赤ちゃんに麦茶はいつから?

赤ちゃんに麦茶はいつからOK?与える時の5つのポイント

赤ちゃんに麦茶はいつから与えていいのか解説。大人用麦茶は薄める、お湯は沸騰させて煮出し麦茶にするなど、麦茶を飲ませる・作る時の注意点も紹介します。赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない理由や対処法、麦茶を飲んだ後に赤ちゃんが下痢をした際の原因も探っていきましょう!

赤ちゃんに麦茶はいつからOK?与える時の5つのポイント

赤ちゃんの麦茶はいつから与えていい?

赤ちゃんにとって麦茶は、母乳やミルク以外で飲むはじめての飲み物であり、はじめての「お茶」なことが多いのではないでしょうか。赤ちゃん用品店ベビーフードのコーナーには、生後1ヶ月から飲める麦茶が販売されています。

しかし、栄養的な観点からいうと、現代では離乳食を開始する前の赤ちゃんには、麦茶をはじめ、果汁や白湯など、母乳とミルク以外の飲み物は与える必要はないとされています。

赤ちゃんに麦茶はいつから与えていいのか、麦茶を与えるべき時期を確認してみましょう。

赤ちゃんに麦茶を与えるのは離乳食を開始した生後6ヶ月頃から

コップに注がれた麦茶

赤ちゃんに麦茶を与えるのは、離乳食を開始してからの生後5~6ヶ月頃が基本です。

以前は、離乳食前の赤ちゃんに果汁や白湯などの飲み物を与えることは推奨し、その旨が母子手帳にも記されていました。

しかし、現代では、母乳やミルクの授乳量を減少させ、赤ちゃんにとって必要な栄養素を満たさない恐れがあることから、離乳食を開始するまでは母乳やミルクのみを与えた方が良いと修正されています。

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赤ちゃんに麦茶を離乳食前から与えるのは「絶対ダメ!」という訳ではない

わざわざ飲ませる必要はありませんが、生後6ヶ月未満の赤ちゃんに麦茶を飲ませるのが絶対に悪いという訳ではありません。

市販のベビー麦茶は、生後1ヶ月以降ならOKなものもありますので、様子を見ながら少しずつ飲ませる分には構わないでしょう。母乳はいくら飲ませても問題ありませんが、粉ミルクは1度飲ませると消化のために3時間ほど間隔をあける必要があります。お風呂上りや暑い時期などは脱水症状も心配ですから、状況に応じて上手に活用しましょう。

もちろん、赤ちゃんが母乳やミルクをしっかり飲んで、体重増加に影響がないのが条件です。

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赤ちゃんに麦茶がおすすめされる理由

どうして赤ちゃんには麦茶がおすすめされるのかご存知でしょうか?赤ちゃんに麦茶がオススメされる理由を確認してみましょう。

ノンカフェインだから

赤ちゃんに麦茶が良いのは、やはりノンカフェインという理由が大きいでしょう。
麦茶と同じく日本人にとってなじみ深い緑茶には、カフェインが含まれています。赤ちゃんには与えないようにしましょう。また、授乳中のママも、摂取量には注意が必要です。

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赤ちゃんがカフェインを摂取してはいけない理由

赤ちゃんに与えてはいけない飲み物の一覧

大人でもコーヒーなどの飲料を飲み過ぎると、眠れなくなったりしますが、カフェインには興奮作用があり、また体内の鉄分の吸収を阻害するなどの副作用があります。赤ちゃんは、体の器官が未発達で、大人の20〜30倍、カフェインを分解するのに体に負担がかかるという指摘もあります。

眠れなくなるだけでなく、下痢をしたり熱を出したりすることもあるので、赤ちゃんにはカフェインが含まれない飲み物をあげるようにしましょう。

【参考】100ml中のカフェイン含有量

  • コーヒー 40mg
  • 紅茶 50mg
  • 緑茶 20mg
  • ウーロン茶 20mg

家でも簡単に作れて授乳中のママも一緒に飲めるから

「ベビー麦茶」と名前がついている麦茶以外でも、赤ちゃんに飲ませて構いません。
紙パックやペットボトルで売っている赤ちゃん専用の麦茶は、外出時には便利ですが、その分費用は高くついてしまいます。

