海外の離乳食事情がおもしろい!18か国のベビーフード
生後6ヶ月頃になるといよいよ離乳食が始まります。赤ちゃんのお世話に加えて離乳食の準備をするのはママにとっては大変ですが、それまで母乳やミルクのみで育っていた赤ちゃんが「食べるトレーニング」を通し、だんだんと食べられるものが増えていく成長の様子はママにとって楽しいものでもあります。
日本では、最初は10倍がゆから始めて、少しずつと野菜や魚・肉を加えていく離乳の方法が普通ですが、それはもちろん世界共通ではありません。海外のママは赤ちゃんにどんな離乳食をあげているのでしょうか?
海外の赤ちゃんは何を食べているのか気になる!
海外では日本とは食文化が異なりますが、それはもちろん離乳食といえど同じこと。海外の離乳食と日本の離乳食、なにが同じでなにが違うのでしょうか?
海外でも離乳食の最初は「お粥」が多い!
日本では、離乳食で最初に使う食材といえば、お米ですよね。まずは10倍粥から始めますが、お米のお粥が一番一般的です。
お米・お粥での離乳スタートはアジア圏ではスタンダード
海外でも、最初の食材はお米、という国は多いようです。特に、中国、韓国、インドネシア、フィリピンなど、アジアの国々はお粥から始めることがほとんど。
ただし、国によってお米の種類やお粥の原料に違いが見られインドでは細長いインディカ米を使ったり、お米以外にも小麦粉や豆などの食材でお粥にすることもあります。また同じお粥でも、砂糖を入れたりミルク粥にしたり…と調理法も異なります。
欧米のお粥
欧米では、ドイツではジャガイモ、イタリアはデュアルセモリナ粉、オランダではライ麦などを使ってお粥にしたり、マッシュしたものをミルクで溶いたり、ところによってさまざまです。
フランスでは野菜が最初に使われることが多いようですが、それはフランス人の主食であるパンは塩分やバターを含んでいるため後期まで与えられない、という理由のため。
アフリカ・南米のおかゆ
アフリカや南米では、豆やトウモロコシの粉を溶いたものを最初に食べさせる国もあります。
このように最初に赤ちゃんに与える食材は国により異なりますが、基本はその国の主食から始めることが多いようです。長い間、その国や民族の主食として食べられてきた食材は、アレルギーの可能性も低くなるので、赤ちゃんに最初に食べさせる離乳食の食材として理に適っていると言えます。
離乳食に使う食材がだいぶ違う
筆者はオーストラリアで子育てをしてきたのですが、そこで感じたのが、離乳食の特に初期に用いる食材のフルーツの多さ!バナナやリンゴは日本でもよく使われますが、洋ナシ、メロンなどの甘味が強いフルーツだけでなく、アボカド、マンゴー、パパイヤなど日本では赤ちゃんの離乳には使わないトロピカルフルーツもよく使われていました。
市販のベビーフードでも同じことで、4ヶ月~6ヶ月の初期のベビーフードは、リンゴや洋ナシに加え、マンゴーやアプリコットなどのピューレが多くみられます。特に東南アジアや比較的暖かい地域の欧米諸国でフルーツを多用する傾向があります。そのほかには、グリーンピースやビーツも良く使われます。スクオッシュと呼ばれる小さなウリ科の野菜なども離乳食の代表的食材で、これは日本のスーパーではあまりみかけない野菜ですね。
魚系の食材は少ない?
日本では、おかゆ、野菜の次は、最初のタンパク質として白身魚を始めることが多いと思いますが、海外では離乳食に魚を食べさせる国は多くありません。東南アジアの中には離乳食に魚を使う国もありますが、日本のように新鮮な魚が手に入る国は世界中をみても少ない、というのが理由のようです。
ベジタリアン(菜食主義者)の離乳食
海外では日本と比べると、菜食主義者の比率が比較的高い傾向にあります。ベジタリアンの親を持つ赤ちゃんは、どんな離乳食を食べているのでしょうか?
