離乳食のかぼちゃレシピ
離乳食のかぼちゃレシピ~電子レンジで簡単下ごしらえ!
離乳食でかぼちゃは甘味が強く、赤ちゃんが好みやすい味の緑黄色野菜です。裏ごしすると簡単にペースト状、マッシュ状になり、アレルギーの心配も少ないので初期から与えられます。かぼちゃの栄養素と初期・中期・後期の離乳食レシピを紹介。レンジでの簡単な下ごしらえや冷凍の方法もお伝えします!
離乳食にかぼちゃは欠かせない食材!
離乳食にかぼちゃは、1.甘味が強い、2.ペーストにするのが簡単、3.緑黄色野菜で栄養満点という3つの魅力を持ち、ママにも赤ちゃんにも人気の野菜です。厚生労働省が平成17年に調査した離乳食期に与えたことのある食品の中でも、かぼちゃは初期に50%以上、中期になると約90%の保護者が与えていると回答しているほど、離乳食でよく使われているお馴染みの食材なのです(注1)。
かぼちゃは緑黄色野菜の代表格で、冬至に食べると風邪をひかないと言われるほど栄養たっぷりな食材ですから、日々の献立に積極的に取り入れていきましょう。かぼちゃの栄養素、実際にいつからどのように離乳食に使っていくといいかをお伝えします!
かぼちゃは大きく分けて3種類!離乳食でのおすすめは?
ほくほくとした食感で甘い「西洋かぼちゃ」
スーパーなどで一般的に販売されているかぼちゃので、最も離乳食に向いています。糖質が多いので甘く、ペーストやスープ状にすると赤ちゃんは喜んで食べくれますし、加熱し粗めにつぶすとほくほくとした食感を楽しめます(注2)。離乳食に使える西洋かぼちゃの品種としては、えびすかぼちゃ、栗かぼちゃが挙げられます。
記事では、この「西洋かぼちゃ」について解説していきますし、離乳食ではこの西洋かぼちゃを使うのが最も失敗が少なく、赤ちゃんも食べやすいはずです。
水分が多くごつごつとした見た目が特徴的な「日本かぼちゃ」
水分が多く、西洋かぼちゃに比べて糖質が約半分であるため甘みが少ないかぼちゃです(注3)。見た目は溝が多いので、上から見ると菊の花に似ていたり、ごつごつとしているという特徴があります。
少し変わった見た目のものとして、瓢箪のような形をしていてアメリカではポピュラーなバターナッツという品種も日本かぼちゃに含まれます。
そうめんかぼちゃとして有名で淡泊な味わいの「ヘポかぼちゃ」
七夕の時期になると出回るそうめんかぼちゃ(錦糸瓜)が代表的な品種として挙げられます。水分が90%を超え糖質も少ないためカロリーが低く、淡白な味をしているという特徴があります(注4)。
かぼちゃは初期から使える!皮は2歳頃までは与えない
かぼちゃの黄色い部分は加熱すると柔らかくなり、水分を足してペースト状にすると、初期から与えることができます。
一方、皮は加熱しても固く、繊維質も多いため消化の負担となるので、離乳食期には向いていません。2歳ごろからの幼児食として取り入れるようにしましょう。
緑黄色野菜の代表!かぼちゃの栄養素
かぼちゃのオレンジ色のもとで粘膜を保護する「βカロテン」
かぼちゃの鮮やかなオレンジ色の成分がβカロテンです。βカロテンは体内で皮膚や粘膜を強化する働きのあるビタミンAに変わる栄養素で、抗酸化作用があります。
また、βカロテンは油(脂質を含む)と一緒に摂取すると体内への吸収率がUPするという特徴があります。かぼちゃ単品で与えるよりも、離乳食後期以降は肉類や少量の油脂を使った調理で吸収率を上げるのがおすすめです。
糖質に守られ加熱しても壊れにくい「ビタミンC」
鉄分の吸収率をUPする、免疫力を高めるといった効果のあるビタミンCがかぼちゃにはたっぷり含まれています。
通常、ビタミンCは水に溶けやすく加熱に弱いという特徴がありますが、かぼちゃに含まれるビタミンCは糖質に守られています。
茹でたり、加熱しても、ビタミンCが減りにくいので、安心して調理できるのも嬉しいポイントです(注5,6)。
血液の循環を良くする「ビタミンE」
血液の循環をよくする働きのあるビタミンEがかぼちゃにはたっぷり含まれています。その量は100gあたり4.9㎎で、これは成人女性が1日に摂取すべき量である6.0㎎の80%以上という多さです。
βカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEは、ビタミンA/CEと呼ばれることもあり、一緒に摂取すると抗酸化作用に相乗効果があるともいわれています。かぼちゃにはこの3つの栄養素が全て含まれています。
便秘予防には欠かせない「食物繊維」
便秘予防に効果があるとされている食物繊維もかぼちゃにはたくさん含まれています。また、かぼちゃには水分も多く含まれるので、赤ちゃんの便秘予防にも効果が期待できます。
離乳食のかぼちゃの下ごしらえ・保存方法
美味しいかぼちゃの選び方や1個まるごとのかぼちゃを安全に切るためのコツ、保存の方法を紹介します。
美味しいかぼちゃを選ぶ3つのポイント
かぼちゃはハロウィンで使われたり、冬至に食べるので、秋冬の野菜のイメージがあるかもしれませんが、実は夏に収穫されています。
夏に収穫されたものが保存され、熟成されることにより、甘くておいしいかぼちゃとなり、秋冬に食べごろとなるのです。熟成された美味しいかぼちゃを見つけるには、次の3つのポイントをチェックしましょう。
美味しいかぼちゃの特徴
- 皮の表面につやがある
- 重みがある
- へたの切り口がコルクのように枯れている
カットされている場合は、strong>オレンジ色が濃くワタの部分が乾燥していないことを確認しましょう。購入後は、綿の部分を取り除き、可能な限りラップなどで密閉して空気に触れないようにしてください。
1個のかぼちゃを安全に切るには菜箸を使おう!
