チャイルドシートで新生児を守る

チャイルドシートの新生児の安全を守る取付けや選び方は?

チャイルドシートは新生児が退院するその日からの着用が法律で義務付けられています!フニャフニャの新生児からの乳児の命と安全を守るチャイルドシートの正しい付け方や乗せ方をしっかり知りましょう!また新生児からのチャイルドシートの選び方の基準として国際安全基準やおすすめチョイスも解説。

チャイルドシートの新生児の安全を守る取付けや選び方は?

チャイルドシートは新生児が退院するその日から!子供の命を守る取り付けと選び方

チャイルドシートの着用は2000年に法律で義務化されました。着用の対象となるのは、生まれて間もない新生児から6歳以下の子どもで、産院を退院するときから必要になります。

チャイルドシートをしないとどうなるの?と言う部分ですが「法律違反」となり、子どもを乗せている運転手さんに「幼児用補助装置使用義務違反」の違反点数1点が課されることとなります。

これは運転手さんが祖父母や友人であっても変わりません。子どもの命を守るために生まれた法律ですから、運転手が親以外であっても法律上の義務であることに変わりはないのです。
なにより、赤ちゃんの安全のためには軽視できないチャイルドシートの着用義務。早速、具体的に、新生児のチャイルドシートについてポイントを確認していきましょう。

新生児用チャイルドシートの正しい付け方

チャイルドシートの設置方法

新生児用のチャイルドシートといっても、どういったチャイルドシートを選べば良いのでしょうか?まずは新生児用チャイルドシートの正しい付け方やその注意点について確認しながら、新生児のチャイルドシートを選ぶ基準など徐々に整理していきたいと思います。

新生児のチャイルドシートは前向きNG!後ろ向きに設置を

新生児のチャイルドシートというと、後ろ向きに設置するものがほとんどで、横向きのベッドタイプのものはあっても、前向きに設置するものはありません。
実は新生児から生後9ヶ月前後、体重10kg前後くらいまでの赤ちゃんのチャイルドシートは後ろ向きに設置するというのが世界的な安全基準。

理由は、もちろん安全面からきています。まだ首がすわっていない赤ちゃんが、前向きの状態でそういった衝撃にあったと想定すると、その不安定な首や未熟な内蔵にすべての力がかかってしまい、たとえチャイルドシートに座っていたとしても命にかかわるような重大なケガのリスクにつながるからです。

衝突事故が起こったときの乗車している人にかかるダメージを車が60km/hでコンクリート壁に衝突した場合で考えてみると、ビルの5階(約14m)から地面に落ちたのと同じぐらいに相当するといわれています(注1)。

新生児用なのに角度は大丈夫?…安全基準は座面に対して45°

新生児のチャイルドシートというと、ゆったり寝るようなベッドタイプをイメージされる方も多いかもしれません。でも実際のところは、ちょっとリクライニングをして座っているような角度に設計されている製品が主流となっています。

一見すると、新生児にはちょっと苦しそう?という感じがするのですが、実は、大人が座るシートの座面に対してチャイルドシートの背もたれ部分は約45度の角度になることが世界的な安全基準です。
この角度の理由も安全面からきています。衝突事故などに遭遇した際に、チャイルドシートで最も広い面(背もたれ部分)+赤ちゃんの体の中で最も広い面(背中)という2つの大きな面全体で、その衝撃を分散させることで、赤ちゃんに及ぶ被害を最小限に抑えられると考えられているからです。

「後ろ向き」+「座面に対して45度」という2つの安全基準で、新生児の命をしっかり守ってあげましょう。

新生児用チャイルドシートは後部座席に設置

赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるパパ

チャイルドシートを設置するのは後部座席です。とりわけ助手席の後ろ、走行中に歩道側にあたる位置に設置するのが最も安全といわれています。

助手席はダメなの?という質問が多くあるのですが、以下の理由から、特に後ろ向きに設置する期間はチャイルドシートを助手席に設置することは絶対にNGとされています。

・サイドミラーが、後ろ向きに設置したチャイルドシートで隠れて見えなくなる
・事故の衝撃で膨らむエアバックの力は甚大で、助手席に設置したチャイルドシートは事故の衝撃+エアバックの衝撃を受けることになる(助手席以外でもエアバックがある席は原則NG)
・赤ちゃんの顔や状態が見えている分、注意力が散漫になり、事故を起こす確率が高くなる傾向にある

