育児・お世話

予防接種後の発熱への対処法

予防接種後の発熱は心配無用?ワクチンの副反応への対処法

予防接種後に発熱!?赤ちゃんを病気から守り、重症化を防ぐための予防接種ですが、時には接種後に副反応を起こし発熱してしまうこともあります。万が一発熱したらすぐに病院を受診するべき?解熱剤の使用は?発熱しやすいワクチンの種類や特徴もご紹介。副反応が起きても慌てなくて大丈夫!

予防接種後の発熱!これって普通のこと?

赤ちゃんの健康を守り、病気による重症化を防ぐためにも必要な予防接種。
しかし、予防接種が必要だということはわかっていても、予防接種をした後に赤ちゃんが発熱したという話を聞いたことがある人もいるでしょう。実際、予防接種後に発熱したり、体調が悪くなる子は少なくありません。予防接種をして体調を崩すなんて、それなら受けない方が良いの?と考えたくもなりますが、そんなことはありません。でも、やっぱりママたちは不安ですよね。

予防接種を受けたときに発熱する原因、体調が悪くなりやすいのはどんなときなのか、もし予防接種後に発熱したり、異変があったらどう対処するべきなのか、正しい知識を身に着けることで落ち着いて予防接種を受けられます。

予防接種の副反応とはどんな症状?

予防接種を受けたあとに体調が悪くなったり、発熱したりすることを「副反応」といいます。全く副反応が現れない赤ちゃんもいれば、副反応が現れやすい赤ちゃんもいるようです。少し怖いかもしれませんが、副反応はしっかり知識を持っておけば、そんなに怖がることはありません。

予防接種の副反応とは?

はじめて赤ちゃんを育てているママは「注射のあとに体調を崩した!」と不安になりがちですが、多くの副反応は心配することがないものがほとんどです。逆に、きちんと副反応について理解していないと焦って病院に駆け込んでしまうなど、赤ちゃんにとって却って負担となる場合もあります。副反応の詳しい症状についてみていきましょう。

発熱

発熱は比較的多く見られる副反応の一つです。代表的なのは麻しん(はしか)の予防接種で、全体の20パーセントは熱が出る可能性があります。症状は重くないので安心してください。生ワクチンは病原性を弱めたウイルス、細菌を使っているのでほとんどの場合は症状が出ることはありませんが、体調が悪かったり、体質によっては発熱の症状が出てしまうことがあります。多くの場合、心配することはありませんので、様子を見るようにしてください。

生ワクチンが毒性を弱めた生きたウイルスって本当?生ワクチン効果や副作用、接種間隔と同時接種のリスク&メリットなどなど我が子への大切なワクチンだから知っておきたいアレやコレを分かりやすく解説。

腫れ(局所反応)

注射したところが腫れるという症状も比較的多く見られます。局所反応が多いワクチンは、四種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)です。回数を重ねるごとに腫れることが多いようです。
腫れはしばらくするとひきますので、問題はありません。まれに腕全体が腫れてしまうことがあるのですが、この場合は注射を受けたかかりつけ医に相談するようにしてください。

機嫌が悪くなる

熱もないし、腫れもないのに急に赤ちゃんの機嫌が悪くなってミルクを飲まなくなったとか、普段あまり泣かないのに、急に泣き出してしまったなどという症状が出る場合があります。
大人でも予防接種をしたあとに体調が悪くなったり、だるくなることがありますよね。赤ちゃんはまだ話せませんから、だるいといっても泣いて訴えるしかありません。予防接種後の機嫌の悪さは、副反応であることが多いです。この場合も、観察しておいて問題はありません。通常は2~3日くらいで落ち着いてきますが、長く続くようなら病院に相談してみてください。

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックとは、発症後、極めて短時間のうちに全身性に、アレルギー症状が出る反応のことです。
不活化ワクチンによる副反応としては、接種後、約30分以内に起こることが多いです。このため、心配な場合は、接種後30分程度は病院で待機をするか、すぐに病院に戻れる距離のところにいるようにしましょう。
生ワクチンによる副反応としては、48時間以内に起こることがあります。生ワクチンの予防接種を受けた場合は2~3日は、遠出や疲れるようなことは控え、様子を見るようにしましょう。

生ワクチン=接種は1回でOKだが、副反応がでやすい。

接種後48時間は注意が必要。
毒性を弱めてはいるが、生きた細菌をそのまま使い、自然に病気にかかったのと同じような形で免疫が付く。
MR(麻しん・風しん)、おたふくかぜ 水痘(みずぼうそう)、BCG、ロタウイルス

不活化ワクチン=接種は複数回必要だが、副反応はでにくい。

接種後30分程度の様子が必要。
細菌やウイルスを殺して、免疫を作るために必要な成分を抽出。
四種混合、ポリオ、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌、ヒブ

予防接種はしないほうがいいの?

