歩行器はいつから必要?
歩行器はいつから使える?使用目的による歩行器の選び方
歩行器はいつから使える?そもそも必要?成長への影響は?赤ちゃんの歩行器の使用を悩んでいる人に向けて、メリットやデメリットを説明し、現代の歩行器の種類と活用しやすい商品の選び方、レンタルと購入どちらがいいのか、歩行器を良き育児のアイテムになるよう利用上の注意点を解説します。
歩行器はいつから使える?使用目的による歩行器の選び方
歩行器はいつからいつまで活躍させられるの?歩行器とは車輪付きのイスとテーブルがセットになったベビーグッズです。軽い力で動かせ、赤ちゃんが自分で移動でき、「よく乗せていた」とママたちより年上のおばあちゃん世代には馴染み深いアイテムです。
おばあちゃん世代では大活躍だった歩行器ですが、近年では成長への影響や事故などを懸念し、使用を控える人が増えてきました。
ですが、歩行器は、正しい使い方をすれば育児の軽減を減らしてくれる優秀なアイテムであり、メリットやデメリットをよく理解した上で使用すれば、絶対にやめるべきとも言い切れません。
歩行器はいつから使用できるのか、最近の歩行器の種類や選び方、使用のメリットやデメリットを紹介します。
歩行器はいつからOK?歩行器の使い方の変化
もし、歩行器を使いたいと思うなら、いつから使用可能なのでしょうか?
歩行器に乗せられる赤ちゃんの月齢や発達段階、最近の歩行器の特徴を解説します。
歩行器はいつから使えるの?
安全性認証のひとつの目安となるSGマークがついている歩行器は、7ヵ月~15か月が使用対象です。ただし、1歳未満の赤ちゃんの成長は個人差が大きく、月齢だけでは判断できません。
発達段階としては、赤ちゃんの腰がすわり、背骨・腹筋を使ってしっかり座れるようになったら使用可能となります。腰がすわるとは、支えなくてもぐらぐらせず、安定して一人座りができる状態を指します。
腰がすわっていない状態での歩行器の使用は、足腰の筋肉の発達を妨げ、背骨にも負担がかかります。成長に悪影響を及ぼしますので、使用の際は、必ず月齢と発達段を守るようにしてください。
歩行器の使い方~歩く練習から遊びの道具へ!
かつて、赤ちゃん用の歩行器とは、歩行を促すための道具でした。しかし、その役割は時代とともに変わってきて、今は歩くための練習ではなく、赤ちゃんが遊ぶためのベビー用品として捉えている人が多数派です。
商品名も「歩行器」ではなく、「ベビーウォーカー」という呼び名を使っているメーカも増えてきました。
歩行器の目的は「遊び」がメイン
現代では、歩行器は歩くための道具ではなく、赤ちゃんのための室内遊具として捉えている人が多数派です。
歩行器に座ると、視線が高くなり、いつも見ている風景が違ってみえます。これは赤ちゃんにとって良い気分転換になり、ご機嫌になる子も多くいます。
最近の歩行器には、ボタンやスイッチ、ハンドルが付いていたり、音が出るおもちゃ付きの歩行器もあります。
離乳食のテーブル・椅子替わりに使用
そのまま食事ができるよう簡単に動かないようにロックでき、テーブル上のおもちゃが取り外せるタイプの歩行器もあります。
歩行器を愛用したママの中には、離乳食を食べない、嫌がる赤ちゃんでも、歩行器に乗せると機嫌がよく、その隙にさっと離乳食を与えられた。歩行器のおけがで食事がスムーズに進んだ。このような意見もあります。
歩行器は歩行訓練に役立つ?
