妊婦の塩分摂取量を減らす方法

妊婦の塩分摂取は何グラムまで?塩分控えめな食事のコツ

妊婦さんは塩分を控えめにする必要があります。理想の塩分量は1日7g未満。意識しなければ達成できない数字です。塩分の摂り過ぎは、妊娠高血圧症のリスクを高め、母体や胎児にも影響します。塩分量を減らす食事の工夫やおすすめのレシピ、摂りすぎた塩分を上手に排出する方法をお伝えします。

妊婦の塩分摂取は何グラムまで?塩分控えめな食事のコツ

妊婦の塩分摂取は1日どのぐらいが理想?

妊娠中は「あまり塩分を摂り過ぎないように」と言われることが多いですが、一体どれくらいが摂り過ぎになるのかご存知ですか?

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準2015年版」の報告によると、1日あたりの食塩摂取の目標量は成人女性で7.0g未満となっています。妊婦については特に定められていないので、成人女性と同じ数値を目標とします。

ただし、気になるのは日本の成人女性の1日の平均塩分摂取量は9.2gとなっている点です(厚生労働省「平成27年国民健康栄養調査結果の概要」より)。つまり、多くの成人女性が常に摂取量をオーバーしている状態にあります。

妊婦さんは、普段の食生活よりも塩分を控えめにする意識が必要ということになります。

カロリーを増やしつつ、塩分摂取を控えるのが理想

前出の「日本人の食事摂取基準2015年版」によるエネルギー必要量は
18~29歳女性で1,650kcal~2,200kcal(身体活動レベル低~身体活動レベル高)
30~49歳女性で1,750kcal~2,300kcal
となっています。

妊婦のカロリー摂取量は妊娠初期で基準+50、妊娠中期で+250、妊娠後期で+450の増加が必要となっています。限度はありますが、妊娠中は胎児の発達のためにも、食事量が増えるのが普通のこと。

ミルクを飲む妊婦

しかし、摂取カロリーは増やして良いけれど、塩分は控えめというのは、現代人にとってはなかなか悩ましい問題です。食欲のままに食べたいものを食べるのではなく、食事の内容を考える必要があります。

最低限の塩分は必要!つわり中は無理をしない

塩分を控えめにしなければいけないとは言うものの、極端に少ないのも良くありません。
特に妊娠初期でつわりがひどい場合は、食欲がなくて食べることができない、食べても吐いてしまう、下痢気味になるという妊婦さんもいます。

このような場合は、身体からミネラルが不足した状態にあります。塩分を控えると更に体調が悪くなる恐れもありますので、少しでも食べられるものを口にするようにしましょう。

妊娠中に塩分を摂り過ぎるリスク

塩分の摂り過ぎは血圧の上昇やむくみを引き起こし、様々な合併症につながる原因となる「妊娠高血圧症候群」(注1)を発症するリスクも高まる可能性があるので、摂り過ぎには注意しましょう。

妊娠高血圧症候群とは

高血圧を伴う病気の総称で、妊娠32週以前は「早発型」、以降は「遅発型」と言われています。特に「早発型」は重症化しやすいので、妊娠初期から塩分摂取には気を付けて血圧が高くならないようにする必要があります。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法
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胎児への影響

妊娠高血圧症候群は母体だけではなく赤ちゃんにも悪影響を与えます。また子宮から胎盤が剥がれてしまい、赤ちゃんに栄養が行き渡らなくなる「胎盤早期剥離」の原因にもなります。

