眠りつわりの対処法

眠りつわりはいつまで続く?効果的な対処法10選

眠りつわりに悩まされている妊婦さんに向けて、眠気の原因や効果的な対処法を紹介。「とにかく眠い」という症状は、他人にはなかなか理解されず辛いもの。特に仕事を続ける際には、対策が必要です。ツボ押しや適度なカフェイン摂取をしたり、食べ物に気をつけながら、眠りつわりを乗り越えましょう。

眠りつわりはいつまで続く?効果的な対処法10選

眠りつわりが起こる原因とは?

一般的につわりと言えば吐き気を催すという症状で知られていますが、実は時間を選ばず訪れる睡魔に襲われる「眠りつわり」に悩まされている妊婦さんも多いのです。

佐久大学の研究調査によると、妊娠初期にマイナートラブルを自覚している女性のうちおよそ67,4%が「強い眠気」を経験しているというデータがあります(注1)。

つわりの原因はまだはっきりと解明されていませんが、眠りつわりの原因としては妊娠中に分泌が盛んになるホルモンが影響していると考えられています(注2,注3)。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

お腹を触ってる妊婦さん

妊娠を維持する働きがある「プロゲステロン」は卵巣から分泌されます。特に妊娠初期は胎盤が形成されたり、子宮が大きくなり始める大事な時期なので、プロゲステロンの分泌がより活発になります。

プロゲステロンには体温を上げる働きがあります。妊娠すると体温が0.3~0.5度ほど上昇する高温期が妊娠14週頃まで続きますが、この期間は強い眠気を感じてしまうのです。

アロプロゲステロン

プロゲステロンの分泌が盛んになることで、プロゲステロンの分解によってできるアロプロゲステロンの分泌量も増えます。アロプロゲステロンには強力な睡眠作用があり、その程度は睡眠薬にも及ぶ程と言われています。

PMS(月経前症候群)の症状として眠くなることがありますが、その原因がアロプロゲステロンです。体内で睡眠薬と同じ効果を持つホルモンが生成されているとなれば、眠気に襲われるのは致し方ないことです。

眠りつわりによく見られる症状

睡眠時間は普段と変わらないのに、まるで少ししか寝ていない時のような眠気に襲われます。眠気に襲われるパターンや眠気の強さには個人差がありますが、中には我慢できない程、眠くなる場合もあります。

眠気の他にも倦怠感や吐き気、頭が働かない、記憶力や判断力が低下するといった症状が見られます。

周囲の理解を得られないのが辛い!

あくびをしてる妊婦さんのイラスト

眠気つわりの症状で一番辛いのは周囲の理解を得られないことです。眠気をコントロールできなくなるという経験をしたことがある人は少ないですし、つわりの症状は経験者でないとなかなか分かってもらえません。

仕事中に眠気を感じたら「仕事をする気がない」と思われてしまうこともあり、言い出せずに困っている妊婦さんもいるでしょう。

眠りつわりはいつまで続くの?

一般的につわりの症状は妊娠初期から始まり、妊娠16週目くらいまでには落ち着きます。12~16週頃には胎盤が完成して、プロゲステロンの分泌量も徐々に安定してくるので、眠りつわりも治まる場合が多いです。ただしつわりの症状には個人差があるので、妊娠後期まで続く人もいれば全く症状が出ない人もいます。

しかし、妊娠中は大きなお腹を抱えて歩くだけでも疲れるので、つわりのせいではなく疲労感による眠気である場合も考えられます。

眠りつわりに効果的な10の対処法

眠りつわりの症状を軽減するためには自分に合った対処法を見つけるのが一番です。負担が少ない対処法を見つけましょう。

1.ガムやタブレットを噛む

ミントフレーバーのガムやタブレットは眠気覚ましに効果的なので、運転中の眠気を吹き飛ばすために利用している人も多いでしょう。スーッと鼻に抜ける爽快感が眠気を吹き飛ばす効果もありますが、実は脳にも効果があります。

ガムなどをリズミカルに噛むことで、脳が覚醒して目が覚めてきます。さらに集中力が養われ、あごや口を動かすことで脳の血液量も増え、脳内の神経細胞が活性化し始めます。

妊娠中は虫歯になりやすいという特徴があるので、ガムやタブレットはシュガーレスタイプにしておきましょう。

2.甘いものは極力控え、炭水化物を摂りすぎない

サラダを食べてる妊婦さん

糖質が体内に入ると、血糖値が高くなりますが、その際には体内で血糖値を抑えるインスリンが分泌されます。しかし、インスリンが分泌されすぎると、今度は血糖値が急激に下がり、脳がブドウ糖不足に陥り、眠気や倦怠感が強くなります。

