離乳食のもやしレシピ
離乳食にもやしはいつから?食べやすくする調理のポイント
離乳食にもやしはいつからどう使えるのか、レシピとともに紹介。もやしは加熱しても固く飲み込みづらいので、ひげは取り除き、お粥に混ぜたり、とろみをつけて調理しましょう。中期から使えますが、赤ちゃんの咀嚼の様子しだいでは後期以降が無難です。冷凍保存の方法、もやしの種類や栄養素も解説。
離乳食にもやしはいつから?食べられる種類や冷凍保存の方法
離乳食にもやしを使えたら、野菜が高騰した際などにも助かるハズ。天候に影響されず、いつでも低価格で買えるもやしは、家計の強い味方です。
しかし、もやしは野菜炒めなどシャキシャキとした歯ごたえを活かした調理も多いため、離乳食に使っていいのか悩んでいる方もいるでしょう。
確かにもやしはすりつぶしにくい食材なので、初期から使うことはおすすめできません。
ですが、下ごしらえのポイントを押さてよく加熱すれば中期(7ヶ月・8カ月)~後期(9カ月~11ヶ月)頃から使うことは可能です!
もやしはいつから食べられる?中期or後期に赤ちゃんの様子を見て開始!
もやしを赤ちゃんに与えて良い時期は、中期(7ヶ月・8カ月)からOKとしていたり、後期(9カ月)からOKとしているサイトや本などがあり、意見が分かれています。やや固めな歯ごたえのある食材なので、赤ちゃんの歯や口の成長、離乳食の進み具合に合わせて与えてあげてください。
舌とあごを使ってモグモグと粗めにほぐした白身魚などが食べられるのなら、生後8カ月ぐらいから細かく刻み、よく茹でたもやしなら食べられる子もいるでしょう。
もちろん焦って与える必要はないので、後期以降としても構いません。
もやしの種類は?どの「もやし」を使ってもOK
もやしは「緑豆もやし」「黒豆もやし(ブラックマッペ)」「大豆もやし」の大きく3種類に分類できます。
安価で、赤ちゃんでも食べやすいのは緑豆もやし、黒豆もやし(ブラックマッペ)です。しかし、栄養面では大豆もやしが1番優れています。あまりこだわらず、まずはご家庭でよく使う種類を与えるのがおすすめです。
緑豆もやし|炒め物などに使う一般的なもやし
国内で生産されている90%を占めている最もポピュラーなもやしの種類です。
やや太めで、炒めものや鍋、ラーメンのトッピングとして使われています。
黒豆もやし(ブラックマッペ)|おひたし向きなやや細めのもやし
緑豆もやしよりも細く、ほのかな甘みがあるのが特徴です。緑豆もやしと用途はほぼ同じですが、細さを活かしておひたしにも向いています。
大豆もやし|栄養価が高く、歯ごたえが強いもやし
大豆を発芽させているので、栄養価の高い大豆部分ごと食べるのが一般的とされている品種です。
他の2種に比べると太くて長く歯ごたえもあるので、炒め物だけでなくナムルやスープにも使われます。大豆アレルギーの場合は、アレルギー反応が出るので食べることはできません。
新鮮なもやしの選び方
- 袋を持つとパリッと固い感触がある
- 張りがあって、もやしの子葉が薄黄色をしている
もやしは赤ちゃんの大豆アレルギーを引き起こすリスクあり!
