離乳食でのだしの活用方法
離乳食は「だし」で格段においしくなる!だしの簡単活用術
離乳食に欠かせない「だし」。素材そのものの味を引き立て、味覚の敏感な赤ちゃんがおいしくご飯を食べるための強い見方です。昆布やカツオ、野菜などのおいしいだしの簡単な取り方や保存方法を解説、ベビーフードの粉末だしのおすすめ商品も紹介します。
離乳食の上手なだし活用の方法
赤ちゃんは大人よりもずっと味に敏感で、舌の上で味を感じることのできる「味蕾(みらい)」はなんと大人の1.3倍もあり、赤ちゃんが味を感じる能力は大人の2倍以上にもなると言われています。
そんな赤ちゃんのために、離乳食の間は特に素材の味を感じられるようにしてあげたいですね。そんな時に大活躍するのが「だし」です。だしを離乳食に取り入れるだけで、とっても美味しくなります。
また、赤ちゃんの消化器官はまだまだ未熟。大人に近い味付けは、赤ちゃんの腎臓や他の消化器官に負担を与えてしまいます。そういう観点から見ても、だしは素材の味を引き出し塩分過多にならない優れもの。今回は離乳食の「だし」の活用についてお伝えします。
離乳食における「だし」のメリットとは?
離乳食を作る上で「だし」の使用頻度はとても高いです。離乳食レシビにもだしを使ったレシピがたくさんあります。一体だしのメリットはどこにあるのでしょうか。
「だし」を使って離乳食をレベルアップ
だしを使うと多くのメリットがあります。使うだけで離乳食がレベルアップできるなら、使わない手はありませんね!
食材の味がしっかり感じられる
大人の食事でも同じことが言えますが、だしの効いた料理は、薄味でもとても風味豊かですよね。例えばだしのしっかり効いたお味噌汁は、お味噌の量が控えめでもとっても美味しく感じます。病気で塩分を控える必要があっても同じように美味しいものが食べたい!という時にも使われるテクニックです。赤ちゃんの離乳食もそれと同じで、だしを使うことで、結果的に使う調味料を減らして食材の味をしっかり味わうことができるんです。
だしの栄養も同時に摂れる
だしにはお馴染みの「昆布だし」や「カツオだし」「野菜だし」「煮干しだし」などがあります。これらは旨味だけでなく栄養もいっぱい滲み出たいわば一種の「栄養スープ」です。
だしを使うことで簡単に栄養満点の離乳食ができますよ。
旨味で美味しさアップ
離乳食の初期、まだ1回食くらいの頃は、何も味付けはしません。おかゆや野菜をゆがいてペースト状にしたものを与えます。でも、それだけだとバリエーションもなくて、赤ちゃんも飽きてしまいますよね。
そこでだしの出番。醤油や砂糖で味付けはできなくてもだしは使うことができるので、旨味成分でバリエーションをつけたり、離乳食の味を格上げしたりすることができます。大人のママからするとだしだけで「美味しいの?」と疑問に感じるかもしれませんが、味覚の敏感な赤ちゃんにはそれで十分なのです。
離乳食でのだしの使い方をマスターしよう
だしが美味しい離乳食に欠かせないのはわかったけれど、実際どういう風に使うのでしょうか?赤ちゃん用のだしの使い方や使える時期などをまとめてレクチャーします!
だしはいつからOK?昆布や野菜なら離乳食初期から使えます!
アレルギーや消化能力の観点から、それぞれの食材に使い始めの時期というものがあります。だしに使う食材も例外ではありません。
昆布
昆布は一番はじめに使えるだしの素材。生後5ヶ月頃から使うことができるので、おかゆをのばすのに使ってみてください。
昆布はアレルギーが起こる心配が少ないので、離乳食初期から比較的安心して使うことができます。昆布に含まれるグルタミン酸は母乳にも含まれているようなので、赤ちゃんに馴染みのある味とも言われます。
カツオ節
カツオ節は生後7ヶ月頃から使えます。
お魚を食べ始めた頃が目安ですね。まだ消化能力が低い時期に使うと赤ちゃんの便がゆるくなることがあるので、様子を見ながら使ってみましょう。カツオと昆布のあわせだしも風味豊かでオススメです!
