産後の体調不良の原因

産後に体調不良が続く原因とは?不調を改善するための方法

産後に体調不良が続く女性は少なくありません。よく風邪をひく、いつも倦怠感があるなど、産後に見られがちな症状とその原因、「よくある産後不調」と間違われやすい病気を解説。体調不良にはなにより休息が大切です。実家や旦那さんに頼れないときは、自治体や民間サービスの利用も検討しましょう。

産後に体調不良が続く原因とは?不調を改善するための方法

産後の体調不良が続く!10のよく見られる症状

産後、体調不良が続く人は少なくありません。赤ちゃんが生まれたら、妊娠中の不快症状とはさよならできると思っていたのに、妊娠中より過ごしづらくなってしまうこともあります。

特に次のような症状が産後によく見られます。

  • 腹痛、便秘、下痢
  • だるい、だるさが取れないなどの倦怠感
  • 風邪をひきやすい
  • めまい、吐き気
  • 息切れ、頻脈
  • 乳腺炎
  • 小さなことで激しく落ち込む
  • 肩こり、腰痛
  • 生理不順

産後に体調不良にが起こる原因

腰痛で腰を押さえてるママさん

消化器系の不調や息切れ、肩こり、風邪がひきやすくなるなどの不快症状。人によっては複数の症状が同時に見られて、つらい日々を過ごさなくてはなりません。このような体調不良が産後に見られるのはなぜなのでしょうか。

妊娠と出産による疲れが溜まっている

妊娠中は、運動も思うようにできず、体力が落ちるのは仕方のないことです。お腹の中で赤ちゃんの生命を守りながら、何ヶ月もの間生活するのですから、体力と気力を大きく消耗します。

また、出産も決して楽なことではありません。お母さんの命をかけて赤ちゃんを産んだわけですから、身体にダメージがかかるのは当然です。

育児と授乳による疲れ

妊娠・出産による疲れが溜まっているにも関わらず、赤ちゃんが産まれたら、お母さんは授乳やおむつ替え、寝かしつけなどのお世話に追われることになります。

しかも、現在は核家族世帯が多いので、たとえ産後まもない時期も、家事をしなくてはいけません。そのため、出産後すぐの体調が万全でないときも、育児と家事の両方に追われてしまっている女性は少なくないでしょう。

その結果、いつも疲れが溜まった状態になり、風邪をひきやすくなったり、だるさが抜けなくなったりします。

ミルク育児のメリットにも目を向けよう

どんなにお母さんが疲れていても、体調が悪くて身体を動かすことすら辛くても、授乳だけは代わってもらえません。ただし、ミルクならお父さんなどでも与えることが可能です。仕事があるなど各家庭に事情はあると思いますが、完全母乳育児にこだわりすぎないようにしましょう。

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寝不足

生まれたばかりの赤ちゃんには、数時間おきに母乳やミルクを与える必要があります。赤ちゃんには昼夜の区別がありませんから、夜中であっても「おむつが気持ち悪い」「眠れない」「お腹がすいた」と泣いてお母さんに要求を伝えます。

赤ちゃんと違ってお母さんには昼夜の区別がありますから、夜中に何度か目が覚めてしまうだけで、寝不足になってしまいます。

もちろん、寝不足が続くと日中に眠くなります。しかし、日中も赤ちゃんは何度も泣いて要求を伝えますので、お母さんは十分に眠ることができません。

ホルモンバランスの変化

肩こりに悩まされてる女性

妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロテスゲロンの分泌量が増えています。しかし、出産を終えると、今度は急激にエストロゲンやプロテスゲロンの分泌量が減少し、母乳分泌に働きかけるプロラクチンというホルモンの分泌量が増加します。

ホルモン分泌が女性の身体の状態に合わせて変化することは自然なことですが、人間の身体はスムーズにホルモンバランスの変化に順応するわけではありません。

ホルモンバランスの急激な変化によって、「なんとなくだるい」「すっきりとしない」「いつまでも微熱が続く」といった不調が現われてしまうのです。

産後はホルモンバランスが大激変!不調を改善する整え方
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ただの産後不調じゃないかも!疑われる4つの病気

産後に体調不良になることは自然なことですが、もしかしたら、それは「病気」である可能性も考えなくてはいけません。産後の不調に紛れてしまうことが多い病気を4つ見ていきましょう。

更年期障害

閉経が間近になり、エストロゲンの分泌が急激に減少すると、のぼせやほてり、めまい、不眠などの不快な症状が見られるようになります。これを「更年期障害」と言いますが、産後に見られる症状と非常に似ているため、よくある体調不良だと軽く見ていたら実は更年期障害だったということもあるのです。

