妊婦のお灸は安産にも効果あり!

妊婦にお灸がおすすめな理由~安産灸で妊娠中の不調も改善!

妊婦さんのお悩みにはお灸が効果的です。お灸と言えば熱くて怖いイメージを持つ人も多いですが、日本では昔から逆子治療などでも使用されています。薬が飲めない妊娠中の便秘やむくみ、頭痛・腰痛、つわりにも改善効果が期待できます!鍼灸院の探し方や費用目安、セルフケアでお灸をする方法もご紹介。

妊婦にお灸がおすすめな理由~安産灸で妊娠中の不調も改善!

妊婦にお灸がおすすめな理由!安産にも効果あり?

「お灸」と聞くと煙が立ち込めるなか熱さに耐えて…というイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、実は妊婦さんにとってお灸は、妊娠中の不快症状を和らげる、薬を使用しない効果的なナチュラルケアの方法です。

お灸の発祥は2000年前の古代中国にさかのぼり、日本でも西洋医学が伝わる前から民間療法として重宝されていた方法です。ツボに「もぐさ」を置いて燃やし、身体を温めて、温熱効果によって不調を取り除きます。

また、お灸の温熱効果によって血流が良くなり、その結果として免疫力がアップしたり、代謝上げる働きも期待できます

安産灸とは?安産のためのお灸もある!

お灸を据える場所は、身体のツボにあたる部分です。妊婦さんの場合は、子宮の血流を良くし、出産をスムーズにするツボである「三陰交(さんいんこう)」というツボに行う場合が多く、三陰交へのお灸を「安産灸」とも呼びます。

「三陰交」は、脚のくるぶしの内側の骨から指4本分、上に進んだ場所にあります。

冷え性の人は産道が硬くなってしまう可能性が高いので、無事に赤ちゃんが出てくるまでの時間が長くなり難産になりがちです。冷えを改善しておくことで、出産時のリスクが低くなるとも言われています。

また、お灸によって刺激することで、便秘やむくみなど出産までに引き起こりがちなマイナートラブルを改善してくれる効果も期待できます。

マイナートラブルの対処法~症状に負けず妊娠生活を楽しむ!
マイナートラブルの対処法~症状に負けず妊娠生活を楽しむ!

妊娠中にお灸をするときの注意点

三陰交は、身体の奥深くまで作用する強力なツボです。「子宮の動きに関係する」とも言われているので、妊娠初期にセルフでお灸をするのはおすすめできません。
お灸をする場合は、担当医や鍼灸師に意見を聞いてからにしましょう。

お灸って熱い?痛みは?

棒灸

お灸と聞いて一番気になるのが痛みや熱さです。妊娠中はただでさえ不快な症状に悩んでいるのに、これ以上痛い思いをするのは避けたいはず。

まず、お灸に関しては「痛み」は無いに等しいです。燃え切って終了する際に「チクッ」とする程度の痛みを感じる人もいますが、基本的には温かくて、心地良いと感じます。

「熱さ」に関しても、昔と違い最近のお灸は、直接患部に火が触れない『棒灸』での施術が多くなってきています。セルフで行う場合も、台座がついていて火が肌に触れることはないので、安心してください。

お灸の効果が期待できる妊娠中の症状

お灸は妊婦さんにとって辛い症状を解消してくれる効果があります。妊娠中のトラブルはなかなか他の人にわかってもらうことが難しく、ひとりで抱え込んでしまう人もいますが、お灸の効果で改善できれば精神的にも楽になるでしょう。

つわり

妊娠初期の辛い症状と言えばやはり「つわり」です。つわりは、吐き気や嘔吐を始め、胃痛や頭痛、よだれが出てきたり、異常な眠気に襲われるなど、妊婦さんによって症状は様々です。

つわりのはっきりした原因は、実はよくわかっておらず、ホルモンバランスの影響というのが定説です。そのうえで、ストレスや自律神経の乱れなどはつわりをひどくする原因として考えられています。

お灸により、神経や消化器系などの内臓器官を回復させ、自律神経を整えることができれば、症状が軽くなる効果が期待できます。

つわりの原因は赤ちゃんを守るため?辛いときの乗り切り術
つわりの原因は赤ちゃんを守るため?辛いときの乗り切り術

内関(ないかん)

手首の近くにあるツボである「内関」は、内臓機能に関係しています。胃痛や吐き気、しゃっくり、乗り物酔いなど消化器系の症状に効果があるので、妊娠中以外でも食欲不振や腸の不調を改善するために使用されます。