両親ともにベジタリアンでも赤ちゃんには通常食を離乳食として与えるケースは多いようですが、イギリスなどのベジタリアンが多い国では、赤ちゃんからベジタリアンとして育てたい人向けの離乳食指導があります。
ベジタリアンとして離乳をスタートさせるときは、不足しがちなタンパク質や鉄分を多く含む食材を積極的に与えなければいけません。タンパク質を含む食材には、大豆やその他の豆類、ヨーグルト、チーズ、鉄分を含む食材として大豆や青菜類を、その鉄分の吸収を助けるためにビタミンCが豊富な食材とともに与えます。
「ビーガン」と呼ばれる、卵も乳製品もNGとする徹底的なベジタリアン赤ちゃんには、発育へ影響を及ぼさないよう、サプリメントを利用したり医師の指導の下に離乳食をあげるように指導されます。
手作り派かベビーフード派かも国によって違う!
離乳食は手作りがスタンダードな国
世界広しといえども、赤ちゃんのために一日3食離乳食を手作りしてあげるママがいるのは日本くらい。日本の本屋さんに並ぶ離乳食のレシピ本の数と種類の豊富さは驚きですが、海外の国に目を向けてみると、お隣、韓国も離乳食に手をかけるママが多いようです。
韓国は日本以上に健康志向が強く、また子供の教育にも手をかける風潮の濃い国であるため、離乳食も手作りをこなすママが多いそう。欧米諸国では、美食の国フランスやイタリアが、比較的、離乳食を手作りする傾向をもつ国といえそうです。
離乳食は簡単に!ベビーフードが主流の国
その他の欧米諸国、先進国や共働きが多い国では、市販のベビーフードが主流。「離乳食=瓶詰のベビーフード」という国も少なくありません。赤ちゃんの離乳食を全部市販のベビーフードにしていたら、日本では手抜き扱いされてしまいそうですが、もちろんそれらの国ではそんな感覚はありません。
「離乳食」自体がない国も
また、アジアやアフリカの一部の国では、「離乳食」という概念自体がなく、大人のものを与えているところも多いよう。大家族で赤ちゃんのためだけに時間もさけず、ママに限らず家族の中であげられる人があげる、という生活スタイルによるものといえます。
海外の離乳食はいつから?
ほとんどの国では5~6ヶ月から始めるのが一般的なようですが、国や地域により、または年代によりその基準には微妙な差が。先進国では早めに始める傾向が、途上国では母乳の時期が長い傾向にあります。
タンザニアでは生後3ヶ月頃から離乳食を開始することも!離乳食はミルクよりも腹持ちがよく、お腹をいっぱいなると赤ちゃんがよく寝るというメリットはありますが、最近では早すぎる離乳食が食物アレルギーを引き起こす懸念もあることから、赤ちゃんの消化器官の発達を考慮しWHOは「生後6ヶ月までは離乳食を始めないように」と指導しています。
日本とオーストラリアの離乳食事情を比較してみよう!
筆者は3人の子供がいますが、全員、オーストラリアで生まれました。仕事のため生後3ヶ月から保育園に預けていたので、離乳食は手作りもしましたが、やはり市販のベビーフードにもずいぶん助けられました。ここではその経験から、オーストラリアの離乳食事情について日本の離乳食と比較しつつご紹介します。
オーストラリアの離乳食の特徴
主流はベビーフード
オーストラリアでも、基本はアメリカやヨーロッパ諸国と同様、離乳食といえば市販のベビーフードが主流です。スーパーマーケットの売り場には生後4ヶ月用から1歳過ぎ用までのベビーフードが並んでいます。
ベビーフードの食材は、初期はフルーツのピューレが主で、6ヶ月以降は野菜や肉を柔らかく煮てソースで和えたものが多くなります。変わりどころでは、初期からカスタードなどのデザートのようなものがあったり(甘さは控えめですが、日本では離乳中期から与える食材である「卵」が入っている)、ラム肉もよくベビーフードに使われています。
■典型的なベビーフードはこんな感じ
- 4ヶ月~
フルーツピューレやカスタードなど。食べさせやすいレトルトパウチ入りが主流。
ライスシリアルと呼ばれるお米をサラサラのパウダー状にしたものは、母乳や粉ミルクで溶いてペースト状にして与える。ライスシリアルには鉄分が配合されているので、鉄分補給の意味合いも。 - 6ヶ月~
肉と野菜をピューレ状にしたものが多い。レトルトパウチと瓶詰がある。
パウダー状にしたミューズリーもよく使われる。 - 8ヶ月~
肉・野菜入りパスタをトマトソースかクリーム系ソースで和えたものや、ラムキャセロールなどベビーフードのメニューも多彩になる。赤ちゃんが手で持って食べられるビスケットもあるが、折れて喉に詰まらせないようにとても固い。
一応、赤ちゃんの大体の月齢に応じたベビーフードのラインナップとなっていますが、月齢が上がるとパスタなどの食事系が増えるだけで、食感や固さなどはあまり違いがないかも…。こだわり派のママは手作り…というよりオーガニックなベビーフードを選んでいるようです。
■ベビーフードは味がない?
