスプーンを念のため持って行くのがおすすめです。

丁寧に洗ったスプーンを、清潔な容器もしくは使い捨てのナイロン袋に入れるようにしてください。

フードカッター

大人の食べ物でも小さくすれば食べられる段階の赤ちゃんとのおでかけには、食べ物用のハサミを持って行くと便利です。うどんなどをハサミで切れば衛生的ですし、赤ちゃんも食べやすくなります。

ウェットティッシュ

どんなに注意しても、赤ちゃんはこぼしてしまうものです。ウェットティッシュがあるなら、食事のときも安心です。

お食事エプロン

お食事用のエプロンも持って行くと安心です。赤ちゃんのひざにこぼれないような仕様(食べ物を受けるポケットがついたエプロンなど)になっているものなら、上衣だけでなくズボンやスカートも汚しにくく、外出先でのお着替えを避けられます。

お湯を入れた水筒

フリーズドライの離乳食を持って行くときはもちろん、レトルトパウチの離乳食を温める際にはお湯があると便利です。耐熱タッパなどに水筒のお湯を注ぎ、パックを人肌程度に温めれば、赤ちゃんでも食べやすい温度になるでしょう。

ただし、水筒は重いのが難点。ベビー休憩室などにはお湯や電子レンジが完備されていたり、フードコードなどで電子レンジが自由に使える場所もあります。おでかけ先によって、持参するかどうかを検討しましょう。

ビニール袋・買い物袋

食べ残したものやスプーン、食器等をまとめて入れるビニール袋や買い物袋があると便利です。2~3枚持っていくと色々と活躍させられます。

おでかけ先で離乳食を嫌がるときは?

いつもは喜んで離乳食を食べてくれるのに、おでかけ先では離乳食を食べてくれない赤ちゃんもいます。そのような赤ちゃんには、次のことを試してみてください。

大人がおいしそうに食べる様子を見せる

大人が美味しそうに食べているのを見ると、赤ちゃんの食欲も刺激されることがあります。あまり食べたくなさそうにしているときは、先に大人が、「美味しいね!」と言いながら食事を進めていきましょう。

無理に食べさせない

赤ちゃんが食べることを嫌がるときは、無理に食べさせない方が良いでしょう。外で食べることそのものが嫌いになってしまいます。

無理に離乳食にこだわるのではなく、赤ちゃんが欲しかっているときは、ミルクや母乳を飲ませるようにしましょう。

離乳食を持ってのおでかけは気分転換にも最適!

1日中、家で赤ちゃんのお世話をしているママは、ストレスを感じることもあるでしょう。離乳食が始まると、食事の準備も大変になってきます。

しかし、そんなときは思い切って赤ちゃんを連れて、おでかけしてみましょう。ショッピングセンターでも、公園でも、好きなところに出かけてみてください。

お昼ご飯は、ママはコンビニのおにぎり、赤ちゃんはベビーフードで大丈夫。離乳食期は、赤ちゃんが食べ物のおいしさやみんなで食べることの楽しさを覚える時期でもあります。外で食事をとれば、ママは開放感を味わえますし、赤ちゃんもいつもと違った雰囲気を楽しめます!