妊婦の豆乳摂取の効果と注意点

妊婦は豆乳を飲んでもいい?基準値を守る上手な摂取方法

妊婦は豆乳を飲み過ぎてはいけない?豆乳の栄養素とともに、妊娠中に豆乳を飲む際の注意点を解説します。大豆イソブラボンの過剰摂取にならないように、豆乳を含めた大豆製品は1日の摂取基準を守って、バランスの良い食生活を送りましょう。妊娠中の上手な豆乳との付き合い方をお伝えします!

妊婦は豆乳を飲んでもいい?基準値を守る上手な摂取方法

妊婦は豆乳を飲んでも大丈夫?豆乳ってどんな飲み物?

「妊娠中は豆乳を飲んでも大丈夫なのか?」という疑問、妊婦が豆乳を飲むメリットと飲む際の注意点を紹介します。

健康や美容のためにヘルシーで栄養豊富な豆乳は女性に人気があり、妊娠前から飲まれている方も多いのではないでしょうか?体に良いのだから妊娠中も飲みたいけれど、妊娠中は口にするものが気になる期間でもあります。飲み過ぎに気を付けながら、日々の食生活に上手に取り入れていきましょう。

そもそも豆乳とは、大豆を茹でてこした際に出てくる液体

豆腐屋さん

豆乳は、大豆をゆでて潰し、布でこしたときに出てくる水分のことです。ちなみに、水分ではなく絞った時に残った粕は「おから」と呼ばれ、豆乳ににがり(塩化マグネシウム)を加えると「豆腐」となります。

豆乳と牛乳は名前は似ていますが、実際にはまったく異なる飲み物で、豆乳は植物性たんぱく質、牛乳は動物性たんぱく質が豊富な食品です。当然ながら豆乳は乳製品には含まれません。

妊娠中も豆乳はOK!栄養価が高く、ホルモンバランスを整えるなどのメリットがあり!

妊娠中に豆乳を飲むことは問題ありません。豆乳に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをしてくれ、ホルモンバランスを整えてくれます。他にもレシチンやサポニンといった栄養素が血行促進やコレステロールの低下を助けてくれるなどの効果も期待できます。

また、豆乳は低カロリーなのに高たんぱく、カルシウムや鉄なども摂取できるので、栄養的にも優れた飲み物です。

牛乳はカルシウムやたんぱく質が豊富ですが、動物性のため豆乳に比べカロリーが高めです。牛乳アレルギーがある方や牛乳の脂肪分などが気になる方は、豆乳を代用することもできます。

豆乳の成分・注目すべき栄養素

大豆の栄養が丸ごと摂れる豆乳は低カロリーで高たんぱく、他にも有名な大豆イソフラボンなど体に嬉しい栄養が豊富です。中でもとくに注目なのは以下の栄養素です。

基礎代謝を向上させ、体重管理にも好影響が期待できる「大豆たんぱく」

大豆の33%をしめるのがたんぱく質。大豆のたんぱく質はお肉などの動物性のたんぱく質に比べて低カロリーで基礎代謝の向上をサポートしてくれるため、体重管理にも好影響が期待できます。
また、血中コレステロールの低下作用や血流改善に役立つので血液サラサラに期待できます。

女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」

大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをしてくれ、ホルモンバランスを整えるのをサポート。また骨粗しょう症の予防にも役立ちます。

コレステロールのコントロールに役立つ「サポニン」

サポニンは血中のコレステロールなどの余分な脂質を洗い流してくれ、肥満の予防につながります。また、抗酸化作用をもちますので、アンチエイジング効果も期待できます。

動脈硬化を予防し、脳を活性化させる「レシチン」

レシチンは血中コレステロールの排泄を促すため、動脈硬化を予防してくれます。また脳細胞の活性化を促し、神経伝達物質を生成する働きを持つため脳を活性化し、老化を予防してくれます。