オーストラリアのベビーフードは、お世辞にもおいしそうとは言えない匂いがします。
基本は、瓶を開けあたためずに冷たいままあげますが、それではなんだかかわいそうな気がして少し温めてからあげてみましたが、温まると余計に微妙な匂いが…。味も、薄味というより全く味付けされていないようで素材の味そのままです。
日本の市販のベビーフードは、薄味ながらもだしやスープが効いていていい匂いがするし、さすがは日本、と感心しました。ベビーフードを食す側のご本人たちも、我が家の赤ちゃんの場合はやはり日本のベビーフードが好きなようで食いつきがよかったです。
ベビーフード以外にはヨーグルトや野菜スティックも
市販のベビーフード以外では、赤ちゃんでも食べられる食材をそのままあげることが多いようです。
便利で栄養価も高いので人気があるのが、ヨーグルト。6ヶ月からあげられる赤ちゃん用のヨーグルトも売られていて、そのまま与える他ちょっと手をかけるときはミューズリー(ドライフルーツやナッツの混ざったオートミール)と混ぜたりします。味は日本のヨーグルトにくらべ甘めです。
■オーストラリアのママ達はおおざっぱ?
8、9ヶ月になると、生のニンジンなどの野菜スティックを持たせているママを多くみかけます。生のままだとのどに詰まらせないか心配になりますが、ゴホゴホ咳込みながらも食べていて、ママたちもあまり気にしていないようです。
離乳食の開始時期
オーストラリアでは、昔は離乳食は生後4ヶ月から始めるのが普通でベビーフードも4ヶ月から与えられる風に表記はされているものの、最近では食物アレルギーの懸念から6ヶ月を過ぎてから始めるようにと小児科医から指導されます。
生後6ヶ月までは母乳(またはミルク)のみで必要な栄養が摂れるので、それ以外のものを消化できるようになる6ヶ月過ぎまではほかのものを与えるべきではないという考えが浸透し広まっていて、湯冷まし、果汁、麦茶もNGと言われることも。
■アレルギー意識は高く「避ける食材」はたくさんある
オーストラリアではアレルギー意識が総じて高く、ピーナッツはもちろんのこと、イチゴもアレルギーがおこりやすい食品なので1歳過ぎまでは与えないように…と育児書には書いてあります。
ブロッコリーもお腹にガスが溜まりやすいので使わないほうがいいということも。日本ではイチゴやブロッコリーを使った離乳食レシピも見かけますので、離乳食もところ変われは違うもの…なのかも知れませんね。
日本の離乳食の特徴
当たり前と思っている日本の離乳食の常識。改めて、どんな特徴があるのでしょうか?
特徴1.日本は離乳食を手作りをするママが多い!
日本の離乳食の一番の特徴は、なんといっても離乳食を手作りするママやパパが多い傾向にあること。子育て雑誌やクッキングサイトを見ても、離乳食のレシピがたくさん載っていて、離乳食作りに便利な道具もたくさん売られていますよね。
赤ちゃんの一日3食全ての食事を手作りする人も多く、日本のママたちが手作りの食事に「食の安全」や「赤ちゃんの健康」を見出している様子がわかります。
■手作りママが多い理由
なぜ日本ではこんなにも離乳食に手をかけるのでしょうか?
