赤ちゃんのアトピー対策

赤ちゃんのアトピー対策は?原因・治療法・家庭での対策

赤ちゃんがアトピーになる原因や予防法を紹介します。乳児湿疹やアレルギーとアトピーの違いや原因、その他皮膚の病気との見分け方、アトピーと診断されたときに病院で実施される治療法や薬、家庭でできる予防対策についても説明します。

赤ちゃんのアトピー対策は?原因・治療法・家庭での対策

赤ちゃんのアトピーの症状・特徴・原因と他の湿疹の違い

赤ちゃんにもアトピー状の湿疹やかゆみが生じることが増えています。アトピーと乳児湿疹等の他の湿疹とは何が異なるのか、アトピーにはどのような特徴があるのかについて見ていきましょう。

赤ちゃんのアトピーの症状の特徴

赤ちゃんのアトピー対策

肌の様子

アトピーは皮膚が薄いところやこすれやすいところに生じることが多いですので、頭部や顔、ひじの裏側やひざの裏側、脚の付け根、耳の裏側、耳たぶの付け根、首などに見られることが多いです。また、皮膚が切れやすくなりますので、じゅくじゅくと膿んでくることもあります。かゆみが治まらずに何度も掻くと、部分的に皮膚が硬くなることもあります。

かゆみ

かゆみが強いこともアトピーの特徴です。かゆみが少し治まってかかなくなると皮膚の状態も少し良くなりますが、かゆみが何度もぶり返すので、完全に皮膚がキレイになるためにはかなりの時間がかかってしまいます。

乳児湿疹とどう違う

乳児湿疹とは、乳児期(0歳~1歳未満)に見られる湿疹の総称です。額や頬を中心にニキビができる『新生児ニキビ』や頭部や顔面に白色もしくは黄色のかさぶた状の皮脂がこびりつく『乳児脂漏性湿疹』、ひじの裏や膝の裏、おむつの周りなどの汗をかきやすい場所に発生する『あせも』などの様々な種類があります。

いずれの場合も、短くて数週間、長くても数ヶ月が過ぎたら症状が治まり、1歳になるまでに完治することが多いですが、アトピー(乳児アトピー性皮膚炎)』の場合はなかなか治らず、同じような症状が数ヶ月続くことも珍しくありません。皮膚科でアトピーと診断されるときにチェックされる6つの項目は次の通りです。

乳児アトピー性皮膚炎に見られる特徴

・生後1~2ヶ月後から初期症状が見られることが多い。
・初めは頭部や顔面から見られることが多いが、その後、手足や体にもぶつぶつができる。
・ひどくなるとジュクジュク膿んでくるが、全体的な乾燥肌や部分的な皮膚硬化も見られる。
・卵白などの特定の食べ物に対するIgE抗体が見られることもある。
・家族にアトピー体質の人がいることが多い。
・1歳半~2歳くらいになると、症状が軽くなることや完治したように見えることも多い。

ただし、病院によってはアトピー性皮膚炎と乳児湿疹を区別するのは生後1~2歳以降に限定していることも多く、その年齢に達するまでは、『乳児湿疹』とひとくくりに診断されることもあります。

知っておきたいアトピー以外のぶつぶつ

おむつかぶれでお尻が痒い赤ちゃん

赤ちゃんの皮膚にできるぶつぶつは、アチピーや乳児湿疹だけではありません。赤ちゃんの皮膚にぶつぶつが見られたときに考えられる病気をいくつか紹介します。

じんましん

ぶつぶつとした腫れの中心が高くなるのではなく、腫れ全体が平らになっているのが『じんましん(蕁麻疹)』の特徴です。一般的には2時間程度で腫れが引きますが腫れが引いたり出たりを何度も繰り返すこともあります。また、かゆみも強く、赤ちゃんの機嫌が悪くなることも少なくありません。

じんましんは、卵や乳などの食べ物に対するアレルギー反応として生じることもありますが、ペニシリン等の医薬品に対するアレルギー反応として生じることもあります。また、暑さや寒さ、紫外線、皮膚のこすれ、圧迫、特定の植物に触れることでじんましんが出ることもあります。その他にも、自分自身の汗が刺激となってじんましんが出ることや疲れが原因でじんましんが出ることもあります。

とびひ

『とびひ』の正式名称は『伝染性膿痂疹』で、火が広がるようにあっという間に全身に広がるために『とびひ(飛び火)』と呼ばれるようになりました。原因は黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌で、虫さされや怪我、あせもなどをかいた部分から感染し、全身に湿疹が広がっていきます。