内関

裏内庭(うらないてい)

裏内庭

足の裏、人差し指の下にある「裏内庭」は、腹痛や下痢、嘔吐に関係しています。つわりの症状として多く見られる吐き気に効果的です。

足三里(あしさんり)

足三里

膝の皿のななめ下側に位置するツボ「足三里」は、腹痛や下痢、嘔吐などの胃腸、また歯痛、足のしびれにも関係しています。松尾芭蕉がこのツボにお灸をしながら旅をし、「奥の細道」を記したことで有名です。

つわりにはツボが効く?辛い症状を改善する効果的な押し方
つわりにはツボが効く?辛い症状を改善する効果的な押し方

腰痛・臀部の痛み

妊娠中の腰痛は、お腹が大きくなることで腰に負担がかかることで引き起こりますが、生理時や妊娠時に分泌が盛んになる「リラキシン」というホルモンも原因となります。

リラキシンは産道を広げるために骨盤を広くしたり、関節や筋肉を緩める働きがあります。そのためにうまく体のバランスがとれなくなり、腰や臀部に痛みを生じさせます。

手の甲にある「腰腿点(ようたいてん)」や膝の下にある「足三里」をお灸で刺激することで症状が楽になります。

腰腿点

むくみ

むくみは血行が悪くなると引き起こされやすい症状なので、お灸でツボを温めると、血液の流れを改善でき、効果を実感しやすいでしょう。

「三陰交」「足三里」の他に、腰の辺りにある「腎癒(じんゆ)」というツボを温めると身体がポカポカしてきます。

腎癒

頭痛

妊娠が原因で頭痛に悩まされるようになるのはホルモンバランスの変化が原因です。普段から頭痛に悩まされている人は、妊娠中は薬を飲むことができず苦労するはず。お灸によって改善できれば、産後の母乳育児の際にも助かるでしょう。

頭痛に効果的なツボは多くありますが、妊婦さんが自分でもお灸をしやすいツボは手の甲にある「合谷(ごうこく)」と、足の甲にある「臨泣(りんきゅう)」です。
「臨泣」は押すと泣くほど痛いという意味があるので、自分でも発見しやすいツボです。

合谷 臨泣

便秘

妊婦さんの体内では子宮が大きくなるにつれて腸が圧迫されるので、便秘になりやすくなります。また妊娠すると分泌量が増える「プロゲステロン」というホルモンや、運動量が減ることも便秘の原因です。

便秘を解消するには「足三里」や背中の腰辺りにある「大腸兪(だいちょうゆ)」が効果的です。

大腸兪

足が攣る・こむらがえり

妊娠中期から後期にかけてよく見られるのが、ふくらはぎが攣る「こむらがえり」です。体重が増えることによってそれまでよりも足の負担が大きくなったり、下半身の血管が圧迫されて血流が悪くなったりなどの原因が考えられます。

こむらがえりに効果的なツボは「三陰交」「足三里」「至陰」です。足の疲れをとりたい時にも効果が期待できます。

微弱陣痛を予防する

いよいよ出産間近になり陣痛が始まったものの、なかなか子宮口が開かず、本格的な陣痛が始まらない場合を「微弱陣痛」と言います。あまり陣痛が長引くと、赤ちゃんと妊婦さんの体力が消耗されてしまい、陣痛促進剤の投与や帝王切開への切り替えが検討されます。

微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法
微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法

微弱陣痛時に「三陰交」にお灸をすると、子宮の収縮が促されるとも言われています。病院で陣痛の時にセルフでお灸をするのは難しいですが、助産院での出産の場合は、常勤している鍼灸師さんや鍼灸師の資格を持つ助産師さんが行ってくれることがあります。

逆子はお灸で治るって本当?

