妊婦は果物を食べてもいい?

妊婦は果物を食べよう!妊娠中のおすすめフルーツの栄養素

妊婦にとって果物は、つわり時の強い味方ですし、栄養的にも優れた食べ物です。果物に含まれる栄養素とその効能を、おすすめのフルーツともに解説。イチゴ、バナナ、りんごなど、普段よく食べる果物の意外な栄養素とは?ただし、妊娠糖尿病や体重増加の原因にもなりますので、適正量を守りましょう!

妊婦は果物を食べよう!妊娠中のおすすめフルーツの栄養素

妊婦は果物を食べても良いの?

「妊娠中はあまり果物を食べない方が良い」という説があります。カロリーや果糖、冷えが原因としてあげられていますが、適量なら問題はありません。果物には、ビタミンCや葉酸など、妊娠中に取りたい栄養素も含まれています。

つわりで気分が悪いとき、果物の酸味や爽快感で、楽になった経験がある方は少なくないでしょう。手軽に食べられるものも多いので、小腹が空いた際のおやつ・間食としても活躍させられます。

適量なら大丈夫!妊婦が安心して食べられるおやつ26選
適量なら大丈夫!妊婦が安心して食べられるおやつ26選

果物は適量ならOK!

果物を食べている妊婦

厚生労働省の『妊産婦のための食事バランスガイド』には、妊産婦が1日に摂るべき食品の量が表されています。摂取量が多い順に「主食→副菜→主菜→牛乳・乳製品→果物」という序列になっています。

  • 「主食」…米、麺類、パンなどの炭水化物。
  • 「副菜」…野菜類、きのこ類、海藻類などビタミンやミネラルが豊富な食品。
  • 「主菜」…肉や魚、卵など筋肉や血液の元になるたんぱく質や、納豆や大豆などの豆類です。

一番少ない量ではありますが果物も摂るべき食品としてバランスガイドの表に含まれているので、食べてはいけないということはありません。

ただし、あまり食べ過ぎるのは妊婦にとって良くない影響を及ぼす可能性もあるので、適度な摂取が求められています。

妊婦にとっての果物の適量とは?

『妊産婦のためのバランスガイド』によると、非妊娠時・妊娠初期は「2SV(サービング)」、妊娠中期・後期は「3SV」となっています(注1)。

「SV」という単位は、各料理の主材料(食べる人が料理を見た際に認識できる食材)を指しますが、果物はほぼそのまま食べますので、重量の約100gにあたると考えます(注2)。つまり、妊娠初期は約200g、妊娠中期・後期は約300g未満が適量です。

ただし、必要なカロリー量には個人差がありますので、ここでは『妊産婦のためのバランスガイド』と同じく、妊娠前に1日2,200キロカロリーが必要だった、20~49歳の女性、身体活動レベルが「ふつう(Ⅱ)」を例に挙げています。

果物1SV(約100g)の量

普段食べる機会の多い果物の「1SV」(約100g)は以下の通りです(注3,4)。

果物の種類とグラム数・カロリー

妊婦に嬉しい果物の栄養素

果物は調理をせずに食べるので、手軽なうえに栄養価が損なわれる心配もありません。主な栄養素と、その栄養素を多く含む果物を紹介します。

ビタミンC|貧血予防・免疫力アップ

ビタミンCには、鉄分の吸収率をアップさせ、免疫機能を向上させる働きがあります。妊娠中はお腹の赤ちゃんに送る血液が必要になるので妊婦さんは貧血になりがちです。鉄分の豊富な食材とともに、ビタミンCが豊富な果物を食べれば貧血防止にもなります。

妊婦の貧血対策~予防・改善に摂りたい食べ物は?
妊婦の貧血対策~予防・改善に摂りたい食べ物は?

ビタミンCが含まれている果物は、みかんなど酸味があるものが多く、酸っぱいものが食べたくなるつわりの時期には、活躍してくれるでしょう。

つわり中の食後の気持ち悪さをスッキリさせる方法15
つわり中の食後の気持ち悪さをスッキリさせる方法15

葉酸|胎児の障害リスクを減少

葉酸はDNAを形成する際に必要な栄養素であり、毎日の適正な摂取によって、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害を低減できることがわかっています(注5,6)。

葉酸は「熱に弱い」という性質があります。果物は加熱の必要がなく、生のまま食べられるので、効果的に葉酸を摂取できるでしょう。

妊娠を希望している場合や妊娠初期は、1日440µg(マイクログラム)の摂取が推奨されています(注7)。

妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減
妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減

