赤ちゃんの寝相は悪いもの
赤ちゃんの寝相が悪いと、ママやパパは夜中に布団をかけなおしたり、布団から落ちるのではと心配して寝かせる場所を動かしたりすることも多いでしょう。いくら小さくて動きやすいからといっても、本当に赤ちゃんは驚くほどに寝相が悪いものです。赤ちゃんが寝ながらに動き回るのは自然なことですが、布団をかぶらずに寝冷えしないか、床に寝て体が痛くならないかとパパやママは心配になります。
赤ちゃんの寝相が悪い原因と、寝冷えや事故を防ぐ対処法をご紹介します。
寝相の悪さは赤ちゃんの成長の証。赤ちゃんの寝相にまつわる笑えるエピソードも紹介しますので、しっかり対策して、おおらかな気持ちで見守ってあげてください!
赤ちゃんの寝相は仰向けが基本
仰向けや横向き、うつぶせなど、寝相にはさまざまな型がありますが、その人の癖や性格、生活環境により、現れ方が異なります。寝相にはそれぞれに長所・短所があることから、この寝相が正しい
とはいいきれませんが、一般的には、背中が自然にS字を描く、まっすぐな仰向けの姿勢が、体の重さが分散される理想的な寝相といわれています。
赤ちゃんの寝相が悪いのは良くないことではない
睡眠中は大人でも20~30回の寝返りを繰り返し、体の一部に負荷がかからないようにしています。そのため、赤ちゃんが同じように寝返りをするのはごく自然なこと。ダイナミックに動き回ると心配なこともありますが、自由に体が動かせるほど成長したということです。
逆に、寝返りやハイハイができるようになったにも関わらず、寝相が良すぎる、ずっと同じ姿勢で寝ているという場合は、脳や神経に問題のあるケースもあります。寝相だけでは判断できませんが、他にも発達面で気になることがある場合は小児科に相談してみましょう。
赤ちゃんの寝相でよく見られるのは「大の字」「バンザイ」
赤ちゃんの寝相でよく見られるのが、大の字やバンザイの姿勢です。腕をバンザイに、足をガニ股にした姿は赤ちゃん特有ですが、リラックスしている時に見られる自然な姿勢。体温調整機能が未熟な赤ちゃんは、バンザイや大の字になって体から熱を逃がしています。
土下座をするように手足を曲げたうつぶせ寝を好む赤ちゃんもいますが、それは、お腹の中にいた時と同じような姿勢になるためです。
赤ちゃんの寝相の悪さはいつからいつまで?
私も子供の頃は寝相が悪かった…というパパママがいるように、寝相の悪さは年齢と共に改善されていきます。赤ちゃんが寝返りを始めるのは5~6ヶ月頃。寝返りを覚えると、徐々に寝相が悪くなっていき、ハイハイをするようになると、動きも大きくなっていきます。
寝相の悪さがいつまで続くかには個人差がありますが、おおむね小学生から中学生頃まで続くと思っていていいでしょう。
寝相が悪いからといって、寝返りがしずらい状態にしたり、矯正をする必要はありません。横向きや大の字、バンザイといったダイナミックな寝相を利用した「寝相アート」というかたちで、今しかない姿を思い出に残すのもおすすめです。
寝相が悪すぎる赤ちゃんの仰天エピソード
まさか『正座』で眠れるとは…
あか(35歳)
長男が8ヶ月のときに、朝起きると、寝室の端っこで正座をして壁にもたれて寝ていました。長男の名前を呼んでも目を覚まさず、熟睡していて、まるで説教をされ反省しているかのようでした。
それまでも寝返りをしながら部屋の隅から隅へ移動したりする子でしたが、まさか座ったまま眠れるとは驚きました。
なにに謝っているのだろう
湊海(30代後半)
息子は寝返りができるようになった6ヶ月頃から寝相が悪く、気がつくと布団から落ちていることがよくありました。
寝姿もちょっと変わっていて、うつ伏せ寝だけでは飽き足らず、膝を曲げて土下座スタイルで寝ていることがよくありました。こんな状態で熟睡できる息子に感心します。
現在3歳ですが、相変わらず奇妙な寝姿で、土下座スタイルも健在です。絵本を両手で広げて持ったまま寝ていた時には、「うそやん!」と思わずつっこんでしまいました。
一人でくるくる回っています
きりん(30代後半)
10~11ヶ月の時は特に寝相が悪かったです。頭を一緒の方向にして寝ていたつもりが、夜泣きで起きたると、頭が反対方向になっています。ちょうど私の足の位置に頭があるのです。
授乳が終わってまた頭を同じ向きにしても、次の授乳の時にはまた反対方向を向いていて、:この子は一体どんな動きをして真反対のところに移動しているんだ」と不思議だったものです。一晩に時計回り1周以上まわっていたこともあります。
赤ちゃんの寝相で「うつぶせ寝」は注意が必要
うつぶせという姿勢そのものは、寝返りからハイハイへ移行する成長の過程で必要な姿勢であるため、悪いことではありません。
しかし、うつぶせのまま赤ちゃんんを寝かせるのは注意が必要です。特に、うつぶせから仰向けに戻る「寝返り返り」ができない月齢の低い赤ちゃんは、うつぶせの状態で鼻や口が塞がれてしまうことがあります。また、乳幼児突然死症候群といった病気の心配もあります。
厚生労働省でも、うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息のリスクが高まることから、1歳になるまでは仰向けに寝かせるよう呼びかけています(注1)。赤ちゃんのうつぶせ寝に気が付いたときは、仰向けに戻してあげましょう。
先輩ママの赤ちゃんのうつぶせ寝対策
1歳ぐらいまではやはり心配でした
佐藤かなえ(29歳)
長男は、お腹に布団がくっつき安心するようでうつ伏せ寝が好きでしたが、やはり夜はうつ伏せ寝は心配だったので、なるべく長男がうつ伏せにならないようにタオルで長男が動かないように壁をつくっていました。
新生児のときは、うつ伏せ寝をしているときに呼吸が乱れたらアラームが鳴る機械をベッドに取り付けていました。今は長男は4歳になりましたが、やはりうつ伏せ寝が好きで、夜はうつ伏せで寝ています。
自然にうつ伏せ寝はやめてくれた
斎藤優香(29歳)
ちょっと家事をするにも目を離している内にうつ伏せになるのでチェックが大変でした。
うつ伏せ寝の時には、両脇にバスタオルを巻いて置いて転がらないようにしましたが、あまり効果がなかったので、せめて顔をふさがないように頭を横に向けるようにしていました。そうしたら、そのうち自然にその姿勢は身につきました。
完璧な対策は無理だけど
大川かの(35歳)
赤ちゃんがうつぶせ寝をしている時に気を付けたことは、気づいた時にうつぶせ寝をやめさせて仰向けにさせるということです。仰向けにさせようとした段階で起こしてしまって、おぎゃーとなることが何度もありました。しかし、やはり気になるので、見つけたときは、直すようにしていました。
赤ちゃんの寝相が悪い原因は?