家で煮だす麦茶なら、授乳中のママの水分補給にもピッタリです。赤ちゃんとママ2人のために、家に麦茶を常備しておきましょう。

赤ちゃんに麦茶を与える時の5つのポイント

赤ちゃんに与えるための麦茶の作り方、飲ませる時の注意点を解説していきます。

1.大人用麦茶は、麦茶1に対して水2の割合で薄める

お口の中に手を入れる赤ちゃん

ベビー専用でない大人と同じ麦茶を赤ちゃんに与える際は、水で薄めましょう。
麦茶1に対して水2の割合で薄めてあげれば赤ちゃんも飲みやすい麦茶になります。赤ちゃんが生後6ヶ月未満の場合は、麦茶1:水4など月齢が低いほど水の割合を多くしてください。

大人の麦茶をそのまま与えると、赤ちゃんにとっては苦くて、泣き出してしまうこともあります。赤ちゃんは味蕾(味を感じる舌の器官)が大人の1.5〜2倍もあるため、苦味や酸味を強く感じます。

2.麦茶は煮出しで作る

自宅で麦茶を作る時は煮出しで作るようにしましょう。煮出しの際は、しっかり水を沸騰させて作りましょう。沸騰してから10分~15分ほど火にかけてから、お茶パックを入れるようにしてください。

軟水のミネラルウォーターで作る方もいらっしゃいますが、水道水でも構いません。しかし水道水にはカルキ(塩素)が含まれるので、しっかり沸騰させてください。

薄める水も一度沸騰させる

赤ちゃんの麦茶を薄める時も一度沸騰した水を使用してください。
ウォーターサーバーがあるお家なら、水やお湯などを麦茶を入れた哺乳瓶やマグにそのまま注いで、温度を調整すればOKです。

3.麦茶は人肌程度に温めてから与える

麦茶も粉ミルクと同じように、人肌程度に温めてからあげるようにしましょう。麦茶そのものは冷蔵庫から出したものでも構いません。薄める際に沸騰させたお湯を注ぐと、自然と温度調整ができます。

冷たい麦茶をそのまま与えてしまうと、消化に負担が掛かりますし、体も冷えます。下痢を引き起こす恐れもあるので、注意してください。

4.はじめはスプーン1さじから与えよう

スプーンを口にくわえる赤ちゃん

麦茶を初めて飲ませる時は、スプーンですくって与えましょう。
まだ飲みたそうにしていれば、少しずつ量を増やしてください。

スプーンに慣れたら、哺乳瓶に切り替えましょう。ミルクを飲んでいる赤ちゃんはスムーズに飲めますし、完全母乳の赤ちゃんでも、徐々になれるはずです。

月齢によっては、スパウトマグやストローマグに切り替えても良いでしょう。

5.麦茶は新鮮なものを与えよう

赤ちゃんに飲ませる麦茶は、できるだけ24時間以内に作ったものにしましょう。煮だして作った麦茶は冷ましてから、清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存してください。

哺乳瓶やマグへの麦茶を入れる場合は、雑菌が繁殖する可能性があるので、数時間ほどで洗浄し、入れ替えましょう。

赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない時の対処法

赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない時には、どのような理由が考えられるのか、理由に合わせた対処法を紹介します。

赤ちゃんが麦茶の味を嫌がっているのか、それとも母乳やミルク以外の飲み物を飲むのに慣れていないだけなのか、観察してみましょう。

麦茶の与え方を「哺乳瓶」「マグ・ストロー」で柔軟に使い分ける

完全母乳育児の赤ちゃんは、哺乳瓶の吸い方が下手なことも珍しくありません。
また、ミルク育児の赤ちゃんでも、哺乳瓶から切り替えたばかりの頃は、スパウトマグやストローが上手に使えないこともあります。

母乳栄養中心の赤ちゃんは、スプーンで麦茶を飲ませつつ、少しずつ哺乳瓶やマグの使い方を教えてあげましょう。

ミルクで哺乳瓶に慣れている赤ちゃんは、マグやストローにこだわらず、哺乳瓶に戻してもOKです。成長するにつれて自然と使えるようになるので、長い目で見守ってあげましょう。