腸内環境を整える「オリゴ糖・マグネシウム」

大豆由来のオリゴ糖はビフィズス菌のエサとなり、善玉菌を増やし、腸内環境の改善に役立ちます。また便の水分を増やし柔らかくするマグネシウムも豊富なので、便秘解消に役立ちます。

過剰摂取はNG!妊娠中に豆乳を飲む時の注意点

大豆と豆乳

妊婦が豆乳を飲む時に注意しなくてはいけないのは大豆イソフラボンの過剰摂取です。
豆乳に身体に良い栄養素が含まれていることは間違いありませんが、過剰摂取は妊娠中ただでさえ不安定なホルモンのバランスを崩してしまう恐れもあります。

豆乳でホルモンバランスが崩れる理由

豆乳は女性、妊婦さんに嬉しい効果が期待できますが、摂取しすぎてはいけない食品です。豆乳がなぜホルモンバランスに影響を及ぼしてしまうのか解説します。

妊娠に必要なホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」

豆乳に含まれる「大豆イソブラン」は、女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似た働きをするため、「植物性エストロゲン」と呼ばれることもあります。

エストロゲンは、母乳分泌のためにも不可欠ですから、女性にとっては欠かせないホルモンです。エストロゲンは、妊娠初期から後期にかけて徐々に上昇し、出産直後には急激に減少します。

エストロゲンとともに、もう1つ妊娠継続において大切なのが「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。プロゲステロンも、妊娠初期~後期にかけて徐々に上昇し、分娩後にはゼロに近い状態にまで減少します。

豆乳によってエストロゲンのみが増加するのが問題

妊娠中は、エストロゲンとプロゲステロンの両方が同じぐらいのペースで増えて行くのが理想です。
しかし、大豆イソブラボンを過剰に摂り続けると、エストロゲンのみが増加してしまい、結果としてホルモンバランスを崩してしまいます。

プロゲステロンには、エストロゲンの働きを抑制する効果があるともいわれていますが、豆乳の過剰摂取が本来の身体の働きに反していることは変わりありません。その結果、母体や胎児の発育に影響が出てしまう可能性もあります。

妊娠中の豆乳摂取に対する、内閣府食品安全委員会の結論

内閣府の食品安全委員会では、サプリメントなど「日常的な食生活に上乗せする」妊婦の大豆イソブラボン摂取は、以下のような理由から「推奨できない」と現段階では結論づけています。

  • 妊娠動物を行った動物に、高濃度の大豆イソブラボンを投与した実験で、胎児の生殖機能への影響を示唆する報告があったこと。
  • 大豆イソフラボンを含むフラボノイドには、トポイソメラーゼⅡ阻害作用があること。
  • 妊婦の大豆イソブランを追加摂取することに有益性を見いだせないこと。

豆乳も毎日のように大量に飲むのは、大豆イソブラボンの摂取量オーバーとなります。1日に飲む量には気を付けた方が良いでしょう。

大豆イソフラボンの摂取基準は1日70~75 mg

サプリメントを飲もうとしてる妊婦さん

大豆イソフラボンは、1日の摂取の上限が決まっている成分です。
食品安全員会において、大豆イソフラボンの1日摂取上限値は70~75 mgとされています。

この数値は、あくまで大豆や豆乳などの食品から摂取した場合のみです。
ご説明した通り、妊娠中は「日常的な食生活に上乗せする」サプリメントのような形での大豆イソブラボン摂取は推奨されていません。

もし常用しているサプリに大豆イソブラボンが含まれている場合は、食事からの摂取量も見直す必要があります。

食品に含まれる大豆イソブラボンの含有量

1日に70~75 mgの大豆イソフラボンとは、どれくらいが目安なのでしょうか?
大豆イソブラボンは、その名の通り、大豆を原料とするほぼすべての食品に含まれています。豆乳やその他大豆製品に含まれているイソフラボン含有量は以下のようになっています。

