離乳食の卵・段階別ポイント

離乳食で卵をはじめてあげるときの卵黄・卵白の段階別ポイント

離乳食に卵を初めて使うときは子供の卵アレルギーが心配ですが卵は栄養豊富な食材!初めての食材を用いるときは子供の様子を見ながら勧めますが卵は特に与え方に注意をしながら慣らしていきましょう。卵黄と卵白の開始時期、固茹での卵黄のみから全卵までの流れやアレルギーが出たときの対応を解説!

離乳食で卵をはじめてあげるときの卵黄・卵白の段階別ポイント

離乳食の卵をスタートさせよう!開始時期と調理法は?

離乳食で卵を与えるときは慎重に…でも怖がりすぎないで!
離乳食期は、子供にとって未知の味に出会う期間であり、喜びも大きいものです。しかし、同時にお父さん・お母さんは子供のアレルギーについても気にしていかなければなりません。初めて口にする食べ物が体内に入ったときに、身体が拒否反応を起こすアレルギー反応は時には命の危険も伴うものです。

乳幼児のアレルギーの三大原因食品は、ずばり「卵」「乳」「小麦」です!卵を離乳食で与える際は、赤ちゃんにはじめて離乳食を食べさせたとき同様、またはそれ以上に緊張する方もいるでしょう。しかし、卵は栄養価豊富な食材ですので、不安だからといって独断で「与えない」という決断をするのはNGです。

離乳食での卵は正しい開始時期と調理法をご紹介。慎重に進めていくべき食材なので、子供のためにもご両親がしっかりと理解していきましょう。

離乳食スタート前に知っておこう!卵アレルギーについて

栄養満点の卵焼き

子供の食物アレルギーの中で、最も多い割合を占めるのが卵アレルギーです。なんと、食物アレルギー全体の4割程となっています

卵は目玉焼き・卵焼きなどの卵料理だけでなく、お好み焼き・フライ・オムライス・チャーハンなどの食事メニュー、ケーキ・シュークリーム・カスタードクリーム・クッキーなどの子供が大好きなお菓子にも良く使われます。
子供に卵アレルギーがあると食べるものが制限されてしまうので、窮屈な思いをしてしまう可能性も大きくなるわけですが、まずは卵アレルギーとは何なのでしょうか?

卵アレルギーは軽度・重度の症状があり!

卵アレルギーとは、にわとりの卵や卵を原材料に含む食品が体内に入ることで、身体に何らかの変化が起こるアレルギー反応です。
食物アレルギーの症状は、比較的軽度の場合は口の周りが痒くなったり、喉がイガイガするだけで済みますが、重度のアレルギー反応が起こってしまうと下痢や嘔吐、意識障害や呼吸困難など命を脅かすような症状も出てしまいます。

我が子も卵アレルギーでした

筆者の子供(4歳)も離乳食期には、軽度の卵アレルギーが見られました。食べさせると数分後には、首のあたりを掻きむしるようになり、じんましんと見られる細かな湿疹が出現するというのがパターンでした。
一旦卵の摂取は控え、離乳食後期から医師の指示に従って少しずつ卵の摂取を再開したところ、成長と共にアレルギー反応もなくなってきました。

4歳になった現在では、普通に卵を食べていますが、2歳までは、子供が卵アレルギーだと外食をしても成分表示とにらめっこなので、何かと大変だった記憶があります。

アレルギーを引き起こす可能性はあるけれど、栄養価は抜群なので自己判断の除去はNG

確かに卵は、アレルギーを引き起こす可能性が、やや高めの食材です。しかしながら、怖いからと言って最初から子供に食べさせないのは、間違っています。
卵は子供の成長には欠かせない栄養が、たっぷりと詰まっている食材ですし、本当にさまざまな食品に使われることが多いので、出来る限り食べられるようになった方が良いのです。