1個まるごとのかぼちゃを安全に切るためには菜箸を1本用意しましょう。
- 菜箸をかぼちゃの真ん中(へたの部分)に刺します。突き抜けなくてもOKです。
- 菜箸を抜き、菜箸で開けた穴を先端に包丁を入れ、手前に引いて切ります。穴の反対側も同様に切ります。
- 2の切り込みに沿って両手で割きます。
- かぼちゃを平らな面を下にして半分に切り(1/4カット)します。
- へたを切り落とし、ワタや種をスプーンで取り除きます。
カットしたかぼちゃは、ラップに包んで冷蔵庫で保存しましょう。
カットしたかぼちゃを購入した場合も、種やワタを取り除いて改めてラップをした方が美味しく保存できます。
かぼちゃの下ごしらえはレンジ加熱がおすすめ!
4等分にしたかぼちゃやカットしたかぼちゃは電子レンジで簡単に下ごしらえができます。
- かぼちゃをラップに包み、マッシュする場合は電子レンジ600Wで5分加熱します。
- 電子レンジから取り出したら、ラップに包んだまま数分むらし、スプーンで実の部分だけをくり抜いて取ってマッシュします。
冷凍するなら1口大やマッシュ状にしておくと使いやすい
電子レンジで下ごしらえしたかぼちゃは、ラップで小分けをしたり、フリーザーバッグにいれて入れて冷凍保存ができます。写真のように、30~40グラム程度に小さくカットしておいても便利です。
マッシュした場合は、袋に平らに入れた後、菜箸などで10g程度ずつになるように筋目を付けて冷凍すると使いやすくなります。凍保存する場合は、2週間を目安に使い切りましょう。
離乳食のかぼちゃレシピ
実際にかぼちゃは離乳食でどのように使っていくのか、時期ごとの形状や栄養、食べやすさの観点から相性の良い食材を解説し、レシピを紹介します。最後のレシピは大人からの取り分けメニューです。
離乳食初期(5か月・6ヶ月)のレシピ
かぼちゃを最初に与えるときは、加熱したかぼちゃを同量のお湯で伸ばしたペーストにし、ベビースプーン1杯から始めましょう。
初のかぼちゃ料理!かぼちゃの和風ポタージュ
材料
- 下ごしらえ済みのかぼちゃのマッシュ 10g
- だし汁 小さじ2
-
かぼちゃをだし汁でのばします。
かぼちゃのペーストをお粥の上に乗せる、お湯の代わりにだし汁や調乳済みのミルクを使ってポタージュ状にするというアレンジもおすすめです。
離乳食中期(7ヶ月・8カ月)のレシピ
中期のかぼちゃのかたさは、マッシュした状態を目安にしてください。
かぼちゃにはたんぱく質があまり含まれていないので、大豆製品、鶏のささ身、ツナなどのたんぱく質食材と組み合わせると栄養価がUPします。
レンジで簡単!かぼちゃの豆乳プリン風
材料
- 下ごしらえ済みのかぼちゃのマッシュ 30g
- 豆乳 大さじ2(30cc)
- 片栗粉 小さじ1
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耐熱容器にかぼちゃ、豆乳、片栗粉を入れて混ぜ合わせ、電子レンジ600Wで20秒加熱し、よく混ぜます。
-
もう一度電子レンジ600Wで20秒加熱し、写真のようにとろみがついたら出来上がりです。
離乳食後期(9カ月以降)のレシピ
かぼちゃをマッシュしたものを成型したり、5㎜角程度の角切りにすることで、手づかみ食べや歯茎を使った食べ方の練習になります。
かぼちゃに含まれているβカロチンやビタミンEは油脂と一緒に摂取すると吸収率が上がるので少量の油を使ったり、肉類や白身の魚や卵を使った調理がおすすめです。また、これらの食材に含まれている鉄分の吸収率をかぼちゃに含まれるビタミンCでUPさせるというメリットもあります。
油で焼いて栄養価アップ!かぼちゃとしらすのおやき
材料
- 下ごしらえ済みのかぼちゃのマッシュ 50g
(生のまま使う場合はラップに包んで電子レンジで1分加熱します)
- しらす 小さじ2(10g)