とびひには、湿疹が水ぶくれ状に腫れあがるものとかさぶた状になるものがあり、いずれの場合にもかかないようにすることで、症状が悪化することを防げます。とびひは細菌に感染して生じる症状ですので、ぶつぶつを抑えるだけでなく、感染した細菌を死滅させることが重要になります。内服薬を処方されたときは、細菌を死滅させる成分も入っていますので、症状が治まったからと自己判断して服用を途中でやめてしまうのではなく、最後まで飲みきるようにしましょうね。

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接触性皮膚炎(かぶれ)

おむつをしている赤ちゃんは、便の回数が多いために濡れている時間が多いことや、おしりふきを頻繁にすることでこすれてしまうことで『接触性皮膚炎(かぶれ)』が生じることもあります。少しでも赤ちゃんのおしりに与える刺激を減らすために、おしりふきの擦り方を優しくしたり、使い捨てのウェットティッシュで拭くのではなく、お湯で洗い流したりするように工夫できるでしょう。

また、おしりを拭いた後にすぐにおむつをしてしまうと、おしりが濡れた状態になり、かぶれがひどくなってしまいます。しばらく放置するかうちわなどであおいでおしりを乾かしてから、おむつをつけるようにしましょうね。

アトピーの原因ははっきりしていない

赤ちゃんのアトピーに悩むママ

アトピーの原因は、まだ正確にはつきとめられていません。ですが、2015年4月に慶応大学医学部皮膚科学教室とアメリカの国立健康機関(National Institute of Health)が共同で専門雑誌「Immunity」に発表した研究によりますと、皮膚に大量に発生した黄色ブドウ球菌と腸内の免疫バランスの崩れがアトピーの原因になっていることが示唆されています。

本来、弱酸性~中性であるべき皮膚が乾燥などによって弱アルカリ性に傾くと、黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなり、黄色ブドウ球菌が繁殖すると、皮膚本来が持っているバリア機能が低下して、湿疹やかゆみが生じます。アトピー性皮膚炎の患者は皮膚が乾燥しやすいため、弱アルカリ性になりやすく、このような悪循環が起こりやすいと考えられています。

原因と考えられている要因

黄色ブドウ球菌の大量発生や腸内の免疫バランスの崩れ以外にも、化学繊維の刺激や洗剤・石鹸の刺激、寝不足、ストレス、過労、汗などの様々なモノやコトがアトピーの原因になると考えられています。

もちろん、衣服の刺激や薬品による刺激、過労やストレスは、アトピー性皮膚炎の無い人にとっても好ましくない事柄ですが、アトピー性皮膚炎のある体質の人にはさらに強い刺激となって湿疹やかゆみなどの症状が出現するので、できれば原因となる事柄を丁寧に取り除いていきたいものです。

また、稀に母乳がアトピーやアレルギーの原因であると言う方もいますが、これは根拠のあることではありません。母乳以外の飲み物や食べ物の方がアレルゲンとなる可能性が高い(粉ミルクに含まれる『乳』や離乳食に含まれる『卵』や『大豆』など)ので、母乳を途中で辞める必要はありません。

赤ちゃんはアトピーになりやすい?

アトピーは『なる』のではなく『出る』、つまり元々の体質としてアトピー性体質があり、何らかのタイミングでアトピーであることが表出するのです。つまり、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になるのではなく、アトピー性皮膚炎の症状が赤ちゃんのときに出てしまうとも言えるのです。

赤ちゃんは皮膚が薄く、皮膚のバリア機能も弱いです。そのため、様々な刺激でアトピー性皮膚炎の症状が表出することが多く見られます。

アトピーとアレルギーの違い

アトピーはアレルギーの一種だと混同する方もいらっしゃいますが、アトピーとアレルギーは全く別物です。アレルギーは食べ物やダニ、ハウスダスト、花粉などの特定のものに対して過剰に反応してしまうことを指しますが、アトピーは特定のものに反応して湿疹やかゆみなどの症状が出るのではなく、ストレスや汗、摩擦、寝不足、食生活などの様々な要因が考えられ、何か1つに原因を絞ることはできません。

ただし、アトピー体質の人は何かにアレルギーを起こしやすい体質であることが多いので、アトピーはアレルギーの一種と考えたり、アトピーとアレルギーが同等のものと考えたりする人がいるようです。

