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赤ちゃん聴力スクリーニング検査

赤ちゃんの聴力の発達と新生児聴覚スクリーニング検査

「赤ちゃんはいつから耳が聞こえているの?」というような赤ちゃんの月齢別の聴力の発達と、入院中に実施される新生児聴力スクリーニング検査について解説します。特に、難聴の早期発見を目的とした検査の方法や費用、再検査の場合は?といった疑問について詳しく解説します。

赤ちゃんの聴力の発達と新生児聴覚スクリーニング検査

まだ視力が弱い赤ちゃんにとって、聴力はとっても頼りになるもの!

産まれた時から、目は見えなくとも耳は聞こえている赤ちゃん。ママのお腹にいる時でも、だいたい20週くらいからはママの体内の音が聞こえるようになっていると言われています。

それだけ、赤ちゃんにとって「聞こえ」というのは頼りになるもの。泣いてもママの声を聞いて安心していますよね。赤ちゃんの聴覚に異常がないかどうかは、「新生児聴覚スクリーニング検査」といって、一般に入院中に一度検査されることが多いです。そこで今回は、赤ちゃんの聴力の発達と、新生児聴覚スクリーニング検査について詳しく解説します。

赤ちゃんの聴力はどんな風に発達していくの?赤ちゃんの月齢別聴力の発達

赤ちゃんの聞こえる力はどのように発達していくのでしょうか?発達の道筋がわかれば、我が子の聴力で今どれくらいのことができるのかがわかりますね。

ヘッドフォンで聴力検査する赤ちゃん

胎児期の聴力の発達

赤ちゃんの聴力の発達は、もうお腹の中にいるときから始まっています。妊娠4週目頃には耳の元になる溝が、妊娠8週頃には、三半規管などの内耳部分ができていきます。そして妊娠20週頃には、ママの体内の血液が流れる音や心音、声の響きを感じ取れるようになっています。

さらには、妊娠28週頃からは、お腹の外の世界の音が何となく聞こえるようになります。産まれたての赤ちゃんの目がほとんど見えないことを考えると、聴覚の発達がいかに早いかがわかりますね。お腹の中の赤ちゃんは、ママの声、心臓の音、腸がグルグルと動いている音を聞いて過ごしています。意外とお腹の中は、騒がしいのですね。

新生児期の聴力の発達

赤ちゃんは音に明らかな反応を示すことはないものの、聴力が備わった状態で産まれてきます。一見聞こえていないように見えても、突然の音にびっくりして目を覚ましたり、ママの声で安心して泣き止んだり、のどを鳴らしてみたり、とこれだけの反応ができるのですね。

生後3ヶ月くらいまでは、新生児期の聴力と変わりないとされています。小さな音まで聞こえていますが、聞こえ方や聞こえたものの処理がまだ発達していないので、大人とは違った聞こえ方をしているのだと言われています。

生後3ヶ月~生後6ヶ月は声の識別もできる

音の鳴る方に顔を向けてみたり、「ああ」「うう」と喃語(なんご)のようなものを話したりして、音の世界を楽しんでいるようです。

5ヶ月頃には、音の聞き分けができるようになってきます。「これを触るとこんな音が出る」というように、音と現象とを関連づけることができます。この頃には、聞き慣れた人の声も識別できるようになっています。6ヶ月頃には声をかけると自分の意思で振り向くように。音の鳴るおもちゃに興味を持ち、ガラガラなどを好みます。

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生後6ヶ月~生後10ヶ月は音の意味に気づく

言葉の獲得に向けて、徐々に音には意味があることに気づいてきます。名前を呼ばれたら反応したり、自分の視界の外にある音源を探そうとしたりします。声が口から出ていることに気づき、話している人の口をじっと見ています。音楽や歌にじっと聞き入ることも出てきます。

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生後10ヶ月以降は音の意味が分かる

ただ声や音を聞くだけでなく、それが示す意味が分かるようになっていきます。自分もその音が出したくて、口の形を真似て簡単な声マネをしたり、誰かに話しかけるように喃語(なんご)を話したりします。また、1歳くらいになると、音やリズムに合わせて体を揺らしたり、視界にはない音源を見つけたりすることができるようになります。

1歳を過ぎると、ただ受動的にすべての音を聞くのではなく、「やっている遊びに集中すると周りの音が聞こえない」というように、自分で余計な音をシャットアウトできるようになります。