野菜
野菜のだしは昆布とともに離乳食初期から使えるだしです。野菜スープを多めに作った時に取り置きしておくと便利です。とはいえ野菜の中には加熱で栄養素が逃げてしまうこともあるので、だしはあくまでプラスαの栄養素・風味付けと位置付けてくださいね。
煮干し
食事にも慣れてきた後期からは煮干しだしを使うことができます。煮干しはカルシウムが豊富なので、成長期の赤ちゃんに摂らせてあげたいだしですね。
離乳食用の簡単なだしのとり方
大人だけの生活だと、どうしても粉末のだしの素で済ませがちですよね。だしのとり方は手順と火加減さえ注意すればそんなに難しくありません。
通常であれば1〜2Lの水を使って多めに作るところですが、離乳食向けに扱いやすい量のレシピをご紹介します。
昆布だし
材料:
昆布10cm×10cm
水2カップ
- 昆布の表面を濡れ布巾で拭く
- 鍋に材料を入れて20分程度水出しする
- 弱火にかけて沸騰する直前に止める
本来昆布だしは沸騰せずに作りますが、赤ちゃん用ということであれば少し沸騰しても良いでしょう。
カツオだし
材料:
カツオ節12g
水660cc
- 鍋に水を入れて火にかけ沸騰させる
- 沸騰したらカツオ節を一気に投入
- すぐに火を止め、カツオ節が沈むのを待つ
- ざるや布巾でこして完成
強く絞るとえぐみが出るので、こす時は軽く絞りましょう。
野菜だし
材料:
にんじん、玉ねぎ、キャベツなどの煮て柔らかくなる淡白な味の野菜
水2カップ
- 野菜を火が通りやすい大きさに適当に切り、鍋に材料を全て入れる
- 火にかけて野菜がくたくたになるまでじっくり煮る
- ざるや布巾でこして完成
コンソメや塩コショウがなくても野菜の旨味でそれだけでも美味しいです。こした後の野菜はブレンダーなどで潰せば、また立派な一品になりますよ。
煮干しだし
材料:
煮干し20g
水660cc
- 煮干しの頭とハラワタを取り除く
- 材料を鍋に入れ中火で火にかける
- 沸騰したら弱火にして、1〜2分煮る
- ざるや布巾でこして完成
煮干しは水出しができるので、あらかじめ下ごしらえをして一晩置いてから作っても良いでしょう。
さらに簡単!すぐできる即席カツオだし
だしを取るのが面倒な時、あるいは時間が全然取れない時、冷凍のだしストックがなくなったのをすっかり忘れていた時。そんな時でもものの5分でカツオだしが完成する方法があるんです。
それは、カツオ節と急須を使う方法。茶漉しのついた急須やティーポットにカツオ節をひとつまみ入れ、その上からお湯を200〜300g注ぎます。蓋をして約5分。あとは普通のお茶のように注ぐだけです。とっても簡単なこの方法。急いでいる時に是非お試しを!
手作りのだしの保存方法
作っただしの保存期間は、冷蔵庫で約3日。冷凍では1週間程度です。赤ちゃんの食べるものですから、なるべく早めに使ってしまいましょう。
キューブ状にして使いやすく!
日常的に使うものなので、冷凍庫でストックしていつでもサッと使えるようにしておくととても便利です。キューブ状にして保存すると、量もわかりやすいですね。
おかゆや野菜の冷凍ストックとともにレンジでチンしてまぜまぜするだけで初期の離乳食なら完成するので、離乳食のためだけにたくさんの時間を割かずに済みますよ。
- 作っただしを製氷皿に入れて冷凍する
- 固まったら製氷皿から外し、ジップロックなどのチャック付きの保存バックに入れてまとめて冷凍する
市販のベビー用だしってどうなの?いつから使える?
大人用の粉末だしは離乳食に活用してはいけないのでしょうか?また、ベビーフードとして粉末のだしも売られていますよね。手軽に使う分だけサッと入れることができるので、大変便利です。こういったベビー用だしの特徴はどこにあるのでしょうか?
ベビーフードと大人用のだしの違いは?
