赤ちゃんのいびきの原因と対策
赤ちゃんのいびきの原因と対策~睡眠時無呼吸症候群とは
赤ちゃんのいびきがスゴイとき「大丈夫?」と心配になるママもいるでしょう。赤ちゃんのいびきの症状から安全ないびきと危険ないびきを解説。鼻水が詰まり苦しそうにしている赤ちゃんが心配なときは小児科?耳鼻科?どちらを受診するのか、大人も赤ちゃんも危険な睡眠時無呼吸症候群についても紹介。
赤ちゃんのいびきの原因と対策!危険ないびきの見極め方
赤ちゃんはスヤスヤと穏やかに寝息を立てて、静かに眠っている姿を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、いざ我が子が生まれてきたら、なぜか「いびきがヒドイ…」と感じ心配になるママもいるでしょう。
実は、何らかの原因でいびきをかく赤ちゃんはなんと半数近くいて、乳児の5~10%は常にいびきをかきながら眠るとも言われています。つまり割と多くの赤ちゃんがいびきをかいているということになりますね。
では、赤ちゃんのいびきの原因は何なのでしょうか?
いびきは放っておいても大丈夫なものと危険なものがあり、今回はそんな赤ちゃんのいびきについて詳しく紹介します。
鼻が詰まりやすい!赤ちゃんのいびきの原因
くしゃみをしていたり、咳をしていたり、鼻が詰まっていたり…風邪の症状があるとき、いびきをかくというのはよくありますよね。
実は赤ちゃんは鼻が詰まりやすく、ちょっとした刺激でも鼻水が出たり、くしゃみが出たりということもあります。
季節の変わり目には風邪をひきやすいので特に注意が必要です。しかし、風邪をひいているワケでもないのに、毎日いびきをかいている赤ちゃんもいます。
いびきがなかなか治らない、症状が日に日に悪くなるという場合は風邪と違う症状の可能性もあります。
風邪と違う原因を見極める方法を具体的に見ていきましょう。
くしゃみに続いて鼻水が出る場合はアレルギーの疑いもある
赤ちゃんの鼻はとってもデリケートです。
赤ちゃんがくしゃみをすると、「寒いのかな?」と思って厚着をさせてしまいがちですが、もしかしたら違う原因があるかもしれません。
赤ちゃんはちょっとした刺激でもくしゃみをするので、くしゃみをするだけではあまり心配はいりません。例えば、ホコリやハウスダストなどに反応してくしゃみをすることがあります。部屋が乾燥していて、鼻が詰まってしまうこともあります。
くしゃみが続いて、それから鼻水が出るようになったというような場合は風邪をひいてしまったか、あるいはアレルギー症状が出ているというケースが考えられます。
春先でもまだ乾燥する時期なので、赤ちゃんがいる家庭は赤ちゃんが寝ている部屋に、加湿器をつけてあげるといいですね。
加湿器がないという場合は、ほんのりと温めたホットタオルを鼻に当ててあげると蒸気によって鼻が楽になり、鼻水が出やすくなるのでオススメの方法ですよ。
自分で鼻をかむことも吸うこともできない赤ちゃんを苦しくさせないように、常に気をつけてあげたいですね。
赤ちゃんは喉の構造が未熟
赤ちゃんの喉の構造はまだまだ未熟で、喉の位置が大人よりも高いところにあります。
舌も上の方にあるため、仰向けの状態で寝ていると気道が狭くなって呼吸がし難いことがあります。
しかし、これは成長とともに改善されるので問題がないと言えます。
喉の構造が未熟ということはちょっとした温度変化にも弱いということです。
大人がなんでもない環境でも、赤ちゃんにとっては不快に感じることもあるので、細心の注意を払い経過観察しましょう。
いびきの原因となるアデノイドや扁桃腺の肥大
いびきの原因で気になるのが、アデノイドと扁桃腺の肥大です。これにより、気道が狭くなって呼吸が苦しくなっていることがあります。
アデノイドというのは咽頭扁桃肥大症のことで、全体的に扁桃腺が大きくなってしまっている状態です。
赤ちゃんの頃からいびきが酷い、鼻呼吸ではなく口呼吸が多いと感じていたら、実はアデノイド肥大だったというケースがあります。
5歳から10歳くらいの子供に多く見られますが、赤ちゃんの頃から気をつけて観察しておくことでアデノイド、扁桃腺の肥大を早く知ることができます。
早く知れば、それだけ対処もできますので、観察をすることは大切ですね。
赤ちゃんのいびきの見極め方!そのいびきは安全?危険?