副反応が心配だから、予防接種は受けないほうがいい?と思ってしまうママもいるかもしれません。しかし、副反応は一時的なもので症状も軽いものが多いです。希にワクチンを接種したことで合併症を起こすケースもありますがごく僅かですし、予防接種を受けないことによって病気にかかってしまうリスクと比べたら、予防接種は受けるべきでしょう。

予防接種の任意は受けるべき?予防接種のうち任意接種の必要性を病気のリスクやワクチンの効果の観点から見ていきながら任意接種と定期接種の違いや現在の定期、任意の予防接種についてもご紹介します。

副反応に備えて注意するべきこと

きちんと対処法を知っておくと、いざ副反応が起こったときでも慌てずに済みます。赤ちゃんの様子をしっかりと観察して、少しの変化も見逃さないようにしましょう。
一般的に言われているのが、接種後30分は病院に待機しておくということです。これは、赤ちゃんの急な体調の変化、アナフィラキシーショックが起こったときにすぐに対処できるようにするためです。急いでいても、出来るだけ30分は病院で待機させてもらうようにしましょう。
もし院内で待つのが大変ということであれば、車や外、近所を散歩しながら病院の近くで待機することをオススメします。

予防接種後の発熱の対処法

予防接種を受けたあと、発熱してしまったときはどうしたらいいのでしょうか?特にはじめての予防接種のあとに熱が出てしまったら焦ってしまいますよね。こんな時、きちんと対処法を知っておくと便利です。

発熱するのは接種からどのくらい?

発熱するのは一般的に接種してからどのくらい経ってからなのでしょうか?特に注意して観察したいのは接種後30分です。落ち着いていても2~3日は体調の変化に気をつけてあげてください。生ワクチンの場合、2~3週間は副反応の出現に注意しましょうというお医者さんもいますので、毎日経過を観察してみましょう。

熱は何度くらいで、何日続く?解熱剤の使用はNG

発熱は37度台くらいのものがほとんどで、大体2~3日程度で収まります。場合によっては長引くこともあり、呼吸が荒い、苦しそうにしている、38度を超える熱が出た場合には病院を受診するようにしましょう。鼻水を伴う発熱の場合は風邪の場合もあります。

予防接種後の発熱に関しては病気ではありませんので、解熱剤は使わないようにします。水分を摂るようにして様子を見ましょう。

要注意!発熱しやすい予防接種の種類

小児用肺炎球菌ワクチン、麻しん(はしか)、インフルエンザワクチンなどは発熱が起こりやすい予防接種と言われています。いずれも、熱はそれほど高くなることはなく、症状も軽く済むことが多いです。しかし、子供の場合は急に症状が悪化することがありますので、観察しておくことが必要です。

自宅での発熱のケア方法

予防接種後に発熱をしてしまった場合、どうしたらいいのでしょうか?一昔前までは、予防接種後はお風呂に入らないようにと言われていましたが、今はお風呂に入ることは問題ないと言われています。しかし、熱がある場合は無理して入浴はせず、様子を見ましょう。

水分補給をする

予防接種後に熱が出てしまった場合は、薬などは飲ませず様子を見て、こまめに水分補給をするようにしましょう。これは普通の風邪の場合と同じですが、脱水症状が出ないようにするためです。赤ちゃんの場合は身体も小さいですから、体力も奪われてしまいます。母乳はほしがるだけ与え、必要であれば湯冷ましなどを与えてください。

身体の小さな赤ちゃんの水分補給は大切です!小さな体で大人の3倍も汗をかく赤ちゃんは脱水症状になりやすいのですが具体的な水分補給のタイミング、水分補給を嫌がるときの白湯や麦茶の与え方など紹介。

衣類の調節をする

熱があるときはなるべく体温を下げるために厚着をさせすぎないようにしましょう。昔は、たくさん着て汗をかいて熱を下げるなんて言われていましたが、着るものは少なめに着せる方がいいようです。室温を調整しながら、着るものも一枚少ないくらいでOKです。赤ちゃんの様子を見ながら調節してあげてください。

予防接種を受ける前の注意点

まず、接種前は赤ちゃんの健康状態をきちんと把握しておきましょう。赤ちゃんが元気かどうか、風邪をひいていないか、そして機嫌がいいかどうかというのも見ておきましょう。
風邪の症状で鼻水が出ていたり、熱があったら予防接種は受けられませんが、機嫌が悪くグズグズしている場合も、風邪をひく前触れだったり、身体がだるいということも考えられます。
いつもとちょっと違っている、いつもより機嫌が悪いときも様子を見たほうがいいかもしれません。ママにとって予防接種のスケジュール調整はたいへんですが、赤ちゃんの具合が悪いのに無理に受けると副反応などの症状が強くあらわれてしまうことになりかねません。体調が良い時に受けるのが原則です。

また、前日はきちんとお風呂に入れてあげて、清潔な状態で受けるようにしましょう。
接種後の入浴はいいとされていますが、激しい運動は控えるように言われています。赤ちゃんであれば激しい運動はしないと思いますが、当日は長時間の外出は避け、出来るだけのんびり過ごせるようにしてあげてください。

予防接種は正しく受けましょう

予防接種後の発熱など、心配なことも多いと思いますが、まずは予防接種の正しい知識を持っておくことが大切です。第2子、第3子の場合、第1子の時とは予防接種の種類や内容が変わっている場合があります。ママは忙しい育児の合間を縫って、予防接種を受けるタイミングを考えなくてはならず、大変ですよね。しかし、予防接種は赤ちゃんを守る大切なものです。

予防接種を受ける場合は、回数の把握も大切です。不活化ワクチンは2回、3回と複数回接種することで免疫が作られるのですが、「副反応が怖い」「うっかり忘れてしまった」など規定の回数に満たない接種のままのことはありませんか?複数回必要なワクチン接種を1度しか行っていない場合、予防接種本来の効果が期待できません
赤ちゃんを守るためにも、きちんと回数や時期を守って正しく受けるようにしましょう。