更年期障害は通常40代以降にみられますが、最近では40代の出産も少なくありません。また、20代、30代であっても、無月経やエストロゲンの急激な減少などにより、更年期障害に似た症状が見られるケースもあります。

いずれにしてもホルモンバランスが急激に変化しますので、のぼせやほてり、不眠などの自律神経失調症に類似した症状が見られることになります(注1)。

バセドウ病

甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になると「バセドウ病」を発症することがあります。バセドウ病は20代~30代の女性によく見られる病気ですので、妊娠・出産の時期に重なることが多いのが特徴です。

一般的にバセドウ病の場合、以下のような症状が見られます。

  • 疲れやすい
  • 不眠
  • 動悸がする
  • 汗をかいやすい
  • 下痢になりやすい
  • 生理不順

診断としては、甲状腺に腫れやしこりがないか確認し、血液検査での甲状腺法ルモンの値をチェックします。まずは、薬物療法で甲状腺ホルモンの減少を試みます(注3)。

産後うつ

産後うつでベッドから動けない母親

女性は男性の2倍うつ病にかかりやすいと言われていますが、中でも妊娠中や出産後は、うつ病が特に発症しやすい時期です(注4)。

  • 倦怠感が続き、なにもやる気がおきない
  • 眠れない
  • 食欲がない

こうした症状は、産後の疲労だけではなく、精神症状(心の症状)が身体症状として表われている可能性があります。

うつ状態になると、お母さんが置かれている状況を実際よりも悪く考えてしまいがちになります。子育てに自信が持てなくなったり、赤ちゃんが可愛く思えなくなったりします。

そして、赤ちゃんが可愛く思えない自分、赤ちゃんの世話を面倒に考える自分を「わたしは母親として失格だ」と感じ、さらに自分自身を責めて追い詰めてしまうのです。

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産後うつは治療すべき病気!早めに病院を受診しよう

産後うつはよくある病気ですが、放っておいても良いわけではありません。
自身が「産後は気持ちが不安定になることは仕方ない」といって治療を受けず、周囲も「赤ちゃんを産んだばかりだから、不安定でも当然だ」と深刻に考えないことが、うつ状態をさらに悪化させてしまうのです。

心療内科などのうつ病を専門的に扱う医療機関での診察を受けましょう。病気だということが分かるだけで、自分を責める気持ちから解放されることもあります。

その後、医師のカウンセリングを受けることでも症状の改善が期待できますし、授乳に影響を与えない医薬品を内服することでも症状の緩和が期待できるでしょう。

乳腺炎

産後、授乳中に乳腺炎になってしまうことがあります。
乳腺炎の原因は主に2つあり、1つは乳管が充分に開いていないために詰まってしまうこと、もう1つは乳房に母乳が溜まっているために乳腺が詰まってしまうことです。乳管が充分に開かないことは初産婦に多いのですが、乳房に母乳が溜まりすぎてしまうのは初産婦・経産婦ともによくあります。

乳腺炎になると、乳房付近に痛みを感じたり、乳頭付近にしこりができたり、乳房全体が熱を帯びたり、母乳が濃い黄色になったりすることがあります。また、頭痛や発熱、体のだるさなどの風邪の初期症状に似た症状が続くことも少なくありません。

痛みやだるさが続くときは婦人科へ

赤ちゃんに母乳を飲ませるときに痛みやだるさが強くなることもありますので、放置しておくのはおすすめできません。早めに婦人科に出向き、適切な治療を受けるようにしましょう。

母乳に影響を与えない解熱剤や痛み止めを処方してもらうことも可能です。また、乳腺炎の原因となる不要な母乳の取り去り方や授乳姿勢の指導なども受けられます(注5)。

産後の体調不良を改善する方法

病気のために不調が見られるときは、なるべく早急に病院に行き、適切な治療をしてもらうことが大切です。しかし、病気とまでは言えない程度の体調不良が見られるときは、自力で解消していきましょう。産後不調を解消する方法や産後不調を回避する方法を4つ紹介します。

自分の時間を確保する

昼寝してるママ

赤ちゃんのお世話や家事のためだけに24時間を費やすことは無理があります。まずは1日に30分だけでも、自分のための時間を取るようにしてみましょう。

赤ちゃんがお昼寝をしているときは、お昼寝をしたり、自分の好きな本を読んだり、スキンケアやボディケアに集中したりと、自分のためだけの時間を確保するようにしてください。