イチゴ

葉酸含有量は100g中90µg です。葉酸の他にも、ビタミンCが豊富に含まれているので、美肌効果や免疫力アップにもつながります。さらにポリフェノールの一種である「アントシアニン」が含まれているため、疲労回復や眼精疲労にも効果的です。

ライチ

葉酸含有量は100g中100µgです。果物の中でも葉酸量が特に多く、100gで必要量の1/4を摂取できます。ビタミンCが豊富に含まれているので、美肌効果や免疫力アップにも役立ちます。

マンゴー

葉酸含有量は100g中84µgです。ビタミンCやカリウムも豊富に含まれているので、塩分を排出してむくみを防止する効果が期待できます。

特に完熟したマンゴーにはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内に入ると、お腹の赤ちゃんの成長を促す働きがある「ビタミンA」に変換されます。

サクランボ

手でさくらんぼを持ち上げる

葉酸含有量は100g中38µg です。カリウムが豊富に含まれているので、利尿作用を促してむくみを改善してくれます。またビタミンCやミネラルも豊富なので、疲労回復効果も期待できます。

ちなみに、アメリカンチェリーの場合は葉酸量が100g中42mgです。こちらもビタミン類やミネラル、鉄分、カルシウムなどがバランス良く含まれているので、妊婦さんにはおすすめの果物です。

アボカド

葉酸含有量は100g中84µg です。森のバターとも言われているアボカドは脂肪分が20%と、やや高カロリーな果物です。しかし、その脂肪分は「不飽和脂肪分」であるリノール酸やオレイン酸です。

不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを撃退してくれるので、太り過ぎが気になる妊婦さんには強い味方です。また、抗酸化作用があるビタミンEも豊富に含まれているので、美容効果も期待できます。

パッションフルーツ

葉酸含有量は100g中86mgです。ビタミンCやベータカロテンが豊富で、活性酸素を抑制して免疫力をアップさせてくれます。

あまり馴染みのない果物ではありますが、最近はスーパーでも見かけることが多くなりました。栄養価も高いので試してみてください。

パパイヤ

葉酸含有量は100g中44mgです。ビタミンCが豊富で、その量は100g中50mgとレモンに匹敵します。さらに生活習慣病予防に効果的な「カロテノイド」や高血圧を予防するカリウムも含まれているので、血圧高めの妊婦さんには特におすすめです。

ビタミンB6|つわりを和らげる効果

ビタミンB6には、つわりの症状をやわらげる働きがあります。通常は不足しにくい栄養素ですが、妊婦さんは欠乏しやすいので、普段よりも摂取量を多くすると、より効果的です。

つわりを乗り越える食べ物&食べ方|葉酸たっぷりレシピ
つわりを乗り越える食べ物&食べ方|葉酸たっぷりレシピ

バナナ

ビタミンB6の含有量は100g中0.38mgです。ビタミンの他にも様々な栄養素が豊富なうえに手軽に食べられるので、妊娠中の良い栄養源となります。

キウイフルーツ

キウイフルーツ

ビタミンB6含有量は100g中0.12mgです。美容効果の高い果物として有名なキウイフルーツには、様々なビタミン類が含まれています。お腹の赤ちゃんにはもちろんですが、お母さんにも嬉しい美肌効果や抗酸化作用が期待できます。

カリウム|むくみ解消、血圧維持

体内にある余分な水分や老廃物を排出しやすくなる働きがあるカリウムは、むくみを解消するために効果的な栄養素です。血圧が上昇する原因となる塩分を排出する効果もあります。

妊婦のむくみ解消法!原因を知りお茶や生活習慣で改善しよう
妊婦のむくみ解消法!原因を知りお茶や生活習慣で改善しよう

ぶどう

カリウム含有量は100g中130mgです。ペクチンや食物繊維も豊富に含まれています。甘みが強いので糖分を控えたい妊娠中のおやつとして役立ちます。

ペクチン・食物繊維|便秘・体重管理

多糖類の一種であるペクチンは体内で水溶性の食物繊維となり、老廃物を体内に排出する働きがあります。食物繊維は胃の中で膨張し、満腹感を与えてくれますので、妊娠中の食べ過ぎ予防にも効果的です。

妊婦の体重管理のコツは?適正体重と体重増のリスク
妊婦の体重管理のコツは?適正体重と体重増のリスク

リンゴ

ペクチン含有量は0.50~0.99%です。ペクチンは水溶性の食物繊維で、腸内で悪玉コレステロールを撃退して善玉菌を増やしてくれます。妊婦の辛い症状でもある便秘を解消し、つわりが原因の吐き気を抑制する効果も期待できます。

