離乳食のコーンフレーク活用レシピ
離乳食のコーンフレーク活用術|無糖を選べば安心ではない!
離乳食にコーンフレークを活用するためのポイントを解説。無糖・プレーンタイプを選ぶだけでなく、塩分を摂りすぎないように、1回に与える量や献立の内容には注意が必要です。中期・後期のおすすめのレシピ、とうもろこしから安心・安全な手作りコーンフレークを作る方法をご紹介します。
離乳食にコーンフレークはいつからOK?原料はなに?
離乳食にコーンフレークはあり?
コーンフレークとは、シリアルの一種で、粗く砕いたとうもろこしを調味、加熱して、ローラーで平らに伸ばして形作り、焼き上げたものです。
炭水化物が多く含まれていて、エネルギー源になります。欧米では定番の朝食メニューであり、日本でも忙しい朝などに簡単に食べられる便利な食材です。
このコーンフレーク、実は赤ちゃんの離乳食では中期の7、8ヶ月から食べさせて良い食材なんです。簡単に調理することができるので、忙しいママの離乳食作りには、お助け食材になってくれます。
離乳食中期(7ヶ月・8カ月)からコーンフレークOK!ふやかして使おう
離乳食中期ではコーンフレークをしっかりふやかしてから使いましょう。最初はミルクに浸したりスープに入れたり水分を多めに含んだレシピにし、慣れてきたら少しづつ水分の量を減らしてください。
1回に与えるコーンフレークの量
7~10g
※初回はふやかしたコーンフレーク小さじ1を与えて、アレルギー症状が出ないかを観察。
後期(完了期)はシリアル独特のカリカリした食感も楽しめる
離乳食後期からはコーンフレークを細かく砕いてそのまま使え、カリカリとした食感を楽しむことができるようになります。
カボチャなどを丸めたものにまぶしてコロッケの衣代わりに使ったり、おにぎりにまぶせば、いつもと違った食感に赤ちゃんも喜んでくれます。コーンフレークはマンネリ化してきたメニューに変化を持たせたい時にもおすすめです。
ただし、コーンフレークの砕き方が粗いとまだちゃんと歯が生えていないあかちゃんは噛み砕くことができませんし、喉につかえる恐れもあります。赤ちゃんの咀嚼の様子を見ながら、大きさ、柔らかさは調整してあげてください。
1回に与える量
後期 10~13g
完了期13~15g
コーンフレークによるアレルギーのリスクは?
コーンフレークはとうもろこしから作られているので、食物アレルギーが出る可能性は低い食品です。しかし、どの食品でも言えますが、アレルギーの可能性がゼロという訳ではありません。
コーンフレークの中には、小麦や他のアレルギー物質が含まれている商品を同じラインで製造している商品もあります。消費者庁では、原材料表示の欄に「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています」という表記を行うように推奨しています(注1)。
はじめて与える時は、安心せずに、小さじ1を平日の午前中に与え、その後の赤ちゃんの様子を注意して見てあげて下さい。
離乳食のコーンフレーク活用レシピ
離乳食の中期になると食べる回数も2回に増え、毎日何を食べさせてあげれば良いのかと悩んでしまいます。似たようなメニューの繰り返しになってしまった時にも、コーンフレークを取入れてみると、離乳食のレパートリーが広がります。
コーンフレーク使用の中期(7ヶ月・8カ月)レシピ
中期でコーンフレークを使う際には、水分の多いものとまぜてよくふやかして使うようにしましょう。大人から見ると少し以外な組み合わせですが、スープに入れるとお麩代わりにもなります。
バナナ人参コーンフレークボール
甘くて美味しいバナナとBカロテンたっぷりの緑黄色野菜の人参で、栄養満点なコーンフレークボールは、中期の後半から食べられます。
人参はクセがなく食べやすい野菜なので、バナナの甘さとコーンフレークのほんのり香ばしい香りとも相性が良く、赤ちゃんも美味しく食べてくれるでしょう。
材料
- コーンフレーク20g
- バナナ1/2本
- 人参15g
- 水(またはミルク)60cc
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コーンフレークをジップロックなどの袋に入れて細かく砕く
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コーンフレークに水を入れて電子レンジで30秒加熱
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人参をすりおろしてレンジで1分加熱する
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バナナをフォークなどですりつぶし、コーンフレークと人参も一緒にボウルに入れよく混ぜる
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混ぜ終わったらラップにとって形を丸く整える
コーンフレークの野菜スープ
冷蔵庫にある赤ちゃんが食べられる野菜なら何を入れても大丈夫です。コーンフレークと好きな野菜をたっぷり入れて栄養満点なスープにしましょう。離乳食用に冷凍ストックしてある野菜も活用できます。
材料
- コーンフレーク10g
- 玉ねぎ20g
- 人参5g
- 白菜15g
- だし汁300cc