保育園の預かり保育も検討

保育園では、預かり保育(一時保育)事業を行っていることもあります。自治体による認可保育園での預かりは、料金も半日1,500円前後で手軽な料金のケースが多いです。

0歳児の預かりは、保育園にもよりますが、早ければ生後3ヶ月から、遅くとも6ヶ月からなら受入れ可能な園が大半です。

頼れる人やサービスは積極的に活用する

夫や親、きょうだい、友人など、頼れる人は積極的に頼るのも体調不良を回避する1つの方法です。また、自治体や民間団体が実施している母親用のサービスもチェックしてみて下さい。利用できる手段は積極的に利用し、育児や悩み事を一人で抱え込まないようにしましょう。

産後ヘルパー

出産を終えたばかりの女性のために、家事や育児の手伝いをしてくれるのが産後ヘルパーです。サービスを提供してくれる人の多くは子育て経験者の女性であり、自治体の事業の場合は1時間1,500円程度の料金で利用可能なケースもあります。

産後すぐしか頼れないイメージがありますが、自治体によっては、出産後6ヶ月未満まで利用可能なので、確認してみましょう。

産後ヘルパーのサービス内容~民間と自治体どっちがお得?
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家事代行サービス

テーブルを拭いてる家事代行サービスの女性

掃除や洗濯、買い物、食事の支度や片付けなどの家事全般をお任せできる家事代行サービスは、産後の身体を休めたり、リフレッシュする時間を確保するのに有効です。ベビーシッターも兼ねてお願いできる会社もあります。

金額目安は、2時間5000円~です。不在時の家事をお願いすることもできますが、鍵の預かりなどが怖い方は、「家事の負担を軽減する」と割り切り、家事をお願いしている間に赤ちゃんとのんびりして身体を休めましょう。

ファミリーサポート

ファミリーサポートは、厚生労働省が管轄し、各自治体が実施する子育て支援事業です。育児の支援を受けたい依頼会員と、育児の支援をしたい提供会員をマッチングし、継続的な支援を受けられます。

ファミリーサポートの提供会員は、近所に住む子育て経験者や保育士などの有資格者などです。保育園や幼稚園への送迎、習い事への付き添いも可能なので、提供会員が祖父母のように子どもの成長を見守ってくれることもあります。

自治体によりますが、料金は1時間1000円以内のケースが多く、安価に設定されています。

ファミリーサポートの評判は?登録・利用したママの声
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手を抜けるところは抜く

赤ちゃんが産まれた以上、部屋が散らかったり、料理が作れなくなるのは、仕方のないことです。手を抜けるところは抜き、常に精神的な余裕を持てるようにしてください。

赤ちゃんにとっても、部屋がきれいなこと、凝った離乳食メニューが出てくることよりも、お母さんた楽しそうに自分に笑いかけてくれる方が嬉しいはずです。

自分のため、赤ちゃんのため、手を抜けるところは積極的に抜きましょう。

軽い運動

「いつも疲れているから運動なんてできない」と考えてしまいがちですが、運動には高いリフレッシュ効果がありますし、毎日続けることで基礎体力が向上し、疲れにくくなることも期待できます。

ベビーカーを押しながら近所を散歩したり、ストレッチなどの軽い運動をするだけでも、頭の中がすっきりすることもあります。

産後のホルモンバランスを整える方法

ホルモンバランスを早く安定させられれば、体調不良も早期に解消できます。ホルモンバランスを整えるための方法を見ていきましょう。

栄養バランスのとれた食事

栄養バランスのとれた食事を食べるようにしましょう。特に授乳中の方は、母乳のためにもなりますので、一石二鳥です。

ただし、疲労が溜まっている状態であまり凝った料理を作るのは、かえって疲れを溜めることになります。具沢山のお味噌汁に焼き魚など簡単なもので構いません。

産後女性向けの宅配サービスを活用したり、献立キットやお惣菜なども適度に利用しましょう。

適切な運動と生活リズム

寝起きの良い女性

赤ちゃんが小さなときは生活リズムも乱れがちですが、なるべく同じ時間に食事をしたり就寝したりするように意識して、生活リズムを安定させるようにしてください。適度に運動をし、深い眠りを得られるように身体を整えることも大切なことです。

赤ちゃんの生活リズムの作り方&月齢別タイムスケジュール例
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育児も家事も一人で抱えこまない!

産後の体調不良は1年以上続くこともあります。ですが、かならず良くなりますので、食事や生活リズムに気を配り、周囲の助けを積極的に得るようにして下さい。

育児も家事もすべてを一人で抱えることは大変なことです。早めにSOSのサインを夫や親などの頼れる人々に送り、自分自身を追い詰めないようにしましょう。

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