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パラシュート反射と発達の関わり

パラシュート反射とは?運動発達との関係、しない時の確認

パラシュート反射とは赤ちゃんがつかまり立ちやつたい歩きをする頃に現れる、身を守るために必要な反射です。赤ちゃんの発達とも密接な関わりがあります。もし赤ちゃんがパラシュート反射をしない場合はどうしたらいいのでしょうか?パラシュート反射の確認方法や発達の見守り方を解説します。

パラシュート反射とは?運動発達との関係、しない時の確認

パラシュート反射と赤ちゃんの発達の関係

生まれたての赤ちゃんがお腹の外で生きていくときに欠かせない動きとして様々な「反射」があります。「反射」は外の世界で生き残るために人間に備わっているもので、赤ちゃんの発達を見ていく際にも非常に重要です。

赤ちゃんの反射には大きく2種類があります。一つは「原始反射」、もう一つは「姿勢反射」です。
原始反射とは意識的ではない、無意識に起こる反射のことであらゆる刺激に対して反射の動きが見られます。代表的なのが新生児期に見られるモロー反射ですね。
一方の姿勢反射も、意識的ではないけれども身体の姿勢を平衡に保とうとする働きから身体を調整しようとする反射のことを指します。「パラシュート反射」は姿勢反射のひとつとされています。

今回は「パラシュート反射」と赤ちゃんの発達について見ていきましょう。

パラシュート反射とは?開始・消失時期や確認方法

仲良く並んだ双子の赤ちゃん

パラシュート反射とはどのような反射なのか、詳しく見ていきましょう。

原始反射と姿勢反射の違い

赤ちゃんの原始反射と姿勢反射の違いを見ていきましょう。

原始反射=1歳頃に消失

原始反射は脳幹が司っている一連の自動運動です。生まれて間もなくから1歳になるころまでに、本人の意図に関係なく感覚刺激に反応て身体が動きます。10種類ほどの反射運動が次々と順序よく赤ちゃんに見られるようになります。そして役目を果たすと次第に弱くなっていくのが特徴で、だいたい1歳を過ぎる頃に消失します。この原始反射が現れることで、赤ちゃんの筋緊張が整い中枢神経が発達します。

新生児の反射まとめ|反射の種類・消失時期・異常反応
新生児の反射まとめ|反射の種類・消失時期・異常反応
新生児の反射運動には様々な種類があり、初めて子育てをされるお母さんは「これ正常なの?」など戸惑うことも多いはずです。そんなお母さんに向けて赤ちゃんの反射の種類や消失時期、異常反応について解説します。

姿勢反射=一生消えない反射

姿勢反射は先の原始反射が消えていった後に現れてきます。そして一生涯消えない反射として人間が安全に生きていけるよう支えてくれます。
この反射があることで、姿勢や動作がスムーズになり自分で自分を守ることが可能になるのです。老齢になっていくとこの姿勢反射も弱まり、原始反射が再び活性化し生涯を終えていくとされています。

パラシュート反射とは?

ママの手を握りしめ安心する赤ちゃん

パラシュート反射とは、姿勢反射のひとつで両脇を支えたまま赤ちゃんをうつ伏せの状態から抱き上げたまま水平に保ち、急に頭を下げた時に赤ちゃんが両手を広げて身体を水平に支えようとする反射のことを言います。また座ったままの状態から後方や横に倒れる際もおなじように両手を広げて自分の身体を支えようとします。

パラシュートで降りて来る人が両手を広げて、または両脚を広げて身体を支える姿から「パラシュート反射」と呼ばれているようです。自分の身体が転んだり倒れたりして地面に近づく時にはとっさに腕を前に出して手を付いて身体を守るといった行動が出来るようになる元の反射ですね。

赤ちゃんがつかまり立ちやよちよちと歩きだした時に、頭の重い赤ちゃんはすぐに転んでしまいますがそんな場面でも即座に手を前に出すという指令を出すのですね。このようにして、自己防衛を覚えていきます。

パラシュート反射はいつからいつまで見られるの?