では、赤ちゃんのいびきが安全なものなのか、危険なものなのかはどうやって見極めたらいいのでしょうか?
いびきをかくのは自然なことだと思っていて、あまり気にしたことがなかったというママもいるかもしれませんが、実はいびきがヒドイ赤ちゃんの中には、先天性の疾患や病気が隠れている場合もあります。
ちょっとした見極めのコツを知っているとその後の対処もしやすくなります。
危険ないびきの睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群という病気をご存知でしょうか?睡眠時に呼吸が止まってしまう病気で、大人にも多く見られます。
子供の場合はアデノイドや扁桃腺の肥大、慢性のアレルギー性鼻炎により睡眠時に無呼吸になってしまうということがあります。
睡眠時無呼吸症候群の場合、昼間にぼんやりしたり、グズったりすることがあります。
まだ言葉を話せず、自分の様子を伝えられない赤ちゃんは、不快な状態を知らせるために泣いたり、グズったりしてママに思いを伝えます。
睡眠時無呼吸症候群かどうかを調べるためにはティッシュを使うのもオススメです。
鼻と口を塞がないように、ティッシュをかざして揺れを見ます。口で呼吸をしているか、あるいは鼻で呼吸をしているか、そして呼吸が止まっていないかというのをチェックすることができます。
その様子をメモしておいて、病院に罹る時に持っていくといいですね。
睡眠は十分にとれているか
赤ちゃんがいびきをかいていたり、その症状が続くときは、まず冷静にママがきちんと睡眠時に赤ちゃんを観察することが大切です。
焦ってすぐに病院に連れて行ったり、対処を間違わないようにしましょう。
まず、赤ちゃんがきちんと眠れているかどうかを確認してください。
いびきをかいていてもぐっすり眠っている、鼻づまりも日に日に良くなるという場合は、鼻風邪だったり、特に心配するいびきではない場合が多いです。
しかし、苦しがったり、寝たと思ったら、すぐに起きて泣いたり、ミルクでもおむつが不快なわけでもないのにグズグズするようなら、もしかしたらよく眠れていない場合があります。
呼吸が止まることはあるか
赤ちゃんのいびきで気になるのが、「呼吸が止まることがあるかどうか」です。
いびきをかいていて、ときどき呼吸が止まり、苦しそうにしている場合や不快な表情で泣いたりするようなら、無呼吸の可能性があります。
この場合は、素人判断するのは危険なので、少しでも呼吸が止まっているような感じがあるのなら病院に行くことをオススメします。
心配のないいびきの対処法
心配のないいびきでしたら、赤ちゃんの鼻のお手入れをしてあげたり、寝かしつけ後の体勢に注意を配るだけでも改善が見込めます。
鼻の通りをよくする
まず、鼻風邪の時や鼻炎の鼻水、鼻づまりの時は鼻の通りをよくしてあげることが大切です。赤ちゃんはまだ自分で鼻をかむことができません。しかし、赤ちゃんの鼻水を取るのはとても大変ですよね。
しかし、今は鼻水吸い取り器というのが売っています。
鼻水吸い取り器を使って、鼻水をこまめにきちんと吸い取ってあげましょう。
鼻水吸い取り器を嫌がるようなら、綿棒でとってあげるという方法もありますが、綿棒はちょっとした加減で鼻の中に深く入ってしまい、粘膜を傷つけてしまうことがあるので注意して行ってください。
鼻水吸い取り器も、同じように強く吸ってしまうと鼻の粘膜を傷つけたり、出血してしまうことがありますので、様子を見ながら優しく行いましょう。
全て取りきろうと思っても、なかなか難しいのである程度取れたらやめるというのでもOKです。
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とにかく赤ちゃんにとっては鼻水を吸うこともちょっと怖かったりしますので、なるべく恐怖感を与えないように、サッと素早くやってあげることが必要です。
一度でも恐怖に感じてしまうと、次からギャン泣きされたり、拒否されたりしてしまいますので、はじめに使うときは慎重にしましょう。
寝る姿勢を変える
仰向けで寝ている時に苦しそうなら、顔を横向きにしてあげたり、首の後ろに折りたたんだタオルを入れてあげると気道が確保されて呼吸しやすくなります。
姿勢を変えてあげることでいびきが軽減することもありますので、赤ちゃんの寝やすい形を見つけてあげるようにしてください。
赤ちゃんも大人も危険な睡眠時無呼吸症候群の詳しい原因や症状