- 片栗粉 小さじ1/2
- サラダ油少々
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しらすは熱湯をかけて塩抜きします。
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ボウルにかぼちゃ、しらす、片栗粉を入れて混ぜ合わせ、小さな長方形に成型します。
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フライパンにサラダ油を薄く敷き、弱火で3を両面を焼きます。
取り分け離乳食におすすめ!かぼちゃの鶏ひき肉煮
材料
大人2人+赤ちゃん
- かぼちゃ 1/6カット(200g)
- だし汁 1と1/2カップ(300cc)
- 鶏ひき肉 60g
- しょうゆ 大さじ1/2
- 砂糖 小さじ1(かぼちゃが甘い場合は入れなくてもOK)
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かぼちゃは1口サイズに切って面取りをします。
(面取りなしで下ごしらえ済みの冷凍を使ってもOK。面取りは煮崩れしにくくするため) -
小鍋にだし汁と砂糖を入れて沸騰させ、かぼちゃを入れて落し蓋をして中火で菜箸でさせる程度のやわらかさになるまで5分~8分煮ます(冷凍の場合は3~5分が目安)
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鶏ひき肉を加え、ひき肉に火が通ったら離乳食分を取り出します。
離乳食分はかぼちゃは実の部分だけを5mm角程度に切ります。 -
大人用は醤油で味付けをし、1分ほど加熱したら出来上がりです。
先輩ママおすすめの離乳食のかぼちゃレシピ
【初期~中期】かぼちゃ豆腐セット
ゆかりん(25歳)
材料: かぼちゃ、豆腐
1.小さくカットしたかぼちゃを電子レンジ600wで2分加熱し、裏ごしして、お湯で伸ばす。
2.豆腐は、お湯で温め、細かく潰して完成です。
初期~中期にかけての離乳食なので、特に調味料は使わずに、かぼちゃ本来の甘味を活かします。かぼちゃ単品、豆腐単品で食べさせたあとは、かぼちゃと豆腐をスプーンのうえで混ぜて、食べさせます。
うちの子は、かぼちゃは大好きだけど、豆腐はいまいち食が進みません。でも、この組み合わせだと、どちらもとてもよく食べてくれます。
【後期】かぼちゃとチーズサラダ
りおママ(27歳)
材料: かぼちゃ1/4個
スライスチーズ1枚
あおさ少し(なくてもOK)
1. かぼちゃを適当な大きさに切って耐熱皿に並べ、お水をふりかけラップをしてレンジで加熱する (500wで6~7分)。
2. 柔らかくなったら、粗熱を取り、スプーンで皮と実をわける
3. 実をつぶしてスライスチーズをちぎりながら混ぜ合わせる。パサつきが気になるなら、お湯でのばす。
4. 最後にあおさをふりかけて完成。
チーズとかぼちゃがあったら迷わずこれ!チーズの塩気とかぼちゃの甘味で味付け不要。大人用にはマヨネーズを混ぜれば即1品になります。
ゆで卵を入れても、牛乳が大丈夫になったら牛乳で伸ばしてもOK。その子の月齢に応じてアレンジ無限大です。
離乳食のかぼちゃはカットして冷凍常備がおすすめ
かぼちゃはかたいので調理が面倒なイメージがありますが、1度カットして冷凍しておくだけで随分と使い勝手が良くなります。
1口サイズに切っておいたかぼちゃを電子レンジで加熱したり、マッシュ状にして冷凍したかぼちゃなら、ミルクやお湯で伸ばして、そのままお粥にのせれば「かぼちゃ粥」の完成です。色鮮やかなので食欲をそそり、栄養的にも優れているので、積極的に離乳食に取り入れてください。
ビタミンA・C・Eの相乗効果で冷え性や肌荒れ予防にも効果が期待できる食材なので、ママの美容と健康のためにもおすすめです!