妊婦のコーヒーの飲み方

妊婦にコーヒーはNG?カフェインの悪影響を避ける飲み方

妊婦がコーヒーを控えるべきなのは、カフェインやタンニンなどの成分が原因です。そもそもカフェインとはどんな物質なのか、妊婦や胎児に及ぼす影響を解説。各国の摂取許容量を参考に、1日何杯なら飲めるのか、飲む量やタイミングの注意点をまとめました。カフェインレスも上手に活用してください!

妊婦にコーヒーはNG?カフェインの悪影響を避ける飲み方

妊婦にコーヒーが良くない理由~カフェインのなにが問題なの?

「妊婦はコーヒーを飲まない方が良い」というのは昔から言われていることですが、一体その理由は何であるかご存知ですか?

コーヒーはたんぱく質、アミノ酸、クロロゲン酸、油脂、ショ糖、セルロースに熱を加えることで味と香りが作られています。他にはカフェイン、タンニン、ポリフェノール、ミネラル、ニコチン酸、粗繊維、有機酸などの成分が含まれています。

その中でも主な成分であるコーヒーの「カフェイン」が妊婦さんに悪影響をもたらすと言われている主原因です。

コーヒーに含まれるカフェインは人の身体にどんな働きをする?

コーヒー

カフェインとは珈琲に含まれている最も特徴的な成分で、そもそもは「アルカロイド」という化学物質のひとつであり、人体に様々な作用をもたらします。カフェインは珈琲以外では、紅茶や緑茶などの飲み物にも含まれていることが広く知られており、妊娠中は飲み物に困るという妊婦さんもいるでしょう。

カフェインは眠気を覚ますなどの覚醒効果が知られている

一般的に有名なのは眠気を覚ます作用です。これは覚醒作用や血管拡張作用によって気分が高まることによって、疲労や眠気を解消して、作業効率を上げるためのメリットとしてよく知られています。また低血圧を改善したり、運動機能を高める効果も期待できます。

さらに片頭痛や二日酔いの緩和、交感神経を刺激して代謝をアップさせることで脂肪が燃焼するダイエット効果、胃液の分泌を促して消化を良くする効果、利尿作用、鎮痛作用もあるとされています。

過剰摂取すると貧血や自律神経の乱れなどの副作用が起こる

カフェインを過剰に摂取すると副作用があります。主に自律神経が乱れたり、胃酸の分泌が過剰になったり、貧血症状が見られたりします。

これらの副作用によって頭痛、疲労感、肩こり、腰痛、胃痛、集中力の低下と言った症状を伴う場合もあります。また興奮状態が続くという副作用によって、不眠になるケースも見られます。

珈琲・紅茶などカフェインの摂取による妊婦への悪影響

アイスコーヒーのことを思い出した妊婦さんのイラスト

胎盤を通して胎児に移行し、発育を阻害する恐れがある

妊娠中は普段に比べて代謝機能が低下するので、摂取したカフェインを分解して体外に排出するまでに時間がかかります。スムーズにすべて代謝されれば問題ありませんが、体内にカフェインが残ってしまうと、胎盤を通して胎児に移行します。

胎児はカフェインを上手く排出できず、結果としてカルシウムや鉄分などの吸収を阻害し、発育に影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠中の多量のカフェイン摂取は推奨されていないのです。

妊娠中に不足しがちなカルシウムが排出されてしまう

妊娠中はお腹の中の赤ちゃんの分まで栄養素を摂る必要があります。赤ちゃんの歯や骨になるカルシウムも重要な栄養素のひとつですが、カフェインを摂取することで利尿作用が働き、カルシウムも排出されやすくなってしまいます。

お腹の赤ちゃんは足りない栄養素をお母さんの身体から補充するので、カルシウムが足りないせいで産後は歯や骨が弱ってしまう妊婦さんもいます。

胃液の分泌を促す作用があるため、胃もたれの原因になる

カフェインには胃液の分泌を促す働きがあります。妊婦さんはお腹が大きくなるにつれて胃液が逆流しやすくなりますが、そこでさらに胃液の分泌が盛んになれば逆流もひどくなり、胃がもたれてしまうこともあります。

利尿作用により頻尿を引き起こす

カフェインには利尿作用がありますが、妊婦さんはただでさえ膀胱が圧迫されてトイレが近いので、さらに近くなると生活に支障が出る場合もあります。

また利尿作用があることによって、妊婦さんと胎児にとって大切な栄養素である水溶性のビタミンやミネラルが吸収される前に体外に排出されてしまう可能性も考えられます。カフェインを摂取する時は意識的にビタミンやミネラルも多めに摂るようにした方が良いでしょう。

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栄養成分の吸収を阻害し、肌荒れの要因となる

肌荒れを気にして鏡を見てる妊婦さん

妊娠中はホルモンバランスが乱れたり、食生活や生活習慣が普段とは変化したりすることで肌荒れに悩まされる方もいます。カフェインには利尿作用がありますが、それによって肌に良いとされる成分が吸収される前に尿として排出されてしまう可能性もあるので、肌荒れが改善されにくくなります。

