子宮口が開かないときの対処法

子宮口が開かない!陣痛後も全開にならないときの対処法

子宮口が開かないときの対処法を紹介。陣痛を起こしたり、出産をスムーズに進めるために子宮口の開きは重要ですが、初産ではなかなか開かないこともよくあります。陣痛開始からどのぐらいで子宮口全開になるのか、初産・経産婦さん、高齢出産の目安を解説。陣痛促進剤など、医学的措置もまとめました。

子宮口が開かない!陣痛後も全開にならないときの対処法

子宮口が開かないのはなぜ?

子宮口が10センチほどに開くと、子宮口は全開したと判断し、分娩台に上がっていよいよ出産となります。しかし、陣痛が始まっているのになかなか子宮口が開かず、出産が思うように進展しないこともあるのです。

子宮と膣をつなぐ部分を子宮頸管(しきゅうけいかん)と言い、子宮頸管の上部、子宮と接している方を「内子宮口」、子宮頸管の下部、膣と接している方を「外子宮口」と言います。

この子宮頸管が硬いときは、いつまでも内子宮口も外子宮口も閉じたままの状態となり、子宮口の開きが悪くなります。

通常、子宮口はどのくらいで開く?陣痛開始からの目安

陣痛が始まった妊婦さんの手を握る旦那さんと見守る女医

妊産婦が規則的な痛みを実感した段階で、「本陣痛」が始まったと判断します。ただし、本陣痛が始まった時点では、まだ子宮口は3センチほどしか開いていません。

初産婦は10~12時間

初産婦の場合、本陣痛が始まってから10~12時間ほどで子宮口が10センチほど開いて「子宮口が全開した」と判断されます。

子宮口が全開するといよいよ分娩台に上がって出産となりますが、初産婦の場合は子宮口全開から胎児が出てくるまでにさらに1時間~2時間ほどかかることもあります(注1)。

子宮口が開く時間は個人差が大きい

本陣痛が始まってから10~12時間後に子宮口全開、子宮口全開から1~2時間後に出産ですので、出産が完了するまでには11~14時間かかる計算になります(注2)。

とはいえ、誰もが同じような時間で子宮口が全開するわけでもありませんし、子宮口が全開してから赤ちゃんが産道を通りきるまでの時間にも個人差があります。

初産婦であっても本陣痛開始後、数時間で赤ちゃんが生まれることもあれば、反対に30時間ほどかかってしまうこともあるのです。

初産にかかった時間は長い?短い?先輩ママの出産体験談
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経産婦は4~6時間

病院の椅子に座って分娩の準備をしてる妊婦さん

初産婦と比べると経産婦は、本陣痛が始まってから子宮口が全開になる時間が短く、5~6時間で子宮口が10センチほどに開きます。また、子宮口が全開してから出産までの時間も初産婦と比べると短く、分娩台に上がってから30分~1時間ほどで赤ちゃんが産道を通り切ります(注3)。

前回のお産から長期間経過しているときは長丁場になることも

経産婦であっても前回の出産から10年以上の期間が経過しているときは、初産婦と同様、子宮口が全開するまでの時間も、子宮口が全開してから出産するまでの時間も長くなってしまうことがあります。

ただし、こちらも個人差があります。前回の出産から10年以上を経過していても子宮口がスムーズに開いてくれることもあります。

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高齢出産では子宮全開までの時間が長くなりやすい

お母さんの年齢が高い、いわゆる35歳以上での高齢出産の場合、妊娠中の合併症はもちろん、分娩時にも子宮口がなかなか開かなかったり(軟産道強靭症)、微弱陣痛などのリスクが高くなります。
そのため、出産までに時間がかかり、結果的に帝王切開になる可能性も高いことが知られています。

もちろん、個人差ありますので、35歳以上の初産でもスピード出産という方はいます。ただし、体調管理や出産のための体力作りには積極的に取り組んでおいた方が良いでしょう。

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子宮口が開かないときの対処法

出産は思い通りにいかないものですが、できれば陣痛の痛みに耐える時間は短くしたいのが本音。子宮口が開かない時に試したいことをまとめました。

まずはリラックス!

子宮口は筋肉でできています。筋肉は緊張すると硬くなり、リラックスしていると緩まるという特徴がありますので、陣痛が始まったら意識的にリラックスするように心がけて下さい。

適度な運動

妊娠してる奥さんの腰を支えてあげる旦那さん

陣痛が始まっても、陣痛の間隔が10分以下になる本陣痛が始まるまでには、まだまだ時間がかかります。不定期な痛みが訪れるようになったら、適度な運動をすることで股関節を柔らかくし、子宮口を開きやすくしてみましょう。

まだ動ける余裕があるうちは、脚を意識的に高く上げて歩いたり、あぐらの姿勢でストレッチをしたり、スクワットをしたりしてみてください。

転倒には気を付けて!