  • 豆乳1パック(200ml)…約50mg
  • 納豆1パック(50g)…約35mg
  • 豆腐1丁(300g)…約60mg
  • 味噌汁1杯(20mg)…約6mg

和食中心の妊婦さんは豆乳の常飲は避けた方がベター

豆腐の味噌汁に納豆といったよく見かける朝ごはんだけでもかなりのイソフラボンが摂取できます。妊娠中は和食中心の食生活を送ろうとする方も多くなります。大豆製品を普段から食べている方は、豆乳はあえて飲む必要のない飲み物の可能性も高いでしょう。

洋食中心の妊婦さんは豆乳は1日コップ1杯程度と覚えておく

朝はトーストにサラダ、スープなど、最近では洋食を好む方も多くいます。3食のうち1度も味噌汁を飲まないなど、日頃の食生活で大豆製品を好まない方は、豆乳を飲んでも過剰摂取の可能性は低いでしょう。

ただし、200ml(小さめの紙パック飲料)の豆乳だけでも約50mgの大豆イソブラボンが摂取できます。ついつい飲み過ぎてしまわないように、1日コップ1杯程度と覚えておきましょう。

妊娠中の豆乳摂取と赤ちゃんの大豆アレルギーは関係ない

妊娠中に牛乳や卵を摂ると、赤ちゃんにアレルギーが出るという話を聞いたことはありませんか?そのため、「大豆アレルギーになる豆乳も取らないほうがいいのでは?」と心配なママもいらっしゃるのではないでしょうか。

まず牛乳や卵の摂取によるアレルギーの心配ですが、今のところ事実関係は証明されていません。
大豆アレルギーも同様に、ママが豆乳を摂取したからといって赤ちゃんがアレルギーになる根拠はありません。

大豆イソブラボンの過剰摂取を避けた方が良いのは確ですが、アレルギーとの因果関係を示す根拠はなにも見つかっていないのです。ママ自体にアレルギーがなければ、摂取基準を守って豆乳を飲む限り、心配する必要はないでしょう。

妊娠中の豆乳の上手な飲み方

豆乳を飲んでる妊婦さん

豆乳は栄養価が高く優れた飲みものですが、体にいいからといって飲み過ぎは禁物です。豆乳に限らず妊娠中の栄養は日常の食事からバランスよく摂ることが基本です。その上で、豆乳をうまく生活に取り入れるようにしましょう。

妊娠中に豆乳を飲むのにおすすめのタイミング

豆乳は摂取量に注意が必要なので、毎日飲むというよりは以下のようなときに豆乳に含まれる成分や栄養価を取り入れる目的で飲むのがおすすすめです。

つわりの時の栄養補給として

妊娠初期のつわりなどで食事が思うように取れない方も多いでしょう。つわりで栄養が取れないときには、少量でも栄養価の高い豆乳を摂取することで、水分と栄養の補給に役立ちます。

便秘気味で腸内環境を整えたいとき

妊娠中に悩まされる方が多いのが便秘です。豆乳には善玉菌を増やし、腸内環境を改善してくれるオリゴ糖や便を柔らかくするマグネシウムが含まれています。また、豆乳を飲むこと自体で水分も摂取できます。

無調整豆乳・調整豆乳など豆乳の種類のちがい

スーパーで見かける豆乳は種類が豊富でどれを飲めばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。豆乳は大きく3つの種類に分けられます。

  • 無調整豆乳…大豆と水飲みで作られた豆乳(大豆固形分8%以上)
  • 調整豆乳…豆乳に砂糖などを加え飲みやすくした物(大豆固形分6%以上)
  • 豆乳飲料…豆乳に果汁やコーヒーなどを加えた物(果汁入り製品の大豆固形分2%以上/そのた製品の大豆固形分4%以上)

おすすめは大豆の栄養をしっかり摂れる無調整豆乳ですが、無調整豆乳は大豆の青臭さがあり苦手とする方もいらっしゃいます。飲料ではなく、料理に利用すると、癖を感じずに摂取しやすくなります。