先ほどご紹介した、睡眠時無呼吸症候群について詳しく見ていきましょう。最近、テレビなどでも取り上げられてその名前をよく耳にするようになりました。
大人の病気と思いがちですが、子供にも多く見られるものなのでチェックしておくと安心ですよ。
大人と子供で無呼吸症候群になる原因が違う
大人の場合は、加齢などで舌がのどの奥に落ちてしまうことにより、気道が狭くなったり、肥満が原因でのどや気管が圧迫され、空気が十分に入ってこないことが原因で起こることが多いようですが、子供の場合は、口蓋扁桃と咽頭扁桃(アデノイド)の肥大が原因で起こることが多いです。
それ以外にも、アレルギー性鼻炎などで鼻づまりがひどい場合も、無呼吸の症状がでる場合があります。
その他、感染症、代謝異常、脳内の出血などの様々な原因もありますが、赤ちゃんに多いのは脳の呼吸中枢の働きが未熟な状態のために起きる「中枢性の無呼吸発作」というもので呼吸中枢の働きが未熟な赤ちゃんによく起こるということです。
この場合、無呼吸により、酸素不足に陥って、チアノーゼが出て顔色が悪くなったり唇が紫色になったりすることもあります。
あまりにも無呼吸の状態が長く見られる場合はすぐに病院に行くようにしてください。
治療法はアデノイド、扁桃腺の切除手術
5歳から10歳くらいの子供に多く見られるアデノイドの肥大は自然と小さくなっていきます。
大抵の場合は心配がいらないのですが、あまりにも頻繁に無呼吸状態が続いたり、アデノイド、扁桃腺の状態によっては手術をすることもあります。
アデノイドや扁桃腺を取る手術なので、それに耐えうる年齢になるまでは様子を見ることが多く、先生にもよりますが、一般的には4歳~5歳くらいの年齢になってから手術する場合が殆どです。
手術は全身麻酔で行い、アデノイド、扁桃腺を切除します。
痛みに弱かったり、全身麻酔が怖いという場合には、経過観察になることもありますが、風邪をひきやすい、高熱が出やすい、無呼吸の症状がある、いびきが酷いなどが気になる場合は手術を考えてもいいかもしれません。
入院はだいたい1週間前後が目安になります。無呼吸でなかなか夜眠れないと日中ボーっとすることがあり、授業に集中できないなどの状態が続くので手術をするなら、なるべく小学校に入る前に行ったほうが良いでしょう。
チアノーゼが出るなどの「無呼吸発作」がある場合は、特別に対処が必要です。特に、15~20秒ほどの「無呼吸発作」が起こるようなときは、「乳幼児突然死症候群」になってしまう可能性もありますので、かかりつけの小児科や耳鼻科に相談してみてください。
「無呼吸発作」が気になる場合は赤ちゃんの呼吸が一定時間以上止まったときにブザーが鳴って知らせる機能がある装置を使うことができます。リースで借りることができるので心配な方は借りてみるのもいいかもしれません。
赤ちゃんのいびきは「耳鼻科」を受診する
赤ちゃんの病院として思いつくのは「小児科」かもしれません。もちろんはじめはかかりつけの小児科に相談するのもオススメですが、いびきだけが気になる場合は「耳鼻科」を受診しましょう。
鼻水くらいで病院に連れて行くことはないと思うかもしれませんが、鼻水を放っておくと蓄膿や中耳炎になる可能性もあり、何かのアレルギーで慢性鼻炎になるケースも考えられます。
安全ないびきかどうか、危険ないびきかどうかわからないという時は、ぜひ耳鼻科を受診してみてください。
アレルギーがあったり、慢性の鼻炎がある場合は長い間耳鼻科にお世話になることもありますので、信頼できる、子供にも優しい耳鼻科を探しておくといいですね。
赤ちゃんを連れて行く際は、あまり待ち時間が長いところだと大変なので、予約制だったり、待ち時間が短い病院を見つけるのも大事なポイントです。
気になるいびきの症状がある場合は動画を撮影して、受診の際に先生にそれを見せるというのもオススメです。
どんないびきだったか、どれくらい呼吸が止まっているかなどはなかなか言葉で説明するのが難しいので、動画を撮影する方法は有効です。
赤ちゃんのいびきが気になるなら病院に相談しよう
赤ちゃんのいびきには様々な種類があります。
風邪をひいて鼻が詰まっていることによるいびきなら風邪の症状が良くなればいびきも治まるのですが、長引き苦しそうにしているときは注意が必要ですね。
少しでも心配な症状があるなら耳鼻科に行って診てもらうようにしましょう。
手術が必要と言われると不安に思うかもしれませんが原因がわかると気持ちが楽になります。赤ちゃんのためにも、正しい知識を身につけておくことが大切です。