もやしには、大豆を発芽させた種類「大豆もやし」なども存在します。
大豆は、食品衛生法で食物アレルギーを引き起こす可能性が高めな食材として「特定原材料に準ずるもの(推奨品目)」に指定されている27品目の中の一つです(注4)。
豆腐などの大豆製品でアレルギーを起こしたことのある赤ちゃんには「大豆もやし」の使用は控えましょう。緑豆もやしや黒豆もやしは、除去の必要はありません。
また、大豆アレルギーがないとしても、もやしを初めて与える際には、まずは小さじ1程度からにして、赤ちゃんの様子に変化がないか十分に気を付けてあげましょう。
もやしは洗わずに使ってもOK
もやしは出荷前にきれいな水で洗浄されているので、基本的には洗わなくても使用可能です。大豆もやしには、袋ごと加熱調理できる商品も販売されています。
もやしは加熱すれば離乳食用に冷凍保存もOK
もやしは傷みやすく低温を好む食材なので、購入後はなるべく早く冷蔵庫に入れ、賞味期限以内に必ず使い切りましょう。
また、水分が多いため、そのまま冷凍してしまうと解凍時に水分が抜け出てしまい、食感も味も落ちてしまうのであまりおすすめできません。
ただし、加熱してしっかり水気をきれば、冷凍保存もできます。もやしをレンジで加熱し、冷凍保存する方法をご説明します。
冷凍したいならレンジで1分加熱後に水気を切って密閉袋へ
1.もやしのひげ根や豆の部分を取り除き、使いやすい大きさに刻んでラップに包んで電子レンジ600Wで1分程度加熱します。
2.加熱したもやしはキッチンペーパーなどに包んで水気を切り、冷凍保存用の袋に平らに入れて冷凍し、固まったら割っておきましょう。
もやしは栄養が少ない!栄養成分を効率よく摂取する方法
残念ながら、もやしは95%が水分であり、野菜の中では栄養価は高くありません(注1,2,3)。確かに含まれている栄養素は多数の種類があるのですが、含有量は少なめです。
もやしに含まれている栄養素・使い方のポイント
もやしの栄養素を紹介します。特筆するべきは、大豆もやしのたんぱく質100gあたり3.7gといった部分ぐらいです(小松菜やキャベツは100gあたり1.3g)ので、無駄にせず上手に摂取する調理のコツもお伝えします。
食物繊維や水分は豊富なので、常備菜・かさましに活用する
腸内環境を整える効果が期待でき、不足しがちな栄養素である食物繊維は緑豆もやし100gあたりに1.4g含まれています。
もやしは水分が多いので加熱するとかさが減り、たくさん食べられるようになります。離乳食期から食べ慣れさせておくと、幼児期以降は、ナムルやおひたしなどにして日常的な食物繊維の補給源とできます。子供の食べ過ぎが心配なときにも、かさましに活用できるでしょう。
ビタミン類を摂取したいならレンジ加熱やスープで丸ごといただくのがおすすめ
微量ですが、体内で栄養素を有効活用する際に必要なビタミンB群やビタミンCがもやしには含まれています。
ビタミンB群やビタミンCは、熱に弱く、水に溶けやすいという欠点もあるので、もやしはそのまま調理して汁ごとスープとして食べる、加熱する際は電子レンジを使うといった工夫をすると減少率を抑えることができます。
大豆もやしを選べば、カルシウムや鉄も摂取できる
どのもやしにも微量に含まれていますが、大豆もやしは大豆を発芽させたものなので他の2種よりも多めに含まれています。
カルシウムや鉄は骨の健康、貧血予防に欠かせない栄養素で成長期の赤ちゃんにとっても大切な栄養素です。
もやしを使った離乳食作り・下ごしらえのポイント
離乳食にもやしを使う場合は、以下の3つに気を付けて、献立を立てたり、調理をしてください。
離乳食における栄養価は期待せず、もやしばかりを食べさせない
もやしは低カロリーなので、大人のダイエットなどには向いている食材ですが、食べる量の少ない離乳食期の赤ちゃんには、もやしばかりを与えないようにしてください。もやしばかりをたくさん食べても、赤ちゃんが必要な栄養価は摂取できません。
離乳食に使う際には、「食感や味を楽しむための食材」と考え、栄養は他の野菜などからトータルで摂取することを意識しましょう。
赤ちゃんが飲み込めるようにひげ根と豆の部分は取り除く
ひげ根と豆の部分は繊維質が多く固いため、赤ちゃんには飲みにくいですし、上手く消化できないこともあります。離乳食期は切り落として使いましょう。
あらかじめ根の大部分を切ったもやしも販売されているので、利用すると下ごしらえの手間を省くことができます。
