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赤ちゃんの熱中症…症状&対策

赤ちゃんの熱中症対策!夏の過ごし方と熱中症サイン&対処法

赤ちゃんを熱中症から守る夏の過ごし方やお出かけ対策と熱中症の段階別症状サインについて解説していきます!赤ちゃんの熱中症予防や夏の健康管理のカギはママの熱中症への正しい知識と的確な処置ですが症状をしっかり見分け水分補給も難しい様子が見られたら迅速に病院に連れて行きましょう!

赤ちゃんを熱中症から守る対策!熱中症サイン&対処法

だんだんと夏が近づいてくると、熱中症のことも気になってきますよね。特に赤ちゃんのいるご家庭では、赤ちゃんが熱中症にならないように何らかの対策を取ることが必要です。まずは、熱中症について基本的な事柄を押さえておきましょう。

出典:www.youtube.com

熱中症とは

熱中症とは、人間が本来持っている『体温調節機能』が作用しなくなり、体温が必要以上に上昇してしまうこと、また、体温が必要以上に上昇してしまうことでけいれんを起こしたり意識を失ったりすることを指しています。

体の機能が上手に作用しているときは、周りの温度や湿度が上昇しても、汗をかいたり水分を補給したりすることで健康的な体温(35~37度程度)を維持することができます。
ですが、熱中症により水分不足や異常な温度上昇・湿度上昇で体のバランスが崩れてしまうと、体温が過度に上昇し、けいれんなどをおこしてしまうのです。体温が42度以上に上がると生命維持に深刻な影響を及ぼすこともありますので、熱中症は決して軽く見てはいけない症状なのです。

熱中症になってしまうのはこんな環境!

真夏の暑い日が何日も続くときに熱中症患者が増えますが、梅雨のじめじめした蒸し暑い日にも熱中症患者はたくさんでます。熱中症になりやすいのは、次のような環境ということができます。

熱中症になりやすい環境

・暑い日が何日も続き、体力が落ちているとき
・急に暑くなり、体が外気温に適応できないとき
・湿気や熱がこもった状況にいるとき(室内、車内など)
・直射日光を長時間浴びているとき

熱中症になりやすいのはこんな人!

熱中症患者になりやすいのは、5歳未満の乳児・幼児と65歳以上の高齢者です。もちろん、それ以外の方も熱中症になりやすい環境で過ごしていると発症してしまうことはありますが、乳幼児と高齢者は自分で室温を調整しないことが多く、また、体の機能も5~64歳の人と比べると未発達もしくは低下しているために、熱中症で倒れたりする確率が高くなっているのです。

乳幼児や高齢者と一緒に暮らしている方は、家族みんなが快適に過ごせるように、適度に水分を補給できるように、特に気を配る必要があると言えるでしょう。

赤ちゃんを熱中症から守るために必須!予防と対策

では、赤ちゃんと一緒に暮らしている場合、何に気をつければ赤ちゃんを熱中症から守ることができるのか見ていきましょう。

室内で過ごすときに気をつけたいこと4つ

室内で過ごすときは、部屋の温度を25度程度に保つようにしましょう。エコロジーの観点から、エアコンの設定は28度にするように推奨されていますが、赤ちゃんは大人よりも体温が高く、少しの動きで汗を大量にかいてしまいますので、28度では暑すぎると感じてしまいます。また、体温調整機能も未発達ですので、体温が下がりにくいことも考慮にいれなくてはなりません。

1.室内の温度差に注意

ですが、室温を25度に調整しても、窓際と部屋の入り口では温度に差がありますよね。赤ちゃんの過ごす場所がどのくらいの温度・湿度なのかをこまめにチェックして、快適さをキープしてあげて下さいね。

2.優しい風(乾燥させない風)で快適さアップ

エアコンで室温を調整することは大切ですが、直接、赤ちゃんにエアコンの風が当たってしまうと、喉を傷めたり肌を乾燥させたりしてしまいます。エアコン+扇風機エアコン+サーキュレーター等、優しい風が赤ちゃんに行くように、家電を組み合わせて使用することがオススメです。

3.服装にも注意

せっかくお部屋を快適にしていても、赤ちゃんに重ね着させていたり、厚めの肌掛けをかけていたりするならば、赤ちゃんの体温は急上昇してしまいます。室内では、基本的には靴下ははかせないで風通しの良い服を1枚だけ着せるようにしていると良いですよ。

まだ寝返りが打てない赤ちゃんには、背中に1枚『汗取りパッド』を入れておくのも良いですね。汗をしっかりと吸収してくれるので、赤ちゃんの体温急上昇を防ぐだけでなく、あせも予防にもなります。