塩分制限が必要

妊娠高血圧症候群を発症した場合は、毎日の食生活に置いて塩分制限が必要になり、1日の摂取量は理想の塩分摂取量である7.0gまでとします。

ただし重症化した場合には、1日5.0g以下に制限されますが、この数値だとかなり薄味の食事のみで生活しなければいけません。

つわりが終わる頃には食欲も増して、特に味の濃い物が食べたくなる傾向があるので、注意が必要です。

塩分量の多い食べ物

塩分の多い食べ物

普段何気なく食べている物でも、実は塩分含有量が多い食べ物があるので、妊娠中は控えた方が良いでしょう。全体的に見ると海産物や加工品、漬け物類が要注意と言えます。

カップラーメン 6.21g
カロリー控えめタイプでも4.6~6.1gになります。

塩さば (1切) 1.08g
しめさばの場合は1.76gとさらに多くなります。

ザーサイ(1瓶) 13.7g

たらこ(1本) 1.38g

ちくわ(1本) 0.63g

ボンレスハム(1枚) 0.56g
ロースハムよりも若干塩分が多いです。

ウインナー(5本) 1.71g

たくあん(1本) 2.25g

梅干し(1個) 0.76g

塩昆布(30g) 5.4g
佃煮の場合は大さじ1で0.89gになります。

妊娠中の塩分摂取量を減らす食事の工夫

食生活に少し気を付けるだけで、塩分摂取量を減らすことができます。妊娠中に癖をつけてしまえば、産後も健康的な食生活を続けられますので、前向きに取り組んでいきましょう!

薄味を心がける

小皿に盛られた塩と醤油

味の濃い料理には、醤油や塩がたくさん使われています。濃い味派の方は、最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、極力薄味に慣れるよう努力していきましょう。

赤ちゃんが産まれ、大きくなれば、食卓で同じ料理を食べるようになります。子供の味覚は大人よりも敏感です。しかし、味が濃いものばかり食べていては、正常に味覚が育たなくなってしまう恐れもあります。

出汁をしっかりとる

和食の定番である煮物や味噌汁は、低カロリーでも塩分は多い料理です。お出汁をしっかりとって味を整えることで、醤油やお味噌の量が少なくても美味しく仕上がります。調味料は減塩タイプを使うように心がけてください。

お出汁をとる時に昆布、干し椎茸、かつお節、煮干しなど様々なものを贅沢に使うことで、味付けを控えめにしても美味しく仕上がります。

ドレッシングはかけるのではなく、つけて食べる

サラダを食べる女性

塩分の摂り過ぎや体重管理に注意している時に便利な食事がサラダですが、ドレッシングを大量にかけて食べていては意味がありません。ドレッシングやソースには塩分が多く含まれています。

サラダや揚げ物に直接かけるのではなく、別皿に入れて、つけながら食べた方が使用料も少なくなるので減塩効果が期待できます。

スープは飲み干さない

塩分含有量がダントツでナンバー1のインスタントラーメンはもちろん、うどんやそばのスープにはかなりの塩分が含まれています。

まったく飲まないというのも難しいですが、せめてレンゲですくって少量飲む程度に留めておくだけでも、かなり塩分摂取量を減らせます。

特にインスタントラーメンは1杯で1日の塩分摂取量に相当するので、妊娠中は極力控えた方が良いです。最近は減塩タイプのインスタントラーメンもありますが、どうしても食べたい場合はこちらをチョイスしましょう。

スパイスなどで代用する

わさび、マスタード、柚子胡椒

妊婦さんは味の濃い物が食べたくなる傾向がありますが、そんな時の強い味方がスパイスです!

塩や醤油の代わりにカレー粉やわさび、マスタードなどを効かせれば、パンチの効いた味付けになります。またレモン、酢、ゆずなどの柑橘系の味をプラスするのもおすすめです。

加工食品・練り製品は控えめに

ハムやウインナーなどの加工食品、はんぺんや蒲鉾などの練り製品には製造過程で塩が加えられているので、意外に塩分含有量が多い傾向があります。

さほど塩辛い料理というわけでもないので、気が付かないうちに塩分を過剰摂取しているケースがあるため要注意です。

良質な油分を上手く取り入れる

「油分=カロリーが高い」というイメージが強いので、妊婦さんは塩分と同じく油分も控えめにしなければいけないと考えている方も多いです。

しかし、油分に含まれている「オレイン酸」という成分は身体に良い成分が豊富に含まれています。また体内で栄養を吸収するために大きな役割を果たします。

例えばオリーブオイル、ゴマ油、ココナツオイル、えごまオイル、ごま油などは味もしっかりしているので、良質の油分を適量に摂取することは、効果的な減塩方法と言えます。

摂取した塩分を体外に排出する方法

野菜でサラダと作る妊婦

体内の塩分を水分とくっつける働きがある「カリウム」と水分を積極的に摂取することで、余分な塩分を体外に排出してくれます。

塩分による高血圧を予防できますし、老廃物を排出してむくみを予防にもなります。塩分を控えるとともに、カリウムを含む食材も食生活に取り入れるようにしましょう。

カリウムの理想的な摂取量は1日1600mgです。ただし、腎臓に異常がある場合は、上手くカリウムを排出することができず「高カリウム血症」につながる場合もあるので注意が必要です。