子宮の中で赤ちゃんの頭が上でお尻が下になっている状態を「逆子」と言います。分娩までに自然に治る場合も多いですが、治らない場合は帝王切開での出産になるのが一般的です。

自然分娩を望む妊婦さんにとっては、逆子はできるだけ直しておきたいもの。
逆子の原因は、骨盤や胎児の大きさ、羊水の量など色々ありますが、母体の冷えが影響するという説もあり、逆子直しのためのお灸も存在します。

逆子の原因とは?逆子になりやすい赤ちゃんと母体の特徴
逆子の原因とは?逆子になりやすい赤ちゃんと母体の特徴

お灸をする時期

逆子を治療するには、赤ちゃんがお腹の中で回転しやすい妊娠32週までが効果的です。妊婦さんの多くは妊娠28週~32週の間に受けるケースが多いです。

逆子に効果的なツボ

至陰(しいん)

冷えを取り除いて血行を良くする効果が高い「至陰」は、足の小指の外側にあります。足を温めることで全身がポカポカしてくるので、逆子以外に、血行不良や難産予防にも効果が期待できます。

至陰

三陰交(さんいんこう)

女性特有の婦人科系の症状に効果がある「三陰交」。先述した通り、安産のためのツボでもあります。

逆子直しのお灸は鍼灸院での指導を受けてから!

至陰や三陰交などのツボへのお灸は、セルフでも可能です。しかし、どちらも刺激の強いツボですから、必ず一度鍼灸院を受診し、正しいお灸の仕方を学んでから行うようにしましょう。

逆子をお灸や鍼で直す治療法
逆子をお灸や鍼で直す治療法

逆子を治すには何回くらいお灸をするの?

逆子治療に必要なお灸の回数は、お腹の中の赤ちゃんの状態や妊娠週などによって様々です。確実な回数は決まっていませんが、一般的に3~6回と言われています。
また逆子のお灸治療は最初が肝心なので、2日連続で治療をする場合もあります。

鍼灸院の探し方

妊娠経過が順調な妊婦さんなら、妊娠初期から鍼灸院で治療を受けることは可能です。ただし、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などと診断されている場合は、担当医の許可を受けてから施術を受けた方が良いでしょう。

できる限り経験豊富な鍼灸師さんに治療をしてもらった方が精神的にも安心できるので、地域の人に尋ねてみるのも良い方法です。妊娠前からお灸治療を受けている方は、妊娠したことを伝えた上で、施術を受けるようにしてください。

お灸治療を受ける場所

鍼灸院は全国各地にありますが、妊婦さんにおすすめなのは医療機関や助産院で行われている鍼灸治療です。

鍼やお灸は国家資格を持っている人ではないと施術できませんが、最近では鍼灸師が常勤している助産院や、助産師と鍼灸師の両方の資格を持つ妊婦ケアのスペシャリストがいる助産院などがあります。

母乳外来があり、産後ケアを大切に考えている助産院だと、産後も悩みを相談できるので安心です。

お灸にかかる費用はどれくらい?

鍼灸治療は保険が適応されない場合が多いです。自費治療の場合は、3,000円~5,000円が相場で、初診料が1,000円~2,000円かかります。

セルフケアでのお灸のやり方

お灸は自身で行うこともできます。大きなお腹で鍼灸院に出向くのは億劫ですし、鍼灸院での施術は費用がかかるので、自宅で手軽に出来るお灸をぜひ試してみてください。ただし、お灸を行っても良いかどうかを担当医に尋ねてからにしましょう。

また、ツボの位置が正確でなければせっかくのお灸の効果も半減してしまうので、最初は鍼灸院で施術してもらい、ツボの位置に印をつけてもらうのがおすすめです。

用意する物

・お灸  ドラッグストアで販売していますが、豊富な種類があります。シール貼りで時間がきたら勝手に火が消えるタイプやアロマの香り付き、火を使わないタイプなど、また煙が気になる方には煙の出ないタイプもおすすめです。
・チャッカマン、ライター(お灸に火を点ける)
・灰皿など(熱くなったお灸を置く物)
・ピンセット(熱くなったお灸を取り除く場合に使う)

やり方

1.お灸の台座のシールを剥がして、人差し指の先にお灸を乗せて火を点けます。
2.少し煙が出てきたらツボに貼りつけます。
3.しばらく経つとツボを置いた部分からじんわりと温かくなってきます。血行不良を改善しているサインです。
4.お灸を張った部分がピリピリしてくるので、お灸を取り除いてください。
5.灰皿などに水を入れて使用済みのお灸を浸けて、消化を確認してから捨てます。

妊婦さんに安全なお灸で体調不良を取り除く!

妊婦さんにとっては妊娠中の不快な症状を乗り越えるのも大変です。お灸には様々な効果がありますし、薬を飲まないという点でもおすすめです。

人生において貴重な時間であるマタニティ―ライフを十分に楽しむためにも、ぜひお灸でトラブルを解消しましょう!

おすすめコンテンツ