歩行器を使っても、赤ちゃんが早く歩くことはありません。
長時間使用していると、重心がうまく取れなくなり、1人で歩けるようになるまで時間が掛かるなど、発育に悪影響があります。
繰り返しになりますが、歩行器を上手に活用している人は、歩くための道具ではなく、遊びがメインのベビー用品のひとつとして捉えています。この点を誤解しないようにしましょう。
歩行器を嫌がる赤ちゃんには無理強いさせない
多くの赤ちゃんが喜ぶものではありますが、中には歩行器を嫌がる赤ちゃんもいます。
歩行器は、赤ちゃんに必要不可欠なベビー用品ではありません。使用月齢や発達段階に到達していても、嫌がる赤ちゃんを無理に乗せる必要はありません。
歩行器に座らせた状態で、のけぞったり、這い出そうとすると、転倒の恐れもあり危険です。赤ちゃんが喜ぶ場合のみ、短時間、目を離さずに使用してください、
せっかく買っても赤ちゃんが嫌がるのであればもったいないので、お店などで試しに座らせてから購入を検討した方が良いでしょう。
歩行器の選び方~「主な使用目的」を考えると失敗しない!
最近の歩行器は、とても種類が豊富です。
昔はテーブルのみだった歩行器ですが、最近はカラフルなおもちゃがついているものが多数あります。
知育玩具が主ですが、ボタンやスイッチ、音が鳴ったりキラキラ光ったり、赤ちゃんが夢中になるおもちゃがついている商品も人気です。
歩行器・ベビーウォーカーの種類・特徴
歩行器には、以下のような種類があります。
- テーブルのみのシンプルな歩行器
- 音楽がなったり、仕掛けスイッチのあるおもちゃ付き歩行器
- 歩行器とロッキングの1台2役タイプ
- アンパンマンやディズニーなどのキャラクター歩行器
- バイク型やくるま型の歩行器
テーブルがついているだけのシンプルなタイプなら値段は高いもので15,000円ほど、安いものだと3,000円ほどで購入できます。
おもちゃが付いているタイプのものは、おもちゃトレーを外せば、普通のテーブルになるタイプのものがほとんどですから、『遊び』と『食事』の両方に利用可能です。
変わったところでは、自動車メーカーフェラーリ公認の歩行器(商品名はベビーウォーカー)もあり、レーシングカーの形をしていてエンジン音が流れたりと、車好きのパパが羨ましがりそうな本格派です。
歩行器を選ぶポイント
歩行器をどのように使うかで、選び方は変わってきます。赤ちゃんを歩行器に乗せるのは、どんな時か、よく考えて購入しましょう。
遊びをメインにしたい人が選ぶべき歩行器
赤ちゃんと一緒に遊びたい。少しの時間危険がないように一人遊びをしてほしい。そんな方におすすめなのは、やはりおもちゃのついた歩行器です。知育玩具は当然、まるでベビージムのように多種多様なおもちゃ付きの歩行器もあります。
また、最近では、歩行器のように移動はできませんが、「ジャンパルー」といって、たっちや一人歩き前の赤ちゃんがジャンプして遊べる室内遊具も注目を集めています。部屋が狭いので、歩行器は活用できなさそうだと考えている方は、候補に入れても良いでしょう。
食事時に利用したい人が選ぶべき歩行器
動き回りたくて仕方がない赤ちゃんを、その都度追いかけて、きちんと座わらせて食事をさせるのは、思った以上に大変な作業です。しかも、一度機嫌が悪くなってしまうと、食事どころではありません。
赤ちゃんの食事時間をメインに歩行器を使いたいママにおすすめなのが、ストッパーがついている、足元にシートを取り付けられるタイプの歩行器です。赤ちゃんが動き回る心配がなく、足元にシートがついていると食べかすなどがの片付けも楽になります。
食事と遊びの区別をつけるために、おもちゃを簡単に取り外せるタイプのものだとより便利でしょう。
歩行器を使用するスペースに要注意
歩行器は、床がフローリングで、ある程度移動できるスペースがないと、思うように動けません。進行方向に障害物があると、転倒しやすく、頭蓋骨を骨折してしまった赤ちゃんもおり、医療機関も注意を促しています(注1)。