特に食後に眠気が襲ってくるという方は、血糖値の急激な乱降下が影響している可能性があります。血糖値の急激な上昇を抑えれば、眠気を感じにくくなるはずです。

食事をする時は糖質の低い野菜や海藻から食べ始め、肉類や魚類のたんぱく質を豊富に摂るようにして、ご飯や麺、パンなどの炭水化物は控えめにします。また食後のデザートやおやつなど糖質の多いものを食べるのを控えて、眠気を予防しましょう。

3.ランチは刺激的なメニューにする

昼間の眠気を取り除きたい場合は、ランチに唐辛子やわさびを使ったメニューやスパイスたっぷりのカレーなど、身体に刺激を与える食べ物を選ぶと効果的です。特に妊娠中はやたらと刺激物を食べたくなる妊婦さんもいますが、眠気も覚ましてくれるなら一石二鳥です。

ただし、妊娠中はホルモンバランスや自律神経も乱れがちなので、胃腸の働きが低下する傾向があります。刺激物は胃腸に負担がかかるので、食べ過ぎるのはおすすめできません。友人とシェアしたり、キムチを少量食べたり、お寿司にわさびを添える程度にしておきましょう。

4.顔を洗う

眠気に襲われると体温が下がりますが、顔や手足などの末端は逆に温かくなります。そのままにしておくと手や顔がポカポカして気持ち良く眠ってしまうので、水で顔を洗って急激に冷やしてスッキリするのも効果的な方法です。

メイクをしている時は顔を洗うのが難しいですが、冷蔵庫で冷やしたタオルや冷却シートをおでこや首の付け根に貼るだけでも効果があります。

5.眠気を覚ますツボをマッサージする

眠気を覚ますツボをマッサージするのも効果的です。ツボさえ覚えておけばどこでもできる手軽な方法なので是非覚えておきましょう。

百会(ひゃくえ)

百会のつぼの位置

鼻の延長線上と左右の耳の延長線が交わる頭のてっぺん部分にあります。眠気はもちろん自律神経にも効果を発揮するツボなので、妊婦にとっては眠気同様に悩みの種である血行促進やストレスにも効果的です。

合谷(ごうこく)

合谷のつぼの位置

親指と人差し指の骨が合わさる所からほんの少し人差し指側にあり、押すと痛みを感じるくぼみです。

風池(ふうち)

風池のつぼの位置

左右の耳の後ろにある骨と後頭部にあるくぼみの中間にあります。頭痛や肩こりにも効果的です。

中衡(ちゅうしょう)

中衡のつぼの位置

中指の爪の生え際で人差し指側にあります。中指の爪の付け根を指で挟んで強く抑えるだけでも眠気覚ましになります。

労宮(ろうきゅう)

労宮のつぼの位置

手の平の中央にあり、手を握った時に中指が当たる部分です。血行促進効果があるので、むくみや肩こりにも効果的です。

6.誰かと会話する

眠い時にはひとりで過ごしていると余計に眠くなりますが、他の人と話していると眠くなりません。人と話すことで脳が活性化されて交感神経が優位になるので、眠気を覚ますのに効果的です。

仕事をしている方は、とくに眠気が強くなる時間帯にミーティングなど人と話す必要がある業務を入れるようにしましょう。

ただし、脳を刺激するには誰かと双方向のコミュニケーションを取ることが重要です。さほど面白くもない話をひたすら聞くだけでは、眠気が冷めるどころかさらに眠くなってしまいます。

7.眠くない時にやるべきことを済ませておく

つわりの吐き気が抑えられないのと同じように、眠りつわりの眠気もまたどうしても抑えられない時はあります。ですから、できるだけ眠くない時に、やるべきことを済ませておきましょう。

優先順位が低い家事に関しては、どうしてもやらなければいけないというわけではありません。「また明日やればいいや」くらいの気持ちを持って、気にせず眠るようにしましょう。

8.身体を動かす

ストレッチをしてる妊婦さん

ジッとしていると眠気はどんどん増すばかりですが、少し体を動かすと覚醒してくることがあります。

例えばデスクワークの途中で眠気に襲われたら、座ったまま肩や腰を伸ばすストレッチをしてみましょう。肩にグッと力を入れて一気に力を抜くと、脳への血流が良くなり、目が覚める効果があります。