4.水分補給をしっかりと

快適な環境に居ると言っても、エアコンをずっとつけていると赤ちゃんの喉も肌も乾燥してしまいます。普段よりもこまめに水分補給するように心がけておきましょう。母乳をこまめに与えるのも良いですが、食事の時にしっかりと母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんなら、麦茶や湯ざましなどが良いかもしれません。赤ちゃんに合わせて、水分+うるおいを補給してあげましょう。

屋外で過ごすときに気をつけたいこと・お出かけタイプ別

屋外に赤ちゃんとお出かけするときには、赤ちゃんの汗をこまめに拭けるように、清潔なタオルを何枚か持っていくようにしましょう。UVケアクリームや日焼け止めローション等は汗で流れ落ちてしまいますので、汗を拭くたびに塗り直せるように、外出先にも持っていきましょう。

抱っこでお出かけするときとベビーカーでのお出かけ、車でのお出かけは、それぞれどんなことに気をつけることができるでしょうか。

1.抱っこひもでお出かけするときのポイント

赤ちゃんとお母さん、お父さんの体を密着させる抱っこ。安心感の得られる方法ですが、夏場はお互いの体温でお互いが暑くなってしまいますので、長時間は向かないかもしれません。抱っこする時は、体がくっつく方向を適度に替えるようにし、赤ちゃんに熱がこもらないように注意しましょう。

抱っこひもでお出かけするときも、基本的には靴下を履かせずに、通気性の良い服を1枚着せるだけのスタイルがオススメです。直射日光が当たらないように帽子をかぶせますが、頭に熱がこもってしまわないように、ちょっと大きめのサイズのものを選んだり、通気口が開いているタイプのものを選んだりしてくださいね。

2.ベビーカーでお出かけするときのポイント

赤ちゃんの目線が高いベビーカー(三輪タイプになっているものが多いです)と比べると、一般的な昔ながらのベビーカーは、赤ちゃんが地面の近くに居る分道路や地面からの反射熱で大人よりも暑く感じてしまいます。暑い時間帯には、できるだけ長時間のお散歩やお買いものは避け、涼しい時間帯に連れて行くようにしましょう。

背中部分の通気性を工夫したベビーカーも多いですが、それでも赤ちゃんは背中に汗をたくさんかいてしまいます。こまめにチェックして、タオルで汗を拭き取って上げて下さいね。

服装は、できるだけ涼しくがポイントですが、ベビーカーに乗せるときは、特にロンパースタイプのものではなく、上下別々の洋服を着せることがオススメです。抱っことは異なり、おしり部分をずっとベビーカーに密着させていますので、腰回りに熱がたまってしまい、体温の異常な上昇や腰回りのあせもを招いてしまうこともあるからです。腰回りがゆったりとしたハーフパンツと薄手のブラウスやTシャツなどを着せ、軽やかに夏のオシャレを楽しんでくださいね。

3.車でお出かけするときのポイント

車内はせまいので、温度が下がり過ぎてしまうことがあります。赤ちゃんにエアコンの直風が当たらないように風の方向を調整し、車内の温度に合わせてカーディガンをプラスしても良いかもしれません。車内は乾燥しがちですので、こまめな水分補給も忘れないようにしてください。

屋外に駐車している場合は、すぐに赤ちゃんを乗せずに、車内の温度が充分に下がってからベビーシートもしくはチャイルドシートに座らせるようにしましょう。また、これも当然のことですが、赤ちゃんを1人で車内に待たせることがないようにしましょう。
どうしても赤ちゃんを一緒に連れていけないときは、車内にパパかママのどちらかは残りエアコンをかけたまま用事を済ませるようにしましょう。一人っきりの時間は赤ちゃんにとって危険です。赤ちゃんが熱い思いやさびしい思いをしないように心がけましょう。

また、炎天下に車を置いておくと、数分で車内の温度は50~70℃ほどに上昇してしまいます。ベビーシートを設置するのは窓際が多いですが、窓際はさらに温度が上昇します!赤ちゃんを例え1分でも車内お留守番させるときは、エアコンを絶対つけたままにしておきましょうね。

赤ちゃんが熱中症?深刻化レベルで違う症状サイン

熱中症は症状がひどくなると死に至ることがある病気ですが、早めに気付いて処置をすれば、回避できる病気でもあるのです。熱中症のサインの見分け方について探っていきましょう。

ちょっと体温があがってきたのかも・・・熱中症の初期症状

体温がちょっと上がってきて、赤ちゃんがしんどく感じ始めている時期に対処するなら、ほぼ完ぺきに熱中症を回避することができます。赤ちゃんをしっかりと観察して、次のような変化が見えていないかチェックして見て下さい。

