産褥期の体の変化と注意すべき症状

産褥期とは?産後の体の変化に配慮した過ごし方をしよう!

産褥期とはどんな時期?産後に起こる体の変化と注意すべき症状、過ごし方のポイントを解説!悪露などの状態を観察しつつ、産褥1~2か月は、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事をとりましょう。母乳のためにも水分不足に気を付け、ゆっくりと過ごすことが1番大切です。

産褥期とは?産後の体の変化に配慮した過ごし方をしよう!

産褥期とは?産後6~8週は安静に過ごそう!

産褥期(さんじょくき)とは、妊娠~出産により変化した女性の体が、妊娠する前の状態に戻るまでの期間のことです。一般的に、産後6~8週間までのことをさします。

産褥期は、10ヶ月に及ぶ妊娠期間および出産により疲れた体を静養させる必要があります。産褥期には、産後特有の体の変化が起こり、体のトラブルにも悩まされやすい時期です。できる限り体を休めて無理なく過ごしましょう。

産褥期の主な体の変化

産褥期には、体の色々な部分に変化が起こります。初めて出産を経験された方は、戸惑うこともあるでしょうから、出産前に産後どのような体の変化が起こるか頭に入れておくと安心です。

下腹部に手を当てる女性

子宮が妊娠前の大きさに戻る(子宮復古)

子宮が収縮する時に下腹部に痛みを感じることが多く、この痛みを後陣痛と言います。
妊娠後期に入ると子宮はどんどん大きくなりますが、出産後には大きくなった子宮が収縮していきます。産褥期=子宮が元に戻るまでの期間と考えて良いでしょう。

後陣痛はいつまで続く?痛みを緩和する方法
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赤ちゃんにおっぱいを飲ませていると、下腹部に強い痛みを感じることがあるのは、授乳することでオキシトシンというホルモンが出て、子宮の収縮を促すからです。

また、子宮が収縮する過程で、悪露という血の塊りが分泌されます。通常は1ヶ月健診時にはほぼなくなりますが、悪露の量や色は子宮の回復具合の目安となりますので記録しておきましょう。

ホルモンバランスの急激な変化

産褥期には、ホルモンバランスが大きく変化することで、体の様々な部分に影響が見られます。産褥期に分泌量の大きな変化が見られるホルモンについてご説明していきます。

産後はホルモンバランスが大激変!不調を改善する整え方
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乳腺の発達を促す「プロラクチン」の増加

プロラクチンは、妊娠中はエストロゲンにより抑制されていましたが、産後、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌量が急激に増加します。

プロラクチンには、「乳腺の発達を促す」・「子宮の収縮を促進させる」・「排卵を抑制する」という主な3つの働きがあります。

乳腺が発達することでより多くの母乳が分泌され、赤ちゃんが沢山母乳を飲むことで、子宮の収縮も促進されるという流れになります。

子宮の収縮を和らげる「プロゲステロン」の減少

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、胎盤を完成させるとともに、子宮の収縮を和らげる作用があります。妊娠初期から妊娠9ヶ月頃にかけて分泌量が増加し、それ以降徐々に減少し、産後、急激に減少します。

また、妊娠中に急にシミが増える原因となっているのもプロゲステロンです。産後は、プロゲステロンの分泌量の減少とともに、徐々にシミが目立たなくなっていきます。

子宮を大きくする「エストロゲン」の減少

エストロゲン(卵胞ホルモン)には、子宮を大きくし、乳腺の発達を促す役割があります。
エストロゲンは、妊娠してから出産するまで徐々に分泌量が増加していき、出産を終えると分泌量が急激に減少します。エストロゲンの分泌量の減少は、産後の抜け毛や肌荒れの原因となります。

産後、シャンプーをすると髪の毛が異常なほど抜け落ちていて、ビックリされるかもしれませんが、ある程度経過すると抜け毛は落ち着きますので、あまり心配しすぎないようにしましょう。

産後の抜け毛がひどい時にできる3つの対策
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体温の一時的な上昇・妊娠前の平熱に戻る

分娩した後は、分娩の疲労などで体温が37℃~37.5℃に上昇します。分娩による体温の上昇は、通常産後1~3日で平熱に戻ります。

産後体温が38℃を超える場合や、産後3日以上経過しても体温が下がらない時は、感染症などに罹患している可能性もありますので、注意が必要です。

尿漏れなど泌尿器系のトラブル

産褥期には、泌尿器系に変化が見られます。
特に多いのが尿漏れです。産後の尿漏れは、分娩により骨盤底に負荷がかかり、骨盤底が緩んでしまったために起こります。骨盤底が緩んでしまうと尿道のしまりが悪くなり、クシャミをしたはずみなどに尿漏れがおこります。

産褥期の尿漏れは、産後骨盤周りの筋肉が回復していくことにより、改善されていきますので、あまり心配しすぎないようにしましょう。

産後の尿漏れが治らない!尿漏れに効く骨盤底筋体操とは?
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産褥期の注意すべき症状