もちろんアレルギー反応が出たら無理に卵を食べさせることはありませんが、卵アレルギーであるかどうかも分からない段階でアレルギーが心配だからと徹底除去するべきものではないといえます。
離乳食で新しい食品に挑戦させるときはひとさじずつ慎重に進めていきますが、卵のようなアレルギーを引き起こす可能性の高い食品を離乳食に取り込んでいくときは、より慎重に離乳食の進め方を確認していきましょう。

離乳期の卵の進め方と注意したいこと

ママからたまご入り離乳食をもらう赤ちゃん

卵には、必須アミノ酸がバランスよく含まれており、免疫力アップに大きな力を発揮してくれます。風邪を引きにくい体質にしてくれたり、体力アップをサポートしてくれる食材ということですね。その上、卵は良質なタンパク質を含んでいるので、子供の筋肉の成長にも良い影響を与えてくれるのです。

アレルギー反応が出やすい食材ではありますが、このように身体にプラスの効果を与えてくれる卵は、食べられるものならなるべく食べさせてあげたいもの。しかし、赤ちゃんに卵を与える場合は進め方と注意点を守って、慎重に与えていかなければなりません。
卵という1つの食材でも、卵黄と卵白では与え方が違うので、しっかりと確認しておきましょう。

卵白と卵黄はどちらがアレルギーを引き起こしやすい?

アレルギー反応を起こしやすいのは、卵白です。卵白に含まれている「オポアルブミン」というタンパク質への耐性が完成していない時期にこれを食べてしまうことによって、アレルギー反応が起こってしまいます。
出来るだけアレルギー反応を起こさないためには、卵黄を先に少量与えてみて、まずは卵黄にアレルギー反応が起きないことを確認してから、卵白に挑戦していきましょう。

離乳食を開始して1~2ヶ月後を目途に、卵黄を開始

離乳食開始から1~2ヶ月後を目途に、まずは卵黄を与えてみましょう。最近は離乳時期と食物アレルギー反応の関係が指摘され、離乳食開始の時期を少し遅め(6ヶ月に入ってから)にする人は多いと思います。大体8ヶ月が離乳食に卵を含めるスタートの目安となります。

調理の仕方は、とにかく固ゆで!半熟の部分が無いように、しっかりと火を通して下さい
白身の部分と触れていない卵黄の中心部分を取って、耳かき1杯程度から与えてみましょう。そのまま与えるのではなく、おかゆやスープに溶かして与えてあげると、赤ちゃんも違和感なく食べられますよ。

卵黄を開始して1~2ヶ月後を目途に、卵白を開始

卵白は、卵黄を開始して1~2ヶ月後を目安にスタートさせます。
卵はしっかり茹で、確実に火を通した状態にして、耳かき1杯程度から開始しましょう。

離乳食の卵は、
『固ゆで卵(黄身)→固ゆで卵(白身)→全卵(しっかりと火を通した卵料理)をひとさじ』
と言った流れで、最初のころは耳かき一杯くらいの少量を与え様子を見ながら次のステップに進んでいきます。
焦らず様子を見ながら卵黄にアレルギー反応が出ないことをしっかり確認した上で進めていきましょう

卵黄も卵白も、決して焦って与えるべきものではありません。
初めての育児の場合、つい育児雑誌や身近なママ友からの情報に左右されがちですが、子育ては100人いれば100通り。周りから「離乳食の開始時期が遅いんじゃない?」と言われても不安になる必要はありませんよ。

離乳食に卵を含めるときに気を付けること

卵焼きが大好きな赤ちゃん

赤ちゃんに卵を与えるときには、特に注意すべきポイントがあります。子供の健康を守るために、がっちりと確認していきましょう。

卵はしっかりと中心部まで火を通す

けい卵のたんぱく質に含まれる「オボアルブミン」は、加熱により性質が変化します。
このたんぱく質はがっちりと茹でる(加熱)ことで構造が変化し、アレルゲンではなくなるのですが、半熟卵、トロトロのオムレツ、半熟タイプの目玉焼きなどでは構造の変化が十分ではありません。このため、卵については離乳期の子供に限らず、基本的に1歳半まではきちんと火を通して食べさせるようにしましょう。