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新生児聴覚スクリーニング検査(新生児聴力検査)で先天性の難聴を調べることが出来る

何らかの原因で聴覚に問題がある場合、早期発見と早期の対処がカギとなります。それは、聴力が言語の獲得と密接につながっているからです。私たち大人も、言語を習得する時には必ず耳で聞いて覚えます。ということは、もともとの聴力がないと、言葉の獲得は難しくなります。ですので、その場合、早期発見をして早い段階で聴力の補助をしてあげることが大切です。

病院で健康診断を受ける赤ちゃん

生まれつき難聴の赤ちゃんはだいたい1,000人に1人程度の割合です。生まれつきの難聴の半数は、遺伝性の難聴と子宮内でのトラブルによる難聴です。遺伝性の場合も、親が難聴だから子も難聴になるというわけではなく、遺伝子上でたまたまその因子を受け継ぐという仕組みですので、パパママの聴力に問題はない場合も多くあります。

子宮内でのトラブルは、例えば、妊娠中にママが風疹に罹ったとか、妊娠中に飲んだ薬やアルコールの影響、出生体重が1,500g未満、新生児仮死、などの原因が挙げられます。また、先天性の奇形によるものなど、原因が特定できないケースもあります。
新生児聴覚スクリーニング検査では、生まれたての赤ちゃんにこういった先天性の難聴がないかどうかを調べます

検査目的は難聴の早期発見

上でも解説したように、言語の獲得の面から見ても、難聴の対処には早期発見が大切です。
難聴の半数は、原因がわからずに起こるものなので、ひと昔前までは、2歳を過ぎた頃「どうも言葉の発達が遅れているな」ということから発覚することが多くありました。
支援が3歳頃から開始となる場合が多く、その場合1歳頃からの盛んな言語習得のピークが過ぎているため、言語習得にかなりの努力が必要になっていました。たくさんの物事をスポンジのように吸収できる早いうちに難聴を発見し、支援を開始することで、難聴でもしっかりと言語の習得ができるのです。

聴力スクリーニング検査中にこちらを見つめる赤ちゃん

最近のアメリカの調査では、1歳以降に補聴器を付け始めた子の言語習得率は、聴覚に問題のない子の70〜80%だったのに対して、生後6ヶ月から補聴器を使用し始めた子は90%の言語習得率があったことがわかっています。すなわち、言語やコミュニケーション能力の発達には、0歳の頃の聴覚的刺激の多さに左右されると言えますね。これが、難聴の早期発見が大切な理由です。

新生児スクリーニング検査の具体的な検査方法

新生児聴力スクリーニング検査には、次の二つの方法があります。どちらで行うかは、産院がどちらの機械を導入しているかによりますが、どちらも痛みはなく5分〜10分程度で終わるので赤ちゃんの負担は少なく済みます。

自動聴性脳幹反応(Automated ABR)

音に対して、聴神経から脳幹の電気的反応が出ているかどうかを見る検査です。眠っている赤ちゃんの耳に専用のヘッドフォンをつけて測定します。機械に自動的に判定装置が付いているので、実施しやすいのがメリットです。ささやき声程度(35dB)の刺激音を鳴らすので、軽度の難聴から発見することができます。

出典:www.youtube.com

スクリーニング用耳音響放射(OAE)

耳に音をいれると、内耳は振動を起こし、音が跳ね返って小さな反射音が出ます。この仕組みを利用して、反射音が出ているかどうかを見るのがこの検査の方法です。睡眠時に検査する自動ABRに対して、OAEは赤ちゃんが眠っていなくてもぐずっていなければ検査ができます。検査をパスすれば40dBの聴力があるとされます。

「再検査(リファー)」となってしまったら?

新生児スクーリング検査はあくまで簡易検査です。リファーになったからといって、イコール難聴とは限りません。特に生後間もないうちは、羊水や耳垢が耳につまっているなどの外因や、そもそもまだ聴覚が未発達だったということも考えられます。この検査でリファーとなるのは、だいたい1,000人に9〜10人です。実際の先天性難聴の割合は約1,000人に1人だということを考えると、リファーがすなわち難聴というわけではないことがわかりますね。実際は再検査、精密検査など何度かの検査を経て、慎重に診断は下されます。

検査はほぼ自己負担。費用は産院・各自治体に要確認!

