破水したのに陣痛が来ないとき

破水したら陣痛はいつ来る?破水からはじまる出産の流れ

破水が陣痛より先に来たら、すぐに病院へ!破水したか見分ける方法、陣痛前に破水する「前期破水」のリスクと原因を解説します。通常は破水後24時間以内に本陣痛が起こりますが、陣痛が来ない場合は陣痛促進剤の使用による誘発分娩となるケースもあります。破水からはじまる出産の流れを理解しよう!

破水したら陣痛はいつ来る?破水からはじまる出産の流れ

破水が陣痛より先に来たらどうしたらいい?

一般的な出産の流れは、最初に陣痛が起こり、その後子宮口が全開となり、最後に破水(適時破水)が起こります。

しかし、陣痛より破水が先にくる出産もあります。
この場合、自宅や外出先などで、いきなり下着が濡れる感覚があり、破水したことに気が付きます。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。そして、陣痛前に破水が起こったときは、どのように行動することが望ましいのでしょうか。

破水したら、とにかく病院へ!

妊婦を診察する女医

陣痛前に破水したとしても、ほとんどの場合は、問題なく出産に至ります。

しかし、破水した状態で、放置しておくのはとても危険な行為です。
破水するということは、赤ちゃんを包み込んでいる卵膜に亀裂が入って、そこから羊水が漏れ出している状態です。

卵膜の亀裂部分から細菌が入り込むと、抵抗力のない赤ちゃんが細菌感染を引き起こしてしまいます。
また、へその緒が先に膣外に出る『臍帯脱出』が起きると、赤ちゃんに酸素が供給されなくなるリスクもあります。

破水に気づいたら、すぐにかかりつけの病院や助産所に電話をし、なるべく早く受診してください。

シャワーや入浴は禁止!

体を洗ってから病院に行きたいという気持ちは分かりますが、破水した後は出産するまでシャワーや入浴は禁止です。トイレのウォシュレットも当然NG!
身体を洗うことで、卵膜の亀裂部分から雑菌が入ってしまうかもしれません。生まれるまでの辛抱ですので、そのまま病院に行くようにして下さい。

破水したかどうかを見分ける方法

破水は、パチンと水風船が割れるように大量の羊水が流れ出すこともありますが、尿漏れと見間違う程度にチョロチョロとしか水が流れないパターンもあります。

産婦さんと赤ちゃんの健康を守るためにも、破水したのかどうかの見極めは大切です。見分けるポイントをご紹介します。

におい、色、感触

臭いと口元に手をやる女性

羊水は基本的には無臭ですが、破水時には生臭いにおいがすることもあります。一方、尿はアンモニア臭がありますので、羊水とは明らかに異なります。

また、色もチェックしてみて下さい。羊水は無色透明ですが、尿はうっすらと黄色いときがあります。

触ってみるとさらさらしているときは、羊水である可能性があります。一方、おりもののときは、カッテージチーズのようにボロボロとしていたり、粘り気があります。

自分の意志で止められるか

尿は自分の意志である程度止めることができますが、破水は自分の意志では止められません。腹部や膀胱に力を入れてもじわじわと出てくるときは、破水している可能性が高いでしょう。

破水に気づかないとどうなる?破水を見分ける4つのポイント
破水に気づかないとどうなる?破水を見分ける4つのポイント

陣痛前に破水する「前期破水」は20人に1人

陣痛が来る前に破水することを「前期破水」と言います。なんの前触れもなく、突然、破水すると焦ってしまうかもしれませんが、破水直後に身動きが取れないほどの陣痛がやってくることはほとんどないのでまずは落ち着きましょう。

前期破水はすべての出産のうち5~10%で見られる症状です。また、前期破水の60%は正産期である妊娠週数37週以降に起こっています(注1)。

前期破水は珍しいことではなく、前期破水が起こったからといって、出産そのものが危うくなる訳ではありません。

陣痛前に破水する原因

胎児と子宮口

前期破水が起こった妊産婦は、初産婦であることが有意に高かったという調査があります。
理由としては、経産婦は子宮と膣を繋ぐ子宮頸管が成熟しているため、子宮口が開くときは外子宮口(膣側)から開きますが、初産婦は、子宮口が内子宮口(子宮側)から開くことが多いためと考えられています。

内子宮口は卵膜に近い位置にありますので、内子宮口の動きに合わせて卵膜が引っ張られ、陣痛前に破水してしまいやすいのです(注2)。

他にも、前期破水が起こりやすい妊産婦には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 多胎妊娠(双子・三つ子など)
  • 逆子
  • 羊水過多
  • 子宮頸管が弱い
  • 絨網膜羊膜炎
破水の原因とは?分娩準備が整う前に破水が起こる理由
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破水したら陣痛はいつ来る?破水後の出産の流れ

