母性健康管理指導事項連絡カード

母性健康管理指導事項連絡カードとは?働く妊婦へのメリット

母性健康管理指導事項連絡カードは働く妊婦さんの味方です。つわりが辛い、満員電車での通勤で気分が悪いなどの悩みを抱えていませんか?母性健康管理指導事項連絡カードがあれば、時差出勤ができたり、休憩などの措置を講じてもらえることがあります。使用方法やかかる費用を知っておきましょう。

母性健康管理指導事項連絡カードとは?働く妊婦へのメリット

母性健康管理指導事項連絡カードとは?

母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)は、妊婦さんが病院から生活面や勤務内容等について指導があった場合、その内容を正確に事業主に伝えるためのカードです。提出すれば、診断書と同じ扱いになります。

男女雇用機会均等法第13条により、母性健康管理指導事項連絡カードの提出があった場合、事業主は、その内容に応じて適切な措置をとる義務が存在します。

母性健康管理指導事項連絡カードは、妊婦さんにとって非常に役に立つものですが、残念ながら広く浸透しているとはいえません。カードの提出は、法律で守られた女性従業員の権利ですので、有効に活用していきましょう。

派遣社員やパートも母性健康管理指導事項連絡カードを使える?

スーパーで働いているパートの女性

母性健康管理指導事項連絡カードは、雇用形態にかかわらず使用できますので、派遣社員やパート勤務の方でも母性健康管理指導事項連絡カードを使うことができます。

派遣社員については、派遣会社・派遣先の企業ともに母性健康管理指導事項連絡カードの使用による措置を講じる義務があります。

ただ、パート勤務の場合、勤務日数や勤務時間の増減がそのままお給料に影響しますので、母性健康管理指導事項連絡カードを使用して休業したり、勤務時間を短くしたりした場合、お給料が少なくなることだけは、頭に入れておきましょう。

母性健康管理指導事項連絡カード使用の流れ

母性健康管理指導事項連絡カードは、妊婦さん自分自身で準備して勤務先に提出する必要があります。

  • 妊婦健診を受診し、主治医より指導を受ける
  • 母健連絡カードのダウンロード

または母子健康手帳に添付されたものを利用

  • 主治医に母健連絡カードの記入を依頼する
  • 医師より母健連絡カードを受け取り、妊婦さん自身が署名捺印する
  • 母健連絡カードを勤務先に提出する
  • 勤務先が母健連絡カードの内容に従い、必要な処置を講じる

母健連絡カードの使用での代表的な措置

  • 休業
  • 時差通勤(出勤時間を遅らせることで満員電車を回避する)
  • 時短勤務
  • 休憩を長く取る・間隔を短くする
  • 妊婦にとって危険を伴う業務から外す

母性健康管理指導事項連絡カードで得られるメリット

病院で母性健康管理指導事項連絡カードの説明を受けている妊婦さんのイラスト

元気な赤ちゃんを産むためには、妊婦さん自身が健康に過ごすことが大切です。仕事をしている妊婦さんが、自分の体を守るために母性健康管理指導事項連絡カードを使用することは、メリットが多くあります。

勤務先に自身の体調を正確に伝えられる

母性健康管理指導事項連絡カードを使用することで、妊婦さんの健康状態を勤務先に正確に伝えられます。

例えば多くの妊婦さんが苦しむつわりの苦しさは、妊娠して実際につわりになった人にしかわかりません。経験のない方の中には、「サボっているのでは?」と疑念を抱く人もいるほどです。

母性健康管理指導事項連絡カードを提出することで、職場の上司や同僚に妊婦さんがどのような健康状態にあるかということを理解してもらいやすくなるでしょう。

休憩や時差通勤などの措置を講じてもらいやすい

母性健康管理指導事項連絡カードを勤務先に提出することで、勤務時間短縮・休憩・時差通勤・休業などの措置をスムーズに講じてもらいやすくなります。

職場の環境によっては、妊婦さんが主治医から短時間勤務や休憩を多く取るように指示をされても、職場に伝えにくいということもあります。母性健康管理指導事項連絡カードは、妊婦さんが職場に自分の状況を伝えて、措置を講じてもらう時の強い味方となります。

妊娠中~産後にかけて何度でも利用可能

母性健康管理指導事項連絡カードの使用は、1回に限定されたものではありません。妊娠中・産後、何度も利用することができます。

妊娠中は、つわりや妊娠高血圧症候群など様々な症状に悩まされる可能性があり、それぞれの症状が現われる時期も様々です。母性健康管理指導事項連絡カードは、医師の指導がある場合は何度も使用できます。

母性健康管理指導事項連絡カードの使用による措置は、妊婦さんにとって法律で守られた権利ですので、無理して体調を悪化することのないように、必要に応じて都度利用してください。

母性健康管理指導事項連絡カードの発行場所

腰を触って辛そうにしてるパソコンを使って仕事をしてる妊婦さん

母性健康管理指導事項連絡カードは、書類を妊婦さん自身で用意して、かかりつけの産婦人科医に必要事項を記入してもらう必要があります。

発行場所

母性健康管理指導事項連絡カードは、厚生労働省のサイトからダウンロードしてプリントアウトして使用することができます。Word・PDFファイルどちらの形式でもダウンロードすることができますので、利用しやすい形式でダウンロードして利用してください。