アトピーが出やすい場所

目や口の周りの皮膚が薄い部分や耳の後ろ、耳たぶの付け根、膝の裏、ひじの裏、脚の付け根等、皮膚が薄い部分やこすれやすい部分にアトピー性の湿疹が出ることが多いです。赤ちゃんの場合は、特に頭皮や顔面に出ることが多く、乳児湿疹と間違われることが少なくありません。

アトピーが出やすい時期

アトピーは季節を問わず発生しますが、体調が不安定になりがちな季節の変わり目や汗をかく夏、空気が乾燥しがちな冬から春にかけて、特に症状が重くなることが多いです。

アトピーの病院治療と家庭で出来るホームケア

赤ちゃんのアトピーを診断する医師

アトピー性皮膚炎が見られる場合、病院と家庭でどのようなケアを行うことができるでしょうか。

アトピーは放っておいてよくなることはほとんどありません。できれば、赤ちゃんがかきむしる前に病院に連れて行き、何らかの処置を行うようにしましょう。

皮膚科と小児科の違い・病院の決め方のポイント

赤ちゃんに湿疹が見られると、まずほとんどの方は小児科に連れて行くことと思います。小児科ではほとんどのケースで『乳児湿疹』と診断され、乳児湿疹用の外用薬を処方されます。

ただし、決められたように外用薬を塗っても一向に症状が良くならないときは『アトピー性皮膚炎』の可能性が考えられます。処方してもらった薬や症状、症状が見られる期間を正確にメモし、皮膚科に連れて行って診察を受けましょう

処方薬について/薬物療法

アトピー性皮膚炎だと診断されると、一般的には、ステロイド外用剤が処方されます。顔用の有効成分が少なめのステロイド外用剤と、体用の有効成分が多めのステロイド外用剤の2種類が処方されることもあるでしょう。いずれも、目や口の中に入らないように充分に注意して、決められた方法で適切な量を患部に塗ると、症状はすぐに良くなります。

また、アトピーは皮膚が乾燥すると湿疹が出やすくなりますので、ヒルロイド等の保湿剤も処方されることがあります。入浴後などにしっかりと全身を保湿することで、アトピー症状が表出することを防ぎましょう。

内服薬

かゆみが強いと考えられる場合は、抗ヒスタミン剤を内服薬として服用しながら、ステロイド外用剤を塗ることもあります。ここで処方される内服薬はアトピーやアレルギー症状を根本的に治療するための医薬品ではなくかゆみを抑えるための内服薬ですので、決められた容量を守りかゆみが続く限り服用させましょう。

継続治療が大切

ステロイド外用剤による治療も、皮膚の保湿も、内服薬によるかゆみを抑える治療も、いずれも決められた期間だけ続けて行うことが大切です。特に皮膚の保湿ケアは、肌バリア機能を高め、アトピーなどの湿疹を出にくくする予防効果がありますので湿疹やかゆみがないときも毎日行うようにしましょう。

ミルクと母乳

母乳には栄養だけでなく免疫も含まれているので、赤ちゃんにとって必要な成分を補うことができます。母乳が充分に出るのに粉ミルクに切り替えている方は、母乳に戻してみるのも良いかもしれませんね。

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アトピー性皮膚炎が見られる場合、特定の食べ物に対してアレルギーがあることも少なくありませんので、離乳食に使用している食材が偏っていないか、体質に合わないものを入れているのではないか、今一度見直してみましょう。

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衣類やおふとんの素材選び

おすすめはコットンなどの柔らかい天然素材です。自然素材でも、目の粗い麻などは皮膚を刺激して、湿疹を悪化させることもあります。また、素材を吟味するだけでなく、洗剤や石鹸があまり布に残らないように充分にすすぎを行うようにしましょう。アレルギー用の洗剤もありますので、気になる方は切り替えて見るのも良いでしょう。

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アトピービジネスに注意

アトピーに悩む赤ちゃんは増えていますので、「アトピーが劇的に治る!」などと根拠もなくあおる食材や医薬品、衣料品などの『アトピービジネス』も増えています。体験談や写真などをねつ造した悪質なものが多いですので、充分に注意しましょう。

神経質になりすぎずに、アトピーと気長に付き合って行こう

アトピー自身は遺伝しませんが、アトピーができやすい体質は遺伝します。体質ですので根治は難しいですが保湿をしっかりしたり、食べ物や体に触れる素材等に気をつけたりすること、処方された薬をしっかりと塗る・飲むことで、ある程度症状を抑えることができます。「治らない!」と落ち込むのではなく、気長に付き合って行くようにしましょうね。

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