マヨネーズやマシュマロ、アイスクリームに含まれる卵白は加熱が十分でないので、加工食品の原材料にも注意しましょう。

また、子供に食べさせるものについては、アレルギーの心配だけでなく、食中毒にも気を付けることが必要です。卵の殻にはサルモネラ菌が付着していることがあり、火が完全に通っていない卵には、食中毒を引き起こす可能性も・・・。

卵ばかりを毎日あげない

卵黄・卵白・全卵すべて問題なかったからといって、毎日卵ばかりを食べさせないようにしましょう。タンパク質は卵だけではなく、豆腐や納豆などの豆類、ささみや鶏ひき肉などのお肉類、白身魚やシラスなどの魚類からも摂取出来ることをお忘れなく。

毎日色んな食材から、良質のタンパク質を摂取することが、健やかな成長のためには必要不可欠です。卵を1回あげたら、その後2~3日ほど時間をおいて、少しずつ量を増やしながら進めていくようにしてください。

卵に限らず初めての食材は平日の午前中に食べさせよう

初めての食材を赤ちゃんに与えるときは、万が一アレルギー反応が起きた場合にすぐに医師の診察を受けることが出来るように、平日の午前中(病院が空いている時間)に食べさせるようにしましょう。はじめて口にする食材を与えるときに一番心配なアレルギー反応ですが、まれに呼吸困難や意識障害などの重度のアレルギー反応が起きることもお忘れなく!アレルギーの程度によっては、命に関わる重篤なアレルギー反応を起こすこともあります。

卵に限らず子供に初めての食材を与えるときには、平日の午前中に、ごくわずかな量を食べさせて様子を見るところから、スタートさせましょう。

あれ?と思ったら・・・

離乳食を進めている段階で、食後に痒がるなど「あれ?」と思うことがあれば迷わず病院受診を。適切な処置処方が必要なこともあるので、症状が軽そうだからと放っておくのはNGです!

時期別☆オススメの卵レシピ

それでは、離乳食中期・離乳食後期のオススメ卵レシピをご紹介していきます。
どのレシピも、子育てや家事、仕事で忙しいパパやママでも簡単に作ることが出来るものばかりです。
ぜひ、お試しになってみて下さいね。

離乳食の食べさせ方は?赤ちゃんの上手な離乳食チャレンジ
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赤ちゃんへの離乳食の食べさせ方、実はコツがあるって知っていましたか?まずは離乳食を始める際の順番を知って、赤ちゃんのペースに合わせて楽しいごはんタイムを心がけてくださいね。

離乳食中期(7ヶ月・8カ月)は卵黄中心!

黄身が濃い高級たまご

離乳食中期は随分と食べられる食材も増えてくるので、赤ちゃん自身も食べることが楽しくなってきているのではないでしょうか?赤ちゃんをはじめ、小さな子供は甘さを好む傾向がありますので、かぼちゃ・さつまいも・白米など甘みを感じやすい食材をメニューに取り入れてあげると良いでしょう。今回は、卵黄を使ったお手軽デザートと主食メニューをご紹介します。

黄身おかゆ・・・1食分

白いおかゆと黄色の黄身が、目にも鮮やかなお手軽メニューです。黄身のボソボソとした食感も、とろーりとしたおかゆと混ざることで気にならなくなり、赤ちゃんもパクパク食べ進めることができます。

■材料■
  • 卵 1個(今回は卵黄のみ使用)
  • 炊いたご飯 子供用茶碗3分の2程度
  • 和風だし 少々
  • 水 100ml
■作り方■
  1. たっぷりのお湯で、卵をしっかりと茹でる。離乳食は固ゆでが基本!
  2. 固ゆでした卵の黄身と白身を分け、黄身だけをこし網でこす。ぽろぽろになればOK。
  3. 炊いたご飯・水・和風だしを煮込んで、おかゆにする。
  4. ほんのり和風だしの香りがするおかゆに、ぽろぽろにした卵の黄身をかければ完成。
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卵黄だけ簡単かぼちゃプリン・・・1食分

かぼちゃの自然な甘さとやわらかなプリンの食感は、子供達に大人気!風邪を引いて食欲がないときでも、比較的食べやすいメニューです。手作りおやつの定番にしてはいかがでしょうか?