ちなみにエアバックの衝撃の大きさで、シートベルトで固定されたチャイルドシートであっても、チャイルドシートごと吹き飛ばされてしまう可能性もあるとのこと。

ユラユラ・グラグラは正しく設置できていない危険な証拠!

チャイルドシートを設置した後に、大人が左右に揺らしてみて、ガタガタ、グラグラしている場合、設置が正しくできていない恐れが高いです。

チャイルドシートの設置ミス

・腰ベルトの締め付け不足…約70%
・シートベルトの通し方…約15%
・固定金具(チャイルドシート側)の取付ミス…約5%
・バックル(車側)の不具合…2%
・誤使用・その他…8%

チャイルドシートが正しく設置されていないと、事故のチャイルドシートごと飛び出してしまう可能性が高く、2017年、実際にそういった痛ましい事故も起きています。時間も手間もかかりますが、しっかり丁寧に設置しましょう。
特に、腰ベルトでチャイルドシート自体を固定する部分は、一切の緩みがないくらいきつく絞めて固定させることが重要です。

チャイルドシートのISOFIX(アイソフィックス)って何?

チャイルドシートは、通常、大人用のシートベルトを使って車の座面に固定させますが、一方、2012年7月以降の車では、車が製造される段階から車の後部座席にチャイルドシートを固定するための金属バーを内蔵している車もあります。

これをISOFIX(アイソフィックスもしくはイソフィックス)対応の車というのですが、こういった車に対して、ISOFIX対応のチャイルドシートは、車の金属バーにチャイルドシート側のコネクターをカチッとはめるだけで、チャイルドシートが完璧に固定できる製品となっています。

取り付けミスが減ること・簡単に設置できることなどから、今やISOFIXが世界基準となってきています。ご家庭の車がISOFIX対応車であるなら、ISOFIX対応のチャイルドシートを検討したいですね。

赤ちゃんの乗せ方・チャイルドシートに新生児を正しく乗せる!

チャイルドシートで眠る赤ちゃん

続いては新生児をチャイルドシートに乗せるための、正しい乗せ方について解説します。

新生児用インナークッションを使う!いつまで使うのが正しい?

主に1歳くらいまでの赤ちゃんを対象にしているベビーシートは、1歳の平均体重10kg前後の赤ちゃんに対応できるよう作られているため、体重3kgほどの新生児が使用する際には「新生児用インナークッション」が必要不可欠です。

座面から腰にあたる部分を底上げするような形でフォローたり、頭の部分も首がグラグラしないようによりしっかりとサポートされています。

新生児用インナークッションの使用期間について、多くのメーカーの取扱説明書では「いつまで」という月齢ではなく、赤ちゃんの体重が7kgから8kgを目安に、頭部以外のインナークッションを外すよう記載しています。

メーカーによっては7kgに至る前から、段階的にクッションを減らしていくように設計されているもの、13kgになるまで頭部のインナークッションの使用を推奨している製品などさまざまなので、必ず取扱説明書をよく読んで、製品と赤ちゃんにあったインナークッションを使用しましょう。

肩ベルトが首にかからないようにきちんと調整する

新生児の赤ちゃんの体の大きさは特に個体差が大きいので、チャイルドシートに乗せるときには、その子にあった肩ベルトの位置に調整することがとても大切です。

肩ベルトの位置が合っていないと、何かの拍子で赤ちゃんの首に負荷が強くかかって危険な場合がありますし、腰にかかるベルトが緩すぎると、赤ちゃんが下にずれてしまい苦しい姿勢になってしまうこともあります。
また、厚着の季節に調整したベルトは、春先で薄着になると緩くなる傾向があるので、季節の変わり目にも注意が必要です。