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コーンフレークを袋に入れて砕き、野菜はみじん切りする
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だし汁に砕いたコーンフレーク、刻んだ野菜を入れて中火で5分程度に込む
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野菜が柔らかくなったら完成です
コーンフレーク使用の後期・完了期のレシピ
離乳食後期9ヶ月~11ヶ月や完了期1歳以降はコーンフレークのカリカリした食感をそのまま楽しめますし、3回食になり献立に悩む時期でもあるので、コーンフレークで離乳食のレパートリーを広げられればママとしても助かります。
さつまいもとコーンフレークのおやき
ビタミンCたっぷりの炭水化物さつまいもとコーンフレークの組み合わせでエネルギー満点。手づかみ食べにも最適なので、赤ちゃんのおやつにおすすめです。さつまいもの甘さとコーンフレークのサクサクした食感がやみつきになります。
材料
- コーンフレーク5g
- さつまいも100g
- 水(またはミルク)大さじ3
- 片栗粉小さじ1
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さつまいもを1㎝幅に切り、電子レンジ500Wで2分程度加熱し(竹串などで刺してすっと通ればOK)、フォークなどでつぶす
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材料全てを入れて良く混ぜる
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形を整えてからフライパンで焼く
コーンフレーク入りフルーツヨーグルトパフェ
見た目にも楽しいコーンフレークが入ったフルーツヨーグルトパフェです。
離乳食後期~完了期のフルーツの1回分の量は約40gなので、40gまでであれば赤ちゃんが好きなどんなフルーツを入れても構いません。サツマイモやかぼちゃに変えてもOKです。
アレンジがきくレシピなので可愛く盛りつけて赤ちゃんを喜ばせてあげましょう。イベント事にも大活躍します!
材料
- コーンフレーク10g
- お好みのフルーツ40g(今回はいちご、キウイ、オレンジ)
- プレーンヨーグルト80g
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お好みのフルーツを赤ちゃんが食べやすい大きさにカットする
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透明の小さいカップに砕いたコーンフレーク、プレーンヨーグルト、フルーツ、と層になるように重ねていく
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最後にフルーツをトッピングして、コーンフレークをパラパラとかければ完成です
コーンフレークを手作りしてみよう!
コーンフレークは実はご家庭でも簡単に作ることができます。手作りすれば砂糖や塩分の心配もしなくて済みますし、何よりコーンだけで作ったコーンフレークは自然の甘味たっぷりでとっても美味しいです。
市販のプレーンタイプのコーンフレークよりも甘味を強く感じますので、大人や上の子のおやつにもピッタリです!
手作りコーンフレーク
材料
- とうもろこし80g
今回は、食塩・砂糖不使用のコーン缶を水洗いして使用。冷凍のホールコーンでも可です。
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とうもろこしをフードプロセッサーやミキサーにかける
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クッキングシートに薄く伸ばす
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電子レンジ500Wで3〜5分(焦げやすいので様子を見ながら)
まだ水分が完璧に飛んでない場合は外に出して乾燥させる -
水分が飛んだら手でちぎって完成です
コーンフレークを使った離乳食は冷凍可能?
おやきの材料や衣の代わりにコーンフレークを使った場合、冷凍は可能です。ただし、水を多く含んでしまった場合は食感が変わる可能性があります。衛生面からも、なるべく早めに食べた方が良いでしょう。
コーンフレークはなるべく冷凍保存せずに、使う分だけを砕いて調理した方がおすすめです。開封後は常温で乾燥剤を入れた瓶に入れておくのがベストです。
離乳食でコーンフレークを活用する注意点
市販のコーンフレークを選ぶときのポイントや離乳食の献立作りの際の注意点を解説します。購入時は原材料をしっかりチェックしましょう。
「プレーンタイプ」や「砂糖不使用」を選ぶ
赤ちゃんに食べさせてあげるコーンフレークは必ず「プレーン」や「砂糖不使用」と表記がしてあるものを選びましょう。
スーパーなどで手軽に買えるコーンフレークのほとんどは、砂糖やチョコレート、ハチミツなどがコーティングされています。離乳食に使いたいコーンフレークは、ネット通販や生協などで探した方が早いケースも多いでしょう。
プレーンタイプの原材料に「砂糖」の表記があるのはなぜ?