■材料■
  • 卵黄 2分の1個
  • 牛乳(または粉ミルクを水に溶いたもの)100ml
  • かぼちゃペースト 大さじ1
■作り方■
  1. かぼちゃペーストを作る。※残っても冷凍保存することが出来るので、多めに作るのがオススメ!
  2. かぼちゃを蒸して潰したら、こし網で滑らかにして、少量のお湯でのばす。硬さは赤ちゃんの好みによって調節すること。大さじ1杯分以外は、次回の離乳食用に冷凍保存しておく。
  3. 耐熱カップに、卵黄2分の1個・牛乳(または粉ミルクを水に溶いたもの)100ml・かぼちゃペーストを入れて、良く混ぜる。
  4. ラップをして、レンジで加熱する。もちろん、蒸し器で蒸し上げても良いが、手軽に火を通すならレンジがオススメ。
  5. 粗熱をとり、冷蔵庫で冷やせば完成!

余った卵白は大人が美味しくいただきましょう♪劇的簡単メレンゲの作り方

★使わなかった卵の白身は、ハンディミキサーで角が立つまで泡立て、きび砂糖(白砂糖でもOK)を混ぜてトースターで10分~15分焼くだけでメレンゲが簡単に作れます。
★卵白1つ分に対してお砂糖は10g、焼き時間はトースターの火力でも違いますが、軽く焼き目が付くころを焼きあがりの目安にし、まだ柔らかいようなら5分~10分ずつ様子をみながら加熱していきましょう。
★ココアパウダーやお抹茶を混ぜたりふりかけると味のバリエーションも簡単につけられますよ♪

離乳食後期(9カ月~11ヶ月)は全卵使いでバリエーション豊かに!

ママお手製のオムレツ

卵にもすっかり慣れてきた離乳食後期は、離乳食に使える素材も増え、メニューのバリエーションも豊富になる時期。ぜひ卵黄と卵白の両方を使ったレシピに挑戦してみましょう。今回はひと手間加えたオススメ離乳食をご紹介します。

卵とミニトマトのオムレツ~和風だしあんかけ~

トマトの酸味と卵の甘みがとてもマッチしていますし、バターの風味で子供の食欲もアップする定番メニューとなるでしょう。あんかけは喉越しを良くしてくれるので、子供にとっても食べやすい離乳食です。

■材料■
  • 卵 1個
  • ミニトマト 2個
  • 水 100ml
  • めんつゆ 小さじ1
  • 水溶き片栗粉 少々
  • バター 5g
■作り方■
  1. 卵をよくかき混ぜる。このとき、白身と黄身がきちんと混ざるようにする。
  2. ミニトマトをみじん切りにする。
  3. フライパンにバターを引いて、弱火で温める。
  4. 最初にミニトマトを軽く炒めて、溶き卵を流しいれてオムレツにする。離乳食用のオムレツは、しっかりと中まで火を通すこと!
  5. 小鍋に水・めんつゆ・水溶き片栗粉を加えて、あんかけを作る。
  6. 器にオムレツを盛り付けて、上からあんかけをかけて完成!

卵をプラスして離乳食の幅を広げよう

卵は免疫力・体力・筋力向上にとても効果的な食材ですが、はじめて口にする赤ちゃんにとっては、アレルギー反応のリスクが高めの食材でもあります。
パパママが、離乳食の段階に合わせた卵の進め方にきちんと気を付けることで、もしかしたら卵アレルギーの発症を抑えることが出来るかもしれないなら、必要知識としてきちんと覚えておいて損はないはず。

ですが、もし万が一、我が子に卵アレルギーを発症してしまっても、気落ちすることはありません。症状の程度の差はあれど、離乳食時期の食物アレルギーは成長と共に食べられるようになることも多いですので、保健師や小児科医に相談しながら子供に無理がかからないように対応していくようにしましょう。