自然に寝返りをしているといっても、コロコロと激しく動き回る赤ちゃんは、特に寝相が悪いもの。それには、赤ちゃんならではの理由があります。
大人と赤ちゃんでは睡眠の質が違うから
人の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠は、浅い眠りで脳が動いている状態。ノンレム睡眠は逆に、深い眠りで脳が休んでいる状態です。
成人は、総睡眠時間のうち80%がノンレム睡眠。それに対し、新生児は50%程度しかノンレム睡眠状態にありません。つまり、赤ちゃんは熟睡している時間が短く、熟睡できない時間に、赤ちゃんは体を動かして疲れや緊張をほぐしているのです。
赤ちゃんの体温は高め!暑がっているのかも
平熱が37度前後と、大人よりも体温の高い赤ちゃんはとっても暑がり。大人でも暑さで寝苦しくなるように、赤ちゃんも暑いと寝相が悪くなります。
特に睡眠中は、脳や体を休めるために深部体温を下げようと、毛細血管を通じて熱を放出します。そのため、体の表面や手足が温かくなるのです。
眠りはじめはよくても、だんたんと体温が上昇し、暑くなると赤ちゃんは布団を蹴飛ばしたり、動き回ります。服を着せすぎていないか、靴下やミトンで手足から熱を逃がすのを妨げていないか、室温は高すぎないか、赤ちゃんにとって快適な環境を整えてあげましょう。
赤ちゃんの寝相の悪さに!寝冷えや事故対策
赤ちゃんの寝相が悪いのは自然なことですが、寝冷えや、就寝中の事故から赤ちゃんを守る必要があります。パパママが安心して眠るためにも、寝相の悪い赤ちゃんを守る対策をご紹介します。
危険なものを近くに置かない
まず、赤ちゃんが動き回っても危険のない環境を整えてあげましょう。
壁や棚にぶつかって倒れてくるものは落ちるものはありませんか?
テーブルや壁の角に頭をぶつけて怪我をしないよう、クッションをはさんだり緩衝材を利用しましょう。
伸びたコードに赤ちゃんの手足が絡まり、思わぬ事故につながることもあります。特に、扇風機やヒーターなどのコンセントやコードには十分な注意が必要です。
また、思うように体を動かすことのできない低月齢の赤ちゃんは、フカフカした毛布などに顔が埋まると、呼吸を妨げる危険があります。特に冬場は、近くにあるパパママの布団が危険なものになることも意識しておきましょう。
高いところに寝かせない
大人用のベッドやソファーなど、短時間であっても、高い場所に赤ちゃんを寝かせるのは危険です。ベビーベッドで寝かせる時には、必ず柵を閉めるようにしましょう。
ベビーベッドで寝ている赤ちゃんが、柵に頭をぶつけて起きる時は、専用のベッドガードを付けると安心ですが、寝相の悪さが目立ってきたら、ベビーベッドをやめて布団に切り替えるのも1つの手です。
布団をかけすぎない
暑がりな赤ちゃんの服は、大人よりも一枚少なめに着せることが推奨されています。室温や服装に気を配るのはもちろん、布団のかけすぎにも注意が必要です。大人と同じ枚数の服を着せ、布団は枚数を減らす、薄いものにするなどして調整しましょう。
布団から手足を出してあげる
体温調整機能が未熟な赤ちゃんは、手足から熱を放出して体温を調整しています。手足が冷たいと心配になりますが、お腹や背中が温かければ大丈夫。靴下や手袋を付ける必要はありません。
特に夏場は、お腹周りにだけ布団をかけ、手足は出してあげましょう。腹巻でお腹を温め、寝冷えを予防するという方法もあります。
寝冷えはスリーパーやパジャマで予防
布団をかけてもすぐに剥いでしまうという赤ちゃんには、スリーパーを着せてあげましょう。素材や袖の長さは、季節に合ったものを選ぶようにします。パジャマを厚手にして調整することもできます。
ただし、寝冷えを心配するあまり服を着せすぎるのは良くありません。汗が冷えて体調を崩すこともあります。背中にタオルや汗取りパッドをはさむなど、汗対策もしておきましょう。
赤ちゃんの寝相が悪いのは成長の証
赤ちゃんが寝ている間にあっちを向いたりこっちを向いたりくるくる回っていたりするのは、成長している証拠と言えます。寝冷えと事故にさえ気を付けていれば、寝相が悪すぎると深く心配する必要はないでしょう。
参考文献