赤ちゃんの熱中症の初期症状

・顔全体が赤くなっている
・むずがり始める
・手足がべっとりとしている
・首に汗が流れている
・泣いているのに、あまり涙が出ていない
・おしっこの色がいつもよりも濃い黄色

いずれも体温があがってきて、体に水分が足りなくなっているサインです。家に居るときだけでなく、ベビーカーなどでお出かけしているときも、こまめにこれらの症状が出ていないかチェックしましょう。
特に、おしゃべりやお買い物に夢中になっていると、赤ちゃんに初期症状が出ていても見逃してしまいやすくなります。普段から10分に1回は赤ちゃんの顔色と汗の状況を確認し、気温が高いときや梅雨明けなどの湿度が異常に高く熱中症のリスクが高いときは、5分に1回は赤ちゃんチェックをするようにしてくださいね。

早く気付いて!赤ちゃんが大変!・・・熱中症の中期的症状

初期症状で気付いて対処すると良いのですが、どうしても見逃してしまったり、赤ちゃんの体調が悪く、いきなり症状が深刻化したりすることもあります。次のような中期的症状がみられたときは、すぐに涼しい場所に移動し、赤ちゃんの服を着替えさせたり、水分補給をしたりするといった処置を取らなくてはなりません。

赤ちゃんの熱中症の中期的症状

・嘔吐、もしくは何か飲ませると吐いてしまう
・汗をかいているのに水を飲みたがらない
・体が非常に熱い
・体温が37.5度以上になっている
・おしっこが6時間以上出ていない
・顔色が赤黒くくすんでいる
・体が熱いのに手足が冷たい
・話しかけたりおもちゃを触らせたりしても、ぐったりと無反応

外出先では熱を測ることができませんが、赤ちゃんの体に比べて手足がかなり冷たくなっていたら、何か問題が発生していると察知するようにしておきましょう。

涼しい場所に連れて行って、汗を拭き、爽やかな服に着替えさせても、赤ちゃんが嫌がったり吐いたりして水分補給ができないときはすぐに病院に連れて行って適切な処置を受けましょう。この段階でも、迅速に適切な処置を行えば、熱中症が重症化することを回避することが可能です。

今すぐ病院に直行!・・・熱中症の深刻な症状

熱中症の症状が深刻化するまで気付かない・・・ということはあまりないかもしれませんが、初期症状が出ているときに気付かず、中期的症状が出ているときに上手に対処が出来ないでいると、深刻な症状に陥ってしまうこともあります。

また、赤ちゃんは大人と比べると抵抗力が少ないので、状況が急変することもありますので、なおさら深刻化しやすいのです。次のような症状が見られたら、赤ちゃんの体を涼しくするように心がけながら、一刻も早く救急外来に向かいましょう。

赤ちゃんの熱中症の重篤症状

・けいれんを起こしている
・呼びかけに応えない
・口から小さな泡のようなものが見える

赤ちゃんに熱中症の症状が見られたときの対処法

赤ちゃんに熱中症の初期症状や中期的症状が見られたときは、何を行うことができるでしょうか。迅速な判断と処置で重篤化することを回避することができますので、しっかりと覚えておいてくださいね!

症状が見られたら1:涼しい場所に移動

すぐに涼しい場所に移動するようにしましょう。室内や車内に居る場合は、温度を1~2℃下げたり、扇風機やうちわの風を当ててあげたりするのも良いでしょう。

症状が見られたら2:水分補給

赤ちゃんにたっぷりと水分補給をさせます。症状が重くなっている場合は、一度にたくさんの水分を受けつけられなくなっていますので、時間をかけて少しずつ飲ませるようにしましょうね。また、冷たい水は胃や腸への強い刺激になりますので避けて下さい。できれば、常温~10℃くらいのものが良いでしょう。

症状が見られたら3:汗を拭く

赤ちゃんの汗を拭いて、着替えをさせましょう。夏は1~2着の着替えを持って出かけることがオススメですが、どうしても着替えがないときは、赤ちゃんの体の向きを変えたりして、全身に風が通るようにしてあげましょう。ベビーカーでお出かけしている方は、少しの間、抱っこに切り替えるのも良いかもしれませんね。

赤ちゃんを熱中症から守る対策対処はしっかりおさえておこう!

毎年、夏になると話題になる熱中症。しっかりと対策すれば熱中症は避けることができますし、症状を早めに察知して対処すれば重症化も避けられます。暑い時期は特に赤ちゃんの様子や変化に注意するようにしましょうね。