カフェインが含まれない他のお茶を試してみる

赤ちゃんが麦茶の味を嫌がっているようなときは、カフェインの含まれていない別のお茶を与えてみましょう。おすすめは、ルイボスティーです。鉄分やミネラルも豊富ですし、麦茶とはまったく味が違います。

ルイボスティーを与える際も、麦茶と同じように薄めて、人肌程度に温めて飲ませてください。ルイボスティーはまティーバッグでもよく販売されていますので、少量から試しやすいはずです。

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どうしても麦茶を飲まない時は無理強いしない

哺乳瓶からミルクを飲む赤ちゃん

飲むためのグッズにも問題がない、ルイボスティーなどの他のお茶にも興味を示さないのなら、無理強いせずに母乳やミルクを与えてあげましょう。赤ちゃんにとっては母乳やミルクが1番おいしく、今は他の飲み物に興味がないのでしょう。

離乳食が進むにつれ、しだいに食への興味が沸き、麦茶も飲むようになります。生後6ヶ月過ぎの麦茶はあくまで離乳食の練習の1つですから、しっかり水分補給ができているなら心配する必要はありません。

なぜ?麦茶を飲ませたら赤ちゃんのお腹の調子が悪くなった

もし麦茶を飲ませた後に、赤ちゃんのお腹の調子が悪くなったら、以下のような原因が考えられます。必ずしも麦茶が原因とは限りませんが、思い当たることがないか確認しましょう。

水道水のカルキ抜きがしっかりできていなかった

下痢の原因は、水道水を使ったからかもしれません。水道水はしっかり沸騰させないと、雑菌が死滅せず、赤ちゃんの消化器官に負担をかけてしまいます。

ミネラルウォーター・ウォーターサーバーも要チェック

ウォーターサーバーとペットボトルのイラスト

ペットボトルやウォーターサーバーの水、スーパーなどでもらえる水で赤ちゃんの麦茶を作っている方もいらっしゃるでしょう。その水は間違いなく『軟水』でしょうか?もし赤ちゃんに『硬水』を飲ませている場合、すぐに軟水に切り替えてください。

硬水はカルシウムやマグネシウムなどのイオンが多く含まれている水です。赤ちゃんにとって硬水は消化されにくいため、臓器にとどまり下痢を引き起こしてしまいます。

ちなみに赤ちゃんが飲める硬度は60以下です。しっかり確認してから麦茶を作りましょう。

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麦茶が古かった・雑菌が繁殖していた

麦茶が古かったり、哺乳瓶やマグなどに麦茶を入れっぱなしにしていたことで、雑菌が繁殖した可能性もあります。

大人が飲んで平気なものでも、赤ちゃんは下痢を引き起こすことがあるので、麦茶は24時間以内に作ったものを与え、哺乳瓶やマグの洗浄・殺菌は忘れずに行いましょう。

麦茶が冷たかった

大人が美味しいと感じる温度は、赤ちゃんにはだいぶ冷たいはずです。しっかり人肌に温めた温度の麦茶を与えてあげましょう。

冷たい麦茶を与えても良い時期は離乳食が進み、胃腸もしっかりてきてからです。生後8ヶ月〜1歳頃なら、少量ずつ与えても問題ありません。が、それ以前の赤ちゃんにとってはやはり冷たい水は負担がかかります。

麦茶が濃かった

薄めていない麦茶は、下痢を引き起こす可能性があります。
飲んだからといって、栄養的に害があるわけではないのですが、赤ちゃんにとっては刺激が強すぎるために体が驚いてしまい、拒否反応を示すのです。

赤ちゃんの麦茶デビューは焦らずゆっくりと

赤ちゃんにとって麦茶は、絶対に必要なものではありません。離乳食が始まってから、少しずつ飲めるようになれば大丈夫です。

離乳食での麦茶には、食後に口の中を清潔に保つ効果も期待できます。また、紙パックの麦茶などは外出時にも便利です。

赤ちゃんの成長に合わせて、上手にノンカフェインの麦茶を活用していきましょう。