パッケージに「プレーン」と書いてある商品でも、裏の成分表示を見ると砂糖が入っている場合もあります。焼き色をつけたり、風味づけのために、微量の砂糖を使っているのです。
砂糖そのものは、離乳食中期にあたる生後7ヶ月頃から風味づけ程度なら使っても大丈夫ですし、初期から食べられる食パンにも砂糖は含まれているはずです。毎日、コーンフレークばかりを食べさせるわけではありませんから、基本的には気にしなくて良いでしょう。
それでも気になる方は、砂糖不使用タイプのコーンフレークを探して購入しましょう。また、とうもろこしから手作りのコーンフレークをご家庭で作ることも可能です。
塩分の過剰摂取にならないように注意
市販のコーンフレークには、砂糖の他に食塩が含まれているのが一般的です。「プレーンタイプ」や「砂糖不使用」でも、食塩は含まれていますから、与えすぎには注意が必要です。
コーンフレークのパッケージには、ナトリウム量や塩分相当量が表記されているはずですから、以下を参考に、1食、1日あたりの塩分が多くなりすぎないように配慮してください。
赤ちゃんに必要な塩分量
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、6ヶ月~8カ月・9ヶ月~11ヶ月の赤ちゃんで1日600mg、食塩相当量で1.5gにあたります(注2)。
離乳食から摂取するべき塩分量
ただし、母乳やミルクにもナトリウムは含まれていますので、食事(離乳食)から摂取するべきナトリウム量は、6ヶ月~8カ月・9ヶ月~11ヶ月で1日487 mgです(注3)。食塩の量に換算すると約1.2gにあたります。
コーンフレークのみの食事はNG
赤ちゃんは、大人のようにコーンフレークに牛乳をかけて食べて、1回の食事を終わらせるということはできません。コーンフレークだけでは赤ちゃんにとっては必要なエネルギー足りず、そうした食事が続くようだと成長に影響が出てしまう恐れもあります。
個人差はありますが、離乳食の食事量の目安は以下の通りです。
離乳食中期(7ヶ月・8カ月)の1回の食事量
- 全がゆ(7倍かゆ) 50~80g
- 野菜、果物 20~30g
- 魚、肉 10~15g
(豆腐なら30-40g)(卵なら卵黄1個か全卵3分の1)
離乳食後期(9ヶ月~11カ月)の1回の食事量
- 全がゆ(5倍かゆ) 90gまたは軟飯80g
- 野菜、果物 30~40g
- 魚、肉 15g
(豆腐なら45g)(全卵なら2分の1)
コーンフレークに含まれる塩分を考えても、コーンフレークの量を増やすのはおすすめしません。あくまでおやつや食事のサポートとして活用し、必ず他のおかずや炭水化物をプラスして食べさせてあげましょう。
コーンフレークとオートミールは別の食品
コーンフレークと見た目や製造工程も似ている食品に、「オートミール」があります。コーンフレーク同様、シリアル食品(穀物を加工し、フレーク状にしたもの)ではありますが、オートミールは「オーツ麦」から作られていますので、とうもろこし原料のコーンフレークとは別物です。
オートミールは、コーンフレークより早く離乳食初期から食べられますが、通常は煮てよくふやかし、トロトロにしてお粥のように食べることが多いです。オーツ麦は小麦ではなく、小麦アレルギーを引き起こすグルテン量も少なめなので、アレルギーになるリスクも低いのが特徴です。
コーンフレークに含まれる栄養素
コーンフレークだけで食事を済ませることはできませんが、コーンフレークはとうもろこしを加工した食品なので良質な栄養素が数多く含まれています。
食物繊維たっぷり!とうもろこしを丸ごと加工しているから摂取しやすい!
穀物を加工して作るシリアル食品は、豊富な食物繊維を含んでいます。コーンフレークの材料となるとうもろこしは、粒の皮の部分にさつまいもの約4倍にあたる食物繊維を含んでおり、腸の活動を促進させる働きがあります。
とうもろこしそのものは離乳食初期から食べられますが、薄皮は後期までは取り除くことが推奨されています。ですが、コーンフレークなら栄養豊富な薄皮ごとまるごと摂取できるのです。
離乳食をはじめると、便秘気味になる赤ちゃんは多いので、たっぷりの水分とともにコーンフレークをおやつなどに与えてみましょう。
鉄分もたっぷり!コーンフレークで手軽に貧血予防!
コーンフレークの原料となるとうもろこしは、穀物の中でも鉄分を多く含んでいます。生後9ヶ月を過ぎると、赤ちゃんは貧血のリスクが増しますので、離乳食では積極的に鉄分が含まれた食材を取り入れる必要があります。
鉄分豊富な食材には、レバーや赤身の肉などが挙げられますが、調理がしづらいのが難点です。コーンフレークなら手軽に日々の食事に取り入れることが可能です。
朝食や離乳食おやつにコーンフレークを活用しよう!
コーンフレークは注意点を守って上手に活用すれば、とても便利な食材です。甘味のある野菜やフルーツと相性が良いので、おやつの時間にも活躍してくれます。
ほんのり香ばしくカリカリとした食感で、赤ちゃんの嗅覚やあごの発達にも良い影響を与えてくれます。簡単に調理できるコーンフレークを使って、ぜひ離乳食のレパートリーに増やしてみて下さい。
参考文献