前期破水では、破水してからどのくらいの間隔で陣痛が始まるのでしょうか。

破水後、24時間以内に陣痛が始まることが多い

呼吸をしながら陣痛に耐える女性

妊娠週数37週以降で前期破水した場合は、約80%の確率で、24時間以内に自然に陣痛が始まります(注3)。そのため、破水を確認してからかかりつけの病院に行き、陣痛が来るまで病室で待機するのが一般的です。

分娩待機中のチェック項目

分娩待機中は、胎児の健康を詳しくチェックするために、産婦さんにセンサーを取り付けて、胎児の心拍数と陣痛をモニタリングします。

また、子宮内感染症を予防するために、産婦さんが発熱していないか、心拍数が過度に早くなっていないか、子宮内の羊水量が過度に減っていないか、流出した羊水から細菌が観察されないかもチェックします。

陣痛が来ない・陣痛が弱いとき

破水後、入院措置がとられたにも関わらず、なかなか本陣痛がやってこないこともあります。

また、破水してからお腹などに痛みを感じると、「陣痛が来た!いよいよ分娩だ」と感じますが、本陣痛がなかなか強くならなかったり、一度強くなった本陣痛が弱くなる『微弱陣痛』が起こる可能性もあります。

微弱陣痛の場合、一般的なお産では陣痛を強くするために、身体を動かすことを勧められます。
しかし、既に破水している場合は、赤ちゃんのへその緒が膣外に出てしまう『臍帯脱出』の危険もあるため、安静にするのが基本です。

微弱陣痛が続く場合は、陣痛促進剤の投与が検討されるでしょう。

微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法
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細菌感染などのリスクが高い場合は誘発分娩へ

24時間以上陣痛が来ない場合や、妊婦や胎児の体力面・健康面を考慮して早く出産した方が良いと医師が判断する場合は、陣痛促進剤を投与して陣痛を人工的に引き起こします。

特に卵膜の亀裂部分からの細菌感染が危惧されるときは、陣痛促進剤投与による誘発分娩となるのが一般的です。

誘発分娩となる妊婦や胎児の状態とは?出産までの流れ
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羊水量が減少しているときは生理食塩水を注入する

破水したまま分娩待機時間が長くなると、体外に漏れ出す羊水量が増え、子宮内の羊水量が過剰に減少してしまいます。羊水量が極端に少なくなると、胎児と母体の両方の健康が脅かされます。

子宮内の羊水量が急激に減少していることが確認されたにも関わらず、すぐに誘発分娩が行えない場合や陣痛促進剤が効く間にも羊水量が減り続ける場合、膣部からカテーテルを挿入して生理的食塩水を子宮に注入する措置がとられるケースもあります。

破水後も妊娠継続が必要な場合の処置

病院のベッドで横になる妊婦

正産期に入る前、赤ちゃんが未発達な時期に破水してしまった場合は、妊娠継続の判断が下されるケースもあります。

妊娠を継続することで、胎児の発育・成熟が期待できますが、一方で羊水減少や羊水感染による合併症のリスクは高くなりますので、慎重な経過観察が必要です。

管理入院となり、子宮収縮抑制剤や抗菌剤を投与する

破水後も妊娠継続が必要な場合、陣痛が来ないようにする子宮収縮抑制剤、細菌感染を予防するための抗菌薬を投与し、管理入院となるのが一般的です(注4)。

子宮の高い位置で起こる高位破水の場合は、卵膜が大きく裂けるのではなく、針でつついたような穴ができ、そこからごく少量の羊水が流れ出ただけの場合もあります。

妊娠週数や破水の程度によっては大事に至らず、無事出産となる人も大勢いますから、あまり心配しすぎないようにしましょう。

漏れ出す羊水量が減るときこそ要注意

通常、一旦破水が始まると、徐々に出てくる羊水の量が増えてきます。しかし、高位破水の場合には、破水して漏れ出す羊水の量が極端に減少したり、羊水がまったく出なくなったりすることがあります。

もちろん、これは卵膜の亀裂部分が上にあるために、羊水が漏出しにくくなっているだけのことです。亀裂部分が自然にふさがったわけではありません。

例え破水している感覚がなくなったとしても、医師の指示には必ず従いましょう。

陣痛前に破水が来ても慌てない!

陣痛前に破水が来ることは、決して珍しいことではありません。しかし、破水を長時間放置していると、羊水減少や細菌感染によって赤ちゃんの健康を損なうリスクが高くなります。破水したかどうか確信が得られなくても、疑わしいときは必ず病院を受診してください。

破水後に本陣痛がやってこない場合、陣痛促進剤が投与されるのが一般的です。陣痛促進剤は「副作用が怖い」と考える妊婦さんもいると思いますが、破水による胎児への細菌感染のリスクがある場合は必要な処置です。主治医とよく相談しましょう。

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