大人が使う市販のだしは使っても良いのでしょうか?答えは…NO!市販のだしの素は、大人にとっても塩分が結構高いので、味に敏感な人はだしの素を使った味噌汁を飲むと濃くて喉が渇いてしまうと言います。ですので、消化能力の低い赤ちゃんには使わないようにしましょう。使うなら、1歳を過ぎてから少量が目安になります。
ベビーフードだしの特徴・利点
和光堂や明治などのメーカーから発売されている粉末だしはいずれも離乳食初期の5ヶ月くらいから使えます。ベビー用のだしは赤ちゃん専用に特別味が薄く作られています。試食してみればわかりますが、大人にとっては味が感じられないものもあるくらいです。とはいえ塩分は手作りに比べると多めですし、味も手作りのだしよりも一般的には濃く作られています。利用するかしないかはそれぞれの家庭の考え方次第。使うことに抵抗があるママもいれば、赤ちゃん用に作られているのだから問題ないと考えるママもいます。絶対に害だ、ということではないので、それぞれの家庭の状況や考え方で選択すればいいですね。
食塩控えめ・化学調味料無添加だからOK派
「赤ちゃん用に研究して作られただしの素なら大丈夫」という意見です。しかも多くは化学調味料も無添加。化学調味料というのは人工的に作ったうま味成分のことです。あからさまに人工的な味ではなく、塩分も赤ちゃんの腎臓や消化器官に合わせたものならば、使うのも悪くないという声ですね。
確かに、一人目のお子さんならともかく、二人目三人目になってくると、お世話だけでも大変です。そんな時に、溶かすだけで離乳食を美味しくアシストしてくれる粉末のベビーだしは、忙しいママのお助けアイテムといえます。大きくなれば、完全に化学調味料を排除した生活は現代ではなかなか難しいので、そこまで厳密にならなくても良いという考えです。
また、たまに使うことで、味にバリエーションを持たせることができるのは確か。味がマンネリになっている時に使ってみるのは、結構効果的なようです。また、離乳食を作っていると、月齢によってどれくらいの味つけの濃さが良いのかということはなかなかわかりにくいことです。たまに使って味見をすることで、ママが味の基準を持つことができる利点もありますよ。
手作りだしオンリー派
市販の赤ちゃん用だしでもできるだけ使いたくないというのは、やはり食塩の量や添加物を心配してのことが多いと思います。化学調味料無添加といえども、実は国の基準で決められている化学調味料や添加物が入っていないだけで、美味しい味を出すためにはある程度人工的なものを加えて作られています。
大人や少し大きくなった子どもであれば極端に気にしなくても問題ないとおもわれますが、食べ始めの赤ちゃんにとってはアレルギーの面から見て、何がその子にとってのアレルゲンになりうるかわからないため気をつける必要があります。また食塩の量も問題ないとはいえ、手作りよりは多くなるわけで、味も必然的に濃くなりますので、絶対に薄味で育てたい!食にこだわりたい!というママは控えているようです。
ベビーフードだしのおすすめを紹介
赤ちゃん用品売り場に並ぶ粉末だし。おすすめをご紹介しましょう。ベビーフードについては賛否両論あるとはいえ、離乳食作りを頑張るママをアシストしてくれる便利アイテムですので、少しだけ購入してストックしておいてもよいでしょう。
出典:www.wakodo.co.jp
手作り応援 和風だし/和光堂
カツオと昆布からとった合わせだしです。一回分ずつスティックになっているので使いやすく、外出先でもちょっと赤ちゃん向けに味付けをしたい時にも便利です。初期はおかゆの味付けに、離乳食が進めば赤ちゃんが大好きなおうどんのお汁としても使えますね。
かんたん粉末 和風だし/ピジョン
着色料、保存料、香料、化学調味料無添加の赤ちゃん用だしです。こちらもお湯でさっと溶かすことができます。1包につき30mlのだしが作れます。こちらは情報サイトに、乳と小麦のアレルゲン物質が含まれていることがきちんと明記されています。
かんたん粉末 野菜スープ/ピジョン
こちらもピジョンの製品。白菜、たまねぎ、キャベツ、しいたけの5種類の野菜のエキスと人参を使った野菜のだしです。着色料、保存料、香料、化学調味料無添加。野菜スープは小包装ではなく20回分のお徳用パックになっており、必要な分だけ測って使うタイプです。
出典:www.wakodo.co.jp
手作り応援 だし&ソース3種パック/和光堂
和光堂でもう一つおすすめなのが、和風だしとコンソメ、ホワイトソースの3種類がセットになったパックです。それぞれ2〜3包ずつ入っているので、離乳食に味の変化をつけたい時に選べて便利です。頻繁に使わないけれど、たまに使うストックとして置いておきたいママにもおすすめです。
※離乳食メーカーとして有名な、和光堂・明治・ピジョンの3社。これまでは3社全てから赤ちゃん用だしが販売されていましたが、2016年3月をもって明治は販売を終了しているとのこと。選ぶなら和光堂かピジョンになりそうですね。
だしを上手に使って赤ちゃんが喜ぶ離乳食を!
だしを使うことで、離乳食は格段に風味が豊かになります。いつもはあんまりたべない赤ちゃんでも、だしを使うとパクパク食べてくれたという声もたくさんあります。
それだけだしの力は大きいということでしょう。「旨味」という感覚を食事の中できちんと感じられるのが、日本食の一つの特徴とも言えます。ですので、赤ちゃんにもぜひだしの旨味を小さな頃から味わわせてあげたいですね。
昆布、カツオ、煮干し、野菜、それぞれの味の特徴や素材との相性を考えながら、ぜひおいしい離乳食を作ってみましょう!きっと赤ちゃんは食べる喜びを感じられるはずです!