ただし、赤ちゃんに食べさせるのは、もやし数本程度です。ひげ根や豆の部分を取り除くのもそこまで面倒はないはずです。
やわらかく加熱し、歯ごたえは残らなくてOK
大人用の料理では、もやしは「さっと炒めて」使われることが多いですが、赤ちゃんに食べさせるもやしは、長めにしっかり加熱しましょう。加熱すると刻みにくくなるので、鍋などに入れるまえに刻んでおきましょう。
離乳食でもやしを食べやすくする工夫
もやしは加熱してもやや固く、水分が多く味に特徴がないので、そのままでは赤ちゃんには食べにくい可能性が高いです。離乳食に使う際には、以下の3つのポイントを意識しましょう。
人参やかぼちゃ、さつまいもなどの野菜と違い、もやしは甘味もなく、そのままでは赤ちゃんにとって食べにくい食材です。
もやしを調理する際には、昆布やかつおだし、野菜スープを積極的に活用しましょう。
味はもちろん、汁ごと食べてもらうことで、もやしに含まれる水に溶けやすいビタミン類も一緒に摂れるというメリットもあります。
とろみをつけて、飲み込みやすくする
もやしは加熱しても固めなので、特に1歳未満のまだ歯茎でしっかり噛むことのできない時期は飲み込みにくい場合があります。水溶き片栗粉でとろみをつけてあげると、飲み込みやすく仕上げることができます。
たんぱく質食材と混ぜるとおいしくて栄養価もアップ
もやしは、ひき肉や卵などの動物性たんぱく質が豊富な食材を混ぜ合せるのがおすすめです。
栄養バランスとしてはもちろん、肉や卵などの旨味はもやしとの相性が良いので、赤ちゃんも美味しく感じてくれるでしょう。
離乳食のもやしレシピ
離乳食中期・後期・完了期に食べられるもやしレシピやかたさの目安をご紹介します。だし煮にしてスープごと食べたり、ハンバーグに混ぜたりなど、意外に使い道は多そうです!
離乳食でのもやしのかたさ目安
離乳食中期後半~後期 (8~11ヶ月) |
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---|---|
細かく刻んで柔らかく加熱します。 | |
離乳食完了期(1歳~1歳半) | |
5㎜~1㎝程度に刻んで加熱します。 |
中期(7・8カ月)のもやしレシピ
中期はもやしを柔らかく煮込む必要があるので、和風だしなどで煮込むだし煮やスープなどがおすすめです。栄養価の高い野菜をメインにして、もやしはアクセントとして少し混ぜる程度にしましょう。
もやしと小松菜のだし煮
材料
- もやし(ひげと豆を切り落としたもの) 5g
- 小松菜 5g
- だし汁 大さじ2(30cc)
- 片栗粉 小さじ1/2
- 水 小さじ1
-
もやしと小松菜はみじん切りにします。
-
小鍋にだし汁、もやし、小松菜をいれ、野菜が柔らかくなるまで煮たら水溶き片栗粉でとろみをつけます。
後期(9~11ヶ月)のもやしレシピ
後期になれば細かく刻んだもやしが食べられますので、レシピの幅も広がります。雑炊やチャーハン、おやきなどの具として入れると良いでしょう。
もやし入り卵雑炊
材料
- もやし 10g
- にんじん 10g
- 白菜 10g
- 卵 1/2個
- だし汁 1カップ(100cc)
- ごはん 50g
-
もやしは細かく刻み、人参と白菜は5㎜程度の角切りにします。
-
小鍋にだし汁、もやし、にんじん、白菜を入れて柔らかくなるまで煮ます。
-
2にご飯を入れて混ぜ合わせ、溶き卵を加えてひと煮たちさせます。
完了期(1歳~1歳半)のもやしレシピ
完了期になれば、もやしのシャキシャキとした食感を味わうこともできます。ハンバーグや鶏団子などに入れると良いアクセントになります。
もやし入り鶏ハンバーグ
材料
- 鶏ひき肉 20g
- もやし 20g
- たまねぎ 10g
- 冷凍ほうれんそう 5g
- 豆腐 10g
- 味噌 小さじ1/4
- サラダ油 少々
-
玉ねぎとほうれん草はみじん切りにします。
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ボウルにサラダ油以外の材料をすべて入れ、もやしを切りながら混ぜ合わせ、赤ちゃんの一口大に成型します。
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フライパンにサラダ油を薄く敷き、2を入れ中火で焼き色が付くまで焼いたら裏返して蓋をし、弱火で5分程度蒸し焼きにします。