カリウムを多く含む食品

パセリ   100gあたり1000mg
つけ合わせのパセリは約1gになります。

アボカド  100gあたり約720mg
果物の中では一番多いですが、カロリーも高めになります。

ほうれん草 100gあたり約690mg
茹でるとカリウムが溶けだすので生で食べる場合です。

スイカ   100gあたり約600mg
水分も多いので利尿作用も期待できます。

明日葉   100gあたり約540mg
青汁やサプリメントで摂取できます。

モロヘイヤ 100gあたり約530mg
カリウムの他にも栄養が豊富でお勧めの野菜です。

納豆    100gあたり約330mg
ひきわりの方がカリウムは豊富です。

妊婦さんにおすすめの塩分控えめレシピ

塩分7gと言えば約大さじ1/2の量です。ちなみにインスタントラーメンのスープは全て飲み干すと約5gの塩分摂取量になるので、1食でほぼ1日分の塩分を摂取することになります。

食事は妊婦の楽しみの1つとも言えるので、塩分控えめで安心して食べることができる料理を自分で作ってみましょう。

豆腐のグラタン

豆腐のグラタン

豆腐でたんぱく質、野菜やきのこでビタミンや食物繊維をたっぷり摂ることができる1品です。

材料(2人分)
木綿豆腐     1丁
無塩バター    大1/2
干し椎茸     2~3枚
しめじ      2/3パック
ほうれん草    1/3束
プロセスチーズ  大2
ホワイトソース  大3
焼きのり、黒コショウ 少々

1.干し椎茸を水で戻す。しめじは石づきを取り除いて、ほうれん草と一緒に軽くゆでる。
2.木綿豆腐の水気を切って3センチ角に切る。ほうれん草は3~4センチの長さに切る。
3.グラタン皿にバターを塗って具材を入れて、ホワイトソースとチーズを上からかける。
4.オーブントースターで焦げ目がつくまで焼いて上から焼きのりと黒コショウを散らす。

ネバネバ丼

納豆とオクラ

オクラ、納豆のネバネバは疲労回復効果があります。しそやらっきょうを使うことで塩分の摂り過ぎを抑え、さらにカリウム豊富なアボカドを使って塩分排出効果を高めます。

材料(2人分)
オクラ       4本
納豆        2パック
イカ(刺身用)   20g
アボカド      1/4個
しそ        2枚
らっきょう     12g
減塩醤油      小2
練りからし     小1/4
ごはん       1膳

1.おくらを茹でて細かく切る。らっきょうはみじん切りにする。
2.納豆、いか、おくら、らっきょうを混ぜて、減塩醤油と練りからしを混ぜてから加える
3.どんぶりにごはんを盛って、スライスしたアボカドを並べてから2をこんもりと乗せて、仕上げにしそを飾る。

ごはんを玄米や胚芽米にしても美味しく食べることができます。

具沢山スープ

具沢山スープ

鶏むね肉とたっぷりの野菜のうま味とホールトマトの酸味のみで十分に美味しくてボリューミーなスープに仕上がります。

材料(2人分)
むね肉        1枚
キャベツ       5~6枚
玉ネギ        2~3個
じゃがいも      2個
にんじん       1本
ホールトマト     1缶
オリーブオイル    大1
粗挽きこしょう    適量

1.むね肉、野菜類を食べやすい大きさに切る。
2.深めの鍋にオリーブオイルを入れむね肉を色が変わるまで焼いて、キャベツを加える。
3.火が通ったら他の野菜類も加えて軽く炒める。
4.ホールトマトを入れて具がひたひたになるまで水を加え、粗挽きこしょうをふって煮立ったら弱火にして30分程弱火で煮込む。
5.具が柔らかくなったら出来上がり。

煮込むほどに味が出るので、物足りない方は煮込み時間を長くしてください。

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