日本はもともと食材が豊富なのに加え、調理法も多彩で、普段から和・洋・中といろいろなものを食べる文化があるから。また、子供の乳幼児期に家にいるママが諸外国と比べて多いこと、安心・安全の面からも手作りを好む風潮があることなどが、日本のママが離乳食作りに熱心である理由といえそうです。
特徴2.月齢に合わせて進める
もうひとつの大きな特徴は、「赤ちゃんの月齢に合わせて、少しずつ丁寧に離乳食の段階を進めていく」こと。5~6ヶ月はゴックン期、7~8ヶ月はモグモグ期、9~11ヶ月はカミカミ期、12ヶ月以降はパクパク期と、離乳食の段階を細かくステージに分け進めていく方法は実は日本ならではのもの。
特に離乳を初めて1日目と2日目はトロトロの10倍がゆを1さじ、3日目は2さじと徐々に量を増やしていき、2週間ほどたったところで野菜を追加して・・・と、少しずつ赤ちゃんの様子を確認しながら慣らしていき、赤ちゃんの慣れや顎や舌の発達の具合を尊重しながらだんだんと食感のあるもの、固さのあるものへと移行していきます。日本では当たり前のように行われていますが、この細やかさは、海外の他の国の離乳食ではなかなかみられません。
特徴3.豊富な食材と調理法のバリエーション
日本の食事は、もともと季節感や旬も大切にし、海と山に囲まれているため食材も豊富。さらに一般家庭での調理法も、煮たり焼いたり揚げたり、数え切れないほどの種類があり、テレビ番組も料理番組がとにかく多い!…と「美味しい食事」へのこだわりはなみなみならぬもの。
それは離乳食にもしっかり反映されていて、育児雑誌に載っている離乳食レシピを見ると、「ふわふわ豆腐のお好み焼き」「挽肉と野菜のとろとろあん」「さつまいものほくほく蒸しパン」など、大人でも食べたくなるようなメニューがたくさんあり、食事へのこだわりを持てる環境に恵まれた国であることがわかります。
日本の離乳食には良く登場する「きなこ」や「しらす」、「ひじき」などといった食材は、栄養満点ですが海外ではあまり見かけない日本ならではの食材。納豆やお魚など豊富な食材を率先して離乳に取り入れるのも日本の離乳食の特徴といえるでしょう。
特徴4.「安心・安全」ならまかせて!市販の離乳食が日本のママをサポート
とはいえ、日本でもワーキングママが増えたこともあり、外出用や忙しいママの負担を軽くするために市販の離乳食もよく利用されるようになってきました。
スーパーのベビーフード売り場に行くと、瓶詰、カップ容器、レトルト、フリーズドライなど、さまざまな種類の離乳食が並んでいますが、手作り重視のママが多い日本のマーケティングだからこそ、でしょうか?どれをとっても国産原料や無添加、無農薬にこだわった商品だらけ!
ベビーフードを製造するメーカーが運営する「日本ベビーフード協議会」による自主規格に沿って製造されているので、安心して赤ちゃんに与えることができます。
ベビーフードは塩分や調味料などはごく少量しか入っていませんが、日本のベビーフードはだしの旨味を生かすことで、薄味でもおいしく食べられるように作られています。そのまま与えるだけでなく、他の食品をプラスしてアレンジすることもできるので普段の離乳食にも賢く利用したいですよね。
世界18各国の離乳食を見てみよう!