ママの愛情たっぷりに育てられた赤ちゃん

パラシュート反射が見られる期間はいつからいつまでなのか、見ていきましょう。

パラシュート反射の開始時期

パラシュート反射が見られる時期はだいたい生後8ヶ月~9ヶ月頃です。
赤ちゃんの大脳皮質中脳の発達が現れる頃で、パラシュート反射の動きが見られるようになります。この反射と運動神経の発達が進むことで、より自分で自分を守れるようになるのです。転んだ時にとっさに手を付けるのはこのパラシュート反射からなのですね。この反射が見られたら、もうつかまり立ちやつたい歩きが出来る時期が来たというサインでもあります。

パラシュート反射が消失する時期

このパラシュート反射は一度見られると消失しないとされています。大人になっても、転んだり倒れたりする場面でとっさに手を付いて身を守るといった大事な行為としてずっと残っていくものなのです。よって、赤ちゃんの時に現れて身に付いたパラシュート反射はずっと一生涯使っていく反射行為です。

パラシュート反射の見られない赤ちゃんは問題があるの?

うつ伏せを覚えて得意げな赤ちゃん

生後8~9ヶ月を過ぎてもパラシュート反射が見られない赤ちゃんもいます。しばらくは様子を見るようにしましょう。パラシュート反射が今後も見られない場合、大脳皮質中脳の発達遅れや脳性麻痺などの可能性も考えられますが、この段階で異常を診断することは出来ません。

10ヶ月検診での「パラシュート反応」チェック

乳児10ヶ月検診で、小児科医師による神経発達の異常有無を診る為に「パラシュート反応」を診る検診が実施されます。
小児科医師が赤ちゃんの両脇を抱えて持ち上げます。上半身を頭から落下させるようにした際に、とっさに腕が伸びて手が開いて身体を支えようとする姿勢をとるかどうかをチェックします。つかまり立ちやつたい歩き、よちよち歩きなどで転んでしまう場面で、赤ちゃんが反射的に腕をパット前に伸ばして自分を守れるようにとっさに手を開けるかどうかがポイントです。

診断の緊張感や恐怖感から赤ちゃんが泣いてしまい、腕をギュッと身体に寄せ縮めているために、パラシュート反射が見られないこともあります。赤ちゃんが慣れた頃に状況を整えて再度検診してもらうと、反射がみられることもあります。

この検診時に、何回試しても反応が出ない場合は医師からしばらく経過観察が必要と告げられます。しかし、まだ反応が出なくてもゆっくり様子を見ていけばよいでしょう。

赤ちゃんと遊びながらパラシュート反射を見る方法

反射的にママの指を握る赤ちゃん

なかなかパラシュート反射が見られなくも心配する必要はありません。発達がゆっくりな赤ちゃんもいますから、焦らずに赤ちゃんと遊びながら反射の現れを待ってあげてください。うつ伏せの状態の赤ちゃんを後方から抱き上げて、全面をしっかりと支えながらそのまま地面に着地するように全身を降下させてみましょう。遊びながら楽しくやってみるのが良いですね。飛行機ごっこなどとすると親子で楽しめるのではないでしょうか。

赤ちゃんの運動や反射にも得手不得手がありますから、パラシュート反射がなかなか見られなくてもふとした時に見られることもありますし、様々は反射行為のうちの一つと考えてトータルで身体を守られる行為が出来ればあまり心配はいりません。
パラシュート反射は本来人間に備わっているものなので、訓練やサポートによって出てくるものでもありませんので、ゆったりと構えることが大切です。

反射は発達の大切な指標。だけど焦りは禁物!

赤ちゃんの発達と赤ちゃんに見られる反射には、大きな関係があることが分かりましたね。
パラシュート反射は赤ちゃんに見られるようになってから、一生涯消失することがなく持続する反射で、人間が自分で自分を守る大事な反応です。未熟な赤ちゃんがママのお腹の外で生き抜くために必要な反射のうちの一つです。

ただパラシュート反射も発達の目安の一つですから、乳児健診時にたとえ反射が見られずに要観察などと告げられたとしても今しばらくゆったりと構えて赤ちゃんの発育を待ってあげてください。と同時に、赤ちゃんの反射は今後の発達にとても重要な指標になるということも認識しておくことが大切です。

乳幼児の発育状態に応じた保育の在り方がありますから、気になる場合には専門家に相談して赤ちゃんに適したケアを施すようにしてください。