コーヒーに含まれる妊娠中に注意が必要なその他の物質

カフェイン以外にも、珈琲に含まれるタンニンなどの成分は妊娠中にはあまり嬉しくない働きをしてしまいます。

貧血を悪化させる「タンニン」

カフェインの他にも、コーヒーにはポリフェノールの1種である「タンニン」が含まれています。タンニンは体内に入ると鉄と結びついて「タンニン鉄」になり、水に溶けにくくなります。その結果、体内に吸収されにくくなるので、鉄分不足を引き起こします。

妊婦さんは胎児の分まで鉄分が必要になりますが、タンニンを摂取しすぎると鉄分が不足し、貧血になりやすくなります。特に食前・食後30分以内にカフェインを摂取すると鉄分の吸収を妨げる可能性が高くなるので注意が必要です。

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絶対NGではない!コーヒーは妊婦にとってメリットもある

カフェインによる影響は気に掛けるべきですが、妊娠中は絶対にコーヒーを飲んではいけないわけではありません。むしろコーヒー好きの妊婦さんにとっては、コーヒーを飲めないストレスの方が身体に良くない場合もあります。妊娠中でもコーヒーが与えてくれるメリットをご紹介します。

香りによるリラックス効果

珈琲を飲んでリラックスしてる妊婦さん

珈琲の香りにはリラックス効果があるので、飲んだり、香りを嗅ぐことで妊娠中のストレスを解消できます。

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カリウムによる妊娠中のむくみ改善

コーヒーには「カリウム」も多く含まれています。カリウムとカフェインのダブルの利尿作用によって、体内の余分な成分を排出してくれるので、妊娠中の悩みとなるむくみを解消する効果や高血圧予防にも役立ちます。ただし利尿作用が強すぎるのは逆効果になるので、飲み過ぎには要注意です。

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覚醒作用があるので眠りづわりへの対策としても役立つ

妊娠中は、ホルモンバランスの影響で、十分な睡眠をとっているにも関わらず猛烈な眠気を感じることがあります。しかし、妊娠中も仕事を続ける方は、例え眠気を感じても仕事の手を止めらない場合もあるでしょう。

そんな時は、眠気覚ましの薬としてコーヒーを飲めば、30分ほどでカフェインによる覚醒作用が現われます。飲んだ後にストレッチなどをすればさらに即効性が高まるはずです。

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妊婦がコーヒーと上手に付き合うには?

カフェインの影響やコーヒーのメリットを踏まえて、妊婦さんがコーヒーを飲む際に気を付けたいことをお伝えします。

コーヒーに含まれるカフェインの量を知ろう

ラテアートが施されたカフェラテ

カップ1杯(150ml)のカフェイン量

ドリップコーヒー 100mg
インスタントコーヒー 65mg
エスプレッソ 300mg
カフェラテ・カプチーノ 50mg

コーヒーの中でも一番カフェイン含有量が多いのはエスプレッソですが、エスプレッソの場合は飲む量が少なく、大体50mlくらいです。ドリップコーヒーとほぼ変わらないカフェイン量として計算しましょう。

ちなみにコーヒーよりもカフェイン含有量が多い飲み物が「玉露」で、150mlあたり180mgになります。

1日に摂取しても良いカフェイン量は200~300mgでコーヒー2~3杯程度に相当する

日本ではカフェイン摂取量の上限は特に設けられていません。しかし妊婦のカフェイン摂取量の基準が定められている国もあります(注1)。

世界保健機関(WHO) コーヒーは1日3~4杯まで
英国食品基準庁 カフェインは1日200mgまで
欧州食品安全機関(EFSA) カフェインは1日300mgまで
カナダ保健省 カフェインは1日300mgまで
オーストラリア保健・食品安全局 カフェインは1日300mg未満

以上のことから考えると、妊婦さんのカフェイン摂取量は1日に200~300mgに留めておいた方が良いでしょう。

ただし、妊婦のカフェイン摂取による胎児への影響に関しては、様々な研究がなされている段階です。今後、摂取制限量が引き下げられる可能性もあります。できるだけ控えめにしておき、基本はカフェインレスコーヒーなどを頼った方が安心です。

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妊婦がコーヒーを飲む際のポイント

コーヒーを飲んでる妊婦さん

1日2杯までを基本とし、チョコレートなどの食べ物とのバランスをとる

カフェイン摂取量の上限を考慮すると、妊婦さんはコーヒーを1日に2杯までに留めておくのが安心です。それまで1日に5、6杯は飲んでいたという方にとっては我慢することになりますが、その分ノンカフェインコーヒー・カフェインレスコーヒなどを取り入れてみましょう。

またカフェインはコーヒーだけに含まれているわけではありません。カフェインが含まれている他の飲み物やチョコレートなどを食べた日はコーヒーも控えめにしてください。

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貧血のリスク高いときはコーヒーは控える

妊娠初期の妊婦さんの体内では、胎盤を形成するために普段よりも多くの血液が必要です。しかし、この時期はつわりなどの影響で、食べ物から栄養を摂取できない方も多いでしょう。