辛い表情で腰に手を当てる女性

産褥期の異常を放置しておくと、症状が長引き、産後の体の回復が遅れることもありますので、気をつけましょう。産褥期に注意したい症状とその対策について、ご説明していきます。

悪露の異常|色・量の観察を続けよう

悪露とは、子宮が回復する過程で子宮の内側や膣の傷口から排出される粘膜・血液・様々な分泌液のことです。産後4~6週間は、子宮から悪露が分泌されます。

悪露は、分娩直後は、赤い鮮血が混ざって粘膜状ですが、徐々に褐色・黄色・白色と変化していき、量も少なくなっていきます。

一度減少した悪露の量が増えた、色が元に戻ったなど、悪露に異常が見られた場合は、子宮が順調に回復していないなど、何か問題がある可能性があります。念のため、婦人科を受診してください。

産後の悪露とは?正常な状態と異常な悪露の見分け方
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乳房の痛み・リンパの腫れ|乳腺炎の可能性もあり

乳房を押さえる女性

産褥期の乳房の痛みは、乳腺炎の可能性もあります。
乳房の痛みとともに、発熱・リンパ節の腫れなどの症状が見られる場合には、乳腺炎の可能性が高いので、できるだけ早く病院を受診してください。

症状が乳房の痛みだけの場合、おっぱいが溜まっているだけのうつ乳かもしれません。赤ちゃんが上手くおっぱいを飲むことができず、中でおっぱいが詰まっている可能性もあります。

色々な姿勢で授乳してみて、赤ちゃんが飲みやすい位置を探してあげたり、おっぱいマッサージをして、詰まりを解消しましょう。

貧血|出産時には多量の血液が流れ出ている

例え安産だったとしても、出産では胎盤の排出とともに多量の血液が失われるのは避けられません。特に、元々貧血気味の人や妊娠中に貧血と診断された方は、産褥期は貧血に注意しましょう。

産褥期は慣れない赤ちゃんのお世話に追われて、十分に食事が摂れず栄養が偏ってしまいやすい時期です。特に、鉄分を豊富に含む野菜や海藻・レバーなどの食材が不足している場合、貧血になる可能性があります。

貧血の程度にもよりますが、病院で鉄剤を処方してもらうことで、貧血が治まり、体調が回復することもありますので、貧血により日常生活に支障をきたすようなら医師を受診してください。

発熱|産褥熱の疑いもあり

体温を計る不安な顔の女性

産後24時間以降~10日以内に2日異常38℃以上の発熱が見られた場合、産褥熱の可能性が高いです。産褥熱とは、分娩の傷跡から細菌が感染して発熱することです。また、産後の泌尿器系のトラブルにより、腎盂腎炎や膀胱炎を起こしている可能性もあります。早めに受診することで、症状の悪化を抑えましょう。

便秘|会陰切開の傷や水分不足が原因で起こりやすい

妊娠中に便秘に悩まされる方は多いですが、産後も引き続き便秘になりやすい状態が続きます。産後の便秘を引き起こす主な原因と対処法をご説明します。

産後の便秘を解消する体操や食べ物は?使える薬も紹介!
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水分不足・特に母乳育児中は水分補給を!

母乳育児をしている方は、体の水分を母乳を作るためにとられるため水分不足に陥り、便秘になりやすいです。

母乳でとられても体に十分な水分が残るよう1日に通常期より1リットルほど水分を多く摂るように心がけましょう。特に、授乳を終えた後は喉の渇きを覚えますので、授乳後の水分補給を意識的に行ってください。

母乳にいい飲み物ランキングTOP10!授乳中の水分補給のコツ
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会陰切開の傷の痛み・小まめにトイレに行きましょう!

分娩時に会陰切開をした場合は、その傷が痛くて十分にいきめず便秘になることがあります。
会陰切開の傷は、産後日にちが経過するとともに痛みが弱くなってきます。便秘が悪化すると余計に出にくくなりますので、小まめにトイレにいくことを心がけましょう。

会陰切開の痛みはいつまで続いた?体験談15
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不規則な生活・できるだけバランスの良い食事を!

産後は、赤ちゃんのお世話で夜中に起きるなど睡眠不足に陥ってしまいます。また、赤ちゃんのお世話に追われて自分の食事が十分に摂れないという人も多いです。不規則な生活の上に、バランスの良い食事も摂れないでいると、便秘を引き起こしやすくなります。

産褥期は、夜寝られない分、昼間に赤ちゃんと一緒にお昼寝するなど十分に睡眠をとるようにし、食事も家族にお願いしたり宅配弁当を利用したりするなど、できる限りバランスの良い食事をするように心がけてください。

気持ちが不安定になる

頭を両手でつかんで苦悶の表情の女性

産褥期は、気持ちが不安定になりやすい時期です。
産後のホルモンバランスの急激な変化・慣れない育児への不安・自分の体の変化など、気持ちが不安定になる原因は、色々とあります。

育児は1人で抱え込むことをせずに、周りに相談してみることで、気持ちが軽くなります。また、家事から育児まで完璧に行うと思うと自分自身を追い込んでしまいますので、産褥期は、周囲に頼れることは頼り、体も心もゆっくりと過ごしましょう。

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