ペクチンはリンゴの他にもバナナやみかん、いちじく、ゆず、きんかんなどに多く含まれていますが、リンゴは総合的に栄養素が豊富で、しかも安価です。妊娠中に常備しておきたい果物といえるでしょう。

ラズベリー

食物繊維含有量は100g中4.7gです。ラズベリーには水溶性の食物繊維である「ペクチン」が豊富に含まれているので、便秘解消に効果的です。

またラズベリー独自の成分である「ラズベリーケトン」は脂肪燃焼効果が期待できます。その効果は唐辛子に含まれている「カプサイシン」の3倍にも及ぶと言われているので、太り過ぎが気になる妊婦さんは脂肪を燃焼させるためにおすすめです。

ブルーベリー

ブルーベリー

食物繊維含有量は100g中3.3gです。食物繊維の他にも眼に良いと言われている「アントシアニン」が豊富に含まれているブルーベリーですが、アントシアニンは骨粗しょう症予防にも効果的です。出産後に骨粗しょう症になる女性もいるので、予防のためにも積極的に食べておくと安心です。

かりん

食物繊維含有量は100g中10.1gです。決してメジャーとは言えない果物ですが、喉に良い効果があることで有名です。生で食べることは少なく、はちみつ漬けやジャムにして楽しむのがポピュラーですが、その方が多くの量を食べることができるので効果も高くなります。

食物繊維の他にもポリフェノールが含まれているので、インフルエンザなどの予防対策としても効果を発揮します。

キンカン

食物繊維含有量は100g中4.6gです。こちらもあまり身近な果物とは言えませんが、温暖な地域では庭にキンカンの木があり、実がなるとそのままもぎって食べることもあります。ビタミンCも豊富ですが、果物には珍しくカルシウムも豊富に含まれています。

果糖|妊娠中のストレス解消

果物に含まれる果糖は血液中でほとんど分解されない糖類なので、血糖値が上げることなくエネルギーに変わります。しかし、砂糖の1.5倍の甘みを感じられるので、妊娠中のストレス解消や疲労回復にも効果を発揮します。

果物を食べると、赤ちゃんの知能が高くなる?

学士の防止をかぶっている赤ちゃん

カナダ・アルバータ大学の研究グルーブは、「妊娠中に果物を多く摂取すると、子供の知能指数が高くなる傾向がある」という研究結果を発表しました。

ただし、これはカナダ国内の688人の子供の1歳頃の知能を調査した、予備段階のデータです。研究チーム側も「大量の摂取は推奨していない」としており、過剰摂取の体への悪影響も指摘されています。

興味深いデータではありますが、あくまで参考程度にして、果物ばかりを大量に食べることのないようにしましょう。

妊婦さんが果物を食べる時の注意点

妊婦さんが果物を食べる際には、注意するべき点もいくつかあります。

食べ過ぎはカロリーオーバーの原因になる

さっぱりして口当たりの良い果物はついつい食べ過ぎてしまいますが、それは肥満や妊娠糖尿病の原因となります。

妊娠中はダイエットをするわけにいかないので、カロリーをコントロールすることが体重増加を防ぐ方法です

妊娠糖尿病の原因はママにある?ならないための予防と改善
妊娠糖尿病の原因はママにある?ならないための予防と改善

身体を冷やさないように注意

妊娠中の便秘やむくみの原因のひとつに「冷え」があります。果物は冷やして食べることも多いため、注意が必要です。

また、例えば、柿には日本茶などにも含まれている渋み成分「タンニン」が豊富に含まれています。タンニンは、体内の鉄分の吸収効率を下げて、血中のヘモグロビン生成を抑制する働きがあります。その結果、体内組織が血液(酸素)不足になり、身体の冷えにつながります。

食べる前によく洗う

果物を食べる場合は、例え皮をむいて食べる場合も、流水で30秒ほど水洗いしてください。食用の重曹につける方法もあります。

国産の果物に農薬が検出されるケースは少なく、付着していても健康に害がないほど微量だと言われています。しかし、やはり妊娠中の摂取には気を付けた方が良いでしょう。

妊娠中は果物を上手に食べよう!

妊娠中は、体重管理にも気を使いますし、カフェインやジャンクフードを控える方も多いでしょう。赤ちゃんのためと分かっていても、食事に関するストレスは大きいもの。そんな妊婦さんにとって、果物は強い味方です。

果物は、手軽に食べられて、食後のデザートやおやつにもピッタリな食材です。ぜひ上手に食生活に取り入れて、栄養摂取はもちろん、ストレス解消にも役立ててください!

おすすめコンテンツ