世界のいろいろな国では、どんな離乳食をあげているのでしょうか?面白い離乳食をあげている国もたくさん!18か国の離乳食事情を覗いてみましょう。
アメリカの離乳食
アメリカでは、離乳食といえば瓶詰のベビーフード。手作りをするママはほとんどいないようです。ベビーフードの種類も果物系、野菜系、肉系と豊富にそろっていて、アメリカのスーパーではベビーフードの売り場面積もかなり広くとられています。
離乳初期は、ライスシリアルを粉末状にしたものをミルクで溶いてお粥状にしたものを与えます。
フランスの離乳食
フランスでは、離乳食は淡色野菜からのスタートが基本。「パスティナーケ」という白いニンジンに似た野菜がよく使われます。これをポタージュにして哺乳瓶であげるという驚きの方法で。
8ヶ月以上の赤ちゃんにはフランスパンを長めにちぎってあげることで、歯が丈夫な子供に育つと言われています。固そうですからね!グルテンアレルギーの人が多いフランスでは、グルテンが多く含まれるお米は8ヶ月までは与えないようにと指導されます。
大人同様、ランチに重きが置かれているのもフランスの離乳食の特徴。市販の離乳食には、タラとアーティチョークのペーストなどというグルメな一品も。さすがは美食の国フランスですね。
イタリアの離乳食
イタリアでは、最初の食材として、デュラムセモリナ(パスタの原料となる種の小麦)の粉をミルクで煮たものを与えます。
以降は赤ちゃん用のちいさなつぶつぶのパスタを野菜スープに入れるなどして与えますが、イタリアでは離乳食にもオリーブオイルとパルメザンチーズが必須。できあがった離乳食の上にオリーブオイルとチーズをかけて食べます。離乳食材にズッキーニが多用されるのもイタリアらしいですね。
ドイツの離乳食
ジャガイモをよく食べるドイツでは、離乳食もミルクで溶いたマッシュポテトから始めます。
しかし近年のドイツでは、「1歳までは塩を一切使ってはいけない」と厳しく指導されるため、小児科医からは、安全のために手作りではなくむしろ市販のベビーフードを使うようにいわれることも。パンも塩分が含まれているために8ヶ月までは与えてはいけないといわれるようです。
オランダの離乳食
「パプ」と呼ばれるオートミールのようなものが最初に使われます。
その後は、精製していない小麦粉を使用したパンにチーズ、レバーペースト、ピーナッツバター、マーガリンなどをつけて与えます。
アイルランドの離乳食
アイルランドではなんと、炭酸飲料のセブンアップの炭酸が抜けたものを赤ちゃんに飲ませる習慣があるよう。何故、セブンアップ…いくらところ変わればとはいっても、これにはちょっとビックリですよね。他にはビスケット等が主に離乳食として使用されるようです。
離乳食のみに留まらず、アイルランドの育児は離乳食以外にもいろいろとハードモード。
なかでも発熱の対処法は「体を冷やすこと」で、乳幼児であろうがそれは「水浴び」という形で行われる模様…アイルランドの見方が変わりそうですね…。
中国の離乳食
中国では、お粥に肉のでんぶをトッピングしたものが一般的。中国では離乳期が長いのが特徴で、日本のようにステップはふまずに、トロトロ状のものを離乳開始から半年くらい与え続け、1歳を過ぎたら大人と同じ食べ物に移行するようです。
卵を早くから与えるのも中国の離乳食の特徴。最初は、水で溶いたゆで卵の黄身を与え、その後全卵に以降します。中国では共働きが多いことから、最近はベビーフードの利用が急激に増えています。
香港の離乳食
香港では中国本土とは異なり、市販のベビーフードはあまり利用されておらず、大人のスープやお粥を離乳食として与えることが多いそう。特に様々な具材を煮込んだスープは栄養満点なので、赤ちゃんの離乳食もスープから、という文化が根付いているようです。
韓国の離乳食
韓国でも日本と同様、離乳食はお粥が基本。
他にはワカメ、緑豆、ピーナッツなどの食材がよく使われます。日本と違うのは、離乳食開始3日目から、鉄分補給のために牛肉を与える(小さく切って柔らかく煮たものをお粥に加える)など、早くから動物性の食材を用いるところにあります。だしも、牛肉や鶏肉からとることが多い韓国料理らしいですね!