適度な運動で子宮口を開きやすくすることは意味のあることですが、激しい運動や転倒する恐れがある動きはなるべく避けて下さい。

すでに入院している場合は、医師の許可を得てから院内の手すりを持って脚を高く上げて歩いたり、待機部屋で手すりや椅子を持った姿勢でスクワットをしたりするなど、体が倒れてしまわないように常に配慮しましょう。

下半身を温める

運動ができなくても、下半身を温めることで子宮口を開きやすくできます。例えば、座っている状態のときに腰から下をブランケットで巻いたり、足湯をしたりすることもおすすめです。また、妊婦も飲むことができるルイボスティーなどの温かいハーブティを飲んで、身体の血行を良くしておきましょう。

ただし、足湯をするときは、なるべく加温式のフットバスを使ってください。加温式のフットバスがないときは、温かいお湯をこまめに注せる状態にしておきましょう。お湯が冷えてしまうと反対に身体を冷やし、筋肉を硬直させてしまうことにもなりかねません。

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子宮口が開かないときの病院での処置

本陣痛から出産までの時間があまりにも長くなってしまうと、お母さんの体力だけでなく赤ちゃんの健康も損なうリスクがあります。そこで、子宮口が開きにくいときは、子宮口をスムーズに開いて出産までの時間を短縮するため医学的な処置を行います(注4)。

陣痛促進剤の投与

点滴

陣痛の間隔が狭まっているのに子宮口が開かないとき、また、本陣痛が来たはずなのにいつの間にか陣痛が弱まってしまっているときは、「陣痛促進剤」を投与することがあります。

陣痛促進剤は、子宮を収縮させて陣痛を起こす作用を発揮しますので「子宮収縮剤」と呼ばれることや陣痛を誘発するという意味を込めて「陣痛誘発剤」と呼ばれることもあります。

ただし、陣痛促進剤を投与したからと言って、かならずしも陣痛が強くなり、子宮口がスムーズに開くと言うわけではありません。陣痛促進剤を投与しても思うような効果が得られないときは、緊急帝王切開などの別の方法に切り替えなくてはなりません。

陣痛促進剤を投与した場合の出産費用

本陣痛が始まってから陣痛が弱まったときなどの「微弱陣痛」時に陣痛促進剤が投与されるときは、陣痛促進剤の費用は健康保険の適用内となります。また、陣痛前に破水が起こった時なども、陣痛促進剤を投与することが医学的に必要だと診断された上での投与となりますので、陣痛促進剤の費用は健康保険適用内になります。

ただし、自然分娩を誘発する目的で陣痛促進剤を投与するときは、健康保険が適用されないこともあります。陣痛促進剤を投与するときは、かならず医師から説明を受けて同意書にサインをしますので、保険適用かどうかが気になる人はその時点で確認するようにしましょう。

なお、陣痛促進剤は、そのときの状態によって投与量が異なり、投与量によって費用も変わってきます。

バルーンの挿入・子宮頸管拡張剤の投与

子宮頸管が柔らかくなりにくいときは、バルーンや子宮頸管拡張剤を投与することがあります。一般的には子宮口が2~3センチほど開いてから投与します。バルーン自体が膨らむことで物理的に子宮口を開きますので、薬物を投与しないで子宮口を開きたい場合にはバルーンを使用することが多いです。

挿入後のバルーンの変化

バルーンを子宮内に挿入してから、バルーンを生理食塩水で膨らませ、子宮口を開いていきます。バルーンに押されるように子宮口が広げられると、自然な陣痛が始まり、バルーンも自然に子宮外に出て抜け落ちます。

バルーンを挿入するときの費用

バルーンによって子宮口を開いたり陣痛を誘発したりすることは、自然分娩の範囲内とされています。そのため、バルーンの費用は一般的な経膣分娩の費用と同じく、保険適用外になることが多いです。

ただし、お母さんの状態によって医学的に不可欠な処置だと判断されると保険適用になることもあります。

緊急帝王切開

奥さんと一緒に妊娠して大きくなったお腹を触ってる旦那さん

陣痛促進剤を投与したけれど効果が現れないとき、また、お母さんや赤ちゃんの状態からなるべく早急に出産する必要があるときは、緊急帝王切開を実施します。

特に、赤ちゃんが低酸素症に陥っているとき、赤ちゃんがまだ子宮内にいるのに臍帯が膣外に出てしまったとき、陣痛前に破水して羊水が出てしまったとき、出産が長時間進まないときは、赤ちゃんの健康を守るために迅速に帝王切開を行います。

緊急帝王切開が決定する状況とは?麻酔や切開方法の特徴
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全身麻酔の可能性

予定帝王切開のときは局所麻酔で実施することが多いのですが、早急に帝王切開をしなくてはならないときは、麻酔が早く効く全身麻酔で手術を行う可能性も少なくありません。

緊急帝王切開は保険適用内

緊急帝王切開は自然分娩ではありませんので、健康保険が適用されます。民間の医療保険の中には緊急帝王切開が保険金支給の対象となっているものもありますから、民間医療保険に加入している人は確認しておきましょう。

ただし、分娩費用や差額ベッド代などは保険が適用されず、実費が請求されます。

帝王切開にかかる費用と自己負担を減らす5つの制度
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子宮口が開かなくても対処法はある!

陣痛が始まったのに子宮口が開かないときは、このまま無事に出産できるのだろうかと不安になるものです。

しかし、軽い運動をしたり、下半身を温めたり、気持ちをリラックスさせることでも子宮口を開く手助けになります。陣痛促進剤やバルーンなどの医学的処置を行えば、子宮口を開かせて出産をスムーズに行うことも可能です。

過度に不安に思う必要はありませんので、安心して出産に臨んでください。

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