長時間乗せない&まめに体調管理をする

最新の技術と研究で、赤ちゃんにとってより快適なチャイルドシートが販売されていますが、新生児から生後6ヶ月くらいまでの赤ちゃんは体が特に未発達です。
チャイルドシートに固定し姿勢を維持する目的は赤ちゃんを事故の衝撃から守るは命を守るためのものであり、決して快適な体勢の維持とはなりません。長時間乗せっぱなしにするような状況があれば体が未発達な赤ちゃんには負担となるでしょう。

そのため、国土交通省も長時間のチャイルドシートの使用には配慮が必要であると報告しています。長時間のチャイルドシートの使用が、赤ちゃんの内臓や脊髄に大きな負担をかけてしまう可能性を理由とし国土交通省が注意喚起している点も含めたポイントは以下の通りです。

  • 必要最小限の短い時間にする
  • 新生児にも負担が少ないとされるベビーシートやチャイルドシートを使用する
  • 保護者が、常に乳児の状態を見守る
  • 低出生体重児や未熟児、その他疾患をもつような赤ちゃんの場合、呼吸障害を起こす場合があるので医師に相談し指示に従う(注2)

新生児用チャイルドシートの選び方!人気・レンタル・中古の選択基準

中古のチャイルドシートを選ぶママ

新生児に最適のチャイルドシートを選ぶポイントとなる要素、チャイルドシートを選ぶ際の多くの疑問について、人気の製品やレンタル利用の注意点も含めて一緒にみていきましょう。

国際安全基準の「ECE R44」マークor「自」マークのものを選ぶ!

チャイルドシートが世界的な安全基準をクリアしている場合、国連の世界基準に適したマークとして「E」マークが表示されています。
これは、日本の国土交通省の安全基準を満たしたチャイルドシートにつけられる「自」マークと同等の安全基準を満たしているとみなされます。購入の際は、まず、「E」マークや「自」マークがついているかを基準に選ぶとよいでしょう。(注3)

新生児用のチャイルドシートどう選ぶ?ランキングで人気のタイプは?

新生児用のチャイルドシートの中でも、「新生児から4歳ごろまで使えるチャイルドシート」をはじめから購入するパターン、「1歳ごろまで使えるベビーシート+1歳から小学生ごろまで使える幼児用チャイルド(ジュニア)シート」という組み合わせでの利用が最も多く選択されています。それぞれの特長をご紹介します。

1歳頃までのベビーシート

使用期間が1歳前後までと短いのですが、多くのベビーシートは寝ている赤ちゃんをベビーシートに乗せたまま車に乗せたりでき、出先で簡易ラックとしても使用できるようになっていて、特に乗降時がスムーズに行えるため、低月齢の赤ちゃんの乗降には特に重宝します。中には同じメーカーのベビーカーにそのまま乗せられる特徴を持った製品もあります。

新生児から4歳ごろまで使えるチャイルドシート

チャイルドシートの種類としては大型になりがちですが、何といっても使用期間が長いことが嬉しい製品。
予め車にしっかり固定しておくチャイルドシートですので、できれば乗り降りのたびにチャイルドシートの肩ベルトや腰ベルトで赤ちゃんの姿勢がきっちり固定されているかを確認しましょう。新生児期はインナークッションが必要となります。

1歳から小学生まで使えるチャイルド(ジュニア)シート

1歳ごろから小学生くらいまで使えるタイプのチャイルド(ジュニア)シートです。こちらも使用期間が長いことが嬉しい製品です。ただし、1歳でも体重が満たないと使用できないこともあるので、適齢年齢や適正体重の確認は必須です。

簡易型・携帯型・布製の安いのでも大丈夫?