軽い運動は睡眠の質を上げる効果もあるので、寝る前に行うのも効果的です。ただし、ジョギングや筋トレなど激しい運動を行うのは妊婦にはおすすめできません。ウォーキングやストレッチなどにしておきましょう。

9.体温を下げる

人間は身体がポカポカと温かくなってくると眠くなります。妊娠中に分泌が盛んになるプロゲステロンは体温を上げる働きがあるので、眠気を覚ましたいときは、冷たい飲み物を飲んだり、冷たいタオルで頭や目を冷やすと一時的に眠気を覚ます効果が期待できます。

しかし、妊婦にとって「冷えは大敵」と言われるように、体温が高いことは妊娠を維持するために必要です。飲む量や冷やす時間に気を付けてください。

10.可能であれば思う存分寝る

眠りつわりの症状が出ている間は睡眠の質が落ちるので、自分では長時間睡眠をとっているつもりでも十分に疲れが取れていないことがあります。妊娠中は家事や仕事よりも自分の身体を優先するべきです。

無理をして家事や仕事をすることで、体調を崩すのは1番避けたい事態です。自宅で過ごせるならば昼寝をする、職場にいるときもできるだけ小休止をとりましょう。

どうしても休憩する時間が確保できない場合は、見えないところで手を抜くなどして、身体に負担がかからないように自己管理しましょう。

仕事中の眠りつわりはどう対処すれば良い?

家にいる場合は、眠気に襲われても自分のペースで家事や用事を調整できますが、職場ではそうはいきません。眠りつわりの症状がひどい場合は、仕事中の対処法も必要です。

職場の人にきちんと説明をする

職場の人に眠りつわりについて説明してる妊婦さん

眠気を我慢しながら仕事をすると、集中できず時にはミスをしてしまうこともあるでしょう。しかし、眠りつわりは自分でコントロールができないので、職場の人に迷惑をかける前に、妊娠中で眠りつわりの症状があることを伝えて周囲の理解を得ることが、自身のストレスを軽減する方法でもあります。

眠りつわりを始め、つわりの諸症状は経験者でなければなかなかわかりません。働きやすい環境を維持するためにはきちんと言葉で伝えて、フォローをしてもらった時は感謝するようにしましょう。

母体保護連絡カードを利用する

眠りつわりの症状を職場に伝えていないばかりに「やる気がない」と誤解されるのは避けたい事態です。職場で理解を得るために「母体保護連絡カード」を使用する方法もあります。

「母体保護連絡カード」とは、担当医から休憩の必要性や通勤の緩和などの指導を受けた時に発行されるカードです。医師の判断による内容が職場に正しく伝達されるために、きちんと定められた様式で作成されます。自身で的確に伝える自信がないという方はぜひ利用してみてください。

休憩時間に睡眠をとる

昼休みや休憩時間に短時間でも良いのでグッスリ寝ましょう。あまり長い時間寝てしまうと逆に倦怠感を感じやすくなるので、15分程度で済ませます。「それだけ?」と思われる方もいるでしょうが、15分位の睡眠は、自律神経を調節しやすくなるので、その後の仕事の効率も上がります。

あまり周りを気にし過ぎないようにする

眠りつわりのせいで迷惑をかけていないかと周りを気にしすぎると、ストレスになります。

脳がストレスを感じると、自律神経やホルモンのバランスが乱れるので、睡眠の質が悪化したり、さらに眠気が増したりという症状が表れます。

無理してテキパキ働こうとするよりも、自分のペースで頑張るようにして、体調がすぐれない時は休みを取りましょう。

適度なカフェインを摂る

体内にカフェインが入ると「アデノシン」の働きが弱まり、眠気をブロックしてくれる効果が期待できます。緑茶やコーヒーなどカフェイン入りの飲み物を飲んで、さらにストレッチなど少しだけ身体を動かすと即効性が高まります。

妊娠中のカフェイン摂取はあまりおすすめはできませんが、絶対に口にしてはいけないというわけではありません。

日本ではカフェイン摂取量の基準が設けられていませんが、WHO(世界保健機関)基準では300mg、FSA(英国食品基準庁)などでは1日200mgとされています。コーヒー100mlにカフェインは60mg程含まれているので、眠気冷ましとして1日1~2杯程度飲む分には基準値内です。

眠りつわりを乗り越えよう!

なかなか周りに理解を得るのが難しい「眠りつわり」ですが、吐き気などと同様にピークはいずれ過ぎ去るものです。短い妊娠期間を楽しく過ごすためにも、自分に合った対処法を見つけて、眠りつわりを乗り越えてください。

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