マタニティマークは危険?
マタニティマークが招く危険…現代版・妊婦のマナー
妊娠中の女性を守るはずのマタニティマークが危険を招くとつけない人が増えています。マタニティマークは母子手帳の発行とともに手渡されることもあり急速に普及してきましたが、マタニティマークをつけていることで危険な目に遭うことも…?頻繁に聞かれる危険な状況と妊婦さん側のマナーとは?
マタニティマークは危険?まずはどこでもらえるか知っておこう!
厚生労働省では、お腹が目立ちにくいために電車で席に座りにくい妊娠初期の女性や、たばこの煙が気になるので周囲に気をつけてもらいたいお母さんのために『マタニティマーク』を作りました。
マタニティマークのキーホルダーやストラップは、市区町村の窓口で母子手帳を交付してもらう際に配布されたり、駅事務所に問い合わせることで受け取ったりすることができます。
また、マタニティマークをあしらったキャラクターキーホルダーなどもありますので、実用性と趣味を兼ねたバッグアクセサリーとしても購入することができます。時折、プレママ用の雑誌の付録になっていることもありますので、気になる人はチェックして見るのも良いでしょう。
マタニティマークはお役立ちアイテムのはずが標的になることも
マタニティマークは、あくまでも『妊娠中であることを周囲に知らせる役割』を持ったシンボルマークです。お腹は目立ちにくくても、つわりなどのために辛い思いを抱えている妊婦さんにマタニティマークを通して周囲が早く気付き、自主的にタバコの火を消したり、席をゆずったりするために作られています。
ですが、人によっては、マタニティマークを快く思わないこともあります。どのような心理がどのような行動に導くのか、いくつかの事例を紹介いたします。
マタニティマークを圧力と感じるケース「席を譲れっていうこと?」
マタニティマークを見て、「席をゆずらなきゃいけない」とか「タバコの火を消さなきゃいけない」という風に、言葉ではない圧力を感じる人もいます。
「私だって、妊娠はしていないけれどとても疲れている」「長い時間休憩をとれなくて、今やっとタバコを吸う時間がとれたばかりなのに…」と、妊婦さんに対して配慮することを強制されているように感じて、反発を感じてしまうのです。
マタニティマークを圧力と感じる人の行動の特徴
具体的には、電車やバスなどでマタニティマークをつけている人が目の前に立つと、大きなため息をついたり、わざと眠っているようなふりをしたりする人が、このような「圧力を感じてしまい、反発心を持つタイプ」に該当します。
いつもは快く席をゆずったりできる人でも、特に疲れているときは目に見えない圧力を感じて、大きなため息をついてしまったり、気付いても気付かないふりをしたりすることも中にはあるでしょう。このような人は、「時と場合によっては、圧力を感じてしまい、反発心を持つタイプ」に該当すると言えるでしょう。
また、席を譲ると言う行動に出る場合でも、「どうぞ、お座り下さい!」という態度を示すのではなく、舌打ちしながら立つなど、明らかにいやいや行動していることが分かるように席を譲ることもあります。このような人も、マタニティマークによる「圧力を感じる」タイプを言うことができます。
マタニティマークを敵視するケース「妊娠をアピールしないでよ!」
近年、子どもが欲しくても持てないことが、よくメディアでも取り上げられます。晩婚化が進む中で、妊娠適齢期が過ぎてから結婚をし、早く子どもがほしいとあせってしまうカップルや、早めに結婚したにもかかわらず妊娠できなくてあせりを感じている人も少なくありません。
また、親や同僚、友人などに「子どもはまだなの?」と言われてプレッシャーを感じている人もいるでしょう。不妊治療を長く続けていて心身ともに疲れている人なども多いと考えられますし、医学の進歩によって、不妊治療を受けたら簡単に妊娠すると言う周囲の誤解に振り回されている人もいます。
もちろん、このような状況の人すべてがそうだと言うことはできませんが、このような状況に置かれている人は、ストレスからマタニティマークを敵視してしまいやすくなります。
本来、マタニティマークは「体調がすぐれないことが多いことや転倒予防する必要があること」を周囲に示すためのものであるはずですが、マタニティマークに敵意を感じている人にとっては「妊娠していることを、これ見よがしにアピールしているマーク」に見えてしまうのです。