近年、「簡易型」「携帯型」といった布製のチャイルドシートや非常に安い価格のチャイルドシートが販売されています。

こういった製品の多くは国際安全基準のEマークや国土交通省の自マークのない製品、また国際基準よりも劣った基準しかクリアしていない製品といったケースが考えられます。国土交通省も対策を考えているところで、できれば避けたい製品の1つといえます。

子どもが2人はチャイルドシートも2台必要!1歳からのジュニアシートを活用!

チャイルドシートでドライブを楽しむ兄弟

6歳以下の子どもを2人乗せる場合は、チャイルドシートは2つ必要です。この場合、どういったチャイルドシートを選ぶのが賢いのでしょうか?

2歳差兄弟の例

ご家庭によって考え方はさまざまですが、約2歳違いの兄弟を持つご夫婦の例をご紹介します。
上の子には、はじめは「新生児から4歳ごろまで使える乳幼児期用のチャイルドシート」を用意。下の子が生まれたら、上の子用には、「1歳から小学生ごろまで使えるチャイルド(ジュニア)シート」に買い替え、下の子には上の子が使っていた「新生児から4歳までの乳幼児期用のチャイルドシート」を使用。このパターンならほぼ無駄なく兄弟で使い回せますね。

荷物は増やしたくない!ベビーシートは使用期間が短いから…にはレンタルがおすすめ!

  • 新生児の期間は短いから、「新生児用のベビーシート」や「チャイルドシートと新生児用インナークッション」を買うのはちょっと…
  • 子どもは一人と決めているから、結局、最後は邪魔になる
  • とにかく荷物を増やしたくない
  • 車はお正月の帰省先でしか使わない

こういったご家庭には「レンタル」がおすすめです。会社によって値段設定はさまざまですが、1ヶ月3,000円前後から半年で1万円前後という価格が多いようなので、期間限定であれば買うよりも安いですね。
使用期間が特に短い新生児の間はレンタルをうまく活用して、1歳の切り替えを目安に赤ちゃんに最適なチャイルドシートを購入するというのも良案です。

ベビー用品レンタルショップ比較&レンタル利用の注意点
ベビー用品レンタルショップ比較&レンタル利用の注意点
ベビー用品のレンタルは安くて安心な物を利用したいですよね。ここではママたちから人気のあるレンタル店のBEST3をご紹介します!レンタル利用時の注意点など気になることも解説します。

チャイルドシートの中古やお下がりはあり?状態をしっかり確認しよう!

使用期間が短いベビーシートやチャイルドシートは、リサイクルショップなどで良い状態の製品を安く入手することができます。兄妹や従妹のお下がりなどをもらうケースもよくある話です。そういった際の注意点について確認していきます。

説明書がない商品は避けるべき

欠損部品はないのか、すべてのパーツがそろっているのかといった確認がとれないので、正しく取り付けることができない可能性があります。インターネットで検索して確認を取ることもできますが、基本的には避けたい商品です。

安全基準マークの確認がとれないなら避けるべき

古すぎて安全マークなどの確認ができないという場合、安全基準を満たしていない製品の可能性があります。赤ちゃんの命を守るためのチャイルドシートなので、安全マークの確認は重要です。

事故製品かどうかわからないなら避けるべき

一度、事故などにあっているチャイルドシートの場合、安全マークがあったとしても、見えない部分に亀裂があったり安全に使用ができないケースが考えられます。事故製品でないことを明確に確認できない場合は、避けたい商品です。

新生児のチャイルドシートは安全・安心を買うこと!

出産やベビー用品の準備などで何かと費用がかさむ大変なときに、数万円もするチャイルドシートとなると、購入に二の足を踏んでしまったり、安さに目が向いてしまったりするものです。でも、生まれてくる赤ちゃんが退院するその瞬間から、その命を守るために必要なのがチャイルドシート。

無理をして最高級のものを買う必要はありませんが、赤ちゃんの安全はもちろんのこと、ママ・パパそして、赤ちゃんの誕生を心から喜んでくれるおじいちゃんやおばあちゃんの安心のためにも、しっかりとしたものを選びましょう。

参考文献