調整豆乳は砂糖などが加えられカロリーなども高くはなりますが、その分飲みやすいのが特徴。無調整豆乳が苦手な方は、飲み過ぎには注意しながら調整豆乳を飲んでも良いでしょう。

「麦芽コーヒー豆乳」には少量のカフェインが含まれているが、飲みすぎなければ大丈夫

豆乳飲料でよく目にするのが「麦芽コーヒー豆乳」です。麦芽コーヒーとは、大麦の種子を発芽させた大麦麦芽のエキスにコーヒーエキスなどを配合した豆乳飲料です。

原材料には砂糖なども加えられており、妊娠期間中はカフェインを控えたほうがいいためコーヒーの摂取も気になります。

コーヒーをそのまま飲むよりは少量ですが200mlあたり約30mg(メーカーなどにより異なる)程カフェインを含んでいます。ちなみに妊娠中の1日のカフェイン摂取許容量は、WHOでは300mg、国によっては200mgですが、日本では明確な数値は定められていません。

妊娠中のカフェインなぜだめ?胎児への影響と1日の許容量
妊娠中のカフェインなぜだめ?胎児への影響と1日の許容量

カフェインが気になる方は、カフェインレスの麦芽コーヒー豆乳飲料も販売されていますのでそちらをおすすめします。

豆乳ドリンクを手作りしよう

紙パック飲料を買わなくても、豆乳を使っておいしいドリンクを作ることは可能です。基本的に、豆乳は牛乳の代わりに代用できます。

コーヒーに牛乳の代わりに混ぜると「豆乳ラテ」
ほうじ茶に混ぜると「ほうじ茶ラテ」
甘酒(妊娠中は米麹原料に限る)と混ぜると「豆乳甘酒」

手軽に和風ドリンクを楽しめます。
豆乳を使ったドリンクは、きな粉や黒蜜などとの相性も良いのが特徴です。

妊娠中に豆乳を料理に活用する方法

料理を作ってる妊婦さん

豆乳をそのまま飲むのは苦手だけど、料理に豆乳を使ってみたいという方に向けて、簡単なアイデアをご紹介します。調整豆乳でもできますが、料理なら無調整豆乳の臭みが気にならなくなることも多いです。

ベーコンの出汁やコンソメで味付けする豆乳スープ・豆乳鍋

1番簡単なのは、やはりスープ系の料理です。ベーコンや野菜を煮込んで、コンソメと豆乳で味付けすれば豆乳スープの完成です。コンソメ以外に、味噌とも相性が良いので、豆乳風味噌汁にしたり、豆乳味噌鍋などもおすすめです。

低カロリーでヘルシーな豆乳ホワイトソースソース

牛乳の代わりに、豆乳でホワイトソースを作ることも可能です。グラタンやドリアの上にかけたり、パスタと和えてもOK!もともと牛乳よりカロリーが低いので、バターを控えめにすれば、更にヘルシーであっさりとした味に仕上がります。

牛乳の代わりに入れるだけの豆乳パンケーキ

牛乳同様に、豆乳は小麦粉とも相性がよい食材です。パンケーキミックスに豆乳を混ぜて焼けば、豆乳パンケーキの完成です。ほのかに豆乳の香りを感じて、いつもとは少しだけ違った味わいになります。黒蜜やきな粉、抹茶アイスなどとも相性が良いでしょう。

妊娠中の豆乳は飲み過ぎに気を付けて!

女性に嬉しい効果もある豆乳ですが、特に妊娠中は過剰摂取に気を付ける必要があります。
納豆やお豆腐、お味噌などを使った和食が大好きな方は、あえて豆乳を飲む必要性は薄いので、嗜好品としてたまに楽しむ程度にとどめておくのがベターです。

妊娠中に限らず、健康な食生活において大切なのは「バランス」です。他の大豆製品との兼ね合いも考えて、特定のものや栄養素を摂りすぎないように注意しましょう。

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