コーヒーにはカフェインを始め、鉄分の吸収を妨げてしまうタンニンも含まれていますので、飲み過ぎると貧血を引き起こす可能性が高くなってしまいます。

妊娠初期だけに限らず、妊婦は貧血の症状が出やすいので、自分自身の体調を考えながらコーヒーを飲むようにしましょう。

寝る前・食後のコーヒーは避ける

1日2杯まではOKとは言え、飲むタイミングには注意が必要です。寝る前にコーヒーを飲むと利尿作用でトイレに起きてしまい、眠りが浅くなってしまいます。妊婦さんにとって質の良い眠りは必要不可欠なので、睡眠の妨げになるカフェインは出来る限り昼間に摂取するべきです。

また、コーヒーに含まれている「タンニン」が鉄分の吸収を妨げてしまいます。食後のコーヒーが習慣化している方もいると思いますが、食事中や食後30分以内は体内に栄養素を取り込む時間帯なので、できるだけ控えることをおすすめします。

浅煎りより深煎りコーヒーを選ぶ

カフェインは焙煎されることで分解されるので、深煎りよりも浅煎りのほうが含有量は多くなります。また抽出時間が長いほど、お湯の温度が高いほどカフェイン含有量は多くなります。

ただし、普段はカフェインレスコーヒーなどを楽しんでいる場合、たまに飲むコーヒーは自分の好きなものを選んだ方が満足度は高いので、あまり気にする必要はありません。

胃もたれしている場合はコーヒーは控えて、水やお茶にする

お腹を触ってる妊婦さん

お腹が大きくなってくると胃が圧迫されて胃液が逆流しやすくなります。その状態でわざわざ胃液の分泌を促すカフェインを摂取するのは、あまり身体に良いとはいえません。コーヒー自体を控えるのがおすすめです。食後の気持ち悪さをすっきりさせるためには、水やノンカフェインのお茶がオススメです。

できるだけ「カフェインレス」「ノンカフェイン」飲料に切り替える

カフェインが90%以上除去されているカフェインレスコーヒーなら妊婦さんでも安心して飲むことができます。カフェインは無くてもきちんとコーヒーの香りや風味が残っているので、ストレスなく切り替えられるのが大きなメリットです。

またカフェインレスにすることで、イライラや頭痛、貧血、冷え、胃もたれ、不眠など妊婦さんに対するコーヒーのデメリットがほとんど解消されます。

ちなみに、コーヒーには、美肌効果やダイエット効果がある「クロロゲン酸」が含まれていますが、カフェインレスコーヒーにもクロロゲン酸はそのまま入っているので安心してください。

妊娠中におすすめのコーヒー

妊婦にコーヒーは良くないとわかっていても、普段からコーヒーを好んで飲んでいる人にはそれがストレスになります。しかしカフェインが含まれていないコーヒーなら安心して飲むことができます。

カフェインレスコーヒー|大手喫茶チェーンでも注文可能

最近はコーヒーショップでも「デカフェ」と呼ばれるカフェインレスコーヒーが飲めます。デカフェはカフェインが含まれている飲み物からカフェインを取り除いたものです。

スタバやタリーズなどの大手喫茶チェーンでもデカフェのコーヒーが楽しめるので、友達とお茶する時にもひとりだけコーヒー以外を頼まなくて済みます。

またカフェインレスでも、コーヒー豆やドリップタイプ、インスタントも市販されています。自宅で本格的に楽しみたい人、気軽に飲みたい人のどちらのニーズも叶えてくれます。

たんぽぽコーヒー|コーヒーの代用品となるお茶

たんぽぽコーヒー

西洋たんぽぽの根を乾燥させた茶葉を抽出した飲み物です。「たんぽぽ茶」とも呼ばれますが、色がコーヒーと似ていることや香ばしい風味であることからコーヒーの代用品として楽しむことができます。

茶葉を購入してコーヒーメーカーで抽出しても良いですし、麦茶のように水出しにすることもできます。オーガニックカフェなどではメニューとして扱われている場合もあります。

授乳中もコーヒーによるカフェイン摂取に注意!

妊娠中だけではなく授乳中にもカフェインの摂取には気を付けなければいけません。ママがカフェインを摂取すると、その中の約1%が母乳に混ざり赤ちゃんの体内に入ると言われています。

1%ならコーヒーを1,2杯くらいは大丈夫だと油断しがちですが、コーヒー以外からもカフェインを摂る可能性があるので注意が必要です。

一般的にはカフェインを摂取してから5時間程度で体外に排出するので、飲むタイミングとしては授乳後がベストでしょう。

妊娠中はコーヒーを飲まないストレスも敵になる!

妊婦だからといってコーヒーを飲むことを禁じられているわけではありません。カフェインの摂取量を考慮して、適量を守って飲むなら問題ないと言えます。

しかし、心配性の方はコーヒーを飲んだことで罪悪感や不安感に悩まされる場合もあるので、カフェインレスコーヒーにするのがおすすめです。

妊娠中はストレスが溜まりやすいので、ホッとできるコーヒータイムを過ごすのも大切です。ご紹介したコーヒーの情報を参考にして、楽しいマタニティーライフを過ごしてください。

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