韓国料理に欠かせないにんにくは離乳食後期から徐々に使い始め、キムチは1歳過ぎから、水洗いをして辛みをとって与えるそう。
タイの離乳食
タイでは、生後3、4ヶ月からと早い時期に離乳食を始めます。
タイで離乳食といえばバナナをつぶしたもので、「ナームワー」とよばれる離乳食に適した種類のバナナがあるそう。その後お粥を与えます。市販のベビーフードはほとんど使われないようです。
インドの離乳食
インドでは、「ダール」という豆をドロドロにしたスープや「パニール」というカッテージチーズのようなものが多く使われています。
インドでも離乳期にお粥のメニューはありますが、インドのお粥は、細長いインディカ米をミルクで煮て砂糖をたっぷり入れたものに、サフランやアーモンドパウダーなどのスパイスを加えたもの!
離乳食期から徐々に香辛料の種類を増やしていき、1歳を過ぎたら普通にカレーが食べられるようになるようです。日本人から見ると、食の英才教育かのように見えますね!
フィリピンの離乳食
フィリピンでは、1週目はお粥などの炭水化物、2週目にお粥に肉や魚のタンパク質を加え、3週目は塩、4週目にはニンニクと、ものの一ヶ月でニンニクまで進んでしまうという離乳食の進み方の早さが特徴。
生後10ヶ月でほぼ大人と同じものを食べられるようになるようです。そのほか、ヤムイモやフルーツもよく使われています。
カンボジアの離乳食
カンボジアでは「離乳食」という概念がなく言葉すら存在しないそうで、しいていえば、カンボジア人の主食であるお米のお粥に、白身魚や干し魚、野菜を入れたものを与えています。
シンガポールの離乳食
シンガポールは、国自体が中華系、マレー系、インド系と多民族国家であるため、離乳食も家庭によってそれぞれ違うのが大きな特徴。スーパーのベビーフード売り場でも、欧米系のもの、日系のもの、ローカルのものと、いろいろな種類のものが置かれています。一度見てみたい!
モンゴルの離乳食
モンゴルでは離乳食の準備として、生後2、3ヶ月から羊の脂をなめさせるそう。その後、「カーシャ」とよばれるセモリナ粉を牛乳で煮て砂糖とバターを加えたものや、お米の甘いミルク煮、肉のスープ等を与えます。
赤ちゃんの歯がため代わりに肉のかたまりをかじらせるというのが、遊牧民族モンゴルらしいですよね。
アフリカの離乳食
アフリカと言えど色々な国があるわけで…
エチオピアでは、主食である「インジェラ」とよばれるクレープのようなエチオピア料理があるのですが、それに使用するトウモロコシや大麦などを混ぜた「テフ」という粉を粥状にしたものを離乳食として与えます。
タンザニアでは「ウジ」と呼ばれるトウモロコシの粉の重湯を、ケニアではアボカドやパパイヤなどをそのまま(!)あげることが多いようです。
南米の離乳食
ブラジルでは、離乳食は豆のお粥やスープから始めます。
果物が豊富なブラジルでは、バナナ、パパイヤ、オレンジ、パイナップル、柿、桃、ぶどう、スイカなど、ありとあらゆる果物も離乳食として使われます。
メキシコではトウモロコシの粉を水かミルクで溶いたものを与えます。
たまには海外風を採用してみるのもアリ!?
日本では当たり前のように6ヶ月を過ぎたら始める離乳食、日本のママたちは3食手作りでいろいろな味や食材に慣らしてあげようとがんばる人も多いですが、世界を見渡してみると、実にいろいろですね!
日本ではアリエナイ食材を離乳食に用いても、その国のその民族の遺伝等の関与するところも大きいために赤ちゃんは無事であると考えられますが、市販品に頼っていても、ステップを踏まなくても、往々にして赤ちゃんが元気に育っているところをみると…細かいところはそんなに気にしなくてもいいのかもしれません?!
日本のママも、たまには肩の力を抜いて、味も品質もよい日本のベビーフードも上手に取り入れてみましょうか!?ママが笑顔で、赤ちゃんと毎日の食事を楽しめたらいいですね。