マタニティマークを敵視している人の行動の特徴
敵視している人の中には、マタニティマークをつけている人を見ると「自慢しているの?」「そんなにアピールしたいわけ?」などと聞こえるように言ったり、背中を押したり足でひっかけたりして転倒させようとしたりするという行動に出てしまうことがあります。
また、マタニティマークのついたストラップを引きちぎったりする行動もあるようです。
これらは全て、妊娠している人に対するうらやましさや、やっかみから出た行動ですが、きつい言葉を浴びせられたり危険行為に遭遇したりする妊婦にとっては、災難以外の何物でもありません。
マタニティマークを自己主張と感じるケース「辛いのは妊婦だけじゃないだろ」
マタニティマークをつけて妊娠しているという状況を周囲に示していることを、「公共の場の自己主張」と感じる人もいます。妊婦が、自分の状況だけを特殊だと感じて「私は大変です。配慮して下さい。」と訴えているのだと感じている人もいるのです。
マタニティマークを自己主張と感じる人の行動の特徴
「マタニティマーク」=「わがまま」と感じている人たちは、電車の座席に座っていて目の前にマタニティマークをつけた人が立ったわけでもないのに(妊婦からかなり離れた位置に居たとしても)、「自分ばっかりしんどいんじゃないんだぞ!」とか「そんなに席に座りたければタクシーに乗れ!」などの言葉を大きな声で発することがあります。
また、「いつでも席に座れて良いよね!私にもそんなマークが欲しいわあ」と嫌味っぽくいうこともあります。これらは全て、マタニティマークは自己主張、もしくはマタニティマークはわがままだと感じているからこその発言なのです。
マタニティマークをつけるときの妊婦さん側のマナー
マタニティマークをつけたからと言って、自動的に席に座れたりタバコの火を消してもらえたりするわけではありません。マタニティマークをつけるということは、つける側にもマナーが大切です。そのマナーが、ママとお腹の赤ちゃんの安全を守ることにもなるのです。
配慮をしてもらったらお礼を言う
電車の席は誰にでも座れる権利がありますので、マタニティマークを見て席を譲ってくれる人がいれば、その行為はその譲ってくれた人の個人的な善意によって行われているのです。ですから、妊婦さんの側も「譲ってくれて当然」という態度を示すのではなく、「私のために席を譲ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを言葉と態度で表わすべきです。妊婦さまになってはいけません。
笑顔で、「ありがとう」と感謝を口にできているでしょうか。「助かりました」と喜んでいることを表現できているでしょうか。当然のことができているのかどうか、再チェックしてみましょう。
電車やバスは優先席の方へ行く
電車やバスの優先席は、高齢の方や体の不自由な方、妊娠中の人や小さな子どもを連れた人のための席です。なるべくなら、優先的に座る権利が与えられる優先席の方へ行くようにしましょう。
マタニティマークをつけないという選択
悪意ある行動に直面したり、悪意ある行動を受けた人の話を聞いたりする中で、マタニティマークをつけないという選択をする妊婦さんも増えてきています。
吐き気やだるさがあるときは、いつもより早めに出勤するなどしてラッシュアワーを避けるようにし、席を譲ってもらわなくても座れるように工夫することができます。
マタニティマークをつけない場合は、つける場合以上に自分の体を守らなくてはなりません。混雑したところや危険性の高いところには、敢えて行かないようにしましょう。
全員がマタニティマークの認識を改めましょう
残念ながら、マタニティマークを付けていたために嫌な思いをして外出が怖くなってしまったという悲しい話も聞きます。
マタニティマークが「席を譲って」のおねだりマークのように捉えられつつあるのかもしれません。
しかし、傍から見ると妊婦に見えない妊娠中の女性が外出中になにかあったとき、マタニティマークがあるかないかがカギになることもあるでしょう。妊娠中の女性もマタニティマークを見た人も、マタニティマークの本来の意味合い等と一度見直すべきなのではないでしょうか?