また、自治体によっては母子手帳の付属資料として母健連絡カードが添付されている場合もありますので、まず母子手帳を確認してみるとよいでしょう。

もし、母子手帳に添付されておらず、インターネット経由で上手く印刷できなかった場合には、お住まいの自治体の担当窓口に問い合わせてみてください。

記入例

母性健康管理指導事項連絡カードには、妊娠による様々な症状と標準措置が記載されており、該当する項目に医師が〇印をつけるようになっています。

また、母性健康管理指導事項連絡カードには、措置がどの程度の期間(1週間など)必要かも記入する欄があります。

母性健康管理指導事項連絡カードに記載されている症状と標準措置の一例をご紹介しておきます。

母健連絡カードに記載されている症状と標準措置

  • つわり(症状が著しい場合)・・・勤務時間の短縮
  • 妊娠貧血(Hb9g/dl以上11g/dl未満)・・・負担の大きい作業の制限・勤務時間の短縮
  • 妊娠貧血(Hb9g/dl未満)・・・休業(自宅療養)
  • 切迫流産・切迫早産・・・休業(自宅療養または入院)
  • 妊娠高血圧症候群(軽症)・・・負担の大きい作業・ストレス・緊張を多く感じる作業の制限または勤務時間の短縮
  • 妊娠高血圧症候群(重症)・・・休業(入院)

母性健康管理指導事項連絡カードには、標準措置と異なる措置が必要となる場合に医師がその内容について記入する項目もあります。

また、その他指導項目として通勤緩和の措置や休憩に関する措置が必要な場合も、〇印を付ける欄があります。妊婦さんが満員電車で通勤するのは大変ですので、出勤時間を遅らせて座って通勤できるような措置をとってもらえると体への負担が随分少なくなります。また、立ち仕事が多い妊婦さんは、休憩時間がこまめにあると体がかなり楽になるでしょう。

母性健康管理指導事項連絡カードは、記入者である医師の署名捺印とともに、措置申請者として妊婦さん本人の署名捺印も必要です。

母性健康管理指導事項連絡カード発行は費用がかかるの?

母性健康管理指導事項連絡カードの作成費用は、病院により異なります。カードの作成を依頼する時に、費用について確認しておくと良いでしょう。一般的に、2,000~3,000円くらいの費用がかかる場合が多くなっています。

また、母性健康管理指導事項連絡カードは、診察時にその場で書いてもらえる病院がほとんどですが、中には作成に数日かかる病院もあります。

母性健康管理指導事項連絡カードは産後も活用できる

赤ちゃんを連れて産婦人科で医者に相談してる母親のイラスト

母性健康管理指導事項連絡カードは、妊娠中だけでなく、出産後も使用することができます。母性健康管理指導事項連絡カードの症状の項目にも、「産後の回復不全」という欄があります。

産後の無理は禁物!

出産後8週間は、事業主は女性を就労させてはならないと労働基準法により定められています。ただ、産後6週間を経過した場合は、本人の希望があり、医師が就労可能と判断した場合には、仕事に復帰することができます。

産休からそのまま育休を取得する場合は、職場復帰は産後1年ほど経過しているケースが多いですが、産休だけで職場復帰する方や短期間しか育休を取得しない方は、産後の体が回復しきらないまま職場復帰することになります。

産後無理をして体に負担をかけすぎないためにも、母性健康管理指導事項連絡カードを有効に活用してください。

産後にとられる措置

母性健康管理指導事項連絡カードに記載されている産後の標準措置は以下の通りになります。

  • 産後の回復不全(軽症)・・・負担の大きい作業の制限又は勤務時間の短縮
  • 産後の回復不全(重症)・・・休業(自宅療養)

もちろん、本人の状況によっては追加の措置が講じられることもありますので、産後の回復状態がよくない場合には、産後1ヶ月健診時や任意でも受診時などに、医師に相談するようにしてください。

母性健康管理指導事項連絡カード使用による休業と疾病手当金

母性健康管理指導事項連絡カードを利用して、切迫早産や切迫流産などの症状により休業する場合もあるでしょう。切迫流産・切迫早産・妊娠悪阻などで休業した場合、加入している健康保険から疾病手当金が支給されます。

疾病手当金の給付額は、1日あたり標準日額報酬の3分の2となっています。疾病手当金を健康保険組合に申請するためには、母性健康管理指導事項連絡カードではなく別の申請書類が必要となりますので、加入先の健康保険組合に問い合わせをしてください。申請から支給までは、時間がかかる場合もあります。

母性健康管理指導事項連絡カードで働きやすく!

パソコンを使ってる笑顔の妊婦さん

母性健康管理指導事項連絡カードは、妊婦が仕事を続ける上で非常に重要なツールです。WEB上から簡単にダウンロードできますし、妊婦さん自身が記入すべき欄は少なく、主治医にお任せできます。有効に活用していきましょう。

お仕事をしている妊婦さんは、どうしても心身に負担をかけてしまいます。しかし、1番大切なのは、ご自身と赤ちゃんの健康ですから、無理をしないようにしてください。

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