この検査は、赤ちゃんが産まれてからの入院中に実施されるのが一般的です。なぜなら、生後間もない時は赤ちゃんが睡眠状態にあることが多く検査がしやすく、また外来で行うよりも多くの人が検査を受けやすいからです。

赤ちゃんの聴力の発達を表した画像

費用は医療保険の適用外ですので自己負担になります。おおよその相場は2,500円~5,000円ぐらいが目安になっていますが、自治体によっては補助が出たり負担してくれたりする場合もあるので、事前に産院に確認しておくと安心ですね。

赤ちゃんが難聴と診断された場合の対応・相談先

何度かの検査を繰り返し、赤ちゃんが難聴だと診断された場合には、療育が開始されます。療育というのは、障害を持った子に対して、将来社会的に自立して生きていけるように、治療と教育を提供することです。療育機関は、精密検査を受けた病院から紹介されます。

先天性難聴の赤ちゃんと見守る動物のぬいぐるみ

難聴と療育についての基礎知識

「療育が必要」と言われても、そもそも療育という言葉に馴染みがないパパママも多いかもしれません。療育は、その子が育っていく中で、できるだけ不自由なく自立していけるように色々な手立てをすること。難聴とひとくちに言っても、耳のどこに難聴の原因があるのかということや難聴の程度は人それぞれです。

難聴の種類

感音性難聴:外耳や中耳、聴神経や脳神経などで、振動として伝えられた音を電気信号に変える部分に障害がある。耳鳴りがあることもある。
伝音性難聴:外耳や中耳で音の振動を伝える部分に障害がある。くぐもったように聞こえ、音が大きくなれば聴き取りやすくなる。
混合性難聴:感音性難聴と伝音性難聴の両方を併せ持っている。

難聴の程度

軽度難聴:聴力レベル26〜40dB…聞き取りが少し困難で、遠くの音が聞こえにくい。
中度難聴:聴力レベル41〜70dB…普通の会話が聞き取りにくい。
高度難聴:聴力レベル71〜90dB…耳元で、大きな声なら聞き取れる。
重度難聴:聴力レベル90dB以上…ほとんど聞こえない。

その子その子の障害の状態によって、療育センターやろう学校の専門家は様々な支援をしてくれます。相談先という意味では、これらの施設が主となっていくでしょう。
難聴の場合、音があることを知らない、または音が聞こえにくいことで言語機能がうまく発達しなかったり、コミュニケーションを取りづらかったりすることが課題になります。まずは補聴器を装着することで、周りには音があるということに気づくことから始まります。最初は嫌がる子もいますが、補聴器の使用が言語獲得の上でとても重要になってきますので、ゆっくり根気よく行っていきます。

グループでの指導では、何人かの親子グループになって、楽器や音の出るおもちゃ、リズム遊びなどを通じて「音って楽しい」というポジティブな気持ちを育てていきます。また、徐々に発声表現を促す遊びなども交えていき、音や声で表現することができるように支援し、言語機能の獲得を促します。同時に社会性の獲得も狙っています。

家庭でできるママやパパの対応

無理に聞こえる能力を高めようとするのではなく、自然な会話ややり取りを楽しもうとすることが大切です。コミュニケーションをとりやすくするために、ママやパパはなるべくオーバーリアクションを取ってみましょう。ジェスチャーをしたり、声のトーンを変えたりすることで様々な刺激が与えられるので、そう言ったことを心がけながら、楽しみながら赤ちゃんの聴覚が発達するための支援ができるといいですね。

また、「親の会」も心強い味方になります。同じ立場でないとなかなか相談しにくいことを話せますし、良いアドバイスをもらえることもあります。不安なことわからないことの情報を得たり仲間を得られたりする点で、ぜひ有効活用したいところですね。

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出生時の新生児聴力スクリーニング検査はぜひ受けて!

今現在は全体の60%くらいの人が新生児聴力スクリーニング検査を受けることを選択しています。先に述べたように、難聴の半数は原因不明です。

そして難聴の場合に一番大切なのは、早期発見と早期の対応によって、その障害をカバーできる可能性がぐんと高まるということです。そのためにも、費用負担はありますが受けておく方がベター。今から出産を迎えるママは頭の隅に置いておいて、出産の時にこのことを思い出してくださいね!