歩行器を購入する際は、自宅に十分なスペースがあるか、確認してからの購入を強くお勧めします。
また、毛の長い絨毯などは、歩行器の車輪が絡まって転倒するリスクがあります。生活パターンや赤ちゃんが普段どのように動くか、歩行器をどんな用途で使用するかを確認して選びましょう。
歩行器は「レンタルもあり」なベビーグッズ
便利な歩行器ですが、使用期間が短く、折りたためるとはいえ意外に保管場所にスペースが必要です。
歩行器は3,000円ほどから購入できるものもありますが、どの程度使用するかわからない、赤ちゃんがご機嫌に使ってくれる不安…という時は、歩行器をレンタルするというのも選択肢のひとつです。
歩行器のレンタルは1週間から借りられるところもあるので、購入に悩んでいたり、試し赤ちゃんを乗せてみたい時には便利です。
最近の歩行器は安全対策にストッパーがついていたり、座高の高さを調節できるようになっています。
レンタルする場合はタイプが古い場合もあるので、ストッパーが壊れていないかなど、自分での確認も必須です。
歩行器のメリット&デメリットをおさらい
歩行器に使用に至っては賛否両論あります。
歩行器を購入する前に、メリットとデメリットをあらためて理解しておきましょう。
歩行器を使うメリットは?
歩行器を使うことで、赤ちゃんが早くひとり歩きすることはありません。しかし、正しく使うことで育児の負担は軽減できます。
つかまり立ちを始めた赤ちゃんはどう転ぶかわからずハラハラしますよね。常についていてあげられれば理想的ですが、ご飯の支度などついていられない時などに歩行器に座らせておくと、転倒防止になります。
歩行器のメリット
- 赤ちゃんが見る景色が変わる
- 食事にも使用できる
- 赤ちゃんがご機嫌で待てる
- 安全対策になる
歩行器を使うデメリットは?
歩行器は、間違った使い方をすると、事故やトラブルの原因となります。
歩行器は、長時間使用すると、はいはいをしなくなったり、骨盤に歪みが生じたり、足先の形が変形したりと、発達に悪影響を及ぼす危険性があります。また、保護者が少し目を離したすきに、玄関や階段などの段差に落ちたり、物にぶつかって転倒したりという事故が多いのも事実です。
動き回る赤ちゃんの食事に利用できるのは利点ではありますが、同時に「歩行器に座る=遊び」というサイクルができてくると、食事よりも遊びに夢中になってしまう恐れもあるでしょう。
歩行器のデメリット
- 発達を遅らせる可能性がある
- 事故が起こる可能性がある
- 使用期間が短く、使う場所が限られる
- 食事と遊びの区別がつかなくなる
歩行器を使う際の注意点
歩行器を使う際は、注意しなければならないことをきちんと把握しましょう。
長時間のせない
歩行器は、赤ちゃんのつま先の力で簡単に動きます。そのため、長時間乗せていると、成長したときにつま先しか使わなくなり、ケガをしやすくなるといわれています。はいはいをする機会が減り、筋力を鍛えられずに成長を阻害する恐れもあります。
歩行器に座らせると機嫌がよくなるので、ついつい長時間乗せてしまいがちですが、利用は1回30分までとし、長時間の利用は控えましょう。
安全な場所、見守れる場所で使用する
0歳の赤ちゃんの事故は、ベビーベッドや階段からの転落によるものが非常に多いのが特徴です。転落事故の中には歩行器が原因で引き起こったものも少なくありません(注2)。
歩行器は、ちょっとした拍子で思いのほかスピードが出て、ベランダや玄関等の段差から転落したり、おもちゃなどの障害物にぶつかるだけで転倒するケースもあります。
また、赤ちゃんが歩行器に飽きたり嫌がったりしたとき、歩行器から出ようとして頭から落ちるリスクも忘れてはいけません。
歩行器を使用するときは、必ず安全な場所、見守れる場所で使用しましょう。